2004年秋,新潟工場では汚泥焼却炉の老朽更新を行う検討を開始し,単なる焼却炉でなく製紙汚泥と木質系廃棄物及びRPFを燃料としたバイオマス発電ボイラとして構築し,エネルギーコスト削減の一助とする計画を立てた。折しも,バイオマス発電は資源エネルギー庁の新エネルギー事業推進の追い風を受けて翌年に着工し2006年12月に試運転を迎えた。
導入したバイオマスボイラ設備は,(株)荏原製作所製 内部循環流動床ボイラ(ICFB)であり,設備能力は常用5.6Mpa×460℃ 蒸発量毎時65tを発生するものである。バイオマス燃料は,工場内で発生するPS(Paper Sludge)と建設廃材を破砕した木屑である。その他に補助燃料としてRPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)を使用している。
主燃料である木屑は建設廃材を主体とした構成であって,廃材中にはクギ・ボルト・ナット等の金属異物や砕石・石ころ・砂利等が含まれている。しかしロータリー式の供給装置は噛み込み防止機能を有し,通常サイズの異物であれば,炉内へ供給されていく。
コンベア搬送能力については種々の改造を重ね,ようやく所定の搬送量は満足したものの,建設廃材である木屑の性状の水分やかさ比重などの変化によっては,いまだ解消されていない問題の一つである。木屑供給コンベアはチェーン部の磨耗が顕著であり,度々チェーンのコマ詰めを実施したりチェーン・スプロケットの入替えを実施している。チュウブフィーダーの磨耗進行も,同様に懸念すべき問題である。円筒の表面をパテ塗りして外部応力による磨耗の進行を防止する対策を実施した。
バイオマスボイラの導入によって,工場で使用する発電用の重油使用量を削減することが出来た。
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