消化脱水汚泥ケーキ区および乾燥消化脱水汚泥ケーキ区の, 各種植物に対する肥料効果を種々検討した。その試験成績を一括表示すると, 表11, 表12のようになる。
すなわち、表11から判るように, 施肥汚泥試料のひなぎく, わすれなぐさ, ビオラに対する肥料効果は, 試験植物の種類によってかなりなはり, その適量施肥配合率は, 川砂による汚泥施肥試験では, おおよそ, わすれなぐさとビオラに対しては50%近辺, ひなぎくに対しては25%, また畑土 (耕作中) による汚泥施肥試験では, ひなぎくとわすれなぐさに対しては25%以下のところ, ビオラに対しては約25%近辺にあるように思える。したがって, 本実験では, 汚泥施肥による肥料過多で, 各種植物が発育阻害を起したものと考えられ, 汚泥の肥料効果試験は, 25%以下の低い施肥配合率で試験されねばならないことが示唆される。表12からわかるように, いんげん豆, 大豆, 百日草, ふだん草, 琉球松に対しては, 施肥汚泥試料の配合率が高くなる程 (20%まで) 肥料効果が優れており, また一般に消化脱水汚泥ケーキ区よりも, 乾燥消化脱水汚泥ケーキ区のほうが良好であった。湿地性のくわい, 稲に対しては, 施肥配合率が1~5%区で, 肥料効果が大で, 10%以上の高い配合率では悪影響が認められた。芝生では, 品種によってかなりの差がみられるが, ティフウェイを除いては, 約25~50%の施肥配合率で肥料効果が顕著であった。グラジオラスに対しては, 汚泥試料の表面施肥のほうが, 埋没施肥よりも良好で, また消化脱水汚泥ケーキよりも, 乾燥消化脱水汚泥ケーキを施肥するほうが, 肥料効果が大であった。
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