日本水処理生物学会誌
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14 巻, 2 号
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  • 橋本 徳蔵, 田中 和明
    1978 年 14 巻 2 号 p. 1-11
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    山梨県下の相模川上流域 (桂川) において1970年11月に7地点の付着藻類と6地点の底生動物を採取して生物学的水質判定を行い, さらに過去のデータと比較した結果は次のとおりである。
  • 松本 淳彦, 土屋 悦輝
    1978 年 14 巻 2 号 p. 12-16
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • ―放射性水銀の活用による検討―
    尾藤 朋子, 北原 節子
    1978 年 14 巻 2 号 p. 17-21
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    無機水銀の活性汚泥への吸着とその際の基質除去活性に与える影響について放射性水銀 (203Hg) を利用して検討し, つぎの結果を得た。
    (1) 活性汚泥の水銀吸着はSV25%汚泥の場合, 水銀濃度0.01~1.0mg/lの範囲内では100%近い吸着率を示した。5mg/lでは80%で, 吸着限界に達した。また, SV10%汚泥では25%汚泥と比較して低濃度においても吸着率の低下がみられ, 5mg/lではさらに低下を示した。
    (2) 25%, 10%両汚泥の水銀吸着量を単位当り汚泥量に換算 (Hgμg/gss) した結果, 0.01mg/l濃度では同程度であったが, 0.1mg/l以上では10%汚泥の単位量当りの吸着能が優れており, 25%汚泥の2~2.5倍であった。
    (3) 25%汚泥と10%汚泥の水銀吸着効率比を算出した。その結果で明らかのように10%汚泥の単位量当り吸着量は高いが, 総体的な水銀吸着能としては25%のように汚泥量の多い方が吸着効率は優れている。
    (4) 本実験のKm値は0.01~1.0mg/lの範囲内では10-5であったが, 5mg/lでは10-3と大きくなり吸着率が低下することを示した。
    (5) 水銀が活性汚泥に吸着した際の基質除去能に与える影響をBOD除去率で表わすと, 本実験の水銀濃度の範囲内では高濃度域の曝気初期に除去率の低下がみられたが大きな阻害とはならず, むしろ10%汚泥のように一種の剌戟作用を思わせるような現象がみられた。
    (6) 本実験はRI (203Hg) をTracerとして利用したために水銀量の測定が高い精度で容易に実施できた。
    (7) 以上本実験のようにRIを利用した実験方法を採用すれば, 水質汚濁をもたらす微量物質の代謝, 蓄積, 移動等のメカニズムが明らかにできるものと考えられる。
    本研究の概要については第12回日本水処理生物学会大会において発表した。
  • 森 忠洋, 須藤 隆一, 岡田 光正
    1978 年 14 巻 2 号 p. 22-29
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • 安田 郁子, 荒井 優実, 井山 洋子
    1978 年 14 巻 2 号 p. 30-40
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本調査は志賀高原の腐植栄養湖について, プランクトンからみた特殊性を明らかにするために行なった。1976年5月, 8月, 11月の各時期に, 志賀高原の腐植栄養湖といわれている渋池, 三角池, 長池, および調和型富栄養湖といわれている木戸池において, プランクトン, 一次生産, 水質について調査した。
    1理化学的水質の面では, 酸性であること, 電気伝導度が低いことが腐植栄養湖 (渋池, 三角池, 長池) において共通した現象であった。またCODは長池と渋池で高く, 調査した4湖沼とも, リン酸イオンは少ないが, 無機態窒素は少なくなかった。
    2腐植栄養湖としてのプランクトンからみた大きな特徴は, 植物性プランクトン相にあった。すなわち, ベン毛藻類を主体としており他の種類は非常に少ない。
    3植物性プランクトンの現存量は5月に多く8月に減少するという傾向があり, とくに, 8月に渋池と三角池で激減する。しかし, 長池をも含めると, 腐植栄養湖として共通の量的な特徴はみられなかった。
    4動物性プランクトン相が季節変化や溶存酸素の垂直分布状態による影響を受けている可能性は認められたが, 腐植栄養湖に共通した動物性プランクトン相はみられなかった。
    5動物性プランクトンの現存量は, 腐植栄養湖では5月に少なく, 8月, 11月に多い。また, 各時期における現存量についても3つの腐植栄養湖間で大差はみられなかった。
    6植物性プランクトンの生産量は, 三角池, 長池, 木戸池において測定されたが, 5月, 8月, 11月のいずれも三角池で最も小さく, 長池で最も大きい。生産量は腐植栄養湖間でも全く異なっており, 植物性プランクトン量に大略比例していた。
    7本調査における3つの腐植栄養湖は季節的変動を考慮してもなお, 植物性プランクトン量やその生産などからみて, 2つの型に分けられる。すなわち, 植物性プランクトン量およびその生産量の多い湖沼 (長池型) と少ない湖沼 (渋池型) である。なお, この2つの型は, 1974年7月下旬のプランクトンによって類別された2つの型 (安田, 1977) と矛盾しないものであった。
  • 渡辺 仁治, 常世 美智
    1978 年 14 巻 2 号 p. 41-49
    発行日: 1978/10/01
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    1.鹿児島県肝属川の11地点 (図1) において, 瀬の川床への付着藻類を, ある条件設定のもとに採集し, それらの試料によって生物学的水質判定を行ない (表2) , 本河川の汚染図 (図2) を作成した。
    2.付着性珪藻群集の多様性 (表4) と, 汚濁階級との間には, 今回の調査に関する限り明瞭な相関は認められなかった (図3) 。
    3.付着珪藻群集相互間の類似度を求め (表5) , 群分析を行なった結果を, 図4にデンドログラムとして示した。その結果, 珪藻群集は6つのグループに大別できる。
    4.類似度が高い珪藻群集が生育する水域の汚濁階級は, たがいに等しいことが多いが, 群集間の類似度が大きくても, それらの群集は必ずしも同等の汚濁階級の水域に出現するとは限らない。したがって, 類似度の大きさは, 汚濁階級の相似性の有力な目やすとはなるが, 単に類似度の数値にのみ注目することは避けるべきであろう。群集中の相対頻度の高い種の組成をも, 併せて考慮する必要がある。
    5.珪藻の多くの種には, どの汚濁階級にも広く出現する傾向はあるが, 群集中の優占度が高い種―相対頻度の大きい種―に関する限り, 水質汚濁に対する適応性には, 各taxonごとに顕著な違いがあるように見うけられる。肝属川に優占的に出現した珪藻について, それらの具体例を示した。
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