日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
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22 巻 , 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
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原著
  • 森下 清文, 柴田 豪, 佐賀 俊文, 氏平 功祐, 大堀 俊介, 馬場 俊雄, 馬渡 徹
    22 巻 (2013) 3 号 p. 609-613
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】75歳以上の高齢者,およびそれ以下の年齢でも重篤な合併症を有する弓部大動脈瘤症例はdebranchingを併用したステントグラフト留置術(D-TEVAR)を第一選択としている.この方針の妥当性を早期,中期成績から検討した.【対象と方法】2012年5月まで当施設でD-TEVARを意図した56例を対象とした.男性44例,女性12例で,平均年齢は75±9歳であった.Debranching手術の内訳は腋窩-腋窩動脈バイパス術28例,total debranching 20例,腋窩-腋窩-左総頸動脈バイパス術8例であった.このうち,二期手術を予定していた1例は早期死亡したためステントグラフト留置術に到達できなかった.ステントグラフトの中枢landing zoneはZ0に掛かるもの13例,Z1が14例,Z2が28例であった.術前のJapan scoreは15±15%であった.【結果】早期死亡を3例に認めた(5%).術後合併症は脳梗塞2例,対麻痺1例,不全対麻痺1例,大動脈穿孔1例があった.術直後のエンドリークを55例中18例(33%)に認めたが,6カ月以上の追跡が可能であった46例ではエンドリークが6例(13%)に減少した(p<0.05).追加ステントを3例に行った.1年生存率は83±7%で3年生存率は77±17%であった.またEvent-free生存曲線は1年目が76±7%,2年目が72±7%,3年目が50±14%であった.【結語】Debranchingを併用したステントグラフト留置術の早期成績は良好であったが,中期的にはさまざまな合併症が起こるので注意が必要である.
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  • 広川 雅之, 栗原 伸久
    22 巻 (2013) 3 号 p. 615-621
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:【はじめに】波長1470 nmのレーザーは水に特異的に吸収され下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術(EVLA)の合併症を減少させる.今回,われわれは側面から360度レーザーが照射されるradial fiberを用いて波長1470 nmレーザーによるEVLAを行い従来のbare-tip fiberと治療成績を比較検討したので報告する.【対象と方法】2007年10月より2010年12月までに波長1470 nmのレーザーを用いてEVLAを行った1次性下肢静脈瘤症例385例453肢(平均年齢58.8歳)を対象とした.光ファイバーとして従来のbare-tip fiberを用いた群(BF群)215例242肢とradial fiberを用いた群(RF群)177例211肢に分けて検討を行った.手術は光ファイバーを伏在静脈遠位側より深部静脈接合部まで挿入し,6~12 W(BF群)あるいは10 W(RF群)の出力で伏在静脈を焼灼・閉鎖した.【結果】全例の平均手術時間は42.6分,照射静脈長は36.2 cm,LEEDは83.4 J/cmであった.合併症はRF群ではBF群に比較して皮下出血(1.9% vs. 19.4%)および疼痛(0.9% vs. 7.4%)の発生が有意に少なかった.Kaplan-Meier法による治療静脈の累積閉塞率はRF群は術後2年8カ月で100%,BF群は術後4年で99.5%であった.【まとめ】波長1470 nmレーザーによるradial fiberを使用したEVLAでは従来のbare-tip fiberよりも皮下出血,疼痛が有意に少なく低侵襲な治療が可能であった.
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  • 近藤 智昭, 真栄城 亮, 井上 健太郎, 鈴木 仁之, 藤永 一弥, 矢田 真希
    22 巻 (2013) 3 号 p. 623-627
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】急性A型大動脈解離の治療は,迅速な上行または上行弓部大動脈置換が基本とされているが,偽腔早期血栓閉塞型では必ずしも緊急対応が必要ではなく,大動脈に対する外科治療を行わなくても治癒する症例が存在する.同症例に対する急性期治療結果について検討し,治療方針の適応の妥当性と問題点について明らかにした.【方法】対象は2004年1月から2011年9月に,急性期治療を行った急性A型大動脈解離75例中,偽腔早期血栓閉塞型症例21例.当科の基本方針は上行大動脈径が50 mm超,真腔狭小化例に対しては大動脈に対する外科治療を選択,上記以外は保存的治療を選択した.【結果】行った治療:手術治療(大動脈置換)は2例.一方,保存的治療を選択した症例は19例で,うち心タンポナーデを合併した10例には全例心タンポナーデ解除を行った後,安静+降圧療法を行い,残りの9例は安静+降圧療法のみであった.治療後の経過と結果:全例生存退院.保存的治療19例の上行大動脈の偽腔は,消失12例,縮小4例,偽腔は縮小したがAo径拡大1例,経過中再疎通し開存1例,不明1例であった.【結論】偽腔早期血栓閉塞型の2例に手術治療を,19例に保存的治療を選択し,全例救命できており,当科の治療戦略は妥当と考えられた.心タンポナーデ解除を行ったうえでの保存的治療は有効な救命手段と考えられた.
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  • 伊藤 寿朗, 川原田 修義, 小柳 哲也, 奈良岡 秀一, 萩原 敬之, 田淵 正樹, 仲澤 順二, 前田 俊之, 栗本 義彦, 樋上 哲哉
    22 巻 (2013) 3 号 p. 629-632
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】部分体外循環を使用して人工血管置換術を行った傍腎動脈腹部大動脈瘤(PRAAA)の手術成績を検討した.【方法】2009年6月から2012年4月までに,当院で部分体外循環を用いてPRAAAの人工血管置換術を施行した待機手術10例を対象とした.平均年齢74±7歳,男女比9:1.大動脈瘤の病態は真性瘤が7例,腹部大動脈人工血管術後中枢側吻合部仮性動脈瘤が3例であった.全例,左傍腹直筋切開を第7肋間へ延長し,横隔膜を弧状に切開して腹膜に覆われた腹腔内臓器を右側に脱転して術野を確保したのち,大腿動静脈から部分体外循環を装着し,選択的腹部分枝動脈灌流を併用して手術を行った.【結果】腎動脈の再建は左腎動脈が5例,右腎動脈が2例,両腎動脈の再建が1例で,再建を必要としなかった症例が2例であった.平均体外循環時間128±43分,腹部分枝動脈への灌流時間は60±33分であった.再建した腎動脈への灌流時間は116±22分であった.人工呼吸器離脱時間は術後14±1時間で,全例術翌日には抜管が可能であった.術後,脊髄虚血障害が原因と考えられる排尿障害を1例に認めたが,対麻痺などの神経学的合併症のほか,腎不全,呼吸不全,心不全などの合併症もみられず,病院死も認めなかった.【結論】部分体外循環を使用したPRAAA人工血管置換術は,腹部臓器の虚血時間に左右されることなく手術を施行することが可能で,術後腎機能の悪化,呼吸不全などの合併症もみられず良好な成績であった.
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  • 森景  則保, 佐村 誠, 山下 修, 村上 雅憲, 末廣 晃太郎, 濱野 公一
    22 巻 (2013) 3 号 p. 633-639
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】当科の内臓動脈瘤に対する治療戦略の妥当性を検討した.【対象と方法】2001~2012年6月に内臓動脈瘤43例48瘤(腎動脈瘤17瘤,脾動脈瘤20瘤,腹腔動脈瘤3瘤,上腸間膜動脈瘤6瘤,下膵十二指腸動脈瘤1瘤,肝動脈瘤1瘤)を経験した.瘤径20 mm以上,有症状,仮性瘤,上腸間膜動脈分枝瘤を治療対象とし,それ以外を経過観察とした.例外として20 mm前半のeggshellを呈する腎動脈瘤2瘤,脾動脈瘤1瘤は経過観察とした.血管内治療(endovascular treatment; EVT)を第一選択とし,血行再建を要す場合や解剖学的にEVT不適の場合は外科的手術(open surgery; OS)を施行した.【結果】8瘤にOS,9瘤にEVTを施行した.OSは腎動脈瘤2瘤に瘤切除・血行再建術,脾動脈瘤3瘤に瘤切除,瘤切除・血行再建術,瘤切除・脾摘術,上腸間膜動脈瘤2瘤に瘤切除・血行再建術,下膵十二指腸動脈瘤に瘤切除を施行した.EVTは腎動脈瘤3瘤,脾動脈瘤5瘤,肝動脈瘤1瘤にコイル塞栓術を施行した.早期合併症はEVTの穿刺部仮性瘤1例のみで,晩期合併症はOS,EVTいずれも認めず,全例が完全社会復帰した.経過観察とした31瘤は,初診時13.1±3.3 mmに対して最終確認時13.5±3.7 mmと有意な瘤径増大はなかった(p=0.12, 観察期間43±19カ月).OS,EVTの累積生存率は5年100%,8年75%,経過観察症例は5年92%,8年92%で,いずれも瘤関連死亡はみられなかった.【結論】OS,EVTおよび経過観察症例はいずれも良好な経過であり,現在の治療戦略は妥当と思われた.
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症例
  • 猪狩 公宏, 内山 英俊, 工藤 敏文, 豊福 崇浩, 地引 政利, 井上 芳徳
    22 巻 (2013) 3 号 p. 641-643
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:上肢に発生する動脈瘤のほとんどが仮性動脈瘤であり,その成因としては外傷性が多いとされている.今回われわれは非外傷性の尺骨動脈仮性動脈瘤の2例を経験したので報告する.症例1は66歳,男性.右前腕部の腫瘤を自覚し,超音波検査で最大径40 mmの尺骨動脈瘤を認めた.手術は動脈瘤の切除を行い,術後に虚血症状の出現を認めなかった.症例2は53歳,女性.好酸球増多症を既往症とし,左前腕部腫瘤を主訴に当科を受診した.造影CT検査で最大径30 mmの尺骨動脈瘤と診断した.手術は動脈瘤切除術を施行し,病理組織学的検査よりangiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaと診断した.術後に好酸球増多症は自然軽快した.上肢に発生する動脈瘤は稀であり,多くが外傷性の仮性動脈瘤である.治療としては動脈瘤切除が行われるが,症例に応じて血行再建術を考慮する必要がある.
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  • 山下 築, 田中 裕史, 伊庭 裕, 佐々木 啓明, 松田 均, 湊谷 謙司
    22 巻 (2013) 3 号 p. 645-648
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:腹部大動脈瘤人工血管置換術後の仮性瘤腸管瘻は比較的稀である.症例は83歳男性.腹部大動脈瘤人工血管置換術後の経過観察中にタール便を認め,上部消化管内視鏡で十二指腸水平脚遠位に粘膜下腫瘍様の膨隆とその頂部に新鮮血栓を認めた.造影CTで大動脈腸管瘻を形成している可能性のある所見を認め,緊急手術となった.開腹所見は,遺残した大動脈瘤壁が仮性瘤を形成し,トライツ靭帯を超えたすぐ肛門側の空腸と強固に癒着し仮性瘤空腸瘻を形成していた.人工血管と空腸との直接の癒着,瘻孔は認めなかった.仮性瘤空腸瘻を一塊にして切除した.人工血管周囲には肉眼的,顕微鏡的にも感染所見を認めず,腹腔洗浄ののち,大網充填を行い大動脈瘤壁で被覆した.術後経過は良好で第17病日に退院となった.二次性大動脈腸管瘻で明らかな感染所見を認めない場合,瘻孔閉鎖と人工血管周囲への大網充填で治療可能な場合もある.
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  • 佐藤 健一郎, 山口 敦司, 由利 康一, 安達 晃一, 安達 秀雄
    22 巻 (2013) 3 号 p. 649-651
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:Mid-aortic syndromeに対する解剖学的バイパス術を行い良好な結果を得たため報告する.症例は29歳男性で13歳より高血圧を指摘されていた.28歳時に肺炎罹患の際に撮影したCTで偶然に腹部大動脈狭窄と右腎動脈狭窄を指摘され,Mid-aortic syndromeと診断された.臓器虚血症状がなく高血圧に対する保存的治療が先行されたが,薬物抵抗性であったために外科的治療を行うこととなり当院へ紹介された.腹部正中切開で横隔膜下-腎動脈下腹部大動脈バイパス術,右腎動脈再建を行った.四肢血圧は術前に上下肢での差があったものの,術後は改善し第13病日目に退院した.
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  • 森山 周二, 國友 隆二, 池田 理, 岡本 健, 吉永 隆, 川筋 道雄
    22 巻 (2013) 3 号 p. 653-656
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:下行大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(TEVAR)後に発症したB型大動脈解離をきっかけとして,連鎖的に逆行性A型大動脈解離,食道大動脈瘻,ステントグラフト感染を併発して救命しえなかった1例を経験したので報告する.症例は80歳の男性で,下行大動脈真性瘤に対するTEVAR施行後約2週間目にB型大動脈解離を発症し,その後腹部虚血症状の出現と解離腔拡大および真腔の狭小化を認め再度TEVARを施行した.術後38°C以上の高熱が持続したがグラフト感染を疑う所見に乏しく保存的治療を継続し,2回目のTEVAR後25日目に血液培養でMSSAを認め,同時に逆行性血栓閉塞型A型大動脈解離を認めたために上行置換術を行った.以後も感染のコントロールができず食道大動脈瘻を併発し,初回手術から約4カ月で死亡した.常にグラフト感染は念頭に置いていたが手術の機会を逸した.
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  • 末澤 孝徳, 青木 淳, 山本 修, 櫻井 淳
    22 巻 (2013) 3 号 p. 657-661
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:130度以上の急峻な中枢側ネックを有する腹部大動脈瘤2例に対して,Endurant stentgraft system(以下Endurant)を用いてEVARを施行した.症例1.85歳,女性.中枢側ネック長は20 mmでネック角は135度.Device modificationを用いて留置したEndurantは,留置後の中枢側ネック角が120度で追従し,エンドリークを認めなかった.症例2.84歳,女性.中枢側ネック長は18 mmでネック角は130度,その末梢にも155度の高度屈曲を認めた.Aortic modificationを用いたが,システムの挿入は容易で,留置後タイプIIエンドリークを認めるのみであった.高度屈曲中枢側ネックへのEndurantの優れた追従性,システム挿入の容易さにより,hostile anatomyを有する腹部大動脈瘤に対するEVARの解剖学的適応拡大が期待される.
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  • 青木  正哉, 村上 博久, 森本 直人, 中桐 啓太郎, 吉田 正人, 向原 伸彦
    22 巻 (2013) 3 号 p. 663-666
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は80歳男性,交通外傷により体幹を受傷し,近医へ緊急搬送された.造影CT検査にて,右の腸骨動脈閉塞と診断され受傷後4時間で当院へ紹介搬送された.全身麻酔による開腹手術はリスクが高いと判断し,受傷後5時間経過した時点で,局所麻酔下に大腿-大腿バイパス術を行った.受傷後6時間で右下肢への血流を再還流することができた.術後,再還流に伴う所見は重篤ではなく,合併症もなく良好な結果が得られた.腹部鈍的外傷後の総腸骨動脈閉塞は,稀ではあるが急性期に再還流できないと代謝性筋腎症候群や下肢切断となることもあり,考慮すべき疾患である.
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  • 山下 裕也, 春田 佳代子, 竹田 大樹
    22 巻 (2013) 3 号 p. 667-670
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:膝窩動脈瘤は血管外科領域では比較的遭遇しやすい疾患である.今回われわれは脛骨動脈の高度石灰化を伴い血栓性閉塞をきたした膝窩動脈瘤の1例を経験した.症例は58歳男性,右足趾の冷感と間歇性跛行を主訴として来院した.手術は動脈瘤切除および終末前脛骨動脈と終末後脛骨動脈にsequentialとして足関節部動脈バイパスを施行した.脛骨動脈石灰化病変を伴う場合は足関節レベルに健常な動脈が認められれば,同部へのバイパスを選択すべきと思われた.
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  • 草川 均, 渋谷 卓, 駒田 拓也, 片山 芳彦
    22 巻 (2013) 3 号 p. 671-674
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:完全型遺残坐骨動脈は稀な先天異常であり,膝窩動脈以下は遺残坐骨動脈から血流を受け,浅大腿動脈と不連続であるため,瘤拡大に対する瘤切除を行う際,遺残坐骨動脈が血栓閉塞した際には,血行再建術を必要とする.今回,左臀部拍動自覚の既往を持ち,瘤の周囲への圧迫による坐骨神経痛をきたし,瘤内血栓閉塞による左下肢虚血症状を訴え来院した完全型遺残坐骨動脈瘤の71歳女性に対し,瘤切除とin situ大伏在静脈グラフト(SVG)を用いた大腿-膝下膝窩動脈バイパス術を施行し,良好な結果を得たので報告する.
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  • 乃田 浩光, 頓田 央, 薦岡 成年, 降矢 温一, 東上 震一
    22 巻 (2013) 3 号 p. 675-678
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:腹部大動脈瘤血栓閉塞症は比較的稀である.今回われわれは,腹部大動脈瘤(AAA)の自然血栓閉塞と冠動脈病変(CAD)を合併している患者の同時手術を経験した.患者は83歳女性で,主訴は下肢痛であった.精査上,AAAの最大短横径は57 mmで,腎動脈下から両側外腸骨動脈まで閉塞しており,両側大腿動脈は開存していた.冠動脈造影検査では左前下行枝1枝病変と中等度大動脈弁狭窄症を合併していた.そのため手術は,低侵襲小切開冠動脈バイパス術と腹部大動脈両側外腸骨動脈バイパス術を同時施行した.下肢上肢血圧比(ABI)は改善し,間歇性跛行なく,術後35日目に退院した.
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  • 服部  圭祐, 徳永 晴策, 宮内 正之
    22 巻 (2013) 3 号 p. 679-682
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:人工血管置換術後中枢に出現した傍腎動脈腹部大動脈瘤を経験したので報告する.72歳男性.15年前に腎動脈下腹部大動脈瘤に対し後腹膜アプローチでY型人工血管置換術施行されたが,外来通院中に吻合部中枢の腹部大動脈が瘤化し径55 mmに達した.左腎動脈は瘤より分岐しており傍腎動脈腹部大動脈瘤であった.腹部正中切開,開腹経腹膜経路でアプローチし,腎動脈再建が必要であったため右腋窩動脈からの腎動脈灌流により腎保護を行った.Knitted Dacron graftに左腎動脈を直接吻合し,末梢は人工血管に吻合した.腎動脈再建中も灌流が行うことができ手術は滞りなく終了した.術後手術操作に伴う十二指腸イレウスを発症したが絶食による保存的加療にて軽快したため,術後37日目に退院した.傍腎動脈腹部大動脈瘤に対する腎動脈灌流による腎保護の有用性について文献的考察を加え報告する.
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  • 酒井 麻里, 小島 淳夫
    22 巻 (2013) 3 号 p. 683-687
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:ヘパリンは心臓血管外科領域において頻用される薬剤であり,その重篤な合併症であるヘパリン起因性血小板減少症(heparin induced thrombocytopenia; HIT)の診断と管理は重要である.われわれはHITを合併した下肢動脈閉塞症例に対しアルガトロバンを使用し,distal bypassを施行した1例を経験した.症例は83歳男性.左下肢動脈閉塞の診断で血栓除去術を施行したが,術後繰り返す左下肢動脈閉塞,血小板減少よりHITの診断に至った.アルガトロバンを中心とした周術期管理,術中管理により,外腸骨-後脛骨動脈バイパス術を施行し良好に経過することができた.
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  • 溝口 和博, 安宅 啓二, 莇 隆
    22 巻 (2013) 3 号 p. 689-692
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:腋窩動脈-両側大腿動脈バイパス術後の鼠径部感染の症例に対し,感染グラフト切除と一期的下肢バイパス術を行い,良好な結果を得られた症例を経験した.症例は82歳,女性.右腋窩動脈-両側大腿動脈バイパスを施行後,遠隔期に左鼠径部のグラフト感染を認めた.細菌培養では黄色ブドウ球菌を検出.感染は右腋窩動脈-両側大腿動脈グラフトの左脚末梢部のみに限局していた.グラフト切除のみでは左下肢の虚血が重篤化するため,一期的に左腋窩動脈-左浅大腿動脈バイパスを行った.グラフトの経路は,感染した左鼠径部の外側を迂回させた.グラフトの屈曲・圧迫狭窄を防止し,皮下スペースを確保するために,左腸骨稜上縁部は一部削り取ったのちに,グラフトを皮下経路で末梢側に誘導した.手術に際しては,清潔術野と不潔術野の取り扱いの順序を厳格にして行うことにより,感染の再発なく良好な結果が得られた.
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