最近,日本を代表するプロセス産業(化学,非鉄金属等)から,多くの依頼があるコンサルティングテーマに,「利益創出と工程安定稼働体制構築」がある。
このテーマの中でも特に多いのが「品質・歩留り」の向上と,重大事故・災害につながりかねない「工程,設備のトラブル」削減に関するテーマである。
これらのテーマは,対策を実施しているにも拘らず,再発を無くすことが困難な「慢性不良」と呼ばれる問題に対するものである。
「慢性不良」対策を効果的に行うには,以下の点が不可欠である。
1)「現象」や「製造原理」,「設備構造・機構」の理解を深める。
2)「機能的なモノの見方・考え方」を取り入れ,不良現象が起きている実態を,解像度を上げて理解する。
3)「図解」を取り入れ,検討メンバー全員が,対象をイメージで捉える事が出来る様にする。
4) 「固有技術」を検討できるメンバーは「エース級」を選抜し,コンサルタントが保有する「管理技術」との相乗効果を高める仕組みを構築する。
「慢性不良」を解決するためには,「慢性不良」に適合した「問題の解き方」を知らねばならない。それは,不具合現象を惹起すると考えられる「要因」を網羅的に洗い出し,もの作りの原理・原則に照らし合わせ,論理的に筋道立った不良発生のメカニズムを明らかにすることである。
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