紙の用途は多様化し抄紙機も高速・幅広に大型化され,ユーザの品質要求が厳しくなる中で,欠陥検出器も抄造における品質管理と欠陥原因究明のツールとして,無くてはならないシステムの1つになった。
欠陥検出器はステンレスブラシによる穴検査から始まり,現在の主流となっているCCDカメラを使用した検査器の登場により技術的大転換が図られ,多ビットカメラの採用,録画機能,薄汚れ検査機能強化を経て,現在はデジタルカメラ採用によるオールデジタル検出器として技術的に再転換が図られている時期である。
欠陥検出器の位置付けは年々重要視されてきており,現在ではQCSと並ぶ抄紙機の最重要付帯装置になっている。
この様な背景のもと,「より高い検出性能」「より高い信頼性・メンテナンス性」「より高いオペレータの作業性・操作性」をコンセプトとした欠陥検出器の開発をオムロン(株)と2005年3月から本格的に行ってきた。
本稿では,今までのアナログ検出器の弱点の克服と日本製紙からの要求仕様を加味した次世代システムを導入・運用開始したので,経緯と現段階までの性能評価,そして今後の展望について述べる。
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