川床地形の複雑な河川の横断線上において, 流速・底質の異なる5地点を選定し, 異なる群集組成を持つ付着藻類群集を採集した。群集の主な優占種はラン藻の
Homoeothrix janthina B.et.F.Starmach及びケイ藻であった。各地点の群集の種類組成の違いは, 流速及び川床の状態の違いを反映していると考えられる。流速の比較的大きい地点 (100cm/s, 50-60cm/s) では
Homoeothrix janthinaが優占種となり, 流速の小さい地点 (5-10cm/s) ではケイ藻が優占種となった群集が見られた。それぞれの群集中のケイ藻の種組成にも相異が見られた。付着藻類群集組成の違いより, 群集の形成過程, 及び水流の物理的圧力と被付着物の安定性が群集構成に及ぼす影響について考察を行なった。
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