日本血管外科学会雑誌
検索
OR
閲覧
検索
22 巻 , 1 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
巻頭言
原著
  • 古川 博史
    22 巻 (2013) 1 号 p. 1-6
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:上腕レベル尺側皮静脈転位(basilic vein transposition; BVT)によるバスキュラーアクセス(VA)の経験と早期成績ついて報告する.症例は2007年10月~2011年2月に上腕レベルBVTによるVAを作成した27例(46~91歳,平均72歳,男:女=8 : 19)を対象とした.初回手術例3例,再手術例24例で,BVT選択理由は前腕表在静脈不良:17例,VA感染:5例,その他:5例であった.BVTは全例上腕動脈をinflowとし,尺側皮静脈を上腕レベルで上腕前面へ一期的転位表在化し作成した.27例中24例(88.9%)で使用可能であった.術後6カ月の生存率は80.9%,術後1年の生存率は76.7%であった.術後1年以内のinterventionあるいは外科的血栓除去術を24例中4例(16.7%)に行った.1例で術後約4カ月目に透析アクセス関連盗血症候群を認め,外科的シャント静脈縫合縫縮にて血流調整を行った.術後6カ月のprimary patency(PP)78.9%,assisted primary patency(APP)90.0%,術後1年のPP 70.0%,APP 85.0%であった.前腕VA作成困難症例や人工血管シャント感染症例に対して,BVTによるVAは早期から十分な血流が確保できる有効なVAであると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 古谷 光久, 青木 淳, 末澤 孝徳, 山本 修, 櫻井 淳
    22 巻 (2013) 1 号 p. 7-11
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】腹部ステントグラフト内挿術(EVAR)は低侵襲であり,高リスクの患者にも施行可能と考えられる.当院でのEVAR導入前後の患者背景について検討した.【方法】2000年1月~2010年12月に当院で経験した腹部大動脈瘤328例中,待機手術症例293例をEVAR導入前(pre群180名)と導入後(post群113名)に分け,年齢,冠疾患,脳梗塞の有無,杖歩行以下のADLの低下など背景因子を比較した.Post群を開腹症例(post-open群32名)とEVAR症例(EVAR群81名)に分け,同様に比較した.破裂症例は35例であり,EVAR導入前後での症例数変化を検討した.【結果】Pre,post群間では,年齢には差がなく,冠疾患(28.3%,43.4%),脳梗塞の既往(9.4%,21.2%),ADLの低下(1.1%,14.2%)はpost群に多かった(いずれもp<0.05).Post-open,EVAR群間では,冠疾患,脳梗塞の既往には差はないが,年齢(69.2歳,76.2歳,p=0.005),ADL低下(0%,19.8%,p<0.0001)に有意差を認めた.術後死亡率は三群間で差を認めず,術後入院日数はEVAR群(10.6日)がpre群(20.4日),post-open群(18.1日)より有意に短かった(いずれもp<0.001).破裂症例の割合は,導入前12%,導入後8%と,減少傾向はあるが有意差はなかった.【結論】EVAR導入後は高リスク症例が増加したが,死亡率は増加しなかった.EVARの普及により,将来破裂症例が減少することが期待される.
    抄録全体を表示
  • 横川 雅康, 辻本 優
    22 巻 (2013) 1 号 p. 13-16
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】自家動静脈を用いたarteriovenous fistula(AVF)の感染は比較的稀な合併症である.通常抗生剤治療によく反応するが,破裂や出血をきたした場合は緊急手術を必要とする,これまでにAVF感染から破裂をきたした症例を6例経験したので報告する.【対象と方法】全例女性で,平均年齢は70.5歳であった.5例が開放性出血であり,他の1例は感染性仮性動脈瘤を形成していた.【結果】AVF造設から感染・破裂までの期間は,平均25.0カ月であり,2例は造設後2カ月以内の早期発症であった.全例緊急手術を行い,開放出血の症例ではターニケットで出血をコントロールしつつ手術室に搬送した.流出静脈やシャント静脈に破裂をきたした4例では感染部位の切除とシャント閉鎖を行った.うち2例は一期的に手術創を閉鎖したが,他の2例は開放創とした.吻合部周辺から出血した2例中1例でAVFの温存を試みたが,最終的にシャント閉鎖が必要であった.他の1例ではシャント閉鎖とさらに橈骨動脈の結紮を余儀なくされた.動脈の結紮を必要としたのはこの症例のみであった.5例でMRSAが検出された.6例中4例は救命可能であったが,一期的創閉鎖を行った2例のうち1例が敗血症のため死亡した.また1例が術後透析困難となり死亡した.【結論】AVF感染ではS. aureusが起炎菌となることが多かった.治療に際しては,出血のコントロールが重要であり,一期的閉鎖は敗血症に進展する危険があることから,原則として創の開放が必要であると考えられた.適切な抗生剤の選択や手術術式を含め迅速な治療計画を立てることが重要であると考えられた.
    抄録全体を表示
症例
  • 木村 英二, 向井 資正, 山川 智之
    22 巻 (2013) 1 号 p. 17-20
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:糖尿病性末期腎不全に合併した慢性重症虚血肢にバイパス手術を行ったが症状,経皮酸素分圧が改善しなかったために追加バイパス手術を行ったところ良好な結果を2例にて経験したので報告する.症例1は64歳男性.踵の壊疽のため受診したが,前脛骨動脈,後脛骨動脈が閉塞,足関節末梢は造影されなかった.膝窩動脈-足底動脈バイパス術後も壊疽が拡大したが,足背動脈分枝へのバイパス追加により治癒した.症例2は72歳男性.母趾の疼痛,潰瘍があり下腿3分枝の閉塞を認めた.膝窩動脈-足底動脈バイパス術では改善しなかったが,足背動脈へのバイパス追加により改善した.足関節末梢の動脈閉塞が高度な症例に対する下肢末梢動脈バイパスの術後虚血の残存時においては,末梢側吻合の複数化は虚血をより軽減させる可能性がある.
    抄録全体を表示
  • 三島 秀樹, 片山 康, 石川 進, 黒木 識敬, 林 瑞成, 梅北 信孝
    22 巻 (2013) 1 号 p. 21-24
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は30歳,女性,妊娠30週.歩行中に突然の呼吸困難,胸痛が出現した.当院救命センターに緊急入院し,急性大動脈解離と診断された.母親がMarfan症候群の診断を受け,大動脈解離で死亡しており遺伝的素因から本症例もMarfan症候群が疑われた.入院時に心不全を伴う大動脈弁閉鎖不全があり,可及的早期の心大血管修復が必要と考えられた.しかし,人工心肺時のへパリン投与による子宮・胎盤剝離面からの大量出血の危険性を考慮して,緊急で帝王切開・子宮全摘術を施行した.翌日に,上行大動脈人工血管置換術を2期的に施行した.母子ともに術後経過は良好であった.
    抄録全体を表示
  • 仲澤 順二, 川原田 修義, 伊藤 寿朗, 前田 俊之, 栗本 義彦, 樋上 哲哉
    22 巻 (2013) 1 号 p. 25-28
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は48歳女性.1年前に右乳癌で乳房温存手術を受けており,そのフォロー中のCTにて右鎖骨下動脈瘤を指摘され当科紹介となった.乳癌は乳房温存手術とセンチネルリンパ節廓清で治療され,中心静脈穿刺の既往はない.造影CT上,鎖骨下動脈瘤は20×17 mmの大きさであり鎖骨より頭側に位置する胸腔外型であった.手術は全身麻酔下に仰臥位,鎖骨上アプローチで行い,右鎖骨上窩に5 cmの皮切を置いた.胸鎖乳突筋,内頸静脈,横隔神経を剝離し,鎖骨下動脈と動脈瘤を確認した.ヘパリン投与後,鎖骨下動脈瘤の中枢と末梢を遮断し瘤を切除した. 剝離により十分な長さが得られたため鎖骨下動脈は人工血管を使用せず端々吻合で再建した.合併症もなく術後経過は良好であった.鎖骨上アプローチのみで手術可能であった胸腔外型右鎖骨下動脈瘤を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
    抄録全体を表示
  • 岡田 泰司, 洞井 和彦, 飯井 克明, 河野 智
    22 巻 (2013) 1 号 p. 29-32
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:感染性腹部大動脈瘤は稀な疾患であり,診断,術式,抗生剤投与を含めた周術期管理に関して議論の余地がある.今回われわれが経験した症例は糖尿病,狭心症等の既往のある67歳男性の感染性左総腸骨動脈仮性瘤であった.左大腿部膿瘍を機に長期入院加療を受けていたが改善せず,血管造影,CT等の精査を施行した.その結果,巨大な左総腸骨動脈瘤を認めたため緊急手術を行った.手術は全身麻酔下に左総腸骨動脈瘤の切除,感染組織の掻爬と洗浄を行い,血行再建はin situで,リファンピシン含浸人工血管を使用して行った.また大網充填も,人工血管を周囲組織と隔絶するように併せて行った.術後1カ月抗生剤静脈内投与のあと感染兆候,炎症所見が陰性化したことを確かめ退院となった.現在術後1年になるが経過は良好である.
    抄録全体を表示
  • 川尻 英長, 高 英成, 吉良 浩勝, 増田 憲保, 山﨑 琢磨
    22 巻 (2013) 1 号 p. 33-36
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:鈍的外傷による胸部大動脈損傷は受傷直後より多くが死に至る重篤な疾患であり,その救命にあたっては多臓器損傷の管理を含めた治療戦略が必要である.今回,われわれは上行大動脈に限局する解離像を呈した上行大動脈損傷に対し,準緊急的手術で救命した1例を経験したので報告する.症例は76歳男性で自動車運転中の衝突事故により前胸部を強打し上行大動脈損傷を発症.来院時の意識レベル低下および多発肋骨骨折,脾損傷を認めていたことから超急性期の手術を避け,受傷後16時間後に頭部および腹腔内の重篤な臓器出血がないことを確認し,受傷後20時間で手術の方針となった.手術ではST junctionの直上の右側壁に内膜断裂像を認め,同部位を除外するように上行部分弓部大動脈人工血管置換術を施行した.術後合併症もなく良好な経過を得た.
    抄録全体を表示
  • 初音 俊樹, 森 義雄, 河合 憲一, 滝谷 博志
    22 巻 (2013) 1 号 p. 37-39
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:膝窩動脈外膜嚢腫は稀な疾患であり,その成因は正確には解明されていない.外傷の関与が示唆された外膜嚢腫の1症例を経験した.症例は53歳,男性.仕事中に突然の右下肢脱力感,疼痛が出現した.症状が軽快せず,発症4日目に近医を受診し,右下肢のankle brachial pressure index(ABI)の低下,皮膚温の低下を認めた.動脈閉塞の疑いで当院に紹介された.造影CT検査にて右膝窩動脈の3 cm長の閉塞を認めた.待機手術予定となったが,次第に自覚症状は消失した.Magnetic resonance imaging(MRI)で膝窩動脈外膜嚢腫と診断した.手術は,外膜嚢腫を含め膝窩動脈を切除し,大伏在静脈にて置換した.術後,下肢症状は認めず,ABIは改善した.病理組織診にて,弾性版の断裂像を認め,外膜嚢腫の成因として,外傷の関与が示唆された.
    抄録全体を表示
  • 三岡 博, 新谷 恒弘, 齋藤 孝晶, 乗松 東吾, 東 茂樹
    22 巻 (2013) 1 号 p. 41-43
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:頸動脈血栓内膜切除術術中に高位残存狭窄を血管造影で確認し,経頸動脈アクセスでの頸動脈ステント留置術を施行した.塞栓予防には間歇的動脈血吸引法とfiler deviceを使用した.modified Rankin scoreは入院時には4点であったが0点に回復し,術後10日で退院した.
    抄録全体を表示
  • 坂口 健, 和田 朋之, 本郷 哲央, 首藤 利英子, 宮本 伸二, 森 宣
    22 巻 (2013) 1 号 p. 45-48
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は77歳男性で,腎動脈下腹部大動脈に55 mm大のAAAを認めた.陳旧性心筋梗塞,重度糖尿病,診断未確定胸膜腫瘤を合併していた.全身麻酔下にまず仰臥位にて大腿動脈経由にEVAR(Gore Excluder®)を行い,次に右側臥位として胸腔鏡下胸膜生検を行った.EVARに際して手技上困難な点はなく,全手技を通じて血圧低下などの循環動態不安定な時期はなかった.ICUに入室後抜管し,直後より対麻痺を認めた.緊急髄液ドレナージ,ステロイドパルス,昇圧などを行ったが改善は得られなかった.術後CTでは大動脈解離の所見はなく,endoleakは認めなかった.また,右腎上極および下極外側に梗塞を認めた.術後のMRIではTh12レベル以下の脊髄円錐の腫大,脊髄内の異常信号上昇があり,脊髄梗塞の所見であった.胸膜腫瘤の病理組織診断は肺大細胞癌の胸膜播種であった.
    抄録全体を表示
  • 田邉 佐和香, 腰地 孝昭, 山田 就久, 高森 督, 川村 祐子
    22 巻 (2013) 1 号 p. 49-52
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例1は73歳女性.呼吸困難と乏尿を主訴とし,胸腹部造影CTでは両側胸水と心嚢水,腹腔動脈レベルでの大動脈閉塞を認め,同部位に高度石灰化病変を認めた.非解剖学的バイパス術(右腋窩-右外腸骨動脈バイパス術)を施行し心不全,腎不全は劇的に改善したが,間歇性跛行が残存し二期的に左側のバイパス術を追加した.症例2は73歳女性.間歇性跛行を主訴とし,造影CTにて下腸間膜動脈直下で腹部大動脈が完全閉塞,同部位に高度石灰化病変を認めた.右腋窩-両側大腿動脈バイパス術を行って間歇性跛行は消失した.Coral reef aortaの治療には内膜摘除や分枝再建による根治術,非解剖学的バイパス術,ステント治療などがある.全身状態が不良な症例では根治手術やステント治療のリスクが高く,非解剖学的バイパス術が有用と思われた.
    抄録全体を表示
  • 小野 裕國, 阿部 裕之, 北中 陽介, 幕内 晴朗
    22 巻 (2013) 1 号 p. 53-56
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は21歳男性.18歳の頃より時折背部痛を自覚し,最近頻回になった.CT検査で最大短径80 mmの巨大上腸間膜動脈瘤を認め,手術目的で当院入院となった.手術は腹部正中切開で行い,可能な限り上腸間膜動脈瘤を摘除するために上腸間膜動脈根部は大動脈分岐部で縫合閉鎖した.上腸間膜動脈瘤の末梢側は閉塞し,娘動脈瘤に連続していた.小腸,結腸への血流は,下腸間膜動脈から中結腸動脈を介した側副血行のみで,その途中に娘動脈瘤があるため,瘤切除・端々吻合を行って血行再建した.術後は腸管虚血などの合併症なく経過順調であった.動脈瘤壁の病理所見は線維筋性異形成(FMD)であった.上腸間膜動脈瘤の頻度は腹部内臓動脈瘤の中でも5%と低く,多くの場合は無症状で経過するが,破裂で発見されることも少なくない.今回われわれは,背部痛を契機に診断された巨大上腸間膜動脈瘤の手術治験例を経験したので文献的考察を加え報告する.
    抄録全体を表示
  • 津田 和政, 小出 昌秋, 國井 佳文, 渡邊 一正, 宮入 聡嗣
    22 巻 (2013) 1 号 p. 57-60
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:今回われわれは,下大静脈(IVC)の再建において,大伏在静脈を縦に開いてシート状にし,並列に並べて1枚のパッチとして使用する“two-sheets patch”による再建を2症例において施行した.症例1:28歳・男性,平滑筋肉腫のIVC浸潤に対して腫瘍切除とIVCパッチ再建を行った.術後33カ月が経過し,IVCの血流は良好である.症例2:59歳・男性,診断は右副腎原発平滑筋肉腫のIVC浸潤,右腎浸潤であり,腫瘤切除,右腎摘出とIVC再建を施行した.術後22カ月で多発転移のため死亡したが,IVC関連の合併症は認めなかった.2例とも広範囲に亘るIVC切除を要したが,人工血管置換を回避すべく本法を選択し,良好な結果を得た.広範囲のIVC切除における自己組織でのパッチ形成は,術後の抗凝固療法を不要とし,生活の質の向上に寄与し得る点で有用である.
    抄録全体を表示
  • 高野 智弘, 若松 大樹, 高瀬 信弥, 佐藤 洋一, 佐戸川 弘之, 横山 斉
    22 巻 (2013) 1 号 p. 61-64
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は55歳,女性.幼少時に胸部皮疹出現し,von Recklinghausen病(以下vRD)の診断を受けた.2005年3月,小犬の散歩時に不意に右手を牽引され,直後より右前胸部痛が出現した.近医で精査を受けたところ,造影CT上右血胸を認めたため,精査加療目的に当科へ救急搬送された.当院で造影カテーテル検査を施行したところ,右鎖骨下動脈より造影剤の漏出を認めたため,緊急開胸止血術を行った.右内胸動脈が起始部から引き抜かれており,鎖骨下動脈からの出血を認めた.出血部の血管壁は薄かったが,修復可能であった.vRDで,外傷を起点に血胸となった非常に稀な症例を経験した.vRDに合併した血管病変では診断が難しい場合があり,治療にあたる場合,血管壁の脆弱性を考慮に入れる必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 栗山 充仁, 喜岡 幸央, 田邊 敦
    22 巻 (2013) 1 号 p. 65-68
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:既往歴に腸閉塞術後のある84歳女性.突然の右下腹部痛あり,腹部大動脈瘤切迫破裂の診断で当院紹介となった.来院時血圧は70 mmHgとショック状態で,血液生化学検査ではCr 2.23 mg/dlであった.造影CT検査で,最大径66 mmの破裂性腹部大動脈瘤および右側後腹膜血腫を認めた.画像所見と吐血エピソードからAAA破裂と消化管穿孔と推察したが,全身状態も悪く血液透析の可能性も考えられ,侵襲の少ないステントグラフト内挿術(EVAR)を選択した.屈曲症例およびコイル塞栓が必要で多量の造影剤が必要と思われたため,炭酸ガス造影と持続血液濾過を併用した.術直後より利尿を得られ,術後1日目に持続血液濾過を離脱可能であった.腹部の拍動は消失し最終Cr 2.07 mg/dlと腎機能増悪を認めず,術後35日目にリハビリ目的で転院となった.術後2カ月後の単純CT検査では,動脈瘤径と後腹膜血腫ともに縮小し経過良好である.
    抄録全体を表示
  • 花田 智樹, 横山 真雄, 金築 一摩, 清水 弘治, 今井 健介, 織田 禎二
    22 巻 (2013) 1 号 p. 69-72
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は47歳,男性.とくに誘因なく左上肢のしびれを生じたため,近医を受診した.CTにて鎖骨下動脈瘤と診断され,手術目的で当院へ紹介された.手術待機中に,動脈瘤の壁在血栓の遊離による左上肢の動脈塞栓症と,逆行性の塞栓による脳梗塞を発症した.手術は鎖骨上および鎖骨下切開にてアプローチし,動脈瘤を空置し人工血管にて血行再建を行った.鎖骨下動脈瘤は上肢の動脈塞栓だけでなく,脳梗塞も合併する可能性があるので,積極的な外科治療が必要である.
    抄録全体を表示
  • 伊藤 俊一郎, 小渡 亮介, 小西 泰介, 今水流 智浩, 松崎 寛二, 軸屋 智昭
    22 巻 (2013) 1 号 p. 73-76
    公開日: 2013/02/27
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は72歳男性.3カ月ほど前より持続する発熱あり,腰痛および左下肢痛も出現するようになったため近医受診した.炎症反応の高値およびCTから最大径40 mmの炎症性遺残坐骨動脈瘤血栓閉塞と診断された.下肢痛は下肢の血圧低下が少なく,安静時痛であることより虚血症状ではなく瘤による坐骨神経の直接圧迫が原因と考えられ,バイパス手術は行わず,瘤切除のみの方針とした.術中所見から,明らかな感染は疑われなかったが,炎症により坐骨神経に強固に癒着していたため,検体採取およびmass reductionのみで手術を終了とした.術中培養からは嫌気性のグラム陽性桿菌が検出され,病理では感染性動脈瘤に矛盾しない所見であった.術後は感染徴候なく経過し,腰痛および左下肢痛は著明に改善し7日目に退院となった.遺残坐骨動脈瘤に対する手術では,その解剖学的特性より坐骨神経の温存が重要であり,下肢痛を認める場合は虚血症状に加え,神経圧迫症状を充分に評価する必要がある.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top