廃棄物学会論文誌
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8 巻, 1 号
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論文
  • ―管網の場合―
    田中 信寿, 松藤 敏彦, 金 英圭
    1997 年8 巻1 号 p. 1-8
    発行日: 1997/01/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    準好気性埋立地の浸出水集排水管内の空気流について, 集排水管が管網になっている場合の管内空気流速計算法を示し, 複雑な管網でもパソコンレベルの計算機で容易に計算できることを示した。さらに, 計算のための標準埋立地を設定して各種因子の影響を明らかにした。温度・加温因子については, 外気温度, 管壁温度, および管壁から管内空気への熱伝達係数の影響は管内空気温度上昇度という1つの尺度で評価できる。埋立深さの影響はほとんどなかった。主管の径は1m以上で最大の空気流入量を与え, 0.4m以下では十分な空気量を供給できない。枝管の径は小さいほど小さな空気流入量となり, 0.15m以下では十分な空気量を供給できない。管間隔については枝管間隔が大きい程小さな空気流量となるが, 50mまで大きくなっても十分な空気流入が可能である。
  • 松浦 次雄, 谷口 慶治, 牧田 廣一
    1997 年8 巻1 号 p. 9-15
    発行日: 1997/01/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    この論文は6相交流アーク放電によって生じる高熱を, ゴミの焼却灰あるいは産業廃棄物等を溶融, 固形化するのに利用する方法について述べている。6相交流の放電時の電圧, 電流, 消費電力の関係, さらに高速VTRを用いて放電状態を観測した結果よりその特徴を明らかにしている。6相交流の理論上の放電径路の数は3相交流の場合に比べて5倍, 放電空間の広さは6倍になり, 3相の場合に比べて, 高温が得られる空間が広い。この方式では放電空間にプラズマが連続的に発生しているので, 放電状態が常に持続されており, 安定した連続放電が得られる。アークプラズマが放電空間で高密度に発生している特長的な現象を, 廃棄物処理に応用する場合について検討した。
  • ―排水処理汚泥の場合―
    江口 文陽, 岡元 満美, 牛久保 明邦, 檜垣 宮都
    1997 年8 巻1 号 p. 16-21
    発行日: 1997/01/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    食品製造業から発生する余剰汚泥は, 栄養成分に富み, 重金属などの有害物質の含有量が少ないことから, 再資源化資材として期待される。
    本研究では, 食品産業廃棄物の減量化と再資源化に着目して, 特に余剰汚泥を栄養剤とした培地での食用キノコの栽培について検討した。その結果, 余剰汚泥を添加した培地の中には, 既存のキノコの培地よりも良好な菌糸成長を示すものがあった。また, 栽培試験による子実体収量を測定したところ, 木粉に余剰汚泥を添加した培地の中には, 一般的な木粉米ぬか培地よりも子実体収量が増加する種類も確認した。本研究から, 食品産業から発生する余剰汚泥は, 製造業種とキノコめ品種の選択によって, キノコ栽培用の栄養剤になることが結論づけられた。
  • ―コールドモデルにおける注入流跡法可視化実験―
    角田 芳忠, 安達 弘幸, 田中 信寿, 松藤 敏彦
    1997 年8 巻1 号 p. 22-30
    発行日: 1997/01/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    ごみ焼却炉内の現象を明らかにするために, 透明気流模型とビデオ装置を用いて, 炉内ガス流動の可視化実験を行った。
    トレーサとしてのシャボン玉流跡の座標データから, 流跡線図・混合指標・流速ベクトル図を得た。流跡線図により炉内のガス流れを視覚的にとらえ, 流速ベクトル図により渦領域や二次空気噴流による流れの変化を明らかにすることができた。流れの重なりにより定義した混合指標を用いて, 二次空気の本数・設置位置・流量およびノーズの影響を相対的に評価した。
    流跡データ, 流速ベクトル図など実験的基礎データの蓄積により, 数値シミュレーションの有効性を検証することが可能になった。
  • ―集ガス率と覆土下ガス圧に影響する因子―
    李 海承, 田中 信寿
    1997 年8 巻1 号 p. 31-40
    発行日: 1997/01/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    埋立地で発生するガスを, 発生圧によってガス抜き管に集める場合について, ごみ層内のガス圧力および流速を計算するコンパートメントモデル計算法を示し, コンパートメントの大きさの設定法を提案した。この計算法を用いてガス抜き管の設計因子である集ガス率と覆土下最大圧力に対する影響因子について検討した。その結果, ガス発生速度Gとごみ層の深さLzの積GLzが, 濃度拡散によって覆土から漏出するフラックスqc以下である時には, ガス抜き管を設置しても効果的な集ガスは期待できないことを指摘した。均質なごみ層の場合, △P≡μG (Lz) 2/Kxで無次元化された無次元覆土下最大圧力や集ガス率に最も大きな影響を持つ因子は, Ks/KzLx/Lzであることを示した (Lx; ガス抜き管配置間隔の1/2, Kx; ごみ層の水平方向透気係数, Kz; ごみ層の鉛直方向透気係数, Ks; 覆土の透気係数, μ; ガスの粘性係数) 。また, 水平方向に敷設される中間覆土や即日覆土は集ガス率と覆土下最大圧力に影響しないが, 鉛直方向に敷設される即日覆土によって集ガス率が減少し, 覆土下最大圧力が高くなることを示した。さらに, ガス抜き管が浸出水集排水管と兼用されている場合には, 集ガス率が大きく向上し, 覆土下最大圧力も大きく減少することを示した。
  • 森田 啓次郎, 松永 和義, 近藤 基一, 板谷 勉, 森 忠繁, 斉藤 巧, 日向 博久
    1997 年8 巻1 号 p. 41-49
    発行日: 1997/01/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    下水汚泥の減量化・再資源化を目的として下水汚泥から活性炭の製造方法について既に報告した。本論文では, KOH-HCl処理の改良法が種々の有機性汚泥に適用できるか否か, また活性炭の製造中に生じる処理廃液の処理法について検討した。
    下水汚泥2種, 浄化槽汚泥2種, し尿処理汚泥, 合成繊維工場および乳製品工場の汚泥などの有機性汚泥から作製した活性炭はメチレンブルー吸着性能が140~350ml/g, 比表面積が460~1, 771m2/gであった。KOH処理およびHCl処理の廃液には種々の重金属が含まれているので, それらの重金属を中和凝集処理により除去した。処理排水の水質は排水基準値以下であった。乾燥汚泥から得られた活性炭製品の収率は8~19%であった。
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