本研究では, 土による汚水の窒素除去に着目し, 不飽和流における硝化と, 飽和流における脱窒素の2つのプロセスを単一土カラム内で直列に結合することにより, 窒素除去を試みる。土カラム内に水位を設定して上層を不飽和域, 下層を飽和域とし, NH
4Cl溶液および有機炭素 (メタノール) を供給してカラム内各態窒素分布を経時的に測定し, 反応移流分散方程式を用いて硝化・脱窒速度の時空分布を求め, 窒素の挙動について考察した。
有機炭素無添加では, 硝化はほぼ100%進行するが, 脱窒素に必要なメタノールを添加すると硝化は抑制され, 20~60%しか起こらない。メタノール溶液を飽和流域に直接注入すると, 不飽和流域で硝化がほぼ完了した後, 飽和流域で脱窒素が進行し, 60~80%の窒素除去率が得られた。硝化・脱窒素の時空分布を求めた結果から, 硝化は主にカラム内深さ0~10cm, 脱窒素は15~35cmで進行していることが明らかとなった。
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