製紙関連工場における品質保証型の防虫管理では, 次の点が重要である。
1) 外部クレームのみでなく内部クレームについてもクレーム分析を実施する。具体的には, クレーム昆虫の種類の同定, 混入日時, 混入ラインや工程を記録書に記録し, 保管する。
2) 捕獲されている昆虫のモニタリングデータを調べ, 工場オリジナルな危害昆虫図鑑を作成する。そして, クレーム昆虫とモニタリングデータとの相関関係を解析, 評価する。最後に, 昆虫の生態的な特徴を踏まえ, 予防対策を構築する。
3) 工場の環境条件として, 昆虫モニタリングのみでなく, 光, 風向, 風速, 温度, 湿度, などを定量的にモニタリングする。
4) 品質保証型の防虫管理では, 仕組み自身を定期的にバリデーションし, その効果の確認を行う。また, 活動自身が機能するように, ルールが正しく守られていることを確認し, 教育, 訓練を定期的に実施すること。
以上について報告する。
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