日本製紙連合会は1997年より「環境に関する自主行動計画」を定め,積極的に活動している。その中の地球温暖化対策の1つとして,CO
2の排出抑制があり,省エネ目標として「2010年度における紙・板紙の化石エネルギー原単位を1990年度比13%削減する」を掲げている。
1990年度を基点とした省エネ実績について1998年よりフォローアップし,結果を公表している。今回2004年度実績について報告する。
1990年度に対して2004年度の化石エネルギー原単位は90.7%まで順調に削減されているが,CO
2排出原単位は95.7%にとどまっている。これは政府の脱石油政策に従い,コスト上有利な石炭が多用されたことによる。このCO
2削減対策が今後の課題である。
2004年度は,省エネに加え,各社の燃料転換設備の稼動がはじまり,前年度に比べて化石エネルギーから再生可能エネルギー・廃棄物エネルギーへの転換が大きく進んだ。
今後の各社の投資計画を踏まえて試算すると,2010年度は目標を達成できる見通しである。
また,日本におけるエネルギーバランス,紙パのエネルギーバランス,全産業のCO
2排出量およびそれに占める紙パルプ産業の位置づけについても,関連情報として触れた。
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