クスコ (ペルー) で1986年8月に採取した308個体を研究に用いた。
ケイ殻の両端部は突出するが, その程度は種々である。背縁は強く湾出する。腹縁中央部は弱く湾出するか, ほぼ真直かが多いが, 一部の個体 (8.7%) は弱く湾入する。このような形質は従来の記録にないが, 図示している研究者が希にある。
背側の中心域に遊離点のある個体が少数 (8.4%) 観察されたが, このような形質を記した記載がないし, また, 図も見当らない。
腹側中心域の遊離点のない個体は43.7%, 1個ある個体は55.3%, 2個ある個体は1.0%である。多くの研究者は腹側に1または2つの遊離点の存在を記している。
中心域を構成する横条線で, 目立って短いものが存在することは記録されてないが, 今回の試料では7.8%の個体で観察される。
ケイ殻長16.0~31.0μm, モード24.0~25.5μm, 幅7~8.5μm, モード7.5μmで, 従来の記録中に入っている。横条線密度 (本数/10μm) は中央部背側9~14本, モード10本, 腹側9~14本, モード11本, 両端部背側10~14本, モード12本, 腹側10~15本, モード12本で従来の記録より大きい値も小さい値も観察された。
抄録全体を表示