1.台湾, 台南市郊外知本温泉付近で得た406個体を著者らの定法に従って研究を行なった。
2.ケイ殼の外形はほぼ楕円状で, 先端部の突出するもの (96.6%) , しないもの (2.2%) があり, 先端はやや尖円状のもの (17.4%) , やや広円状のもの (67.4%) がある。
3.ケイ殼の外形は, 左右相称のもの (96.3%) , 不相称のもの (3.7%) , 上下相称のもの (89.9%) , 不相称のもの (10.1%) がある。
4.横条線は点で形成され放射状配列をしている。中心域はやや小さいもの (9.6%) から大きいもの (10.1%) まで, 種々な程度のものがある。中心域は左右, 同形同大のもの (87.7%) と, そうでないもの (12.3%) がある。
5.ケイ殼長15.5-21μm, 幅5-7.5μm, 10μm間の横条線数中央部で16-22本, 両端部で19-26本である。以上より計測値は従来の記録と大差ない。
6.本種の原図 (
Diadesmis confervaceaとしている) はすべて先端部が強く突出している。Grunowの図ではそれ程強く突出せず, 全く突出しない楕円形の個体まで基本種に入れている研究者があるため, 今回の種は
Nav. confervaceaと同定できる。
7. f.
rostrata Krasskeは基本種のsynonymにすべきものかと考えられる。また, f.
nipponica Skvortzowも基本種のsynonymにすべきものと考えられる。
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