日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
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23 巻 , 6 号
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原著
  • 武井 祐介, 緒方 孝治, 堀 貴行, 松下 恭, 桒田 俊之, 権 重好, 井上 有方, 柴崎 郁子, 山田 靖之, 福田 宏嗣
    23 巻 (2014) 6 号 p. 899-903
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】両側腸骨動脈瘤合併症例に対する腹部ステントグラフト内挿術(EVAR)において, 一側内腸骨動脈再建群(外腸-内腸骨動脈バイパス術併用)と両側内腸骨動脈塞栓群(両側内腸骨動脈コイル塞栓術併用)を比較検討した.【方法】2008 年6 月から2013 年3 月までに両側腸骨動脈瘤合併腹部動脈瘤に対してEVAR を施行した21 例中, 一側内腸骨動脈再建群14 例と両側内腸骨動脈塞栓群7 例をretrospective に治療経過を比較検討した.当科では,一側ないし両側に正常径の内腸骨動脈があれば一側内腸骨動脈を再建し,両側内腸骨動脈瘤の合併や術前状態が比較的不良な症例に限り両側内腸骨動脈塞栓術を行っている.【結果】平均手術時間(p=0.01),平均出血量(p=0.04)および輸血量(p=0.03)において有意に両側内腸骨動脈塞栓群で少なかった.骨盤内虚血症状である臀部跛行,性器障害および虚血性腸炎の発症率に有意差はなかった.一側内腸骨動脈再建群で1 例予期せず両側内腸骨動脈を閉塞させ左半結腸壊死を認め死亡した.術後在院日数(p=0.37)に有意差はなく,術後観察期間中に動脈瘤関連死を認めなかった.【まとめ】可能であれば内腸骨動脈を温存することが望ましいが,両側内腸骨動脈瘤合併症例や術前状態の比較的悪い症例に対して両側内腸骨動脈コイル塞栓手技の併用は比較的安全に施行できることが示唆された.
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症例
  • 達 和人, 上江洲 徹, 洲鎌 盛一, 野村 敬史, 真栄平 直也, 加藤 誠也
    23 巻 (2014) 6 号 p. 904-909
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は41 歳女性.38 歳時より,糖尿病性腎症にて透析を導入された.左肘窩部で自家動静脈吻合により作成された内シャントにより透析が施行されていたが,40 歳時より左上腕中央部のシャント静脈に瘤化が認められるようになった.その後徐々に鶏卵大まで増大し,疼痛も出現するようになり当院紹介受診となった.血管エコー検査では瘤はシャント静脈が最大径4 cm まで拡大したものであり,瘤内への血液流入ジェットを認め,仮性瘤が疑われた.破裂の危険が高く,準緊急手術を施行した.瘤の上流・下流側のシャント静脈を確保しクランプした後,瘤の拍動が消失することを確認した.瘤周囲には軽度の癒着があったが,剝離を進め,瘤を露出した.瘤を切開後,内部には大量の器質化血栓を認め,血栓と瘤壁を完全に除去するとシャント静脈に約3×1 cm 大の欠損孔を確認した.感染徴候はなく,一期的な内シャント再建が可能と判断した.瘤孔周囲のシャント静脈の壁が厚く,石灰化もなく性状が良好であったため,PTFE グラフトを切り開いて楕円形にトリミングし,パッチ形成術を施行した.術後,造影CTを施行し再建部位に問題はなかったが,左鎖骨下静脈に狭窄を認めたため,同部位にステント留置,経皮的血管形成術施行後に軽快退院となった.
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  • 井手 亨, 阪越 信雄, 樋口 卓也
    23 巻 (2014) 6 号 p. 910-913
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
    要旨:上腕動脈瘤は比較的稀な疾患であり,原因としては外傷性・医原性が多い.今回われわれは,限局性の解離性上腕動脈瘤に対して手術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は79 歳女性.外傷・医療行為歴はなし.約2 年前から,右上腕の腫瘤を自覚していたが,増大傾向を認めたため精査目的に当科紹介となった.超音波検査では右上腕部に21.7 mm 大の紡錘型の内部に血栓を伴う動脈瘤を認めた.手術は全身麻酔下に施行し,瘤を切除し,再建は断端どうしを端々吻合した.術後経過は概ね良好であり,術後造影CT でも吻合部等は異常,再発は認めていない.病理組織学的所見では,弾性線維の断裂や消失を認める限局性の解離性動脈瘤であり,動脈硬化性病変や中膜囊胞性壊死の所見は認めなかった.
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  • 佐藤 克敏, 許 吉起, 森田 悟
    23 巻 (2014) 6 号 p. 914-918
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は81 歳,女性.転落外傷3 年後,腕頭動脈分岐部の大動脈から発生した直径57 mm の仮性動脈瘤が発見された.CT で大動脈は損傷部以外正常だったので温存可能と考えたが,動脈瘤のため大動脈や頸部分枝の単純遮断での血行再建は困難で,脳保護を考慮した体外循環が必要と思われた.そこで,胸骨正中切開でアプローチし,動脈瘤を避けるため両側腋窩動脈に吻合した人工血管と両側頸動脈にカットダウン法で挿入したカテーテルの4 箇所を送血路とした脳分離体外循環下に手術を行った.右総頸動脈は襟状に切開を追加し頸部から送血した.大動脈遮断,低体温,体循環停止とし動脈瘤と腕頭動脈を切除した.大動脈欠損部を部分遮断し左腋窩動脈から体送血を再開,復温しながら欠損部にY 型人工血管を端側吻合,大動脈遮断解除後人工血管の脚に右総頸動脈と鎖骨下動脈を端々吻合して再建した.送血部位の工夫で,大動脈の温存と体外循環の侵襲軽減が可能となった.
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  • 齋藤 直毅, 遠藤 將光, 笠島 史成, 川上 健吾, 松本 康
    23 巻 (2014) 6 号 p. 919-922
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:重症上肢虚血に対し前腕部へのバイパス術を施行した1 例を経験したので報告する.患者は70 歳男性.右手指全体の色調不良・冷感および右第2 指の疼痛・痺れが出現し,その後右第4 指指尖に壊死が出現したため紹介となった.右上肢動脈造影にて,橈骨動脈および尺骨動脈は近位部で閉塞しており,橈骨動脈の遠位部は骨間動脈を介した側副血行によって造影された.経過中に壊死領域の拡大を認めたため,救肢目的に自家静脈を用いて右上腕動脈-橈骨動脈バイパス術を施行した.術後経過は良好で,11 カ月経過した現在も症状の再燃は認めていない.前腕部へのバイパス術の報告例は限られているが,重症上肢虚血に対する救肢目的の際には有用な方法と考えられた.
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  • 小川 普久, 濱口 真吾, 村上 健司, 荒井 保典, 橋本 一樹, 藤塚 進司, 千早 啓介, 原口 貴史, 中島 康雄
    23 巻 (2014) 6 号 p. 923-926
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
    要旨:とくに誘因のない特発性の肺動脈瘤は非常に稀な疾患とされており,その自然経過は不明な点が多い.しかし,破裂すると致死的となり得るため,診断がつき次第,病因や瘤サイズ,症状の有無にかかわらず治療適応とすべきとの報告もある.症例は60 代,女性.14 年前の健診にて指摘された左肺動脈瘤の増大傾向を認めたため,経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization; TAE)の方針となった.動脈瘤のサイズはϕ15×12 mm 大で1 本の流入動脈と2 本の流出動脈を認めた.TAE は流出動脈と流入動脈をコイル塞栓し,明らかな合併症なく手技を終了した.本法は外科的切除術に比し低侵襲で,有用な治療選択の一つになると考えられた.
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  • 内田 智夫
    23 巻 (2014) 6 号 p. 927-930
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:リング付ePTFE 人工血管を用いた腋窩・大腿動脈バイパス術後の鈍的損傷による稀な断裂症例を診療したので報告する.62 歳男性.糖尿病,狭心症の既往あり.閉塞性動脈硬化症(左腸骨動脈閉塞)のため前医で左腋窩・大腿動脈バイパス術を約14 年前に受けている.誤って転倒し左側腹部を打撲.側腹部に広範囲の皮下出血と血腫を認めたため当院を受診.造影CT 検査でグラフトの断裂と周囲の血腫が確認され,全身麻酔により緊急手術を行った.グラフトの断裂部はほとんど挫滅がなくリングの間で断裂していたため,端々吻合のみで修復可能であった.術後は特段の問題なく,14 日目に独歩退院し,前医で診療継続となった.リングの間に外力が集中して鋭利な刃物で切断されたような完全な断裂をきたしたと推測された.外傷で破綻した部位より中枢側に仮性動脈瘤を認めており人工血管の劣化の関与も疑われた.
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  • 田内 祐也, 谷岡 秀樹, 近藤 晴彦, 佐藤 尚司, 松田 暉
    23 巻 (2014) 6 号 p. 931-935
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:感染性腹部大動脈瘤破裂に対してステントグラフト内挿術および後腹膜膿瘍に対する持続洗浄を行い治癒し得た症例を経験したため報告する.症例は77 歳,男性.腹痛と意識消失発作を主訴に前医受診し,腹部大動脈瘤破裂の診断にて当院搬送となった.炎症反応高値および後腹膜の肥厚を認め,感染性腹部大動脈瘤破裂の診断にて緊急手術を行った.手術はステントグラフトおよび一期的に開腹下の洗浄ドレナージを行った.術後抗生剤投与および後腹膜腔持続洗浄にて感染制御は良好であったが,ステントグラフト中枢端に仮性瘤形成を認めたため,術後21 日目に追加血管内治療を要した.その後は感染の再発なく,術後12 カ月が経過するが合併症なく経過している.
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  • 田島 泰, 由利 康一, 松本 春信, 安達 晃一, 山口 敦司, 安達 秀雄
    23 巻 (2014) 6 号 p. 936-940
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は42 歳,男性.会議中に突然胸部痛が出現,造影CT 上,急性A 型大動脈解離の診断で手術目的にて当院紹介され,同日緊急上行大動脈置換術施行.術後第1 病日に左外腸骨動脈閉塞を認め,大腿動脈-大腿動脈バイパス術を施行した.術後第2 病日に徐々に腹痛が出現し,アシドーシスが進行し,CT 上上腸間膜動脈が右結腸動脈分岐部手前で偽腔血栓閉塞していた.緊急バイパス手術を行う方針とし,SMA 閉塞部位直上を切開,偽腔の血栓を可及的に除去した.しかし吻合に十分な血管径が得られず,またinflow の問題から,逆行性にSMA 根部にステントを留置.SMA 圧を測定したところ,上肢血圧と20 程度の差を認めた.IVUS を施行すると下行大動脈の一部が偽腔に圧排され真腔狭窄の所見を認め,真腔の圧排に対してTEVAR を施行した.術後経過良好でアシドーシスは改善し,自宅退院となった.
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  • 伊藤 栄作, 吉田 正, 道喜 将太郎, 倉部 和義, 松崎 靖司, 大木 隆生
    23 巻 (2014) 6 号 p. 941-945
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:82 歳女性.アルツハイマー型認知症,誤嚥性肺炎にて入院した.治療中に経口摂取不能となったため,中心静脈栄養を施行した.中心静脈カテーテル(CVC)は体型的な問題があり右大腿静脈より挿入した.CVC 留置後8 日目に発熱および肝胆道系酵素の上昇を認め胆管炎が疑われMRCP を施行したところ,多房性の肝膿瘍が認められた.抗生剤投与による保存的治療を行ったが改善せず,肝膿瘍ドレナージを施行した.術前評価の造影CT で,増大した膿瘍にCVC 先端が迷入していることが判明し,肝膿瘍ドレナージ術中にCVC から造影剤を注入すると膿瘍との交通が確認された.CVC からも膿の流出が認められたため,CVC は抜去せずドレナージ経路として使用することとした.解熱を認めたためドレナージ留置後1 週間でCVC を抜去した.その後,膿瘍ドレナージも抜去し順調な経過をたどった.
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  • 柳清 洋佑, 深田 穣治, 田宮 幸彦, 栗本 義彦
    23 巻 (2014) 6 号 p. 946-949
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は68 歳男性.突然の激しい胸背部痛を自覚し,近医でStanford B 型急性大動脈解離と診断され当院へ搬送された.降圧療法を行ったが,入院経過中に血管径の急速な拡大と真腔圧排による左下肢虚血が認められるようになった.重症の腰椎椎間板ヘルニアを有するため広範囲人工血管置換術は困難であると判断し,解離発症後2 カ月後に,左鎖骨下動脈末梢にあるprimary entry の閉鎖を行った.Entry閉鎖にはZone 2 より中枢からのステントグラフト留置が必要であり頭部分枝温存目的に開窓式ステントグラフトであるNajuta 胸部ステントグラフトシステム® を用いた.術後造影CT で偽腔中枢側の血栓化と真腔拡大を認めた.リハビリを経て術後28 日目に自宅退院した.製品化されたNajuta 胸部ステントグラフトによるB 型大動脈解離の治療はいまだ報告されておらず,若干の知見を加え報告する.
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  • 伊藤 聡彦, 勝又 千英子, 渡邊 正純
    23 巻 (2014) 6 号 p. 950-955
    公開日: 2014/10/25
    [早期公開] 公開日: 2014/10/06
    ジャーナル フリー
    要旨:GRF glue を使用した急性A 型解離術後に中枢側に再解離,仮性瘤の形成を認めた2 例を経験した.1 例目は7 年前に弓部置換を施行された61 歳男性,中枢側の再解離によるバルサルバ洞の瘤化と大動脈弁閉鎖不全に対して自己弁温存大動脈基部置換術(aortic reimplantation),末梢側の仮性瘤に対してTEVAR を施行した.2 例目は78 歳男性,上行大動脈置換4 年後に中枢側の仮性瘤形成と大動脈弁閉鎖不全をきたしたため大動脈基部置換術(Bentall 手術)が施行された.病理では双方ともホルマリンによる組織傷害所見と合致する,中膜の凝固壊死が認められた.GRF glue の使用によりA 型大動脈解離の急性期成績は向上したが,遠隔期合併症として5~20%で仮性瘤形成を認めるとされ,本邦では現在その使用は下火となっている.しかしながら多くの症例で使用された経緯があり今後も合併症の発生を注意深く観察する必要がある.
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