水環境学会誌
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35 巻 , 11 号
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原著論文
  • 鈴木 恵, 岸本 直之, 一瀬 諭, 古田 世子
    原稿種別: 原著論文
    2012 年 35 巻 11 号 p. 181-186
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/10
    ジャーナル フリー
    本研究では大型緑藻(車軸藻綱)S. dorsidentiferumのバッチ培養実験を実施してその増殖生理特性を調査するとともに,過去約30年間にわたるその生物量変化を解析した。S. dorsidentiferumの比増殖速度の水温・栄養塩濃度依存性は直線近似式(温度)とMonod式(栄養塩)によって表現した。Monod式におけるS. dorsidentiferumの半飽和定数は,窒素制限時は0.091 mgN・L-1,リン制限時は0.0075 mgP・L-1であった。また最適培養温度は30℃付近であり,増殖下限温度は6.1℃,増殖上限温度は30~35℃の間にあると考えられた。S. dorsidentiferumの細胞密度は過去30年間で減少傾向にあり,季節別の出現割合では,秋季の出現割合が低下する一方で春・冬季の出現割合が増加する傾向にあった。S. dorsidentiferum細胞密度の実測データより算出した見かけの比増殖速度年変化は,6月にピークを持つ"一山型"(1979~1988年)から5月と10月にピークを持つ"二山型"(1999~2008年)に遷移していた。北湖今津沖中央地点では過去30年間で秋季の水温成層期間が1ヶ月程長くなった結果,S. dorsidentiferumの沈降損失が緩和され,秋季に見かけの比増殖速度のピークが出現するようになったと推察された。また,増殖特性に基づく増殖速度解析により夏~秋季に窒素が増殖制限栄養塩となっており,これが同時期の見かけの比増殖速度の低下の一因であると考えられた。
調査報告
  • 西島 亜佐子, 中村 晋一郎, 小森 大輔, 木口 雅司, FERNANDEZ Jeanne, 梯 滋郎, MATEO Cherry, 岡根 ...
    原稿種別: 調査報告
    2012 年 35 巻 11 号 p. 187-195
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/10
    ジャーナル フリー
    2011年8月から12月にかけて,タイ王国を南北に流れるチャオプラヤ川の流域で大規模な洪水が発生した。この洪水で,約150 億m3の水が氾濫し,関東平野とほぼ同じ面積の農地が浸水被害を受けたとされている。著者らは11月と12月にチャイナートからアユタヤ,そしてバンコクにかけて,氾濫流の流下に着目して面的な水質変動と時間的な水質変動を把握することを目的として水質調査を行った。その結果,氾濫流が南下しアユタヤを過ぎるとアユタヤの北側より複数の分析項目で高い値を示す地点の存在が確認され,サンプル採取数日前に浸水が始まったバンコクの浸水区域においてファーストフラッシュの影響を受けていたことや,アユタヤ周辺で11月の浸水時にはチャオプラヤ川へのし尿排水の流入の可能性が示唆されたが12月には水がひいてし尿排水の流入が止まったことが示唆された。
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