日本血管外科学会雑誌
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22 巻 , 5 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
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追悼文
原著
  • 高山 豊, 赤繁 徹, 佐々木 和人, 川崎 普司, 阿部 秀樹, 吉見 富洋, 永井 秀雄
    22 巻 (2013) 5 号 p. 785-790
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】地方の地域基幹病院である茨城県立中央病院(以下当院)における破裂性腹部大動脈瘤(破裂性腸骨動脈瘤を含む,以下RAAA)の治療の現状を分析し,治療成績向上に有用な方策を考察する.【対象・方法】2007年7月より2012年9月までに当院にて手術を行ったRAAA 15例を対象とした.これらの症例を,前医よりRAAA,切迫破裂,あるいはこれらの疑いの診断を受けていた群(D群)と受けていない群(N群)に分け検討した.さらに,同一期間に当院を受診し,RAAAと診断されたが当院にて手術を行わなかった10例についても検討した.【結果】D群は5例(男:女= 4:1)で,年齢は70.1±12.4歳,N群は10例(同9:1)で,年齢は77.1±10.0歳であった.来院時収縮期血圧100 mmHg未満の症例はN群において有意に多かった.手術時間,出血量に群間の有意差はなかった.在院死亡は,D群0%,N群30%であり,生存退院患者の術後入院日数はN群で長い傾向にあった.RAAAと診断され,当院にて手術を行わなかった症例のうち2例は他院に転院搬送され手術が行われ,軽快退院した.非手術症例は8例(同4:4)で,全例死亡した.手術症例と比べ女性が多い傾向にあり,年齢は有意に高かった.非手術症例を含めた死亡率は44%であった.【結論】RAAAの手術症例では,来院前に他院で診断のついていた症例の治療成績は良好であった.RAAAの治療成績のさらなる改善には,来院時未診断例の成績向上が必要であり,迅速な診断とともに,地域基幹病院においては,常時緊急手術ができる体制の構築が課題であると考えられた.
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  • 仁科 健, 中塚 大介, 堀 裕貴, 五十嵐 仁, 安水 大介, 水野 明宏, 廣瀬 圭一, 金光 尚樹, 山中 一朗
    22 巻 (2013) 5 号 p. 791-796
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】腹部大動脈瘤に対するEVARの良好な成績が発表されているが,EVARが困難であるために開腹手術が必要なケースもみられている.開腹手術とEVARの症例の変動を含めた検討を行った.【対象・方法】2008年1月から2012年4月まで腎動脈下の腹部大動脈瘤383例,開腹人工血管置換術(OS群)は244例(待機手術197例・緊急手術47例)でEVAR(EV群)は139例 (待機手術133例・緊急手術6例)を対象とした.【結果】2008年から2011年の4年間におけるAAA症例総数は変化なく,OS群の症例数は減少し,逆にEV群は増加がみられた.しかし,2010年と2011年の2年間ではOS群とEV群ともに症例数は同程度で変化はなかった.待機症例の術前のリスクファクター数は,OS群2.0±1.0に対してEV群は2.2±1.0とEVに多い傾向にあったが,ASA classificationの比較では両群ともClass 3が最も多く有意差はなかった.待機症例のIFU適応外症例はOS群139例とEV群20例にみられたが,各因子における両群での有意差はみられなかった.術後の有害事象は,OS群15%に対してEV群13%と有意差はみられなかった.病院死亡率はOS群8例(3%)で,うち5例は緊急症例であった.EV群での病院死亡はなかった.【結語】腹部大動脈症例に対する治療法の第一選択としてEVARは有用である.しかし,緊急症例やIFU適応外症例に対して人工血管置換術は重要な選択肢である.
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症例
  • 猪狩 公宏, 工藤 敏文, 豊福 崇浩, 地引 政利, 井上 芳徳
    22 巻 (2013) 5 号 p. 797-800
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:傍腎動脈腹部大動脈瘤(JAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)は,本邦では開窓式ステントグラフトや枝付きステントグラフトなど市販されたデバイスがなく,容易に施行することはできない.よってEndowedge technique,Snorkel techniqueを用いて中枢側ランディングゾーンを得る手技が試みられている.症例は84歳,女性.CT検査で最大短径80 mmのJAAを認めた.瘤径が大きく準緊急手術の方針とした.高齢であり,併存疾患もあることよりEVARを選択した.右腎動脈に対しSnorkel techniqueを,左腎動脈に対しEndowedge techniqueを用い中枢側ランディングゾーンを確保した.JAAに対し,Endowedge technique,Snorkel techniqueを用いることでEVARが安全,有効に施行できる可能性がある.
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  • 池谷 佑樹, 荻野 秀光
    22 巻 (2013) 5 号 p. 801-804
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:孤立性総腸骨動脈瘤は,腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤のうち約7%との報告があり比較的稀な疾患であるが,ハイリスク症例において開腹人工血管術は時として煩雑で過大侵襲となりえる.当症例では企業製デバイスの留置方法を工夫してレッグ単体で治療し得たステントグラフト内挿術(EVAR)症例を報告する.症例は直腸癌に対する低位前方切除術術後の67歳男性で拡大傾向のある総腸骨動脈瘤を指摘され当院紹介となった.来院時37 mmで内腸骨動脈分岐直前の孤立性右総腸骨動脈瘤であった.下腹部開腹手術後であったためEVARを選択した.また孤立性であったためレッグ単体での治療を目指した.中枢ランディング部分は径17 mmで末梢ランディング部分は外腸骨動脈の13 mmであったため中枢径の太いテーパーデバイスが必要とされたため,ゴアエクスクルーダーラージコントララテラルレッグを反転して留置し瘤を空置し治療した.合併症なく,より低侵襲で安全に治療し得た症例を経験した.術後,瘤拡大やエンドリークなく経過良好である.
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  • 萩原 敬之, 伊藤 寿朗, 小柳 哲也, 川原田 修義, 栗本 義彦, 樋上 哲哉
    22 巻 (2013) 5 号 p. 805-808
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:感染性腹腔動脈瘤は非常に稀な疾患である.今回動注カテーテル感染を契機に発症した感染性腹腔動脈瘤に対しTEVARを施行し,良好な治療成績を得た1例を経験したので報告する.症例は56歳男性.重症急性膵炎の治療中,動注カテーテルのMRSA感染から感染性腹腔動脈瘤を発症し,徐々に瘤径の拡大を認めたために手術の方針となった.手術は膵炎の既往のために,従来の人工血管置換術は困難と判断し,ステントグラフト治療を選択した.その際上腸間膜動脈が犠牲になるため,一期的にバイパス術を施行する方針とした.手術は腹部正中切開にて右総腸骨動脈と上腸間膜動脈を露出し,大伏在静脈によりバイパス術を施行した後,腹腔動脈,上腸間膜動脈の根部をいずれも被覆するようにステントグラフトを留置した.術後感染の再燃もなく手術後50日目に自宅退院となった.現在も感染の再燃なく経過している.
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  • 盆子原 幸宏, 瀨田 博允, 東舘 雅文
    22 巻 (2013) 5 号 p. 809-812
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:近年,心臓血管外科手術後の非吻合部人工血管仮性瘤の発症は非常に稀である.今回われわれは,ベントール手術および部分弓部大動脈人工血管置換術後1年4カ月に,巨大非吻合部人工血管仮性瘤を発症した症例を経験した.症例は27歳男性.人工血管破裂部は,ヘマシールド4分枝人工血管の左側前面で,前回手術で何ら手を加えられていない部分であった.患者はマルファン症候群で漏斗胸を合併しており,破裂の原因として,人工血管と胸骨ワイヤーとの機械的摩擦が強く疑われた.このような症例においては,胸骨裏面との機械的接触を防止するために,厚手の人工心膜を用いた前縦隔の保護や,金属ワイヤーを用いない胸骨閉鎖法などが考慮されるべきである.また,長期にわたる定期的なCT検査によるフォローアップが必要である.
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  • 尾花 正裕, 井上 龍也, 山本 知則
    22 巻 (2013) 5 号 p. 813-818
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:深部静脈血栓症を発症した高齢者症例に対して,フォンダパリヌクスを初期治療として投与し良好な経過を得たので報告する.症例は89歳11カ月女性,89歳6カ月女性,76歳女性の3症例.治療はCTにて肺動脈塞栓および下肢深部静脈血栓症と診断後,フォンダパリヌクス皮下投与とワーファリン内服を開始した.フォンダパリヌクスはPT-INRの上昇を確認後,投与を終了した.投与期間は10日間,8日間,10日間であった.治療開始1週間後のCTで3症例とも下肢静脈塞栓の改善,下肢症状の軽減を認め出血合併症なども軽快退院した.深部静脈血栓症治療に対して,一般的にはウロキナーゼ投与,ワーファリン治療であるが,出血リスクの高い患者や高齢の静脈血栓症患者においては,フォンダパリヌクス皮下投与は自覚症状の改善と血栓陰影の消失,改善において有効な治療であり,早期離床と高齢者特有の合併症に対してはとくに有効と思われた.
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  • 濱石 誠, 岡田 健志, 片山 達也, 平井 伸司, 三井 法真
    22 巻 (2013) 5 号 p. 819-823
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は76歳女性,発熱,全身倦怠感,呼吸困難症状で救急搬送された.既往歴に陳旧性心筋梗塞,虚血性心筋症,僧帽弁置換術後,三尖弁輪形成術後,MAZE手術後,重症肺高血圧症,慢性心不全,うっ血肝,肺結核があり,在宅酸素療法を導入し粟粒結核に対し内服治療中であった.精査の結果,左外腸骨動脈に大きさ約6 cmの嚢状瘤を認め,1年前のCTでは動脈瘤は認めず感染性左外腸骨動脈瘤と推測された.慢性心不全増悪状態でうっ血肝・抗結核薬による肝障害・黄疸増悪の状態であった.手術は,右外腸骨動脈-左総大腿動脈バイパス術による非解剖学的血行再建を施行後に,左外腸骨動脈瘤へ経皮的動脈塞栓術を施行した.術後経過は良好で独歩退院し,術後から1年以上経過するが左外腸骨動脈瘤は血栓閉塞のままで感染の再燃もなく良好に経過している.本術式は身体予備能が低下した患者に発症した感染性腸骨動脈瘤の手術として有効な選択肢の一つと考えられた.
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  • 横川 雅康, 辻本 優
    22 巻 (2013) 5 号 p. 825-828
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:急性腹部大動脈閉塞は血管外科的緊急疾患の一つである.今回,カテーテル血栓溶解治療(C-DT)が奏功し救肢・救命できた症例を経験した.症例は69歳,男性で,突然の両下肢運動・知覚麻痺のため当院へ救急搬送された.神経原性緊急症を疑われて入院となり,翌朝血管外科紹介となった.CT血管造影で腹部大動脈末端部の閉塞を認めた.発症から12時間以上経過し,CPKも4667 IU/lと高値であることから,術後myonephropathic metabolic syndrome(MNMS)発症の危険が高いと考えられた.パルススプレー法によるC-DT治療を行い,両下肢の血流再開が得られた.術後CPKは 6656 IU/lと上昇し,腎機能の悪化を認めたが,MNMSの併発なく軽快した.C-DTは低圧での再灌流が期待できることなどから血管内皮損傷のリスクが少なく,再灌流障害の軽減に有利に作用したものと考えられた.
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  • 瀨田 博允, 盆子原 幸宏, 東館 雅文
    22 巻 (2013) 5 号 p. 829-832
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は43歳の肥満男性.再発下垂体腺腫に対してHardy法を施行後,ステロイドおよび甲状腺ホルモンの補充療法中に突然の胸痛が出現し,急性心筋梗塞を発症した.上行大動脈内の巨大腫瘤または解離した内膜フラップの右冠動脈口閉塞による心筋梗塞と考えられ,当科紹介となった.緊急手術の方針とし,上行大動脈を切開すると,内部には右冠尖に付着する約60 mmの円柱状の腫瘤を認めた.可及的に切除すると,付着部の弁,および周囲の冠動脈孔,動脈壁はほぼ正常であった.腫瘤は赤色で表面不整,軟であり,病理診断の結果は血栓であった.上行大動脈内の血栓は非常に稀であることから,診断,治療に難渋し,時に致死的な塞栓症を引き起こすため,早期の摘出術が肝要と考えられた.
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  • 出津 明仁, 松下 昌裕, 池澤 輝男, 宮地 紘樹, 古森 公浩
    22 巻 (2013) 5 号 p. 833-836
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:腹部大動脈瘤による十二指腸水平部の圧迫,通過障害を来す症例は稀である.症例は88歳,女性.他院にて腹部大動脈瘤を指摘されていたが,高齢のため,経過観察となっていた.嘔吐,腹痛が出現したため,救急搬送となり,造影computed tomographyで,最大径6.7 cmの腹部大動脈瘤と胃,十二指腸の拡張を認めた.腹部大動脈瘤により十二指腸水平脚が圧迫され通過障害を来したAortoduodenal syndromeと診断した.経鼻胃管で胃内の減圧,点滴治療を行ったうえ,入院後11日目に腹部大動脈瘤切除,人工血管置換術を行った.経過は良好で術後26日目に退院となった.手術治療により消化管通過障害は解除され,また動脈瘤治療も確実に行うことができた.
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  • 大坂 基男, 小石沢 正, 伊藤 俊一郎
    22 巻 (2013) 5 号 p. 837-840
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は71歳男性.腰背部痛,腹痛,嘔吐を主訴に前医を受診した.CTで偽腔開存型Stanford B型急性大動脈解離と最大径78 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤を認めて当院に救急搬送された.大動脈解離は腹部大動脈瘤に及び,切迫破裂と診断した.厳重に降圧療法を行い,第10病日に腹部大動脈瘤に対してY型人工血管置換術を施行した.中枢側は開窓術を加えてdouble barrel吻合にした.術中所見と病理学的検査から炎症性腹部大動脈瘤と診断した.合併症はなく術後19日目に退院した.
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  • 小暮  周平, 山本 直樹, 藤井 太郎, 徳井 俊也, 湯浅 右人, 加藤 憲幸
    22 巻 (2013) 5 号 p. 841-844
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は74歳男性.多発性嚢胞腎を合併.71歳時に傍腎動脈型腹部大動脈瘤に開窓型の大動脈ステントグラフトと両側腎動脈へのcovered stentを使用した腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術が他施設で施行されていた.右腎動脈へのcovered stentと大動脈ステントグラフトとの間のtype IIIエンドリークが指摘されていたが,突然の腹痛とショックで当院へ救急搬送され,CTにて大動脈瘤破裂と診断した.右腎動脈に挿入されたcovered stentとステントグラフト開窓部の間が完全に離れており,そこからのエンドリークが破裂の原因と診断できたので,腎動脈を閉鎖する位置で自作ステントグラフトによる緊急ステントグラフト内挿術を行った.手術後は透析が必要となったが,瘤径の縮小化を得ることができた.腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術後に新たなエンドリーク出現による瘤破裂が認められることがあり,とくにtype IIIエンドリークが出現した場合には早急な外科治療の介入を考慮すべきである.
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  • 藤村 博信
    22 巻 (2013) 5 号 p. 845-848
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は75歳男性.背部~右側腹部痛のため当院に救急搬送となった.造影CTにて造影剤の後腹膜腔への漏出を認めたが,同時に拡張した尿管と貯留した造影剤が動脈瘤部位と異なっていることより尿管破裂と診断した.泌尿器科にて腎瘻を増設後,動脈瘤に対しては待機的にステントグラフト内挿術を行った.術後脚閉塞を生じたものの,保存的に加療し得た.尿管破裂に至った水腎症に関しては,ステントグラフト挿入後に改善し,腎瘻を尿管カテーテルに交換後,抜去することができた.大動脈瘤の合併症状として水腎症を生じる例はあるが,尿管破裂を発症することは非常にまれである.症状の経過より炎症性動脈瘤であることが示唆されるが,待機的ステントグラフト内挿術を用いた低侵襲治療により良好に管理し得た.
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  • 樋口 卓也, 阪越 信雄
    22 巻 (2013) 5 号 p. 849-851
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:炎症性であるか感染性であるかの判断に難渋した胸腹部大動脈瘤の1手術例を経験した.患者は68歳男性.持続する高熱と血液検査上の炎症所見からCT検査が行われ,炎症性または感染性の胸腹部大動脈瘤と診断された.瘤はステロイドと抗生剤の投与にもかかわらず短期間で急速に拡大したため人工血管置換術を施行した.動脈壁は著明に肥厚しており,周囲組織との癒着は高度で,とくに中枢側は著明であったが,分枝再建を伴う人工血管置換術を行えた.瘤壁の病理組織学的検査では細菌感染を認めず,炎症細胞の浸潤を認めた.また瘤周囲の細菌培養は陰性であった.術中所見および培養結果から積極的に感染を示唆する所見は認められなかった.術後経過は概ね良好であり,術後第18日目に軽快退院となった.
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  • 野口 亮, 吉戒 勝, 伊藤 学, 池田 和幸, 入江 康司
    22 巻 (2013) 5 号 p. 853-855
    公開日: 2013/08/23
    [早期公開] 公開日: 2013/07/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は40歳,男性.右下腿に2 cmほどの有痛性の腫瘤を自覚し,下腿静脈瘤が疑われ当院を紹介受診.腫瘤は右下腿後面に存在し,血管エコー上,小伏在静脈と連続しており,最大径は20 mm,内部は充実性で一部に血管成分を認めた.小伏在静脈に限局した静脈瘤と診断,痛みを伴っているため外科的治療の適応と判断し,局所麻酔下に瘤摘出術を施行した.術後の病理組織診断では小伏在静脈に発生した血管平滑筋腫であった.血管平滑筋腫は下腿の静脈に好発する良性腫瘍であり,一般には下肢の小静脈に発生することが多く,大きさも1 cm未満のものが多い.小伏在静脈から発生した血管平滑筋腫はこれまで報告がなく稀な疾患であるが,下肢の疼痛をきたす疾患の鑑別診断の一つとして念頭に置く疾患と考えられた.
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