水質および大気の環境汚染を複合的に防止することを意図するクラスタールールは, 紙パルプ産業に関して, その第1段が1993年12月に原案が提示され, 1998年4月15日にFinal RuleとしてFederal-Register上に告示された。その内容は, 設備については既存か新設か, 排水放流は河川などに直接か公共の下水処理施設経由か, 対象物質は従来規制項目 (BoD, TSS, pH) だけか, 今回新たに設定された物質 (2, 3, 7, 8ダイオキシン等) を含むか, 測定場所はin-plantかend-of-pipeかなど詳細に亘っている。
個々の工場における対策の実現を可能とする技術について, 大気にはMACTが, 水質にはBATが提唱されている。更に, 水質では高度の環境対策の普及を目指して, 自主的により進んだ操業技術の導入を図る事も業界に求めている。
今回の規制対象分野は製紙用化学パルプ (KP, SP, SodaPulP) 中心であったが, 今後, 同様の規制が他の分野についても拡大されることになっている。但し, 現時点ではその時期については明らかになっていない。
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