シマイシビルおよびナミウズムシを用いて生物検定を行ない以下の知見を得た。
1.死亡率の算定には, 薬剤液接触後死に到る過程を数段階に分類し, 係数を定め, この係数を対応する供試生物数に乗じて死亡率を算定した。
この方法は生と死の判定のみから求められるLC
50と強い相関関係があり, しかも短時間のLC
50を推定しやすい利点がある。
2.シマイシビルはナミウズムシよりも, 硫酸銅を除く各供試薬剤に対して抵抗力があった。
3.シアン化カリウムを除き, シマイシビルは薬剤に接触すると, 始めに体表より粘液を分泌し, その後同じく体表より出血する。
4.コイとシマイシビル, ナミウズムシのLC
24h50 (24時間LC
50) を比較するとシアン化カリウムとアルドリンでは両供試生物の方がコイよりもLC
50が高く, 昇汞, MEP (乳剤) , MCP (ソーダ塩) では反対にコイの方が高かった。
5.シマイシビルは塩素に弱く0.5ppmで5時間, 1.0ppmでは2時間で完全にへい死する。
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