紙パ技協誌
Online ISSN : 1881-1000
Print ISSN : 0022-815X
ISSN-L : 0022-815X
71 巻, 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
新入社員歓迎号
  • 小関 良樹
    2017 年 71 巻 4 号 p. 365-366
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり
  • 宇都宮 義仁
    2017 年 71 巻 4 号 p. 367-370
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    大分工場は,1・3・5マシンの3台の抄紙機を有し,ライナー原紙を主に,石膏原紙・白板紙・色板紙・紙管原紙等の板紙を抄造している。段ボール古紙の使用割合は8割程度を占めており,段ボール古紙処理系列のリジェクトパルプ削減が大分工場の歩留まり改善に繋がると言っても過言ではない。

    本稿では段ボール古紙処理工程最終スクリーンに,株式会社IHIフォイトペーパーテクノロジー社製コンビソータを導入し歩留まり改善を図ることが出来た事例を紹介する。

    コンビソータは,1台で離解,洗浄,スクリーニング,脱水を行い,さらにリジェクト排出量のコントロールを可能にした,テール系最終スクリーンとして非常に優秀な機械である。

    しかし,いくつか難点もある。そのひとつは容易にメンテナンスが出来ないところである。消耗品の取替えや内部点検時,上部にプーリがあることや,本体重量が1.5tもある為,現場で容易に内部点検の為の開放や,消耗品の取替え等が出来ず,業者へ依頼しなくてはならい。このあたりは今後のメーカーの改良に期待したいところである。

    もう1点は消耗品のライフである。主な消耗品は1次ディスクローターと1次ホールスクリーンプレートになるが,現在までの実績では約4~5ヶ月程度の周期で取り替えを行っている。磨耗が進むと離解力が低下し,コンビソータ本来の能力が発揮できない状態となる為,今後は材質変更等による取替え周期の延長に取り組んでいきたい。

  • 友國 哲兵
    2017 年 71 巻 4 号 p. 371-378
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    日本製紙株式会社関東工場足利は紙の元となる原料に古紙を約99%使用しており,古紙を有効に活用した地球環境に優しい生産活動を進めている。しかし近年,古紙中に含まれる異物の増加や離解性の悪化により品質と歩留の両立が困難になってきている。そこで今回,中芯原料を抄造する古紙処理設備の最終リジェクトスクリーンに国内第1号機となる相川鉄工株式会社製の粗選リジェクトスクリーニングシステムMaxiTrasher & MaxiSeparator(以下MTMS)を導入した。MTMSは離解機能があるMTと脱水機能があるMSから形成されており,それぞれ駆動を有しているコンビネーションタイプのスクリーニングシステムである。従来設備は最終リジェクト粕中に含まれる繊維分は53%あったが,導入後の繊維分は10%まで減少し,粕発生量を約40%削減させる事が出来た。これにより歩留の向上並びに産廃量削減になった。本システムは操業性とメンテナンス性を高めた国内初のシステムであり,離解と脱水を分離する事でメンテナンス性を高めている。

    本稿ではこの取り組みについて報告する。

  • 春日 晋一
    2017 年 71 巻 4 号 p. 379-383
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    日本製紙㈱八代工場は,再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)とグループ企業の木材集荷能力を活用したバイオマス発電設備を設置した。平成26年2月に着工し,平成27年3月に完工,同年6月から営業運転を開始している。

    本設備は,当社で初の未利用木材専焼でのバイオマス発電設備の操業となった。同条件での操業経験が無い為,試運転当初は灰搬送系統トラブルや燃料チップ水分変動によるボイラー燃焼状態悪化により操業が不安定であったが,各種対策を行い解決することで計画通りの電力販売量を達成した。

    灰搬送系統トラブルについては,安息角の高いフライアッシュが堆積しないように間欠から連続運転へ設備を改造するとともに,排ガスダクトに砂捕集装置を設けることでクリンカや濾布焼損の原因となる砂を炉内へ回収できるようにした。対策後は大きなトラブル無く順調に運転している。

    燃料チップ水分の変動については,チッピング前の原木シーズニングが重要であり,貯木と払い出し方法を燃料チップ水分測定結果やボイラー燃焼状態を確認しながら見直して,燃料チップ水分の変動減少に取り組んだ。今後は燃料チップ価格の高騰が課題であり,コストダウンを進める為に燃料チップ供給体制の見直しに取り組んでいる。

    本稿では,未利用木材専焼でのバイオマス発電設備の操業経験について報告する。

  • 戸谷 和夫
    2017 年 71 巻 4 号 p. 384-387
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    出版,広告業界では,顧客のニーズに合わせたプロモーションツールとしてのオンデマンド印刷が市場を伸ばしている。顧客の住所や氏名,地域別広告や顧客の嗜好を元にした商品の案内など可変情報の印刷が可能なオンデマンド印刷は装置の普及も進み,着実に市場に浸透している。クレジットカードの明細書や携帯電話の請求書,ダイレクトメールなど身近に目にするものが多く,日常生活の中でオンデマンド印刷が増加していることを感じておられることと想像する。

    新聞業界においても,製版の必要が無く,少量印刷に優位なインクジェット印刷の導入が始まっており,将来,印刷部数の少ない地方新聞,全国紙地方版などがインクジェット印刷へ切り替わった場合に備え,筆者らは,新聞用インクジェット用紙に要求される各種品質を付与するために古紙パルプの使用,最適なインク定着剤の選定,インク定着剤量およびサイズプレス塗工量の最適範囲の設定,新聞用インクジェット用紙の開発を行った。

    本稿では,筆者らが検討してきた,新聞用インクジェット用紙の技術開発について紹介する。

  • 梅内 士郎
    2017 年 71 巻 4 号 p. 388-393
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    近年,中性紙化に伴う紙中硫酸バンド量の減少は,広く使用されているアニオン性表面サイズ剤のサイズ効果の低下を招くばかりか,内添で使用されるロジンサイズ剤のサイズ効果も発揮し難くなり,トータルのサイズ剤使用量の増加を引き起こしている。さらには紙中炭酸カルシウム量の増加に伴い紙表面から塗工液に脱落した炭酸カルシウムやそれに由来するカルシウムイオンの増加による表面サイズ剤の不安定化やサイズ効果の低下が新たな課題として浮上してきている。

    さらに,世界一の紙,板紙の生産量を誇る中国では,高湿度な気候において段ボールの強度を確保するために中芯銘柄では,耐水性付与のための表面サイズ剤と共に紙力剤として多量の澱粉が塗工されている。その結果,元々の用水の高い硬度に加え,塗工液には高濃度の澱粉と,その澱粉由来の有機酸および原紙から脱落した微細繊維などのアニオントラッシュが大量に含まれている。

    このような環境に適応すべく,表面サイズ剤のサイズ効果の向上に加え,炭酸カルシウムやそれに由来するカルシウムイオン,アニオントラッシュなどのイオン性夾雑物の影響低減,機械的安定性の向上などの課題を解決するため,分子構造,合成方法から見直しを行い,従来の表面サイズ剤とは分子構造が異なる新規表面サイズ剤を開発した。

  • 河崎 雅行, 石塚 一彦, 川﨑 賢太郎
    2017 年 71 巻 4 号 p. 394-398
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    当社は木質バイオマスを利用したバイオケミカル分野の研究開発に注力している。その中で,セルロースナノファイバー(CNF)の開発については,段階的に量産設備を整え製造面での実用化を積極的に進めている。また,CNFの用途開発に関しては抗菌・消臭シートを開発し紙おむつとして商品化したが,その他にも樹脂やゴム等の補強材、ガスバリアフィルムなどの機能性フィルム,吸着剤,増粘剤など幅広い分野での用途開発を検討している。紙製品での利用に関してはコスト面での課題はあるものの,製紙会社の自社内での製品化が可能で早期実用化が期待される。

    TEMPO酸化CNFを製紙材料として紙に配合して紙製品への適用について検討している。TEMPO酸化CNFを配合(内添,外添)すると,紙の透気抵抗度や剛度などが向上する効果が見られ,バリア材や補強材としての利用が考えられた。バリア材としては,包装材料の分野や剥離紙原紙など高い透気抵抗度が求められる加工紙の分野などでの利用,補強材としては低坪量紙,高灰分紙など引張強度や剛度の低下が懸念される紙用途での利用や板紙や段ボール原紙などより強度が求められる分野での利用が考えられた。また,TEMPO酸化CNFは金属イオン交換により表面改質が容易であり,様々な機能紙への利用も考えられた。今後は実用化に向けて,まずはTEMO酸化CNFの特徴を活かした用途を見出すとともに量産化技術の確立の検討を進め,品質に見合ったコストにすることに注力する。紙・板紙分野は用途によっては使用量が期待できるため,今後注力すべき分野の一つとして考えている。

  • 木下 孝祥
    2017 年 71 巻 4 号 p. 399-403
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    当工場10号抄紙機は,2002年に操業を開始し,建材用紙,食品用紙,箔用原紙,金属合紙,剥離原紙等低密度の特殊紙を生産,10号抄紙機ワインダにて巻取っている。

    ワインダのアンリール制御は,各種演算結果(ライン速度指令,張力トルク演算値,加減速トルク演算値,機械損失(以下メカロス)トルク演算値)からモータトルク指令を求め,張力が一定になるように制御し,張力設定と張力検出値の偏差で各種演算値の補正を行っている。ワインダで低密度の紙を巻取る場合,巻硬さの違いによる見かけの密度の違いと,スプールベアリングのメカロスのバラツキがモータトルク指令の誤差となり張力偏差として表れ,張力制御に影響を与える。この偏差が大きくなると制御しきれずにシワや断紙が発生する問題がある。

    これらのシワや断紙を発生させないためには,アンリールのモータトルクを正確に求めることが重要である。ワインダアンリール制御システムの問題点を改善するため,このモータトルクについて,ライン加減速時とライン定速時にわけて検討を行い,ライン加減速時は密度を,ライン定速時はメカロストルクを自動補正できるように制御システムの改造を行った。

    この改造によりシワや断紙等の発生が減少し安定操業に効果があったのでその内容を紹介する。

  • ─空気軸受式可変速単段ターボブロワ TurboMAX─
    河津 豪, 山本 新吾
    2017 年 71 巻 4 号 p. 404-407
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    大量の水を消費・廃棄する製紙産業にとって,排水処理費用の削減は大きな課題である。排水処理工程において,曝気ブロワは消費電力が大きく24時間連続運転であることが多いため,曝気ブロワの高効率化は排水処理費用削減に大きく貢献する。当社のターボブロワ「TurboMAX」はこのニーズに応える新型ブロワである。

    TurboMAXは,空気軸受,永久磁石同期モータ,高効率インペラ,高速回転速度制御等の優れた技術を集結した新しいスタイルのブロワであり,全体構造はブロワ,モータ,インバータ,タッチパネルコントローラ,ブローオフバルブ(放風弁)がパッケージ化されている。最大の特長である空気軸受は,軸が軸受と非接触で回転するため,潤滑油が不要で,騒音・振動が極めて小さく,機械損失も発生しない。空気軸受に加え,インペラと軸の伝達効率100%,高効率インペラ,専用設計高効率永久磁石モータ,インバータによる自動制御機能を融合することで,高い総合効率を実現している。高効率以外にも低騒音・低振動,省メンテナンス,省スペース・軽量化といった特長を併せ持つ。

    実例として某処理場でフィールド試験を実施し,ルーツブロワをMAX100-C060S1(75kW)に置換えて効果を確認した。結果,24.5%消費電力削減,16dB(A)騒音低減,25μm振動低減,6℃のブロワ室温度低減効果を確認した。また,2年間の試験期間でフィルタの清掃・交換以外のメンテナンスは発生していない。

    TurboMAXは複数の製紙工場にも納入実績があり,省エネ効果等を確認している。現状では全て排水処理用途であるが,フローテーターの空気供給源といった他の分野での用途においても大きなメリットを生み出すことができると考えている。

総説・資料
  • 先名 康治
    2017 年 71 巻 4 号 p. 408-424
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    日本製紙連合会は日本経団連加盟の他の業界団体と共に,1997年より環境自主行動計画を策定し,毎年その取り組み状況を公表して来た。2013年度からは2020年度に向けて新たな環境行動計画として「低炭素社会実行計画」を策定し,地球温暖化防止に積極的に取り組んでいる。主な活動目標は以下である。

    ・ 2020年度に化石エネルギー由来CO2の排出量を,BAU比(2005年度のCO2排出原単位基準)で139万トン削減する。

    ・ 森林資源の確保とCO2吸収のため国内外の植林事業を推進し,2020年度までに植林面積を70万haに拡大する。

    2016年度のフォローアップ調査結果(2015年度実績)によると,2005年度の化石エネルギー由来CO2排出量2,494万トンに対し,2015年度のCO2排出量は1,781万トンとなり,削減率は28.6%であった。また,CO2排出原単位は,2020年度の目標値0.852t-CO2/tに対し,2015年度の実績値は0.770t-CO2/tとなった。これは,各社が省エネルギー対策や,非化石エネルギー源であるバイオマス燃料への燃料転換対策等を積極的に推進してきた結果である。

    本報告ではこの調査結果を報告するとともに,現在の日本の紙パルプ産業のエネルギー事情や2021年度以降の2030年度に向けた温暖化防止対策となる低炭素社会実行計画(フェーズⅡ)の概要,さらには温暖化防止対策に関する最近の情報を紹介する。

  • 第1回 第二次世界大戦後の製紙産業のスタート
    飯田 清昭
    2017 年 71 巻 4 号 p. 427-435
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    第二次世界大戦により,日本の製紙産業はその生産拠点の大半を失ったが,新しいスタートでその後の技術開発の基本姿勢を形作る動きが生まれた。一つは,旧王子製紙の解体により,自由な市場競争と技術開発競争の場を作ること。もう一つは,業界の技術団体を設立することで,活発な技術の交流の機会を提供することであった。これらには,GHQのマードックの助言が大きかった。

    最先端の生産現場を失ったが,その技術的なノウハウは内地に戻った人々により受け継がれ,戦後の復興を加速させた。その自前でエンジニアリングをするスタイルは色濃く残っていたが,1960年の十條製紙釧路工場6号抄紙機の建設に象徴されるように,設備メーカーの役割が強くなるにつれ,それを取り込んで,工場操業,生産性,品質信頼性等の向上を目指す技術開発に変わっていった。その基本となった技術が半導体技術(solid state technology)で,これをいち早く使いこなすことで日本の製紙産業は国際競争力を維持できた。

  • 2017 年 71 巻 4 号 p. 436-438
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル 認証あり

    Since we developed our first Web inspection system in 1978, we have contributed to various industries by installing approx. 9,100 sheet inspection systems; as of 2016 end, not only non-printing sectors such as paper, pulp, film, metal and non-woven materials but also printing industries of gravure, flexography and offset print.

    As we look back the history of web inspection systems(WIS), the frequency of line sensor cameras has been improved 100 times faster from 2.67MHz in the 1980s to 320MHz in the 2010s. Detected defects are realized to be classified by defect types simultaneously storing defect image data on a real time basis. In the early years, an aim of introducing inspection systems was avoiding flowing out defected products, but nowadays implication has an quality improvement tool of lines.

    Furthermore, because of high image pixels and high-speed clocks with line sensor camera improvement, the number of cameras is reduced, and high-frequency fluorescent lamps have been replaced with high brightness LED of longevity light source. It resulted in being improved efficiency of maintenance by lowering camera breakdown ratio and free from replacing lamps.

    Using Color cameras, it realizes now real-time defect classification with detected color defect images, running in a great number of lines. Besides Integrated Quality Management System as IQM System, which manages the integrate data of multiple inspection systems in a network, has been supplied and monitor onsite condition remotely and analyze in real time.

    In the years ahead, further advancement of high image pixels and high-speed clocks of line sensor cameras will be preceded and downsizing with high performance are to be expected. New technologies like learning with machines or deep neural learning are implemented, and inspection systems make a contribution to reducing the workload of operators and increasing productivity.

シリーズ : 大学・官公庁研究機関の研究室紹介 (116)
研究報文
  • 宮西 孝則
    2017 年 71 巻 4 号 p. 443-450
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    [早期公開] 公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー

    広葉樹は針葉樹に比べて繊維長が短く強度は低いが,シートの空隙は均一で印刷適性が優れている。広葉樹から機械パルプを製造しBKP(晒クラフトパルプ)の代替として印刷・情報用紙に使用する場合,嵩や不透明度は高いが白色度が低い。従って,如何にして白色度の高いパルプを製造するかが広葉樹機械パルプ利用拡大の鍵になる。本研究では,BKPの原料として日本に大量に輸入されているユーカリグロビュラス植林木チップから,高白色度の機械パルプを製造する技術を確立するためにパイロットテストを行った。その結果,アルカリ過酸化水素溶液でチップを前処理するAPTMP法(アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ)とAPMP法(アルカリ過酸化水素機械パルプ)は従来のCTMP法(ケミサーモメカニカルパルプ)よりも磨砕電力が減少し,嵩高で比散乱係数の高いシートを形成した。アスペンAPMPの白色度80%に対し,ユーカリグロビュラスAPMPの白色度は87%まで上昇し,光学特性が高く嵩高なパルプを低エネルギーで製造することができた。そのメカニズムは,アルカリ過酸化水素とキレート剤を添加してチップを浸透装置で圧縮すると木材組織が部分的に破壊されて磨砕しやすくなるとともに,鉄などの重金属がキレート剤に捕捉され,漂白阻害物質がアルカリに溶解して系外に排出され,漂白効率が向上して高白色度まで漂白できたと考えられる。アスペンチップは白色度が高く,漂白しやすいため機械パルプ原料として広く利用されているが,難漂白性で機械パルプに不向きとされているユーカリからアスペンを上回る高白色度のパルプが得られたことは大きな成果であった。

  • Takanori Miyanishi
    2017 年 71 巻 4 号 p. 451-459
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/01
    ジャーナル フリー

    The mechanical pulp yield is about 85 to 95% of the original wood, compared with around 45 to 55% for chemical pulp. Hardwood mechanical pulp has the desirable properties of low cost, high opacity and good printing quality due to its high bulk, high smoothness, resiliency, and good ink absorption. Hardwood mechanical pulp tends to have shorter fibers, higher light-scattering coefficient and lower strength value. Eucalyptus plantation tree is a common tropical hardwood species and is used for the production of lower yield chemical pulps such as kraft pulps. It is believed, however, that Eucalyptus mechanical pulp is said to be not suitable for the production of graphical paper grades because of its low initial brightness and limited bleachability. Alkaline peroxide mechanical pulping(APMP) and thermomechanical pulping(APTMP) add caustic soda, hydrogen peroxide, and stabilizers to soften and brighten wood chips prior to refining in a disc refiner. The chip pretreatment facility uses a screw feeder device to apply mechanical compression on wood chips and squeezed out the detrimental substances for bleaching. The facility also partially destroys wood matrix of chips allowing for easier fiber separation and reduced refining energy. In our study, APMP and APTMP methods were applied to Eucalyptus-globulus planted trees by pilot plant tests and significant benefits were obtained in bleachability improvement. Eucalyptus APMP reached 87% ISO brightness that exceeded 80% ISO brightness of aspen APMP.

Coffee break
パピルス
feedback
Top