古紙利用の動向は製紙原料構成比からみて, 中, 上質化の方向へ進んでいることが見られる。しかし古紙の利用拡大に伴う諸問題, 回収, パルプ化, 需給の安定といずれも難問が多い。特に異物混入の対策, 技術的解決は重要な課題である。古紙のパルプ化はいかに動力を少く効率よく離解し, 除塵するかである。地球釜を連続式にした新しい高濃度処理法に興味を感ずる。難離解性の古, 紙除塵しにくい異物にディスパージョンシステムが, 古紙パルプの品質向上に効果的である。新しい動力消費の少い, 据付面積の小さいフローテーションが運転され, 従来型と同等の脱墨効果をあげている。インクローズド化した脱インキシステムは, 多くの問題を提起した。パルプの汚染, スケール, スライムの発生, 腐食等である。その解決に循環水の浮上処理が脚光をあびている。
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