2013年に筑波大学内に「生物材料グリーンプロセシング研究グループ」を立ち上げた。グリーンプロセシングとは,持続可能な社会(グリーンソサエティ)を築くためのバイオマス(グリーンマテリアル)を加工する環境に優しい技術のことである。
本研究グループの研究室では,
1)ろ紙上に微小流路を作製するためにカチオン性のスチレンアクリレート共重合体水溶液をインクジェット印刷して疎水性バリアを設けた紙基板の健康診断チップや環境モニタリングセンサーの開発
2)試験液体の微小流路内移動速度を上げるために基盤的製紙技術を活用したセンサー機能向上
3)予め全面疎水化したろ紙上に親水性区画を多数設け,その区画にインクジェットプリンタを使って寒天培地を印刷した,ペトリ皿代替バクテリア培養システムの開発
4)紙上に設けた平面状の電極と静電気を帯びたエレクトレットの間隔を音や騒音による紙の振動により周期的に変化させる発電機の開発
5)津波や洪水によって水害被災した紙文化財のカビ発生を塩水への浸漬によって抑制する技術の開発
6)蔵書の虫や湿気を除くために習慣的に行われてきた曝書の効果の科学的再検証
などを進めている。
またグループでは,今後の発展を目指して国際及び産学連携も進めている。
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