底質からのリンの溶出機構をFe(II)-Fe(III)の酸化還元反応との関連で解明する観点から,Fe(II)からFe(III)への酸化速度のpH依存性およびDO依存性について検討した。酸化速度の算出は,溶液の酸化還元電位から推定する方法を用いた。
得られたFe(II)の酸化速度(r)は,DO≧1mg・
l-1ではDO濃度に関係なく
r=
k2・[Fe(II)]・Po
2・[OH
-]
2(5.6≦pH≦7.0),
r=
k1/2・[Fe(II)]・Po
2・[OH
-]
1/2(7.0<pH≦8.0),
r=
k0・[Fe(II)]・Po
2(8.0<pH≦9.0)と表され,また,DO<1mg・
l-1ではDO濃度に依存し
r=
k2・[Fe(II)]・[OH
-]
2・[DO]/2.5(1+[DO])(5.6≦pH≦7.0),
r=
k1/2・[Fe(II)]・[OH
-]
1/2・[DO]/(1+3.2[DO])(7.0<pH≦8.0)と表され,Fe(II)の酸化速度はpHが高いほど速く,また,DO濃度が低いほど遅い結果となった。
本実験で得られたFe(II)の酸化速度のDO依存性と既往の研究で得られているリンの溶出速度のDO依存性がほぼ一致したことから,Fe(II)の酸化速度が嫌気,好気条件によるリンの溶出速度を因子となっていると考えられた。
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