日本血管外科学会雑誌
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23 巻 , 3 号
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原著
  • 新垣 正美, 横井 良彦, 東 隆, 遊佐 裕明, 外川 正海, 笹生 正樹, 大森 一史, 冨岡 秀行, 青見 茂之, 山崎 健二
    23 巻 (2014) 3 号 p. 675-680
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】ステントグラフト内挿術後には動脈瘤の急激な血栓化により凝固線溶系が亢進することが知られている.トラネキサム酸を投与することで術後の線溶系亢進およびtype 2 endoleak が抑制されるかについて検討を行った.【方法】腹部大動脈瘤51 例,胸部大動脈瘤38 例の計89 例を対象とし後方視的に検討を行った.周術期に凝固線溶系を測定,またtype 2 endoleak の評価は術後1 週間目および6 カ月目の造影CT にて行った.【結果】PT(INR),APTT,AT,血小板数においてはトラネキサム酸の投与に影響がなかった.Fibrinogen はトラネキサム酸投与群で有意に高値を示し消費の抑制が示唆された.FDP は非投与群で術後5 日目より再上昇を示し線溶系の亢進を認めたが,トラネキサム酸投与群ではその再上昇が有意に抑制されていた(43.8±36.6 vs 18.3±17.1 µg/ml: p=0.004).Type 2 endoleak は術後1 週間目において非投与群が22.0%であったのに対し投与群が6.3%と有意に抑制され(p=0.031),その傾向は6 カ月目でも持続した.【結論】トラネキサム酸を投与することでステントグラフト内挿術後の線溶系亢進およびtype 2 endoleak が抑制されることが示唆された.
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  • 吉本 公洋, 大場 淳一, 杉木 聡, 奥山 淳, 宮武 司, 青木 秀俊
    23 巻 (2014) 3 号 p. 681-686
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】膝下の膝窩動脈や三分枝以下への大伏在静脈のin situ バイパスには,静脈弁の処理と共に側枝処理が必要となり複数の皮膚切開を要する.それゆえ創合併症の可能性が増し,また美容上の欠点を生ずる.近年,大伏在静脈の内視鏡下採取が可能となり,その低侵襲性ゆえ創関連合併症の減ずる効果を有する.大伏在静脈を用いた下腿への in situ バイパスにおいて内視鏡下静脈採取法を応用した.【方法】本法を間歇性跛行を主訴とする下肢閉塞性動脈硬化症の大腿動脈-下腿動脈バイパスに用いた.皮膚切開は患肢の鼠径部およびバイパス標的動脈部である下腿内側との2 箇所のみである.【結果】2008 年8 月から2012 年6 月まで,5 症例に本法を用いてのバイパス術を行った.全例において術後に間歇性跛行は消失,術後合併症として痺れや創感染症を認めなかった.術後の追跡期間は11 から57 カ月となるが,下肢虚血症状の再発を認めていない.1 例で側副血行路の発達による虚血症状を伴わないバイパス閉塞が確認されたが,ほかでは全例バイパスグラフトの開存が保たれていた.【結論】膝下動脈への大伏在静脈のin situ バイパス術において,大伏在静脈処置に内視鏡下静脈採取装置を用いることで,大伏在静脈の分枝の同定と遮断処理が確実に合併症なく施行可能であり,また皮膚の追加切開が不要ゆえ創合併症の軽減と美容面の利点を得られた.内視鏡を用いた本術式は,大伏在静脈のin situ バイパス術において有用と考える.
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  • 山城 聡, 新垣 涼子, 前田 達也, 喜瀬 勇也, 稲福 斉, 仲栄 真盛保, 永野 貴昭, 國吉 幸男
    23 巻 (2014) 3 号 p. 687-694
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】われわれは急性B 型解離の合併症に対する治療方針として,1)大動脈本幹への外科治療はthoracic endovascular aneurysm repair (TEVAR)を,また2)分枝閉塞による腸管虚血の合併症にはOpen surgery を第一選択としている.また,慢性期の手術適応は瘤径60 mm 以上としており,腹部分枝再建を要する胸腹部大動脈はOpen surgery を,腹腔動脈直上までの症例はTEVAR を選択する方針としている.当科におけるB 型解離手術症例について検討した.【対象および方法】過去25 年間に当科で経験した急性B 型解離は132 例であった.うち,21 例(15.9%)が合併症のため急性期に緊急手術を要した.一方,慢性期の手術症例は67 例(59.8%)であった.手術までの期間は発症後平均3.4±5.4 年(中央値1 年)であった.【結果】急性期手術症例の手術死亡は21 例中7 例(33.3%)と不良であった.急性期の瘤破裂に対してはOpen surgery で救命し得たのは3 例中1 例のみであったが,TEVAR を行った2 例は救命退院できた.急性期腹部臓器虚血症例の手術死亡は9 例中3 例(33.3%)で,虚血要因別では明らかに分枝閉塞例で予後は不良であった(p=0.02).術前血液ガス分析におけるアシドーシスおよび乳酸値に生存例と死亡例において有意差は認めず,有意差を認めたのは手術までの時間(生存;8.6±2.3 時間,死亡;23.3±10.6 時間)のみであった(p=0.01).慢性期手術症例のOpen surgery 手術死亡は3 例(8.8%)で, TEVAR 症例では術中解離進展によりOpen conversion した1 例(3.0%)を失った.慢性期外科治療はいずれの方法でも比較的良好な結果を得た.【結論】B 型大動脈解離に対する手術成績の向上には,急性期合併症に対する手術治療の改善が肝要である.破裂例に対してはTEVAR が低侵襲で救命が可能であり,第一選択とすべきであると考えられた.また,分枝閉塞による臓器虚血に対しては,発症後24 時間以内の可及的早期の血行再建がその予後を決定することが示唆された.
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  • 森下 清文, 佐賀 俊文, 楢山 耕平, 柴田 豪, 氏平 功祐, 馬場 俊雄, 馬渡 徹
    23 巻 (2014) 3 号 p. 695-699
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】弓部大動脈瘤のハイブリッド治療としてtotal debranching とpartial debranching を施行してきた.自験例を基に両術式の特徴を明らかにする.【方法】2008 年5 月から2013 年4 月末までに施行した弓部大動脈瘤ハイブリッド治療77 例を対象とした.このうちtotal debranching を24 例(T 群), partial debranching を53 例(P 群)に行った.T 群の9 例(38%)とP 群の13 例(25%)は二期的に胸部ステントグラフト留置術(TEVAR)を施行した.中枢ネックの長さはT 群で39±17 mm,P 群で29±9 mm と有意差を認めた(p<0.05).【結果】早期死亡をT 群1 例(4%),P 群1 例(2%)に認めた.術後呼吸不全の発症はT 群6 例(25%),P 群2 例(4%)と有意差を認めた(p<0.01).二期的手術例を除いたT 群とP 群の入院期間はそれぞれ33±29 日と16±10 日で有意差を認めた(p<0.001).術直後のエンドリークはT 群が3 例(13%)でP 群が18例(34%)であった.P 群の3 例は再TEVAR を行ったがT 群で再手術症例はなかった.2 年生存率はT 群が69±10 %,P 群が84±6 % で,event-free 生存率はT 群が2 年生存率59±11 %,P 群が73±8%であった.【結論】Total debranching は中枢neck の長さを十分にとれるためエンドリーク予防の点ではpartial debranching より有利であったが,手術侵襲の点でpartial debranching より劣った.
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症例
  • 郡谷 篤史
    23 巻 (2014) 3 号 p. 700-703
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は80 代女性,前医にて両側腸骨動脈および右総大腿動脈にステントが留置されていた.その後,左腸骨動脈ステントは閉塞,左下肢虚血は重症化した.全足趾は壊死し,激しい痛みを伴い,日常生活が困難となった.手術は自家静脈を用いて非解剖学的バイパス(右大腿-左膝下膝窩動脈)を施行した.また右総大腿動脈ステントは抜去し,静脈パッチ血管形成を追加した.壊死した足趾は切断,治癒した.安静時痛は消失し,ADL は著しく改善した.
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  • 白川 元昭, 西山 元啓
    23 巻 (2014) 3 号 p. 704-707
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は58 歳男性.家族歴のあるneurofibromatosis type 1(以下NF 1)の患者.これまで重篤な合併症なく社会生活を送ってきた.仕事中に急に左下腹部痛を自覚,救急搬送された.左下腹部を中心に強い圧痛と膨隆を認め,CT 検査にて腹部大動脈の破裂と診断し,緊急手術を施行した.後腹膜の厚い索状組織のため腹部大動脈到達に時間を要し,組織が脆弱なためか腰動脈の止血に難渋した.索状組織は病理検査にてNF-1 に特徴的な蔓状神経線維腫と診断された.NF-1 に合併する大動脈瘤は硬化性変化が主体で成績は良好とされる一方,自然破裂例においては,開腹術において血管壁の脆弱性や周囲組織の易出血性のため不幸な転帰をたどった報告やステントグラフト内挿入術後の再手術の報告等がみられた.NF-1に伴う動脈病変に対しては,動脈壁自体の脆弱性や動脈周囲の合併病変の可能性も念頭に治療計画を立てる必要がある.
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  • 大石 清寿, 染谷 毅, 白井 俊純, 伊佐治 寿彦, 正木 幸善, 大島 永久
    23 巻 (2014) 3 号 p. 708-711
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:両側巨大大腿動脈瘤のある70 歳男性.A 型大動脈解離に対し上行大動脈人工血管置換術を施行した.術後約1 年目に前胸部絞扼感を自覚,同時期より発熱と左鼠径部の腫脹,疼痛が出現した.CTでは上行大動脈遠位側吻合部末梢に新たな解離性大動脈瘤を認め,左大腿動脈瘤は急速拡大しており解離性弓部大動脈瘤と左大腿動脈瘤感染と診断,手術を行った.手術は開胸操作に先立ち左大腿動脈瘤切除を行い,再建にY 型人工血管を使用し一方の側枝を送血路として使用することで安全に再開胸操作を行うことが可能となった.感染対策として瘤切除と前回手術時の人工血管の除去を行い,胸部,大腿部ともにリファンピシン浸漬人工血管を使用した.術後4 週間の抗生剤投与を行い,以後感染の再燃は認めていない.両側大腿動脈瘤を合併する感染性動脈瘤の症例における再手術において送血部位の工夫と感染対策を行うことにより良好な結果を得た.
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  • 夏目 佳代子, 山本 希誉仁, 田中 敬三, 平岩 卓根, 田中 國義
    23 巻 (2014) 3 号 p. 712-715
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:外膜囊腫は膝窩動脈での発生が多く,外腸骨動脈での報告は極めて稀である.われわれは間歇性跛行で発症した外腸骨動脈外膜囊腫の手術例を経験したので報告する.症例は43 歳,女性.1 カ月前より間歇性跛行を認め,近医を受診した.左ABI 0.82 と低下,造影CT にて左外腸骨動脈の狭窄を認めた.当院に紹介され,血管内超音波にて狭窄部位は血管外の液性成分に圧排され,囊胞性病変が示唆されたため,手術を施行した.術中所見では左外腸骨動脈外膜に密着する囊胞性病変を認め,囊胞は背側へ連続しており,囊胞切除を含めた外腸骨動脈の切除および人工血管置換術を行った.病理所見では,外弾性板外側に囊胞性病変を認め,外腸骨動脈外膜囊腫と診断した.術後ABI は0.98 と改善,症状も消失した.成因についてはさまざまな仮説があるが,本例では囊腫は背側に連続しており,股関節包との繋がりが示唆され,滑膜囊胞に起源する可能性が考えられた.
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  • 田内 祐也, 山田 光倫, 奥田 直樹, 渋川 貴規, 佐藤 尚司, 松田 暉
    23 巻 (2014) 3 号 p. 716-719
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:慢性骨盤痛および非典型的な下肢静脈瘤を主訴とする2 症例に対して,骨盤内鬱滞症候群の診断にて卵巣静脈塞栓術を施行した.いずれの症例も長年の慢性骨盤痛に苦しんでおり,陰部から臀部,大腿背側に静脈瘤を認めた.その症状,臨床所見から骨盤内鬱滞症候群を疑い造影CT を施行したところ著明に拡張した左卵巣静脈および骨盤内静脈瘤を認めた.確定診断,治療を目的に静脈造影を施行した.両側卵巣静脈および内腸骨静脈を半立位にて造影すると,いずれの症例でも左卵巣静脈のみに静脈不全に伴う逆流と拡張を認めた.両症例とも左卵巣静脈に対してコイル塞栓を行い症状改善が得られた.骨盤内鬱滞症候群は治療可能な疾患であり,その病態生理と治療につき婦人科医のみならず血管外科医も知っておく必要があると考えられたので報告する.
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  • 山本 剛, 大谷 悟, 錦 みちる, 山田 有紀, 松本 泰一郎
    23 巻 (2014) 3 号 p. 720-724
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は73 歳男性.腰背部痛のため歩行困難となり,前医CT で腹部分枝レベルに分葉状に膨隆する胸腹部大動脈瘤と椎体(T12-L1)の骨破壊像を認めた.持続する発熱もあり,脊椎炎を契機に発症したと考えられる大動脈瘤と考えたが,起因菌は不明であった.抗生剤投与を開始し,第11 病日に腹部正中切開で腹部人工血管置換術および腹部分枝再建を伴うステントグラフト治療を施行.術後32 日目に脳神経外科にて自家腓骨を用いた脊椎前方再建および後方固定術が施行された.椎間板および椎体より採取した感染組織からは起因菌は同定されず,摘出脊椎の病理結果でも明らかな悪性所見は認めなかった.術後はリハビリを行い,介助で立位が可能になった.初回手術後76 日目に紹介元病院にリハビリ転院となった.術後1 年が経過したが,感染の再燃は認めず,施設入所中である.
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  • 原田 英之, 鈴木 政夫
    23 巻 (2014) 3 号 p. 725-728
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:末梢動脈瘤のなかでも極めて稀な足背動脈瘤の1 例を経験したので,若干の文献的考察を含め報告する.症例は69 歳,女性で4 年前に脳動脈瘤の手術の既往があった.その後より右足背部の拍動性腫瘤に気づいていたが,徐々に大きくなり違和感を自覚するようになったので近医を受診した.血管エコーで足背動脈瘤が疑われ当院を紹介された.腫瘤に一致して軽度の収縮期雑音が聴取され,CTA にて足背動脈瘤と診断された.瘤を切除し,端々吻合による血行再建を行った.病理所見では仮性動脈瘤と診断され,脳動脈瘤手術時の足背の静脈穿刺の際の動脈損傷が瘤形成の原因として考えられた.
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  • 石田 勝, 福田 篤志, 山懸 基維
    23 巻 (2014) 3 号 p. 729-732
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:急性肺血栓塞栓症に対し,急性期の一定期間,再発予防目的で回収可能型フィルターを使用することが多い.しかしながらフィルターを抜去せず,そのまま永久留置されることがあり,晩期合併症につながる可能性がある.症例は41 歳男性で,他院で下肢深部静脈血栓症,肺動脈塞栓症に対して下大静脈フィルター(inferior vena cava filter; IVC filter)が留置された.留置後ワーファリンを服用し,深部静脈血栓症再発は認めていなかった.1 年半後,定期的上部消化管内視鏡検査を行ったところ,偶然に十二指腸壁内に突出する異物を発見された.CT 検査では,IVC フィルターの脚部フックがIVC 壁を穿破し,十二指腸に穿通していた.下血などの消化管出血は認められなかったが,放置すれば致命的な出血を来す危険性があり,開腹下に,IVC フィルターを摘出した.
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  • 長尾 俊彦, 北川 敦士
    23 巻 (2014) 3 号 p. 733-737
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は63 歳女性.腹痛を主訴に近医を受診し消化管出血による貧血と診断されて紹介入院となった.上部消化管内視鏡検査では異常を認めなかったが,上腹部単純CT 検査で膵頭部近傍の液体貯溜と消化管の圧迫を認めた.造影CT 検査では,血腫近傍に不整に拡張した膵十二指腸動脈アーケイド(PDA)を認め,さらに腹腔動脈起始部狭窄を認めたことから,腹腔動脈起始部圧迫症候群(CACS)と診断した.再出血防止のため血腫近傍の前下膵十二指腸動脈をコイル塞栓し,膵十二指腸動脈瘤の拡大や側副路の拡張を予防するために,後日開腹下に腹腔動脈起始部の正中弓状靭帯の切離を行い,狭窄を解除した.術後の確認造影で残存膵十二指腸動脈瘤の縮小がみられずコイル塞栓を追加した.術後1 年の造影CT 検査では腹腔動脈の再狭窄や瘤の発生はみられていない.CACS に対してハイブリッド治療を行い低侵襲に良好な治療結果を得たので報告した.
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  • 尾藤 康行, 平居 秀和, 佐々木 康之, 細野 光治, 末廣 茂文
    23 巻 (2014) 3 号 p. 738-742
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:腹部アンギーナに対するバイパス術においては,用いるグラフト,バイパス経路,再建動脈の選択が問題となる.自家静脈を用いて腹腔動脈頭側の腹部大動脈から順行性バイパスを行った2 例を経験した.症例1 は61 歳,男性で,食後腹痛,羸痩の精査にて腹腔・上腸間膜動脈の閉塞を認めた.大伏在静脈のcomposite graft により,頭側大動脈から総肝動脈,上腸間膜動脈へバイパスした.膵液のため術後3 カ月間絶食としたが,グラフトは良好に開存し,症状は消失,順調な体重増加をみた.症例2 は断続的腹痛と水溶性下痢が主訴の65 歳,男性で,腹腔・上腸間膜動脈の閉塞,下腸間膜動脈起始部の高度狭窄および腹部大動脈瘤を認めた.静脈グラフトで大動脈から総肝動脈へバイパスし,下腸間膜動脈血行再建を伴う腹部大動脈人工血管置換を行った.術後検査にてグラフトの開存と側副血行を介する上腸間膜動脈への良好な血流を認め,症状は消失した.
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  • 塚田 亨, 徳永 千穂, 酒井 光昭, 南 優子, 佐藤 幸夫, 榊原 謙
    23 巻 (2014) 3 号 p. 743-747
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
    ジャーナル フリー
    要旨:肺動脈原発腫瘍は極めて稀な疾患であり,未治療の場合は予後1.5 カ月ともいわれる悪性の疾患である.症例は62 歳女性.咳嗽と血痰を主訴に受診.造影CT で肺動脈肉腫と診断,左右肺動脈はほぼ腫瘤に占拠され突然死の可能性が高いと判断し手術適応とした.麻酔導入後に心停止となり,緊急開胸し人工心肺を開始,主肺動脈から右肺動脈に嵌頓した腫瘍を摘出,肺動脈は馬心膜で再建した.左肺気管支の断端の確保も可能であり人工心肺離脱後に左肺全摘を施行し腫瘍を完全に摘出した.病理組織より左肺動脈内膜肉腫と診断,腫瘍断端は陰性であった.術後補助化学療法については明確なプロトコールがないことより選択しなかった.現在術後36 カ月が経過しているが,再発を認めず外来で経過観察中である.左肺動脈原発血管内膜肉腫に対して,肺動脈再建・左肺全摘術を行い術後36 カ月の生存期間を得た.肺動脈原発血管内膜肉腫の予後改善のためには,完全切除をめざした積極的な手術が有効と考えられた.
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  • 田内 祐也, 渋谷 卓, 渋川 貴規, 山田 光倫, 奥田 直樹, 佐藤 尚司
    23 巻 (2014) 3 号 p. 748-751
    公開日: 2014/04/29
    [早期公開] 公開日: 2014/04/16
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    要旨:症例は52 歳,男性.左膝窩部の腫脹,疼痛を主訴に近医を受診し,急速に増大する膝窩動脈瘤の診断にて当院搬送となった.来院時,発熱および炎症反応高値を認め,左膝窩部に著明な拍動性の腫脹,発赤,圧痛を認めた.CT 撮像にて最大短径43 m の膝窩動脈瘤,瘤周囲に液貯留を疑う所見を認めた.以上から感染性膝窩動脈瘤切迫破裂の診断にて緊急手術を行った.手術はまず後方アプローチにて感染瘤の切除および感染組織のデブライドメントを行い,創を閉鎖後,内側アプローチにて血行再建術を行った.動脈瘤壁および瘤周囲膿汁の培養より黄色ブドウ球菌が検出され,感受性結果に基づき適切な抗生剤投与を行った.術後,感染兆候は速やかに改善し,感染の再燃や吻合部の問題などは認めず,良好な結果を得た.
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