日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
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26 巻 , 2 号
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総説
  • 笠島 史成, 川上 健吾, 松本 康, 遠藤 將光, 笠島 里美, 川島 篤弘
    26 巻 (2017) 2 号 p. 129-134
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    IgG4関連疾患(IgG4-RD)は,血清IgG4高値,病変組織の著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維増生を特徴とする原因不明の全身性疾患である.著者らは2008年に炎症性腹部大動脈瘤(IAAA)の一部がIgG4-RDであることを報告し,血管病変の存在が明らかとなった.IgG4関連動脈疾患は,大動脈や,中型動脈(大動脈の1~2次分枝)に好発し,大動脈や腸骨動脈では瘤化を伴うことも多い.通常の血管炎と異なり炎症の主座が外膜にあることが特徴であり,線維増生と炎症細胞浸潤による著明な外膜肥厚を呈する.臨床症状として発熱や腹痛,水腎症等を認める例がある一方,自覚症状に乏しい場合も多い.診断は,画像所見(動脈壁の肥厚性病変),高IgG4血症,病理組織学的所見により総合的に行う.治療として,瘤化した例には人工血管置換術や血管内治療が行われ,炎症の強い例にはステロイドも使用される.本疾患は,他臓器のそれと異なり瘤化,破裂により致死的な状況をきたしうるため,診療においてはとくに注意が必要と考えられる.

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症例
  • 谷島 義章, 北原 博人, 星野 理, 尾頭 厚
    26 巻 (2017) 2 号 p. 91-94
    公開日: 2017/03/17
    ジャーナル フリー

    腹部大動脈瘤を合併した大動脈解離のうち限局性に解離腔が残存した症例は比較的まれであり,報告例も少ない.偽腔開存型の解離性大動脈瘤に対しては,真腔内にステントグラフト内挿し偽腔内圧を軽減させることが一般的であるが,本症例では,真腔が圧排されて狭小化しており,真腔内にはステントグラフトの留置に十分な血管径がないと判断した.そこで,治療は血管性状のよい部位に十分なLanding zoneを確保し偽腔経路でステントグラフトを留置し血行再建する方法を選択した.術後は脚閉塞などの合併症を認めることなく,良好な経過を経ることができた.

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  • 原 正幸, 前田 剛志, 金岡 祐司, 大木 隆生
    26 巻 (2017) 2 号 p. 95-101
    公開日: 2017/03/17
    ジャーナル フリー

    今回われわれは血管ベーチェット病による両側内頸動脈閉塞,左鎖骨下動脈閉塞のため高度の脳虚血症状の患者に二期的血管内治療が奏功した症例を経験したので報告する.症例は18歳,女性,12カ月におよび薬物治療を行ったが両側総頸動脈閉塞と左鎖骨下動脈閉塞に伴う脳虚血症状を呈し脳虚血が進行し脳梗塞を発症し高次脳機能障害,易疲労感や意欲低下が持続していた.来院時造影CTでは両側総頸動脈と左鎖骨下動脈の閉塞を認め,脳への唯一の血流源である右椎骨動脈の中枢側の右鎖骨下動脈に高度狭窄を認め,極めて高度の脳虚血状態であった.まず,虚血解除による過灌流症候群の予防のため左総頸動脈にPTAを施行し,二期的に左総頸動脈ステント術(covered stent)と右総頸動脈と右鎖骨下動脈のPTAを施行した.術後経過は良好で高次脳機能障害は改善し,術後3年経た現在に至るまで再狭窄や脳虚血症状の再発は認めていない.

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  • 深田 穣治, 中島 智博, 田宮 幸彦, 栗本 義彦
    26 巻 (2017) 2 号 p. 103-107
    公開日: 2017/03/24
    ジャーナル フリー

    症例は85歳,男性.80歳時に遠位弓部大動脈瘤に対しNajutaプロトタイプモデルによるTEVARを施行した.術後3年目に開窓部からのエンドリークが発生しその後瘤径が徐々に拡大した.Japan score 70.0%,Clinical frailty scale 6のハイリスク症例であったが,VALIANT Captiviaを用いて開窓部の圧着および閉鎖を行うことで低侵襲にエンドリークの制御が可能であった.VALIANT Captiviaは強力なradial forceを有するため,Najuta TEVARの術後に開窓部からエンドリークを発症した症例に対して有効な治療手段になりうると考えられたので報告した.

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  • 手塚 雅博, 墨 誠, 花井 信, 小野口 勝久, 金岡 祐司, 大木 隆生
    26 巻 (2017) 2 号 p. 109-112
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    EVAR術後のTypeIIエンドリークは最も頻繁に経験され,なかにはTypeIIエンドリーク残存に伴う動脈瘤径増大に対して追加治療を要する症例も少なからず存在する.しかし,その治療法や予防法に対しては一定の見解がない.今回,われわれの施設ではEVAR後のTypeIIエンドリーク予防のため手術時にAorta Extenderを用いて簡便にIMAを塞栓する方法としてAorta Extender瘤内留置法を考案し2例に施行した.術後CTでは2症例ともIMAからのTypeIIエンドリークは観察されず,1年の経過観察でも瘤径拡大を認めなかったため報告する.

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  • 稗田 哲也, 牧野 裕, 東 亮太, 飯島 誠, 村上 達哉
    26 巻 (2017) 2 号 p. 113-116
    公開日: 2017/04/12
    ジャーナル フリー

    膝窩静脈静脈性血管瘤(popliteal venous aneurysm; PVA)は稀な疾患で,肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism; PTE)を合併することが多い.抗凝固療法単独ではPTE再発を予防できないため,PVAは外科治療の適応である.症例は62歳女性,生来健康.起床後に呼吸苦を自覚し当院へ来院した.呼吸促迫と低酸素血症を認め,contrast-enhanced computed tomography(CT)で両側散在性のPTEと右側のPVAを認めた.回収可能型下大静脈フィルターを留置した後に,PVA切除,小伏在静脈による自家静脈パッチ形成術を行った.術後半年以上経過し,再発や深部静脈血栓症は起きていない.PVAと診断されれば瘤内血栓がある場合や,血栓がない場合でも症例に応じ,重篤なPTE予防のため早期の手術を考慮すべきである.

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  • 矢田 真希, 庄村 心, 鈴木 仁之, 近藤 智昭
    26 巻 (2017) 2 号 p. 117-120
    公開日: 2017/04/13
    ジャーナル フリー

    50歳男性.数年前より歩行時の左下肢のだるさを自覚していた.左下肢の痺れ,冷感を自覚し当院受診し,造影CTにて左大腿動脈の高度狭窄を認め,血管エコーにて血栓症と診断され,緊急血栓除去術を施行したが,血管内腔には血栓を認めず,左大腿動脈の全周を取り囲むようにゼリー状の物質が貯留しており,その圧排にて血管が閉塞していた.ゼリー状の物質を除去し,手術は終了した.症状は軽快し独歩退院となったが,術後47病日目に同症状が出現し,造影CTにて再度左大腿動脈の狭窄を認め,MRIにて壁内の液体貯留による血管狭窄と診断され,血行再建および診断確定のため,血管切除および人工血管置換術を施行した.術後の病理検索にて股関節由来のガングリオンによる圧排のための血管狭窄と診断された.稀な病態ではあるが,常にその可能性も考慮しつつ,治療を行う必要がある.

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  • 齋藤 直毅, 西田 聡, 高木 剛
    26 巻 (2017) 2 号 p. 121-124
    公開日: 2017/04/19
    ジャーナル フリー

    症例は83歳男性.腹部大動脈瘤に対してExcluderを使用してステントグラフト内挿術を施行し,経過でエンドリークや瘤径の変化は指摘されていなかった.18カ月後に持続する左臀部から大腿部にかけての疼痛を訴え,外来受診となった.CTでは明らかなエンドリークは同定されなかったものの腹部大動脈瘤は著明に増大し,左背側に連続した血腫と第3腰椎の破壊を伴っていた.血行動態は安定し貧血も認めないことからchronic contained rupture(CCR)と診断した.根性痛を緩和するためdelayed open surgical conversionを施行した.大動脈瘤内の血腫を除去し,Y型人工血管で置換した.術後に根性痛はすみやかに消失した.

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  • 山口 高広, 松田 成人, 大竹 重彰
    26 巻 (2017) 2 号 p. 125-127
    公開日: 2017/04/25
    ジャーナル フリー

    大腿骨頸部骨折後の仮性動脈瘤は,遷延する痛みの原因が骨折による痛みと判別することが時に困難であり,確定診断に時間を要することがある.症例は85歳男性,右大腿骨転子部骨折に対し髄内釘による固定術をうけた.しかし,右鼡径部の痛みは持続し,受傷6カ月が経ち,右鼡径部から大腿部にかけて徐々に増大する腫瘤を自覚するようになった.造影CTにて瘤内に遊離骨片を認める仮性動脈瘤と診断し,修復手術を施行した.術後,痛みは消失し,独歩退院となった.大腿骨頸部骨折術後半年が経過していても,遷延する痛みが持続しているような症例は,仮性動脈瘤の存在も念頭に置いて診断にあたる必要があると考えられた.

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  • 棟方 護, 小野 裕逸
    26 巻 (2017) 2 号 p. 135-138
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    膝窩動脈瘤は末梢動脈瘤の中で最も頻度が高く,急性発症では破裂よりもむしろ閉塞機転が多く,下肢切断のリスクも高い.手術は血行再建を必要とするが,大伏在静脈グラフトまたは人工血管を用いることが一般的である.今回,われわれは下肢静脈瘤を伴う膝窩動脈瘤症例に対し,浅大腿静脈グラフトを使用し,後方アプローチによる膝窩動脈置換術を施行した.82歳女性,径30.1 mmの左膝窩動脈瘤の診断で,手術を施行した.術後,左下肢の腫脹は一時見られたが,速やかに改善.術後CTでグラフトは開存しており,浅大腿静脈グラフトの径も膝窩動脈と同等であった.

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  • 森嶋 素子, 本田 二郎, 高橋 賢一朗
    26 巻 (2017) 2 号 p. 139-142
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー

    症例は78歳男性.腎動脈下腹部大動脈瘤に対して正中小開腹アプローチによるYグラフト置換術を施行した.術後第1病日,夕方ベッド上安静時に突然のショックバイタルとなった.造影CTにて横行結腸背側に腹腔内血腫が確認された.バイタルサイン安定後に血管造影を施行し,中結腸動脈に約1 cmの囊状動脈瘤と数珠状の拡大と狭窄を認めたが明らかな造影剤の漏出は認めなかった.貧血の進行も軽度であり保存的経過観察を行ったが,第2病日に再びショックバイタルとなり緊急開腹術を施行した.拡張した中結腸動脈は長軸方向に3 cm程裂けており,これを止血した.その後の経過は良好で術後第18病日に独歩退院した.画像所見より,中結腸動脈破裂にはSAMが関与していると考えられた.先行した腹部大動脈瘤手術は解剖学的に離れた位置ではあるものの,囊状動脈瘤形成の誘因になった可能性も否定はできない.

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  • 服部 将士, 松村 祐, 八巻 文貴
    26 巻 (2017) 2 号 p. 145-148
    公開日: 2017/04/28
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    腸腰筋膿瘍に合併した感染性腹部大動脈瘤に対して腸腰筋膿瘍ドレナージとEVARを行い奏功した1例を経験したので報告する.症例は62歳,女性で1カ月前からの左腰鼠径部痛を主訴に前医より紹介され,CTで腸腰筋と一部境界不明瞭な腎動脈下腹部大動脈瘤を認め入院加療とした.入院後も炎症反応上昇が続き,CTで腸腰筋膿瘍とこれに接した不整形の腹部大動脈瘤を認め,感染性腹部大動脈瘤を疑い抗菌薬投与を開始した.腸腰筋膿瘍ドレナージ液からYersinia enterocoliticaが検出された.入院1カ月後に再び左腰鼠径部痛が再燃し,CTで腹部大動脈瘤切迫破裂が疑われ緊急EVARを行った.術後経過は良好で,CTでエンドリークなく,腸腰筋膿瘍は縮小していた.術後7カ月時のCTでは膿瘍腔は消失し,その後も感染の再燃はなく術後は18カ月経過しているが合併症なく経過している.

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