紙パ技協誌
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61 巻, 11 号
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製紙技術特集 I
  • 近藤 晋一郎
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1299
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
  • 青木 紀男
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1300-1307
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    ロール中間倉庫について,近年海外ではクレーンとバキュームリフタを使用した全自動ロール倉庫が主流となっている。ストレッチフィルムロール包装機は,無公害,リサイクル可能なポリエチレンフィルムを使用している為,環境に優しい包装方法であり,優れた防湿効果が得られる。クラフトロール自動包装機は,抄紙機の増速化,印刷機用巻取りロ―ル紙の広幅及び大径化の要求に伴い,巻取りロ―ル包装機においても高速,高生産への対応が不可欠となってきた。フルシンクロ大判カッターは,近年,当社はビロマテック―ヤーゲンベルグ社のカッターを技術提携し最新技術の3種類の高速フルシンクロカッターを標準として製作,販売している。パレット自動搬送ロボットは,当社ではシーターの後工程において製品を崩さず,また傷つける事無くスキッドを搬送出来る自動搬送システムを製作している。全自動平判給紙ロボットは,仕上げ工程の中でオペレーターが長時間連続的に製品リームを機械へ供給しているその負担を軽減させるために全自動平判給紙装置の設計製作及び販売をしている。平判スキッド自動包装機は,リサイクルが容易に出来るポリエチレンフイルムを使用し,またシュリンク後の包装強度が非常に高く,従来使用の木製天板及びバンド等が不要になり大幅な包装資材コスト低減が可能となった。工学式シートカウンター,レーザーマーキングシステムは,パレットに積まれた洋紙又は板紙の正確な枚数を自動で測定する装置である。トラック自動搬入・搬出装置は,現在殆どの工場ではフォークリフトを使ってこれらの製品が積み降しされている。そのためトラックの停止時間が長く,またロール紙に傷が付く等の問題があるが,これらの問題を解決したトラックローディングシステムが設置されてきている。今回はそれらの技術とその特徴について紹介する。
  • 中村 弘
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1308-1311
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    06年の紙パルプ年次大会にて「仕上げ工程の省力化の歩み」と題して講演を行い,紙の選別作業をなくするまでの取り組みを紹介した。ここでは「工程間品証活動」により不良紙を後工程に送らないとのソフト面での改善活動について主として報告した。本報では,並行して実施してきた設備の更新・改善による効率化について紹介して,前報の続編とする。(1)老朽カッターの集約更新,(2)巻取包装機の更新および搬送の自動化,(3)平判自動包装機の増設およびスキット自動包装機の導入,について効率化の経過を報告する。
  • 山崎 秀彦, ユハ リンヤ
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1312-1319
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    抄紙機の抄速は年々上昇し,最高速度は1,600~2,000m/分に達している。こうした中,カレンダ処理についてみると従来のスーパーカレンダを用いる場合は3,4台のオフラインカレンダが必要になる。メッツォペーパー社では1990年代に新世代マルチニップカレンダOptiLoadカレンダを開発した。これは,独特のロール自重リリーフ機構,高温ホットロールの使用,ホットロールを有効に作用させるロール配置,全ニップを通じて同一線圧での運転が可能などの機能が主たる特徴である。
    OptiLoadの適用の第1段階は,3台のスーパーカレンダの代わりに2台のOptiLoadで処理を行うというものであり,1997年にオフラインOptiLoadを上質コート紙用に稼動したのが最初である。第2段階は2台のオフラインOptiLoadの代わりに1台のオンラインOptiLoadを導入するというものであった。オンラインOptiLoadはSC紙マシンに適用されたのが初めであり,その後LWC紙マシンへの適用へと進んでいった。また,上質コート紙用には,光沢紙用のマルチニップとマットニップの両方を備えたオンラインカレンダが1つの典型となっている。さらに,近年,SC紙用に新たに2スタック式のOptiLoad TwinLineを開発している。
    本稿では,OptiLoadカレンダの構造および機能を述べ,各種紙グレードへのオンライン適用の例などについて述べる。
  • 金山 順一
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1320-1323
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    王子製紙米子工場N―1マシン・N―1コーターは塗工紙の安定供給を図るため当時の最新鋭の技術を導入し1997年9月に営業生産を開始した。
    N―1コーターは,最大塗工幅7,290mm,常用速度1,600m/minのオフマシンコーターであり,世界で初めてオンラインのスーパーカレンダー「ヤヌスカレンダー」を設置した。ヤヌスカレンダーは省設備及び省力化を図りながら従来のオフラインのスーパーカレンダーと同等のグロス・平滑度の塗工紙の生産を可能としている。本稿ではN―1コーターの設備概要とヤヌスカレンダーの現在までの操業経験について紹介する。
  • 柿野 王延
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1324-1328
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    日本製紙岩国工場9号マシンは,平成9年4月にA3コート紙専抄のオンマシンコータとして稼動を開始し10年が経過した。本稿ではこの10年間での操業経験をもとにオンライン高温ソフトニップカレンダについて紹介する。
    9号マシンは,高速マシンとして効率良く紙の平滑及び光沢を発現させる為,当時世界で初めてオンラインの高温ソフトニップカレンダ(以後HSNCと略す)を2ロール4スタック方式で設置している。従来のスーパーカレンダ以上の性能を有し,且つ幅方向のニップ制御を行う事で品質調整が容易に行え,所定の光沢を出す事が出来る。
    HSNC設備の概要については,レイアウト(ロール構成),ソフトロール保護設備,熱媒設備,幅方向制御等々,また,品質上での特徴,操業の使用条件,これらの結果,HSNCはオンマシンコータの仕上には必要不可欠なパートとして確立されている。
    しかし,現在に至るまで増速を行ってきている中での新たな問題点,ロールの高温,高ニップ化,更に高塗工量域抄造時のカレンダロール汚れが目立ち,設備メンテナンス上での課題等様々な問題が発生してきている。これら新課題への対応も含めた,9号マシンHSNCの概要並びにこれまでの操業経験を紹介し,問題点も踏まえて将来的な展望について説明する。
  • ―切断工程の自動化によりコスト削減とスリット品質の向上を実現する―
    ハインツ ハーケンラート
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1329-1332
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    スリット技術は最近急速な発展を遂げている。最近の最高品質のツールを使えば,高速のスリットは夢物語ではなくなった。同時に,エッジ(切り口)の品質,ダスト(切りくず)の発生,ナイフの寿命に関しても良い結果を生んでいる。このことは,多くの既存のスリットシステムには,効率とコストダウンの余地が極めて大きく,最新技術を導入すべきだということを意味する。
    連続スリッティングの歴史は150年前に遡り,ディネスはこの期間の少なくとも半分の歴史を作ってきた。この事実は,ディネスが取得した数多くの国内外の特許で裏づけられている。
    ディネスの供給設備の範囲は,皿型ナイフ,トップナイフとボトムナイフにとどまらず,種々の材料品質のナイフブロック,表面仕上げ,さらには手動,半自動,全自動のナイフ位置決めシステムが含まれている。
  • 廣田 泰秀
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1333-1337
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    祖父江工場7号マシンは王子板紙の生産体制再構築の一環として2年間の生産休止期間を経た後2005年1月再稼動し外装用ライナーの生産を再開した。7号マシン再稼動にあたり,最高の品質と最高の効率を目指して数多くの改造工事を実施,ワインダー改造工事においては国内初号機となる新型スリッターを導入した。従来のNCスリッターは経年劣化による機械故障や制御盤劣化による寸法精度悪化,紙粉発生などのトラブルが発生していたが,最新型スリッター導入によりこれらの問題を解決することが出来た。さらに,寸法精度向上による不良品の減少,スリッター刃交換頻度減少によるコストダウンが図られた。また,紙粉発生が減少したことから集塵装置を停止することができ,省エネ効果も得ることが出来た。
    本稿では,新型NCスリッターの操業経験,操業上の問題点とその対策,並びにその導入効果について報告する。
  • 高橋 三千夫
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1338-1342
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    シングルドラムワインダは2ドラムワインダに比べて,独立したステーションで巻き上げることで巻き硬さを柔軟に制御することができるため,上質コート紙といった高密度,高平滑な紙へのワインダとして優位性を持っている。しかしながらその構成内容から人手がかかる,メンテナンスの負担が高い等の弱点を持っている。今日の市場はますます高効率化,高品質化を要求しており,シングルドラムワインダはその対応に迫られている。フォイト社のバリプラスワインダはシングルドラムワインダの利点をさらに磨き,弱点を克服して,市場のニーズに対応した新世代のワインダである。シングルドラムワインダの特徴である,シングルニップ,マルチステーションによる個別巻き硬さ制御に加えて,センター駆動化による巻き硬さ制御範囲の拡大,新開発のドラムカバーによる巻き上げ品質の改善と高速化を達成した。さらにオートメーション化により自動取り卸,寸法替え,親枠替えを達成し,人手を必要としない,高効率と完全自動化を実用化している。世界で40台以上の実績でこのワインダコンセプトを確かさが証明されている。国内においても既に3台が稼働し,近年中に4台が稼働予定である。本稿に於いてシングルドラムワインダの利点,バリプラスワインダの特徴と市場要求の対応についてその具体的内容を紹介する。
  • 黒崎 篤
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1343-1346
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    SmartLearn®(スマート・ラーン)」は,コグネックス社の欠陥検査システム「SmartView®(スマート・ビュー)」の最新の欠陥判定ソフトウェアである。今回,この検査システムの新機能を紹介するとともに,検査結果を仕上げ工程において有効に活用するためのシステム「AWA(アドバンスト・ワインダー・アドバイザー)」の活用例を解説する。AWAはリリーラー/ワインダーにおいて欠陥位置で正確に自動停止させることができ,飛躍的にワインダーでの作業効率・処置時間を向上させる。
総説・資料
研究報文
  • ―米粒状軽カルのスケールアップテスト―
    南里 泰徳, 金野 晴男, 後藤 任孝, 岡本 康弘, 高橋 一人
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1356-1366
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    クラフトパルプ化の薬品回収工程である苛性化工程では白液を生産すると共に炭酸カルシウムが副生している。この炭酸カルシウム(苛性化軽カル)はキルンで焼成されて白液を生産するために循環使用されているが,製紙用填料・顔料として利用できればキルンでの重油使用量削減や苛性化工程内で蓄積する不純物を除去できるなどのメリットは大きい。特に苛性化工程がパルプ生産のボトルネックとなっている工場ではパルプの増産が可能となり,メリットは非常に大きい。しかし,苛性化軽カルをより多く填料・顔料に使用するには苛性化軽カルの品質が良好でなければならないが,現行の苛性化軽カルは形態が塊状であるため,填料・顔料としての品質は十分ではなかった。そこで苛性化反応を用いた高品質軽質炭酸カルシウムの開発を行ったところ,苛性化工程内で起こっている消和と苛性化の二つの反応を基本的に分離してそれぞれ制御することにより,米粒状,紡錘状,針状に形態を制御できることが分かった。これらの形態の中で米粒状は,スレーカー内で生石灰を白液で消和し,苛性化槽で緑液を添加して苛性化反応を行うことにより製造できることを見出しているが,現状の苛性化工程をそのまま使用して製造できる可能性がある。
    そこで,本報文ではこの形態について実験室スケールからパイロットスケール,工場スケールとスケールアップを行い,工場スケールでも米粒状の形態が得られるか検討した。また,苛性化工程では白液の生産が主目的であるため,白液と苛性化軽カルの分離(固液分離)が非常に重要である。そこで固液分離を容易にするために,粒子径を大きくする必要があると考え,その手法として一次粒子に白液消和石灰乳と緑液を追添加させて二次粒子を製造する方法を検討した.実験室スケール,パイロットスケール,工場スケールでも米粒状の一次粒子,さらに連続添加による二次粒子を製造することができ,ろ過性を改善することができた。また,現行の苛性化軽カルと比較してワイヤー摩耗性に優れた軽カルを製造することができることが分かった。
  • M.サーワール ジャハン, R. サビーナ, A. ルバヤット
    2007 年 61 巻 11 号 p. 1367-1375
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/06/21
    ジャーナル フリー
    Acasia auriculiformisを,蒸解時間,温度および活性アルカリ添加率などの操業因子を変えたクラフト蒸解に供した。セントラルコンポジト法を適応して,パルプ特性(全収率,精選収率,カッパー価,裂断長,比破裂強度,比引裂き強度)に及ぼす操業条件の影響を調べた。三つの独立変数からなる二次多項式モデルは,Acasia auriculiformisのKP蒸解を正確に表現できることがわかった。最小R2値は0.94以上であり,提案した式に良く合致することを示している。操業変数の中央点における精選収率,全収率,カッパー価,裂断長,比破裂強度,比引裂き強度の値は,それぞれ43.5%,44.6%,26.1,41.7N. m/g,3.3kPa. m2/g,12.3mNm2/gであり,ほぼ予測値に近い。
工場紹介 (74)
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