世界的なエネルギー価格の上昇,とりわけ我が国においては2011年3月の東日本大震災を初端とする電力不足,受電価格の上昇が製紙会社の収益を圧迫し,エネルギー効率が紙・板紙の生産効率に与える影響は増大している。
メッツォ社は一般的に総生産コストの15~30%を占めるとされるエネルギーコスト削減の可能性を常に追い求め,その実現に関してたゆまぬ研究・開発を続けているが,電力・蒸気消費に関してはまだ省エネルギーが図れる大きなポテンシャルがあると考えている。
メッツォ社の最新抄紙機コンセプトであるオプティコンセプトM(OptiConcept M)にはその電力・蒸気消費削減に関して有効な機器が採用されているが,今回は既存の抄紙機にも適用可能で省エネルギー推進への貢献が大いに期待できる下記の機器・ソリューションを紹介する。
1)低リファイニングエネルギーでの操業が可能な最新鋭コニカルリファイナー,オプティファイナー プロ(OptiFiner Pro)リファイナー
2)低真空・低風量で高い脱水能力を発揮する,プレスパートのユールボックス用多孔型ユールボックスカバー
3)真空システムの再構築による真空省エネルギーの実現
4)より効率の良い真空使用,クーチロール後のドライネス向上を実現するストレート穴仕様サクションクーチロールシェル
5)サクションクーチロール表面の効果的な水除去によりプレスセクション前のドライネス向上を実現するコンビドク(CombiDoc)
6)シュープレスのベルト表面の効果的な水除去によりニップ脱水性向上を実現するベルトドク(BeltDoc)
7)既設ノズルと交換することによりエアドライヤの乾燥能力向上を実現するパワーフロート プラス ノズル(PowerFloat Plus Nozzle)
8)ドライヤ表面にパワーフロート プラス ノズルを配した高効率乾燥エアドライヤ パワードライ プラス(PowerDry Plus)エアドライヤ
9)コンパクトな乾燥レイアウトと良好なシート走行性を実現する非接触方向転換/高効率乾燥エアドライヤ ターンドライ(TurnDry)
10)ドライヤセクション前段向け高効率インピンジメント乾燥装置 オプティドライ(OptiDry)
11)プレート型白水専用熱交換器 AHRF熱交換器
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