有害物質であるホルムアルデヒドを浄化させるために、安全性が高く、食品分野に使用されている麹菌に着目した。YPD培地により培養した麹菌の菌糸塊は、40 m
lのCzapek-Dox培地中で、100 mg
l-1のホルムアルデヒドを48時間で完全に浄化した。ホルムアルデヒド濃度を50, 100, 200, 300 mg
l-1に調整したCzapek-Dox培地中にて浄化試験を行った結果、ホルムアルデヒド濃度50, 100 mg
l-1の条件下では、完全にホルムアルデヒドが浄化され、浄化後の菌糸を再度100 mg
l-1のホルムアルデヒドに浸漬する操作を8回繰り返しても浄化能力は低下しなかった。これらの結果より、麹菌の菌糸塊には、高いホルムアルデヒド浄化能があることが認められ、ホルムアルデヒド排水の浄化に有用であることがわかった。
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