廃棄物学会研究発表会講演論文集
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平成19年度廃棄物学会賞受賞記念講演
  • 橋本 征二
    p. 1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    大量生産・消費・廃棄に象徴されるフロー型社会に対するものとしてストック型社会という言葉が提示されている。本稿では、これまで筆者が取り組んできた関連研究を振り返りつつ、ストック型社会に向けた今後のシステム分析研究、特に廃棄物管理の観点からの研究の展開について考察を試みた。まず、経済社会で増加し続けていると考えられている物質ストックは、将来発生するであろう廃棄物もしくは資源の予備軍と考えられることから、経済社会における物質ストックの把握と資源としての評価が重要であることを指摘した。次に、上記のような物質ストックの把握は、環境経済統合勘定などのマクロな環境会計との関連が深いが、企業環境会計などのミクロな環境会計も含めて環境会計におけるストック勘定の開発が必要であることを指摘した。最後に、既存ストックの長期活用の評価とストック型社会に関わる指標の開発などが求められることを指摘した。
  • 平井 康宏, 酒井 伸一
    p. 2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    四輪車用バッテリーの静脈フローを対象に,1) 交換や退蔵に関する消費者へのアンケート調査,2) 自治体による回収実態に関するヒアリング調査,3) 貿易統計データからの中古バッテリー輸出量の推計を行った.交換時の返却率は,ガソリンスタンド等では9割以上であったが,ホームセンター等では6割程度と低かった.世帯あたりバッテリー退蔵個数は自動車所有台数と相関し,自動車保有台数あたり退蔵個数は0.077個/台と推定された.自治体での回収量は不要バッテリー発生量の1~10%程度で,自治体による正規回収の有無や,回収頻度・価格が影響すると示唆された.2003年度に数万個であった中古輸出は,2005年度には480万個に急増したと推定された
  • 石井 一英
    p. 3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    廃棄物等の不適正な物流管理によって生じてしまった不法投棄、遮水工または浸出液処理施設を有しない不適正最終処分場の修復と再生(共生化)が求められている。修復と再生事業(共生化事業)は、現場のリスクの程度に応じて調査や対策が段階的に実施される。つまり、初期調査において、現場全体の状況をマクロスコピックに捉え、現場特有のクリティカル問題を洗い出し、必要ならば緊急度対策を実施し、次に汚染調査を実施し、現場のリスクレベルを決定すると共に数値シミュレーション等のツールを用いて、将来リスクの推定を行う。そして対策の実施段階においては、必ず修復・再生調査が必要となる。本報告では、著者の経験した不法投棄事案の事例に基づき、修復・再生調査の重要性とその調査内容、そして課題について、私見を述べたいと思う。
特別プログラム第1部
廃棄物系バイオマスの利活用 -廃食用油や生ごみなどのバイオマスの利活用に向けて-
  • 中村 一夫, 堀 寛明, 出口 晋吾, 矢野 順也, 平井 康宏, 酒井 伸一
    セッションID: S-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    京都市域のバイオマス利用可能量を推定した結果、紙ごみ、廃木材、厨芥類、未利用樹、下水汚泥が顕著であった。その地域特性やこれまでの京都市でのバイオマス利用への取り組みを踏まえて、京都市廃食用油燃料化事業を核として必要資材(メタノール)のグリーン化および副産物(グリセリン)の循環利用を図る京都バイオサイクルプロジェクトを平成19年度から開始した。プロジェクトはガス化メタノール合成、BDF原料拡大、高効率メタン発酵、バイオガス燃料電池利用、システム解析の5つの技術開発テーマで構成され、林産資源と都市型バイオマスを活用して効果的な地球温暖化対策の実現を目指す。平成19年度は実証プラントの整備、要素技術の開発を実施した。京都市において可燃ごみ中プラスチックの分別収集や本プロジェクトの導入により、廃木材・廃食用油・可燃ごみを全量焼却する場合と比較して、約60%のCO2削減効果が期待できる。
  • 中村 一夫, 堀 寛明, 酒井 伸一, 井藤 宗親, 鮫島 良二
    セッションID: S-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    京都バイオサイクルプロジェクトは、地域の廃棄物系・林産系バイオマス等を資源としてハイブリッドに活用し、CO2排出量を削減するとともに可能な限り利用する再生可能資源の地域循環に関する実証を目指している。その中で既に廃食用油をBio Diesel Fuel(以下BDFと称す)化するプラントが稼動しているが、BDF製造過程で天然ガス由来の工業用メタノールを使用している。このメタノールをバイオマスから製造することによって、真にカーボンニュートラルなBDFとなる。メタノールはCOとH2から合成されるが、バイオマスをガス化することによってCOとH2を含んだガスが得られるため、バイオマスからBDF製造に必要なメタノールを合成することが可能である。本技術開発ではバイオマスを高効率にガス化しメタノールを合成する技術を実用化するための実証を行う。平成19年度は実証設備の設計及びガス化設備の建設・試運転を行い安定運転を確認した。
  • 中村 一夫, 酒井 伸一, 堀 寛明, 春木 裕人, 宍田 健一, 岩崎 大介, 久堀 泰佑, 坪田 潤
    セッションID: S-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    京都バイオサイクルPJにおけるメタン発酵に関わる技術開発では、メタン発酵によりBDF製造過程での副生グリセリン廃液の有効利用を図るとともに、超高温可溶化技術を組み合わせることでバイオガス回収量の向上と発酵残渣・発酵廃液発生量の低減が可能な都市型バイオガス化システムを構築することを目的とした実証実験を行っている。本報では、平成19年度に実施した廃グリセリン混合発酵実証試験、超高温可溶化実証試験について報告する。京都市伏見区のバイオガス化技術実証研究プラントに廃グリセリン投入設備を設置し、厨芥類に廃グリセリンを混合した。実証試験は低温期(2月)に1ヶ月間実施し、問題なく運転できること、廃グリセリンによるバイオガス発生量は基礎研究の結果と概ね同程度の1,080m3N/t-廃グリセリンとなることを確認した。さらに、有効体積1.6m3の超高温可溶化実証装置を設置し、現在導入効果の検証を行っている。
  • 倉持 秀敏, 大迫 政浩, 岡田 正史, 中村 一夫, 酒井 伸一
    セッションID: S-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    バイオディーゼル燃料(BDF)の新規原料として、食糧または他のリサイクルシステムと競合しない未利用なバイオマスおよび廃棄物、つまり、非食用油のジャトロファ油、未利用な廃油脂で賦存量が多いと予想されるトラップグリース、処理剤によって固化された廃食用油固化物に着目し、それらの遊離脂肪酸(FFA)に関する性状調査を行い、酸エステル化前処理を適用することによって、前処理後の新規原料のBDF製造施設への受け入れ可能性および前処理技術の適用性を評価した。
  • 佐貫 安希子, 大西 龍, 入江 満美, 山口 武則, 牛久保 明邦
    セッションID: S-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    木質バイオマスの有効利用のためのさまざまな処理技術が提案されているものの、これらの処理を比較検討した研究は少ない。そこで、近年注目されている炭化・爆砕・過熱水蒸気処理の3つの処理について比較検討した。結果、温度400℃、処理時間60分で炭化をした場合は、蒸気温度200℃、処理時間60分で爆砕もしくは過熱水蒸気処理を行った場合と比べて、炭化物の炭素率が上がり有効な燃料が製造できるが、爆砕・過熱水蒸気処理に比べて、炭素の損失が極めて大きい結果となった。樹木中の炭素を有効に利用する場合、爆砕や過熱水蒸気処理は炭素の損失が少なく、特に過熱水蒸気処理については木材の乾燥も同時にできるため、適していると言える。しかし、一般的に炭化に比べ、爆砕や過熱水蒸気処理は製造コストが一般的に高いこと、処理をする際の燃料投入量が多いとされており、このことについては検討が必要になると考えられる。
  • 清水 哲, 亀田 知人, 吉岡 敏明
    セッションID: S-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    水素生成細菌は有機物を分解して水素と有機酸を生成するが,非解離有機酸によって発酵阻害が起こる。代謝産物濃度は初期基質濃度に応じて高くなり,また,有機酸の解離はpHに影響を受けることから,本研究では基質濃度及びpHを調節することで非解離有機酸濃度を変化させ,それらが水素発酵に及ぼす影響を検討した。その結果、水素生成は酪酸及び酢酸の生成と相関し,基質濃度が低い条件ではこの反応が選択的に起きた。一方,高基質濃度条件では水素生成を伴わない乳酸発酵が起こり,水素収率が低下したが,pH制御を行うことにより乳酸及び酢酸から酪酸及び水素生成反応が促進され,水素収率を向上させることができた。しかし,さらに高基質濃度条件では酪酸生成が途中で停止し,乳酸及び糖質が残存したままになった。このとき,非解離酪酸濃度が約80 mmol/lになると酪酸濃度増加が停止した。
A1 ごみフロー解析/ごみ性状
  • 田崎 智宏, 大迫 政浩, 山田 正人, 大塚 康治
    セッションID: P1-A1-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    一般廃棄物の排出・処理・処分の実態は、環境省による一般廃棄物処理事業実態調査によって把握されているが、平成17、18年度の調査では調査項目に大きな変更が加えられ、これまでに把握できなかった情報が得られるようになっており、より有効な一般廃棄物マネジメントや環境保全に向けて活用が期待される。そこで、本研究では、一廃実態調査の調査項目の変更内容について概説するとともに、廃棄物マネジメントにおける基礎情報としての把握の意義ならびに今後の展望について考察を行った。
  • 茂木 敏, 辰市 佑久, 中浦 久雄, 大久保 伸, 荒井 康裕, 小泉 明
    セッションID: P2-A1-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    東京都内において産業廃棄物として排出される廃プラスチック類は約51万トン/年と推計されており、このうち約77%が埋立処分されている。この埋立処分比率は全国と比較しても高いレベルにあり、東京都では平成18年10月に廃棄物処理計画を改定し、排出抑制を基本としつつリサイクルを促進し、平成22年度末までに廃プラスチック類の埋立ゼロを目指すこととした。 そこで本研究では、廃プラスチック類のリサイクル化への推進に寄与することを目的とし、これまであまり明らかでなかった東京都から排出される廃プラスチック類の東京圏(東京都並びに隣接する千葉県、埼玉県及び神奈川県)におけるリサイクル・処分実態を把握するとともに、リサイクル要因の一つである静脈物流の収集運搬実態についての解析を行った。
  • 佐藤 直己, 浅利 美鈴, 酒井 伸一, 山田 一男, 瀬川 道信
    セッションID: A1-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
     2006年度に京都市内で排出される使用済みレジ袋を採取し、そこに含まれる重金属を分析したところ、鉛を100 ppm以上含有するものが約7 %を占めた。この結果を受け、レジ袋に用いられる黄鉛系顔料の代替を促すため、検出された店舗の一部へのヒアリングと顔料代替の呼びかけや、2007年度のごみ調査で回収されたレジ袋に対する鉛等の含有量分析を再度実施して昨年度との比較を行った。また、レジ袋の使用状況についてインターネットを通じたアンケート調査を実施した。  その結果、現在のレジ袋の流通経路では小売業者が製造の詳細を把握しにくいものの、顔料の代替を図ることは可能であると考えられた。また、全国のレジ袋の使用量がおよそ405億枚であることや、分析したレジ袋の4.5 %に100 ppm以上の鉛が含まれ、京都市では年間1トン程度の鉛が排出されていることが推定された。
  • 浅利 美鈴, 宮島 章, 酒井 伸一
    セッションID: A1-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    日本のニカド電池を中心にCdフローを解析した。まず,消費者行動についてネットアンケート調査を行った結果などから,循環利用されているのは1割程度で,大半が焼却/埋立処理されれていることがわかった。各種統計値を用いてフロー解析を行った結果,近年の日本でのCd需要の減少,環太平洋での亜鉛鉱石からCd製品に至る推定フローが明らかになった。亜鉛の副産物として避けられないCdであるが,利用と循環・処理について,国際的な検討が求められる。
  • 吉田 綾, 田崎 智宏, 中島 謙一, 寺園 淳
    セッションID: A1-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    日本における使用済みパソコンのマテリアルフローは、台数ベースでは把握されてきている。しかし、リサイクル施設に着いた後、部品または素材としてリユース・リサイクルされるフローについてはまだ十分に把握されていない。本研究では、アジアの発展途上国において使用された後のパソコンのリユース・リサイクルフローと日本のフローを比較し、国際リユース・中古品貿易の是非および考慮すべき事項について検討した。
  • 川嵜 幹生, 磯部 友護, 小野 雄策, 藤崎 智子, 酒井 辰夫, 土屋 雅子, 長谷 隆仁, 堀口 浩二, 田中 義彦
    セッションID: A1-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    平成20年度3月に第二次循環型社会推進基本計画が定められたところである。これら、基本計画には廃棄物削減目標が設定されている。現在の埼玉県内の一般廃棄物の状況を見てみると、生活系ごみは平成12年度以後減少傾向にあるが、事業系ごみは平成14年度までは増加し、それ以後横ばい傾向である。そこで、事業系ごみが減少しない要因を県内各市町村広域組合別に検討したが、その要因を明らかにすることはできなかった。また事業系ごみの実態も明らかではない。 そこでまず、県内で最も1人1日排出量が多い広域組合を対象として事業系ごみの実態調査を行った。調査の結果、排出事業者により分別されている資源物の混載や産業廃棄物の不適正搬入等があることが明らかとなった。不適切に搬入されている資源物や廃棄物の量を把握するために簡易組成調査を行った。その結果、不適切に搬入されているものの重量は全体の約20%を占めていることがわかった。
  • 朝倉 宏, 渡辺 洋一, 山田 正人, 小野 雄策, 井上 雄三
    セッションID: A1-7
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    砂状の建設混合廃棄物破砕選別残さを対象に,基礎的な性状の把握をもとに,熱しゃく減量(以下,IL)の由来を考察し,IL削減のための対象成分を明らかにし,同時にILの基準値としての妥当性を議論した。(1)多くの破砕選別残さはILが5 %以上であり,原則として埋立先は管理型最終処分場である,(2)重液選別の結果,浮上物:2 %程度が木および0.1 %未満がプラスチック,沈下物:8~13 %程度が有機物(紙として0.45 %)と結晶水の合計であり,これらの総計がILと推測された,(3)沈下物のILのほとんどはモルタルが有する結晶水の脱水によるものと考えられた。以上から,処理残さのILはその大部分が結晶水であり,主要な有機物である木を除去しても,ILを5 %以下にすることができない。
  • 酒井 護, 山本 攻
    セッションID: P2-A1-8
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    大阪市の都市ごみ焼却工場に搬入されたごみについて、可燃物8組成および不燃物6組成に分類し、その比率(物理組成)を調査した。可燃物については、さらに化学組成についても分析し、搬入ごみ1トン中の可燃元素の重量として表した。その結果、有姿状態で主な物理組成としては、紙(39%)、プラスチック(15%)および厨芥(14%)であり、この3種類で全体の2/3を占めていた。また、化学組成の分析結果により、搬入ごみ1トンの焼却により、1)約200キログラムの焼却灰が発生し、そのうち56%は不燃物に、17%は紙に由来すること、2)約1トンの二酸化炭素が発生し、そのうち40%は紙に、20%はプラスチック製容器包装材に由来することを明らかにした。今後は、他の自治体のごみ組成比率の推定にも応用できるように、発生量原単位法などの手法により検討を行う予定である。
  • 橋本 征二, 谷川 寛樹, 森口 祐一
    セッションID: A1-9
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    経済社会における物質ストックは将来発生する廃棄物および二次資源の予備軍といえる。本稿では、将来廃棄物として発生する可能性の高い物質を潜在廃棄物と呼んで、日本の建設鉱物を事例にその量を見積もった。また、廃棄物として発生する可能性の低い物質、すなわち非潜在廃棄物の種類を整理し、その量を見積もった。結論は以下の通りである。1)経済社会に投入される建設鉱物を、潜在廃棄物、潜在散逸物、散逸的利用物、永久構造物に分類した。2)日本の経済社会に投入され蓄積している全建設鉱物のうち、潜在廃棄物の比率は約30%と推計された。3)潜在廃棄物、非潜在廃棄物の概念を導入することで、将来発生する廃棄物や、非潜在廃棄物がもたらす環境影響と資源ロスについてより正確な評価が可能となる。
  • 小口 正弘, 田崎 智宏, 村上 進亮, 橋本 征二, 醍醐 市朗
    セッションID: P1-A1-10
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    使用済み製品の計画的なリサイクル・適正処分,既存の物質ストックの有効活用の促進のため,各種製品の使用済み量やストック量推計の重要性が高まっている。使用済み・ストック量推計には製品の使用年数分布の情報が不可欠であり,特に日本においてはその調査・推定事例が多数報告されている。しかし,その定義や種類は様々であり,情報が整理されていないことから,不適切な値を用いた推計等が行われることもありうる。 そこで本研究では,耐久消費財,産業機械類,建築物や土木構造物などの使用年数に関する定義,分布の種類,推定方法について整理を行い,それぞれの特徴を明らかにした。その上で,使用済み・ストック量推計の基礎情報とすべく,各種製品の使用年数分布に関する既存情報を収集し,推定方法,定義,分布の種類などを整理してデータベースを構築した。
  • 藤井 実, 稲葉 陸太, 南斉 規介, 田崎 智宏, 橋本 征二, 大迫 政浩, 森口 祐一, 松井 重和
    セッションID: A1-11
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    脱物質化された循環型社会の形成に向けて、枯渇性資源投入量の削減に着目して、それを減少させるための諸対策について要因分解を行い、マテリアルフローとの関係を整理した。生活レベルを本質的には低下させることなく、枯渇性資源投入量の削減を実現するにはための対策は、(A)活動量あたり新規製品量、(B)新規製品あたり原燃料使用量、(C)枯渇性資源投入率の各要因に分解することができる。マテリアルフローとの関係に配慮しながら、これらの各要因を効率的に向上させることが、効率的に脱物質化された循環型社会への移行を促すことになると考えられる。
A2 減量化/有料化・経済的手法(1)
  • 大沼 進, 佐藤 智子
    セッションID: P2-A2-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    レジ袋辞退に関するアクションリサーチを,実際にスーパーマーケットの店舗で実施した。その結果,店員の買い物客への声かけなどにより,5%程度のレジ袋辞退率の上昇が見られた。
  • 蔡 佩宜
    セッションID: A2-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    レジ袋有料化の動きは日本全国で高まりつつある。しかしながら、有料化された場合の削減効果や、効果的な削減のための有料化の方法については、これまで十分に明らかにされていない。そこで本研究では、まず台湾における2003年に実施されたレジ袋使用制限政策の実態や効果、政策の実施に伴う住民の環境意識の変化を明らかにした。次に、日本における調査から、消費者が実際買物袋を持参する行動の要因を検討した。調査の結果により、台湾におけるレジ袋の削減の施策は、レジ袋及びプラスチック廃棄物の減量という点で、また、使い捨ての生活習慣の改善や環境教育の普及という点でも成果を挙げている。一方、政策の実施により、規制対象事業者の範囲の問題、プラスチック産業の廃業や失業者の問題など、多く課題を産みつつある。日本における調査の結果により、消費者が買物袋を持参する重要な要因として事前計画的に買物する習慣が挙げられる。
  • 大橋 平, 渡辺 敦雄
    セッションID: A2-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    循環型社会形成に関し、高密度ポリエチレン(HDPE)製レジ袋の削減が重要である。レジ袋削減の方法のひとつに有料化がある。よって有料化に反対している市民の理由を明確化することが重要である。本研究の目的は、市民にレジ袋に関するアンケート調査を行いレジ袋の有料化に対する阻害要因を明確化することをとする。 一時調査の結論として、以下のことが判明した。 (1)現状では約3割の人が賛成し、3割の人は反対している。 (2)レジ袋を必要とする理由は再使用である。 今後の課題は、反対の理由を詳細に明確化することである。
  • 濱本 淳平, 和田 安彦
    セッションID: A2-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    処分場や焼却施設に対する人々の不信感から,それらの新設は困難な状況となっている.そのため,焼却や埋め立て処分される廃棄物そのものの減量化を図ることが今後の課題となっており,各自治体においては家庭ゴミ処理有料化の動きが活発化している.しかし,有料化実施時にはゴミ減量効果が大きくみられるが,その減量効果を保持し続けている自治体の例は少なく,減量持続性の問題を解決することが求められている.それらを踏まえて本研究では,より減量への可能性が残されている人口10万人以上の都市域において,家庭系ゴミ,事業系ゴミの有料化実施年度のゴミ減量効果に寄与する影響要因の検討,また有料化後のリバウンド現象抑制に寄与する影響要因を検討した.その結果,手数料金額は有料化実施時の可燃ゴミ,不燃ゴミ減量効果に影響し,その後の経年変化・リバウンド現象に関しては手数料金額,実施初年度減少率は影響しないことが明らかとなった.
  • 平野  仁志朗, 高木 泰士, 鈴木 慎也, 立藤 綾子, 松藤 康司
    セッションID: A2-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    福岡市を対象に家庭系ごみ有料制の導入に伴う住民の意識・行動の変化を年齢別に明らかにした。質問紙に基づく住民インタビューを行い、ごみ減量化・リサイクル行動に対する意識・行動の変化を調査した。その結果、ごみ有料化が導入されたにも関わらず、経済的負担感を感じるようになったのは15~49歳までの比較的若い年齢層に限られたこと、65歳以上ではごみ減量化・リサイクル行動に必要な情報に対する認識度に変化が見られなかったことを明らかにした。さらに15~29歳では有料化によりかえって時間的負担感を強く感じるようになり、ごみ減量化・リサイクル行動に対する意欲を阻害していることが示唆された。15~29歳、65歳以上の住民に対しては、より利便性の高いごみ減量化・リサイクルシステムの構築が求められる。
  • 中村 恵子, 野村 一夫
    セッションID: A2-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    自治会役員による1年間の『ごみ袋減量カレンダー』取組実験経過から『ごみ袋減量カレンダー』のごみ減量ツールとしての効果を検証すること、及び自治会役員の『ごみ袋減量カレンダー』に取組んだ経験を通して得られた感想、意見をアンケートで得ることにより、今後の循環型社会形成のために役立てることを研究目的にしている。今回の自治会役員『ごみ袋減量カレンダー』取組実験とアンケート調査からも、前回の市役所職員の実験結果と同様『ごみ袋減量カレンダー』の「ごみ減量インセンテイブ効果」が確認された。自治会役員の減量方法として、市のリサイクルシステムへの排出が上位で、次いで各自排出抑制策、最後にごみの発生抑制に繋がる行為であるのは興味深い。市役所職員同様、自治会役員の製造者・流通事業者への要望も「過剰包装をやめさせる」である。「ごみ減量・資源化」をめぐる多様な意見は、今後の各セクターの取組課題を示すと共に循環型社会推進活動に寄与するものである。
  • 川原 誉史, 小沢 亙
    セッションID: A2-7
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
     現在,全国各地の大学でキャンパスエコロジー活動が行われている。山形大学農学部では,学生が発案し,ごみの減量化・資源化に取り組む「山形大学エコ・キャンパス推進委員会」が2007年から活動している。 本報告では,この委員会のこれまでの活動の結果を分析し,その効果や課題,活動の拡がりを明らかにした。 その結果,大学の直接資源化が進み,33.4%の費用が削減することができた。さらにこの取組みを通して,大学内のさまざまな環境問題が浮き彫りとなり,それに対しても学生自らが対処してきた。課題は多くあるが、学生がごみ処理に関与することによって,排出しているごみの量の多さ,自分たちが起こしている環境問題について考える良い機会を得ていると考える。
A3 有料化・経済的手法(2)
  • 西井 和浩, 河合 満智子, 山川 肇
    セッションID: A3-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、有料化の実施前後の質問紙調査に基づき、有料化に対する賛否の変化について分析を行った。京都市の有料化を事例として調査を行ったところ、以下のような結論が得られた。1) 有料化実施までにすでに賛成側への意見の変化があり、それに加えて有料化制度を経験することでさらに賛成側に意見が変化すること、2) それら2つの変化は、同程度に重要であり得ること、3) 有料化直前と有料化導入を決めた頃の意見分布は異なることから、調査に際しては、時期を特定して調査する必要があること。有料化後に有料化以前の賛否を問う場合には、初めて知った頃の賛否を問う必要があること。
  • 池松 達人, 森安 洋平, 平井 康宏, 酒井 伸一
    セッションID: A3-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    ごみ有料化施策を導入している自治体では、導入していない自治体に比べて排出量原単位が小さくなっているとみられる。本研究では、京都府内の23自治体を対象に、パネルデータ(1998~2005年)を用いてごみ有料化の減量効果について分析を行った。 その結果、ごみ有料化施策により可燃ごみでは約45g/人/日、総ごみ収集量では約60g/人/日のごみ減量効果があることが確認された。また、集団回収施策はごみ原単位やごみ流れに影響を及ぼす要因のひとつと考えられ、ごみ有料化による減量効果に対しても影響を及ぼしていると推察された。 今後は、有料化によるごみ減量効果の詳細な把握及び他の要因との関係、ごみ流れ全体への影響について検証していく必要がある。
  • 森安 洋平, 池松 達人, 中村 一夫, 平井 康宏, 酒井 伸一
    セッションID: A3-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    京都市での家庭ごみ有料化(平成18年10月)及びその他プラ分別収集開始(平成19年10月)に際し、それら施策実施下における市民の意識と行動の関係、その変遷を計5回のアンケート調査により記録、分析し以下の結果を得た。(1)有料化実施に際しての市民の意識と行動についての共分散構造モデル解析の結果、有料化によるごみ減量への経済的インセンティブや規範意識の向上がごみ減量行動を高めるとともに、ごみ減量行動の経験が更なるごみ減量行動を促す構造が明らかとなった。(2)有料化実施3ヶ月後と11ヶ月後の比較においては、ごみ減量努力の高まりが見られ、また、ごみ減量行動に対する経済的インセンティブの影響は弱くなり環境配慮意図の影響が強くなる変化が見られた。(3)その他プラ分別収集開始により市民が家庭ごみ中のプラごみの多さを実感し、その実感がプラ分別への意識を高めている可能性が考えられた。
  • 沼田 大輔, 植田 和弘
    セッションID: A3-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
     昨今、家庭系危険有害廃棄物(以下、HHW)を安全に回収し処理する方策が求められている。この方策を模索した一つの取り組みが、大阪府豊中市において実施された使用済み蛍光管の回収実験であり、この実験は経済的手法を用いている点に一つの特徴がある。本稿は、この回収実験について考察を加え、次の3つの示唆を得た。第1に、この実験の仕組みはHHWの安全な回収を促す。第2に、この実験の仕組みにおける経済的インセンティブへの制約は、HHWの安全な回収にそれほど悪い影響はない。第3に、この仕組みは、運営する費用を下げられる余地があり、引き続き検討を重ねていくべきシステムである。
  • 大原 佳祐, 松籐 敏彦
    セッションID: A3-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は行政費用に対する透明化・効率化の高まりを受けて、埋立処分のコストに着目してアンケート調査を行った。アンケートでは126施設のデータを回収することができた。イニシャルコストを耐用年数30年の減価償却費とし、ランニングコストとあわせて施設歓の比較を行うと、130倍もの差が見られた。また、イニシャルコストが全体費用の半分以上を占め、ランニングコストは人件費と委託費と施設維持費が高い割合を示した。イニシャルコストは埋立地構造物、浸出水処理施設とも、施設規模と埋立開始年に関係が見られ、大規模ほど単価が安く、新しいほど高い事がわかった。ランニングコストは委託費、人件費は大規模施設ほど単価が安くなる傾向があった。また、モニタリングにかかる費用は全体に占める割合は小さいものの、規模によらず一定の支出となり、小規模施設ほど負担が大きいことが分かった。
  • 笹尾 俊明
    セッションID: A3-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    5年間の全国47都道府県のパネルデータを用いて、産廃税の排出抑制効果について分析した。具体的には、各都道府県の産廃排出量を被説明変数とし、それに影響を与えると考えられる社会経済的変数と産廃税実施の有無を説明変数とした推定式について計量分析を行った。全データをプールして推定するOLSモデル、都道府県ごとの年度を通じた平均をとり推定するOLSモデル、年度を通じて一定の各都道府県固有の効果を前提に推定する固定効果モデル、各都道府県固有の効果を確率変数として推定するランダム効果モデルの4つのモデルを推定した。検定の結果、最も統計的信頼性が高いと判断された固定効果モデルの推定結果から以下のことが明らかにされた。第3次産業の県内総生産と最終処分場数は排出量に負の影響をもたらす。産廃税は導入初年度排出削減に一定の効果をもたらすが、持続的な排出削減効果は見られない。
  • 鈴木 紗織, 大木 宜章, 高橋 岩仁, 関根 宏
    セッションID: A3-7
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    現状の活性汚泥法では,BODが概ね1000mg/L以上の有機性排水を処理する際は,地下水や使用後の冷却水などで希釈する必要があり,貴重な水資源を浪費している.また排水の濃度が高くなるにつれ,活性汚泥反応槽を大きくする必要がある.そのため,より効率的な処理方法を開発すれば,排水処理設備の縮小化が計られる.そこで本研究では,活性汚泥法で処理する場合に希釈が必要とされるような高濃度有機性排水の新たな処理装置の開発を目指し,土壌から分離した菌体を包括固定化することによる,無希釈高濃度排水処理装置の開発を試みた.本稿では,土壌菌の分離・包括固定化方法に加え,その包括固定化担体を排水処理に適応した.その結果,初期TOC濃度が非常に高濃度であるため,分解に伴いDOは著しく低下したが,TOC3000mg/Lを最終的に500mg/Lまで処理することができることがわかった.
A4 住民意識/環境教育
  • 栗島 英明, 田畑 智博, 楊 翠芬, 玄地 裕
    セッションID: A4-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、ごみ分別の価値と負担感に関する議論を踏まえ、コンジョイント分析を用いて住民の考える分別の価値と負担を定量的に評価した。その結果、分別の価値はその負担を上回ること、分別収集の方法によって負担感が変化することを確認した。さらに、一部の分別方法の支払意志額が、住民が分別せず行政が分別する場合を上回ったことに注目し、その理由として分別行動自体が住民の「分別はごみを出した者の責任」という意識を満足させる効用があるという可能性を指摘した。
  • 小池 啓道, 坂田 裕輔
    セッションID: A4-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    ごみの有料化と並んでごみの分別も進んでいる。市町村の施策にそった分別が正しく行われるかどうかは住民のモラルにかかっているが、行政と住民の間で調整的な役割を果たすのは、任意団体としての自治会(町内会)である。  中核市を対象としたアンケート調査結果等から、ごみの収集はステーション方式が多いがその管理は自治会に任されていること、自治会に加入していない者のごみについても同様であるが行政から特に経済的支援がないことなどが明らかとなった。  自治会加入率の低下や役員人材不足が懸念される中、何らかの支援が必要ではないかと考える。
  • 三輪  拓也, 藤原 健史
    セッションID: A4-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    明石市では、「循環型社会」の実現に向けて長期目標を立てごみ減量・資源化の推進に取り組んでいる。集団回収の活動団体数と回収量は増加しているが、適切な推進活動を行なえば回収率はさらに改善されると考えられる。本研究は、明石市の自治会の集団回収量に影響する要因、特に立地要因について分析し、集団回収量と地域特性の関係をモデル化することにより、推進施策に資する知見を得ることを目的とした。具体的には、集団回収量データと各種要因に関する特性値データの入手し、地域、自治会、店頭回収店舗のGISマップを作成、集団回収量のモデル化を行なった。分析の結果、年齢層が高く単身世帯が多い地域で一人当たり集団回収量が少ないこと、一人当たりの集団回収量は協力員数による影響が見られず、店頭回収量による影響も見られないことが分かった。また、モデルの同定より集団回収量に影響する要因を示した。
  • 岡山 朋子
    セッションID: A4-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    地域環境力とは、地域においてさまざまなアクターの連携や恊働、自発的な取組、意識の向上などを総合して表したものである。これは、循環型社会構築、すなわち3Rの促進のための重要な要素であると考えられる。本研究は、インドネシアの首都・ジャカルタ市の都市ごみ処理をめぐるアクターに詳細にインタビュー調査を行い、その結果を示したものである。また、この調査結果から、ジャカルタ市における現在の地域環境力の状況を考察した。その結果、明らかな連携や恊働はまだ不活発ながら、アクター間の相互不信などは緩和され、今後、地域環境力が十分育つ可能性があると分かった。
  • 佐藤 法世, 松藤 敏彦
    セッションID: A4-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    都市ごみ処理施策に対する住民の満足度を,アンケート調査によって評価した。調査方法は収集システム,再使用・減量化,情報伝達など,43の質問からなっている。調査は,住民基本台帳にもとづく無作為抽出,インターネットモニターによる調査,および調査の簡便性のため環境関係NPO団体調査の,3種類を実施した。前2者のアンケート回収率は,50%程度と高率であった。調査方法別に比べると,インターネット,市民団体調査は,無作為抽出結果と差があり,やはり対象の偏りが避けられない。しかし調査の容易さが特長であり,場合によって方法を使い分ける必要がある。質問項目は少ないことが望ましいため,クラスター分析,因子分析によって項目を再分類した。両者はほぼ同じグループにまとめられ,その中から代表質問を選ぶことで調査は簡便になる。なお,回答者属性のうち,年齢のみに回答との相関が見られた。
  • 松井 康弘, 盧 蘭芳, 小泉 春洋, 宇野 雄二郎, 佐々木 裕子, 四方 由美子, 波々部 郁子, 朝田 一
    セッションID: P2-A4-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    3Rに係る市民の行動変容を目的として、津山市においてモデル地域を設定して情報提供を実施するとともに、こうした普及啓発の前後にアンケート調査・ごみ組成調査を実施し、その情報認知・行動の変化を検討した。普及啓発テーマとして、紙製容器包装等のリサイクル・生ごみの自家処理・マイバッグ持参等のごみ減量行動に焦点を当て、モデル地域の住民を対象とした説明会を開催するとともに、説明会に参加しなかった住民に対して情報提供チラシ・マイバッグを配布した。普及啓発の結果、紙製容器包装等の分別保管率・生ごみの自家処理率・マイバッグの持参率ともに向上し、特に説明会に参加した住民における啓発効果が最も大きかった。また、啓発前後の排出原単位を見ると、その他の紙製容器包装で啓発前の20.8g/人/日に対して啓発後に17.3g/人/日となり、減量効果が認められた。
  • 花嶋 温子
    セッションID: A4-7
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    現在でも一般廃棄物の77%は焼却処理されている。この現状を認識すること、すなわち焼却施設そのものが重要な環境教育の拠点になりうる。実際に焼却施設においてどのような環境教育が行われているのかについて、大阪府下の焼却施設を対象にアンケート調査を行った。大阪府では、年間約85000人の見学者が焼却施設を訪れている。ただし、このうち69000人は小学校4年生の社会科見学である。9割以上の施設がプログラムを用意しており、施設見学を含めて90分程度が一番多い。また、85%の施設で、映像資料を用意している。
  • 都築 淳, 山口 直久, 大迫 正浩
    セッションID: A4-8
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    各都道府県が構築しているリサイクル製品認定制度について、品目や製品数、販売価格などの実態を把握するため、各都道府県のリサイクル製品認定制度のホームページなどから情報を収集し整理した。また、認定製品の販売実績や各道府県の調達実績、循環資源の配合率など、より詳細な情報を収集するため、アンケート調査を実施した。リサイクル製品認定制度は現在35の道府県で実施されていた。認定製品数は4,000製品以上で、認定製品のうちコンクリート二次製品、砕石、路盤材、アスファルト製品の4品目で半数以上を占めた。アンケート調査の結果では、認定製品の販売数量の合計は420万t、道府県の調達量は550万t、道府県調達金額は約130億円であった。また、認定製品に用いられている循環資源の使用量について、リサイクル製品認定制度を構築している全都府県を対象に拡大推計を行ったところ、年間およそ1,200万tの循環資源が認定製品に用いられていると推計された。
  • 吉田 充夫, 進藤 玲子, 田口 達
    セッションID: P1-A4-9
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    開発途上国の都市域では相当数の貧困層が、路上ないし廃棄物埋立地(主としてオープンダンプ)において、廃棄物中から有価物を回収し売却することによって日々の生計をたてる、いわゆる「ウェイスト・ピッカー」となっている。開発途上国の都市廃棄物管理システムを考える場合、こうしたウェイスト・ピッカーの活動は、事実上リユースとリサイクルの主体としての役割を担っており、これを同システムに適切に位置づける(内部化する)ことは、量的にも質的にも、避けて通れない課題である。本講演では、アルゼンチン・ブエノスアイレス州で行ったウェイスト・ピッカー参加のワークショップでの問題分析結果にもとづき、ウェイスト・ピッカーの心理やニーズについての検討結果を報告するとともに、現在ブエノスアイレスで試行的に実施されいる廃棄物管理事業へのウェイスト・ピッカー内部化の試みを紹介する。
  • 渡辺 真也, 山本 祐吾, 齊藤 修, 盛岡 通
    セッションID: A4-10
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    循環型社会の形成に向けては廃棄物の発生抑制が重要であるが、容器包装廃棄物に関してはその排出量が依然として高い水準で推移している。本研究では、地域の廃棄物政策が消費者の買い物行動や容器包装材の利用に与える影響を明らかにすることを目的として、スーパーマーケット型店舗における販売記録を分析し、各店舗の立地する地域の廃棄物政策と比較した。その結果、(1)分別収集制度が消費者の購買行動に与える影響の大きさは、商品群の種類によって異なること、(2)レジ袋の発生抑制行動には、分別収集制度よりも各店舗におけるレジ袋削減の取り組みが大きく影響すること、(3)PETボトル飲料の選択は、その地域におけるPETボトル収集頻度および分別区分の影響を受けることが明らかになった。
A5 廃棄物管理・計画・評価
  • 東岸 芳浩, 稲津 亮, 内藤 瑞枝, 谷川 寛樹, 橋本 征二
    セッションID: P2-A5-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    循環型社会形成推進基本法が成立し,廃棄物の抑制とリサイクル率の向上が図られているが,今後再生資源の活用先である道路の新規建設の減少によるマテリアルバランスの崩壊が危惧されている. 循環型社会を構築するうえで,有効な資源管理を行っていく必要がある.したがって,過去から現在までの蓄積量やその内訳を把握することが重要となる. 経年的な資材蓄積量の推計を行う際には資材投入原単位の整備が必要であるが,過去における資材投入原単位は整備が進んでいない. そこで本研究では経年的な資材蓄積量を推計する際に必要となる資材投入原単位の整備を行うことを目的とする.ここで都市構造物が各年代における法律や要綱等をもとに施工が行われているものとして推計を行う. その結果,建築物および道路において戦後から現在にかけ平均10%の資材投入の増加が見込まれ,各種都市構造物の経年的な資材蓄積量把握を行う上で有用な情報となることが分かった.
  • 植木 祥治, 立尾 浩一, 山田 正人, 遠藤 和人
    セッションID: A5-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    産業廃棄物の品目は、廃掃法に基づく約19種類で区分されることが一般的であり、品目は当時と殆ど同じである。今日、再資源化が進むにつれ、資源物の再利用先が多様化したため、中間処理及び最終処分の現場では、市場を制御するために処理プロセスに応じた物性や性状による詳細な品目で取り扱われている。しかし、これらの資源循環に即した廃棄物品目または組成情報は極めて限られており、本来リサイクル可能な廃棄物が市場化されずに最終処分されている。 そこで、産業廃棄物の排出・処理時の品目の整理を行い、分離・選別等の再資源化技術の適用性や、再資源化または最終処分へ向かう物を把握することで、産業廃棄物詳細品目の類型化を図ることを目的とした。 第2報では、汚泥、廃酸、廃アルカリについて排出事業者情報及び産業廃棄物処理業者へのアンケート調査で得られた詳細品目別の排出状況および処理状況について報告する。
  • 稲葉 陸太, 藤井 実, 南斉 規介, 大迫 政浩, 羽田 謙一郎, 高木 重定, 古島 康, 松井 重和
    セッションID: A5-3
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、廃棄物系バイオマス循環における動脈静脈連携に関して重要な項目を抽出し、連携の形態を分類した。抽出した項目は、「動脈施設に対する静脈施設の位置」、「エネルギー連携」、「エネルギーフロー」、および「処理連携」である。これらの項目に留意して、動脈静脈連携を「自家消費」、「直接供給」、「間接連携」、「遠隔連携」、「近接連携」および「処理連携」の6形態に分類した。続いて、下水汚泥のエネルギー回収を事例として、CO2を含むGHGのLCAを実施して、動脈静脈連携の効果を分析した。分析対象のシステム代替案は、「自家消費」、「直接供給」、「間接連携」および「近接連携」といった動脈静脈連携の要素が含まれており、いずれもGHG削減効果に寄与していた。
  • 山田 正人, 遠藤 和人, 立尾 浩一, 小野 雄策
    セッションID: A5-4
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    産業廃棄物等の排出源は多種多様であり、異物の混入や有用成分含有の高低などの要因により、素材産業で直接活用できない廃棄物も少なくなく、これらの廃棄物を活用する産業の受入条件にあった原料に加工する役割を破砕選別業者が担っている。また、破砕選別業者は、分散した排出源から収集された廃棄物を集約し、より遠方の利用者への供給を行うなどの輸送効率の改善も担っている。 このように破砕選別技術は、廃棄物から循環利用される有価製品または廃棄物製品(処理費を利用側に支払って利用)を生産しており、産業廃棄物分野における循環型社会形成のコアとして機能しているが、同一の廃棄物であっても、破砕選別による生産品の質や生産物の輸送先、残さの埋立処分費等が廃棄物の発生や利用の地域や破砕選別施設が有する技術によって異なり、コスト構造が複雑である。そこで、破砕選別技術に要する処理コストの構造を明らかにし、破砕選別技術の活用を誘導する要因を解明するための基礎情報を収集した破砕選別対象品目の処理費用と再生利用率の関係を整理した内容を報告する。
  • 小清水 勇, 中嶋 崇史, 小野田 弘士, 永田 勝也
    セッションID: A5-5
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,環境性・経済性の両面で最適な廃棄物処理・リサイクルシステム(BAS:Best Available System)を提案することを目的とし,自治体や事業者が容易に利用できる一般廃棄物処理システムの実効性評価ツール(BASソフト)の開発を行ってきた.BASソフトは実測値を用いた現状評価やプラントメーカーの設計・計画値に基づいたデフォルト値を用いたケーススタディを行うことができる.そこで,ソフトによる実測値を用いたガス化溶融施設の現状ごみ処理システムの評価を行い,施設の評価方法の検討を行い,またその評価結果を住民への説明材料として利用する方法の検討を行った.また,デフォルト値を用いた検討として,溶融物の最終処理方法の組合せによるケーススタディを行い,当施設のBASとなり得る処理システムの提案を行った.
  • 金子 昌示, 立尾 浩一, 大迫 政浩, 河井 紘輔
    セッションID: A5-6
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    循環型社会の構築に向けて、廃棄物を原料として活用した「ゼロエミッション」に向けた取り組みを進めることが必要となっている中、鉄鋼業や非鉄製錬業、セメント産業等の素材系動脈産業では、すでに廃棄物が原燃料として利用されており、静脈産業と動脈産業が連結したシステムが資源循環のサイクルの中で一定の役割を担っている。本研究では、我が国の資源循環に大きく貢献している鉄鋼業、非鉄製錬業、セメント産業に着目して、素材産業を活用した動脈産業と静脈産業の連携による近未来の資源循環ビジョンの描出を最終的な目的としている。 本研究では、素材産業の既存の生産プロセスにおける天然資源の消費構造と廃棄物・副産物の活用による天然資源消費抑制構造を把握するとともに、我が国における資源循環への貢献度の観測を行った結果を報告する。
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