日本血管外科学会雑誌
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22 巻 , 7 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
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原著
  • 蔡 景襄, 市来 正隆, 菅原 弘光, 鎌田 啓介, 中野 善之
    22 巻 (2013) 7 号 p. 947-950
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】血管内治療(以下IVR)における穿刺部トラブルにより,当科に緊急搬送された症例に対する治療を通じ,合併症回避の方策を検討した.【症例】2009 年9 月から2011 年9 月までの2 年間で,頭頸部領域のIVR 後穿刺部トラブルにより6 名の症例が当科に緊急搬送された.年齢は,15~87 歳.男性4 例,女性2例.頸動脈狭窄に対するステント留置5 例,脳血管奇形に対するコイル塞栓が1 例であった.【結果】全例,穿刺部は右鼠径部であり,仮性動脈瘤形成が4 例(感染1 例),総大腿動脈閉塞による下肢虚血が2 例であった.当院搬送までの期間は2~10 日であった.超音波検査,CT 施行後,緊急手術を行ったが,仮性動脈瘤4 例の穿刺部位は浅大腿動脈であり,同部からの出血が認められた.3 例で穿刺部縫合止血術,2 例で自家静脈片を用いたパッチ血管形成術(血栓摘除追加1 例),1 例で自家静脈を用いた血行再建術を行った.1 例で,術後腓骨神経麻痺による歩行障害を認めたが,他の5 例では機能障害は残らなかった.【結論】鼠径部穿刺のトラブルでは,急性動脈閉塞や仮性動脈瘤に感染が合併すると,血行再建が困難となり,下肢大切断に至る場合もある.総大腿動脈を確実に穿刺するために,超音波検査,CT による,総大腿動脈,浅大腿動脈,大腿深動脈の術前mapping が重要である.さらに,IVR 終了後,止血デバイスに安易に頼ることなく,圧迫止血に十分留意するとともに,総大腿動脈の血管径が5 mm 未満や壁肥厚,石灰化が著明な症例では,経皮的穿刺に固執せず,大腿動脈を露出して直視下の穿刺を考慮することが,合併症回避には必要である.
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  • 山本 修, 青木 淳, 末澤 孝徳, 古谷 光久, 櫻井 淳
    22 巻 (2013) 7 号 p. 951-954
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】腹部大動脈瘤(AAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)におけるスタチンが術後の炎症反応および術後経過に及ぼす影響を検討する.【対象と方法】2008 年4 月より2012 年3 月までに当院でEVAR を行った151 例中,スタチン内服歴のない66 例,以前よりストロングスタチンを内服していた32 例およびその他のスタチンを内服していた11 例について術後の発熱日数,1,3,6 日目の白血球数,CRP 値および術後入院日数と合併症について検討した.【結果】熱発日数および白血球数については3 群間で差を認めなかった.CRP 値(mg/dl)は術後1 日目,3 日目,6 日目で非内服群 4.1±1.9,10.5±4.4,4.8±2.8,ストロングスタチン内服群 2.5±1.4,8.2±3.1,4.0±3.3,その他のスタチン内服群3.5±1.2,10.5±4.7,5.3±3.3 であり1 日目および3 日目で非内服群とストロングスタチン内服群で差を認めた(p=0.0002 および0.039).スタチン内服群では術後合併症を認めなかったが,非内服群では66 例中6 例が合併症により入院期間が延長していた.【結論】ストロングスタチンによりEVAR 術後早期のCRP の上昇が抑制され,術後の合併症が抑制された可能性があり,これらの効果はスタチンの強度が影響する可能性が示唆された.
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  • 上山 克史, 永吉 靖弘, 西村 修, 上山 武史
    22 巻 (2013) 7 号 p. 955-960
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】鼠径部を中心とした外腸骨動脈末梢,総大腿動脈,および浅大腿動脈,大腿深動脈分岐部は孤立性に閉塞性動脈硬化病変を生じることが多く,同部分の病変により下肢虚血を呈する症例も散見される.当院では上記症例に対し血栓内膜除去,パッチ形成術を施行しているが今回同手術の有用性を検討した.【方法】2006 年1 月から2012 年12 月までに,Fontaine IIb 度以上の症状を有し,鼠径部の孤立病変を認める20 例23肢に同形成術を施行した.同時期に同部分に対し3 例の血管内治療を行ったが,すべて早期再狭窄を来し全例で同手術を行った.20 例中16 例は糖尿病患者で,6 例は慢性透析患者であった.2 例で趾尖部潰瘍を認めた.【結果】術後全症例で症状は消失,趾尖部潰瘍を認めた症例も治癒した.平均ABPI は術前平均0.58 から,術後平均0.91 に上昇,術後合併症もなく全員独歩退院した.現在まで平均2 年4 カ月の観察期間において2 次加療を必要とした症例は1 例もなかった.【考察】同術式は低侵襲で手術時間も短く,追加治療が必要となった症例はなかった.全例で症状は消失し独歩退院が可能であった.今回の結果より,鼠径部を中心とした孤立性閉塞性病変に対し直視下で観察し閉塞を完全に除去しうる同治療は第一選択として有用であると考えられた.
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症例
  • 山内 正信, 上平 聡, 中山 健吾
    22 巻 (2013) 7 号 p. 961-965
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は77 歳,男性,透析患者.7×8.5 cm の弓部大動脈の囊状瘤に対し,右鎖骨下動脈から8 mm T字graft を用いた左総頸動脈,左鎖骨下動脈へのdebranching 後にTEVAR(開窓型ステントグラフト内挿術,遠位側38 mm 径×200 mm 長,近位側42 mm 径×200 mm 長)を行った.術後,type III エンドリークによる大動脈瘤の拡大,上行大動脈解離,左総頸動脈へのバイパス閉塞のため,再手術を行った.近位側のステントグラフトを除去し,type Ib エンドリークはなかったので,遠位側のステントグラフトをそのまま用いて全弓部大動脈置換と左総頸動脈再建術を行った.TEVAR は,低侵襲で手術死亡率を格段に改善させたが,エンドリークに対する追加処置,半永久的な画像追跡が必要で,ひとたび再手術となれば死亡率が高いことも念頭において,治療を行わなければならないと思われた.
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  • 摩文仁 克人, 久貝 忠男, 盛島 裕次, 阿部 陛之, 山里 隆浩, 西岡 雅彦
    22 巻 (2013) 7 号 p. 966-969
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は59歳女性.呂律難を来し近医へ救急搬送された.頭部CT所見より右脳梗塞を疑われ入院.発症翌日の胸部CT施行にて急性A型大動脈解離と診断された.解離は腕頭動脈から進展した右内頸動脈閉塞を確認した.発症2日目に当センターへ転院.転院翌日に意識レベルの低下,瞳孔不同を認めた.CTにてmidline shiftならびに脳幹圧迫も認めたため,緊急内外減圧術を行った.その後,ICUでの血圧および脳神経学的な厳重管理を行い,待機的に入院45日目に急性A型大動脈解離に対し弓部置換術を施行した.術後は左半身麻痺を認めるが,意志の疎通も可能で,発症118日目(弓部置換72日後)に転院した.開頭減圧に至るまでの広範囲脳梗塞を伴う急性A型大動脈解離に,その後弓部置換術を行い良好な結果を得たので報告する.
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  • 棟方 護, 小野 裕逸
    22 巻 (2013) 7 号 p. 970-972
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は75 歳,女性.慢性透析症例.閉塞性動脈硬化症に対する両側外腸骨-浅大腿動脈バイパス術(Gelsoft® 8 mm 人工血管)施行後4 年目に,両側鼠径部の人工血管の露出が出現.培養で左側にMRSA 感染が認められた.人工血管は両側とも開存していた.バンコマイシン投与下に,デブリードマンを施行したが創治癒は得られず,両側縫工筋皮弁移植術にて人工血管を温存し感染を制御することが可能となった.透析などhigh risk の症例で,低侵襲である人工血管温存を考える場合,MRSA 感染であっても縫工筋皮弁は一つのオプションとなり得る可能性が示唆された.
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  • 金 哲樹, 内田 徹郎, 外山 秀司, 前川 慶之, 宮崎 良太, 貞弘 光章
    22 巻 (2013) 7 号 p. 973-975
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は80歳男性,バイク事故にて受傷.右肩から頸部にかけて増悪する腫脹あり,右上腕動脈の拍動は消失.CTにて右鎖骨下に広範囲血腫形成と右鎖骨下動脈よりの造影剤漏出を認め,外傷性右鎖骨下動脈損傷の診断で当科搬送.来院時全身状態は安定,橈骨動脈・上腕動脈とも拍動は触知せず.緊急修復術の方針となり,整形外科と合同で手術開始.まず出血コントロールのため胸骨正中切開より腕頭動脈・右鎖骨下動脈をテーピング.右鎖骨下から右腋窩動脈もテーピング.その後整形外科にて鎖骨直上より骨折骨片を除去しながら損傷部位を展開.鎖骨下動脈はほぼ完全に断裂していた.椎骨動脈を介した出血があり,断裂部を明らかにしたところでその近傍で血管遮断し直し無血視野を確保.断裂部をトリミング後,直接吻合を行い修復.鎖骨骨折部を整形外科で修復,手術終了とした.経過は良好で,CTで鎖骨下動脈修復部の開存と末梢の良好な造影を認めた.
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  • 圡田 博光, 小泉 信達, 高橋 聡
    22 巻 (2013) 7 号 p. 976-979
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:吻合部仮性瘤術後,短期間に再発した症例を経験した.症例は69 歳の糖尿病の男性,PTFE グラフトによる両側大腿膝窩動脈バイパス施行3 年後に右中枢側吻合部仮性瘤が発生した.局所感染兆候はなく,単純縫合にて手術施行.術後創治癒遷延したがデブリードマン後治癒,退院.しかし術後2 カ月で同部に仮性瘤再発.その際も感染兆候はなかったが,潜在感染を疑い,再手術は,仮性瘤を切除し,外腸骨動脈より鼠径部を外側に迂回し,鼠径靭帯上を通って大腿外側から膝上のグラフト末梢にPTFE グラフトでバイパスした.仮性瘤発生部は内膜摘除後吻合した部位で,仮性瘤の原因は吻合部自家動脈の劣化が最も考えられる.しかし,足白癬の合併や,インスリン自己注射,術後創治癒遷延などから,不顕性感染も否定できない.吻合部仮性瘤の手術は,グラフト摘除,再置換が望ましいと思われる.
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  • 泊 史朗, 澤崎 優, 小林 頼子, 井澤 直人
    22 巻 (2013) 7 号 p. 980-983
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:上腕骨骨折に腋窩動脈の損傷を伴うことは少ない.今回われわれは上腕骨近位端骨折の後,腋窩動脈仮性動脈瘤を発症した1 例を経験したので報告する.症例は83 歳,女性.2010 年4 月上旬転倒し,右肩を受傷した.上腕部X 線写真にて右上腕骨近位端骨折を認め,第3 病日に観血的整復術が施行された.受診時に明らかな神経障害や血行障害は認めなかった.第5 病日より右腕神経叢不全麻痺が出現し,その後,右腋窩周囲の腫脹が出現し徐々に増強した.第35 病日に橈骨動脈拍動消失が確認され,造影CT および血管造影の結果,右腋窩動脈仮性動脈瘤の診断となり,仮性動脈瘤開口部縫合閉鎖術を行った.術後経過は良好であったが,神経障害は残存した.受傷時に血行障害を認めない上腕骨近位端骨折においても,持続する腫脹・疼痛や,神経障害がある場合は,腋窩動脈損傷の可能性に留意し,経時的に確認することが重要である.
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  • 尼子 真生, 赤須 晃治, 尾田 毅, 財満 康之, 安永 弘
    22 巻 (2013) 7 号 p. 984-988
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は52 歳男性,重症大動脈弁閉鎖不全を伴う急性 A 型大動脈解離の診断で緊急手術となった.手術は,中程度低体温,逆行性脳灌流法で,上行大動脈置換術を施行した.低酸素血症のため,人工心肺離脱が不可能となりV-A ECMO(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation)に移行した.V-A ECMO の送血は腋窩動脈を選択した.術後の出血対策として,抗凝固剤はメシル酸ナファモスタットを使用した.術後,出血は徐々に減少し,65 時間でV-A ECMO から離脱,術後5 日目には人工呼吸器から離脱し,独歩で退院となった.急性大動脈解離術後の人工心肺離脱不能症例に対して,腋窩動脈送血でV-A ECMO を使用し脳合併症を回避し救命した.また,ECMO 使用中の抗凝固はメシル酸ナファモスタットを使用することにより,出血を制御可能であったので報告する.
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  • 奥田 紘子, 岩崎 弘登, 藤本 浩平, 生田 剛士, 藤井 弘史, 清水 幸宏
    22 巻 (2013) 7 号 p. 989-992
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:遺残坐骨動脈は胎生初期において下肢の主要な栄養血管である坐骨動脈が生後も残存し,動脈瘤化や下肢虚血などを引き起こす稀な疾患である.その治療法としてこれまでは瘤切除術や瘤空置術を行い,必要ならば下肢血行再建術を追加する外科的療法が一般的であった.しかし血管内治療の発達により,コイルを用いたtranscatheter arterial embolization(TAE)による治療例が報告されてきている.今回われわれは肥満患者における,有症状の完全型遺残坐骨動脈瘤に対し,下肢血行再建術とTAE を併用したハイブリッド治療を施行した.合併症なく瘤の完全閉塞に成功し,かつ下肢血流は良好となった.現在術後2 年経つが,コイルのmigration やバイパス閉塞は認められず経過良好である.リスクのある患者の遺残坐骨動脈瘤に対する治療法として,安全かつ低侵襲であるTAE の併用が有用であると考えられた.
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  • 石坂 透, 渡邉 倫子, 東出 高至, 田村 友作, 石田 敬一, 松宮 護郎
    22 巻 (2013) 7 号 p. 993-996
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:腹部大動脈瘤を伴わない右内腸骨動脈瘤左総腸骨動脈瘤合併例に対し,両側内腸骨動脈コイル塞栓術と両側にステントグラフト(Excluder Contralateral Leg)をKissing stentgraft 法で下腸間膜動脈分岐より下方の腹部大動脈から両側外腸骨動脈に留置し,良好な結果を得たので報告する.症例は93 歳男性.多発性骨髄腫で加療中,精査のCT 検査で右内腸骨動脈瘤径約30 mm と左総腸骨動脈瘤径約62 mm を認め紹介された.左総腸骨動脈は瘤の中枢側末梢側ともにneck の確保が難しいと判断した.両側内腸骨動脈のコイル塞栓術と,骨盤内の虚血を回避するため,下腸間膜動脈の起始より下方に両側ステントグラフトleg を中枢側はKissing stentgraft法,末梢側は外腸骨landing で留置しsealing が得られた.患者は合併症なく良好に経過し退院した.
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  • 池谷 佑樹, 荻野 秀光
    22 巻 (2013) 7 号 p. 997-1000
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は慢性腎不全血液維持透析中の81歳男性で,2004年に最大短径60 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤に対して他院にてDacron製Y型人工血管置換術を受けた.2012年に突然の腹痛を認めたため前医で精査したところ,CT検査にて置換された人工血管部分から造影剤漏出を認めたため当院に転院.高齢で2度の開腹歴のある慢性腎不全患者というハイリスク症例であったためステントグラフト内挿術を第一選択とした.大動脈造影で造影剤漏出を確認し,ExcluderTMにて治療し確認造影で造影剤漏出消失を確認し手術終了とした.術後1年のCT検査で造影剤漏出は消失し瘤径縮小を認め経過良好である.人工血管置換術後遠隔期合併症の一つである人工血管断裂による非吻合部仮性動脈瘤は稀な合併症であるが,ステントグラフト内挿術による治療は有効であると考えられた.
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  • 矢鋪 憲功, 斉藤 裕, 髙田 宗尚
    22 巻 (2013) 7 号 p. 1001-1004
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:孤立性腹部内臓動脈解離は比較的稀な疾患である.造影CTを撮影しなければ診断困難なために,軽症の場合は見逃されることも多い.また閉塞性動脈硬化症や塞栓症と診断困難な場合もある.保存的加療としては降圧や抗凝固療法を行い,症例によって手術や血管内治療による血行再建を行うが,いずれも明確な治療指針はない.今回当施設で4例の腹部内臓動脈解離を経験した.3例は保存的治療を,1例はバイパス手術を行い軽快した.症例ごとに的確な治療方法や術式の選択が重要である.
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  • 関 功二, 山下 昭雄, 武内 克憲, 芳村 直樹
    22 巻 (2013) 7 号 p. 1005-1008
    公開日: 2013/12/26
    [早期公開] 公開日: 2013/12/14
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は55 歳の女性.左下肢の間歇性跛行を主訴に他院を受診し,精査の結果,左膝窩動脈外膜囊腫と診断された.バルーン血管形成術が施行されたが,術後1 カ月で再び間歇性跛行が出現し,次第に増悪したため当科紹介入院となった.入院時の左下肢ankle brachial pressure index(ABI)は0.59 で,造影CT 検査の結果左膝窩動脈外膜囊腫に対するバルーン血管形成術後の膝窩動脈再狭窄の診断で手術を施行した.手術は後方到達法で囊腫含めて膝窩動脈を切除し,自家静脈にて置換した.術後ABI は1.04 に改善を認め,間歇性跛行も消失した.術後2 年経過した現在も症状の再発なく経過良好である.膝窩動脈外膜囊腫の特性やその解剖学的条件から膝窩動脈外膜囊腫に対するバルーン血管形成術の治療成績は不良であるため, 膝窩動脈外膜囊腫に対する治療は,外科的手術が第一選択であると考える.
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  • 阿久澤 聡, 三岡 博, 石神 直之, 鈴木 一周
    22 巻 (2013) 7 号 p. 1009-1012
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:Shaggy aortaを有する解離性胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術施行時に遠位塞栓予防を行った症例を報告する.症例は76歳,男性.急性大動脈解離(DeBakey IIIa,血栓閉塞型)と診断され降圧安静治療を行っていたが,発症後2週間で胸部下行大動径が58 mmと瘤化,拡大を認めた.脳梗塞既往,慢性閉塞性肺疾患,腎機能低下を認めたため,全身状態を考慮してステントグラフト治療を選択した.手術は発症から4週間後に施行し,デバイスはGORE TAGを使用した.大動脈は粥状硬化性変化が著明で術中操作による塞栓症合併が危惧されたため,24 Frイントロデューサーシースと大腿静脈に留置した12 Frシース間に100 μmの多孔性フィルターを介在させて動静脈シャントを作成し,手技中の塞栓子を回収するシステムを作成した.フィルターには多数の塞栓子が確認され,塞栓合併症の出現なく術後経過は良好であった.
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  • 道本 智, 朝倉 利久, 小池 裕之, 森田 耕三, 新浪 博士, 須田 優司
    22 巻 (2013) 7 号 p. 1013-1016
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:63歳,男性.主訴は突然の背部痛.炎症反応高値,CT所見より感染性胸腹部嚢状大動脈瘤(最大径70 mm),両側膿胸と診断した.血行動態が安定していたため人工呼吸器,降圧療法下に抗生剤療法施行後の待機手術方針としたが,第13病日のCTで感染瘤の著明な拡大(最大径90 mm)を認めたため緊急胸腹部人工血管置換術を施行した.左膿胸腔内から大量の膿汁(MSSA)を認め,感染瘤を切開すると大動脈壁の一部が穿孔し仮性瘤の形態であった.バンコマイシン+ピオクタニン浸漬人工血管置換,瘤壁を横隔膜の一部も含めて合併切除しdebridement施行,大網を左胸腔,横隔膜欠損部,人工血管周囲に充填した.術後抗生剤は6週間経静脈投与,現在術後8カ月で経過良好である.完全な感染組織のdebridement +抗生剤浸漬人工血管使用+大網充填+適切な抗生剤療法によって,一期的in situ再建であっても救命可能であった.
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