組織培養研究
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11 巻, 1 号
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  • Hiroyoshi Hoshi, Masakazu Onodera, Taneaki Oikawa
    1992 年 11 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    We isolated and established a pure monolayer culture of bovine oviduct epithelial cells. The cells could be serially subcultivated for several generations in medium DME/F12 supplemented with 10% fetal bovine serum when the culture substrate were coated with Type I collagen. The epithelial cells, after the several subcultivations, were characterized by immunocytochemical staining of intermediate filament proteins. The cell growth of these cells was enhanced by epidermal growth factor (EGF) in a dose dependent manner and serum also had a proliferative effect in addition to EGF. While transforming growth factor-β1, (TGF-β1) alone did not affect the cell proliferation of these oviduct epithelial cells, TGF-β1, exerted a strong antiproliferative effect on that induced by EGF and serum. The bovine oviduct epithelial cell culture system is a good model to characterize the effect of hormones and growth factors on these cell proliferation and function.
  • Shigeru Yasumoto, Harumi Andoh, Keiji Kikuchi, Akiyoshi Taniguchi, Tak ...
    1992 年 11 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    We have re-evaluated transforming activities of HPV 16-E6 and -E7 in terms of growth modulation, extended life span and immortalization of normal human keratinocytes in vitro. Efficient transfection of E6 and E7 genes by electroporation stimulated cell proliferation of primary human keratinocytes and potentiated to form micro- and macro-colonies shortly after the transfection. The E7 gene alone induced an apparent extended life span by exceeding 50 population doublings (PDL) but rarely immortalized human keratinocytes. The E7-transformants with prolonged life spans greater than 150 PDL expressed high levels of the E7 protein, suggesting that E7associated cellular events are necessary for the extended life span but are not sufficient for immortalization. Another putative transforming gene, E6, induced the uncontrolled cell growth in terms of macrocolony formation, but almost all E6-macrocolonies could not be expanded to grow after processing in mass culture. Thus, the transforming activity of E6 appeared to be much weaker than that of E7. Co-transfection of E6 and E7 genes produced an immortal cell line, but the efficiency was low. The results suggest that mechanistic role of E6 and E7 genes are different and complimentary in part in the immortalization of normal human keratinocytes in vitro. Cellular phenotypes of all immortalized cell lines changed progressively in vitro mimicking in vivo tumor development, indicating that, in addition to the E6 and E7 functions, more critical cellular events are required for the immortalization and malignant transformation of human keratinocytes.
  • 中家 茂, 水口 昌宏, 石井 利光
    1992 年 11 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 大野 忠夫
    1992 年 11 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 村上 浩紀, 関 清彦
    1992 年 11 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    成分既知無血清培養法は細胞生物学上の重要な研究手段であるばかりでなく、有用物質の工業的生産というバイオインダストりーの領域でも欠くべからざる技術である。この技術は従来の血清添加培地を用いた場合に比べて異なるところが多く、その差異を十分認識していなければ満足すべき成果は得られない。本小文ではそれらのうち基本的なものを挙げ、それらの解決法について解説した。
  • 江端 英隆, 野沢 真澄, 小野寺 一彦, 稲垣 光裕
    1992 年 11 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    先天性肝酸素欠損症に対する新しい治療法として肝細胞脾内移植の効果力験討された。Nagase analbuminemic rat にcongeneicなF344 ratの肝細胞が脾内に移植された。移植後の血中アルブミンの定量より、脾内肝細胞がアルブミンを産生していることが証明された、最大値で正常ラット血中アルブミンの約4%、平均値で約17%であった。
    組織学的にも脾内肝組織の生着と経時的な増大が確認された。
    脾内肝細胞移植法は先天性肝酸素欠損疾患の治療法となりうることが示された。
  • 原 英二, 山口 知子, 中田 進, 井出 利憲, 小田 鈎一郎
    1992 年 11 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    哺乳動物細胞に分裂寿命があることが1961年に米国のHayfIickらによって明らかにされて以来、細胞老化に関するさまざまな研究が行われてきた.とくに最近の分子生物学的研究より老化細胞には細胞増殖に対して抑制的に働く遺伝子産物が存在することが示唆されるようになってきた。既に我々は癌抑制遺伝子として知られている網膜芽腫(Rb)遺伝子およびp53遺伝子が細胞老化に直接関与していることをアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた実験により明らかにしたが、これら既知の遺伝子だけでは細胞老化の機構を説明できず、未知の老化関連遺伝子群の存在が強く示唆された。本稿ではこれら未知の老化関連遺伝子群存在の可能性及びその単離、解析法について考察する。
  • 松尾 光芳
    1992 年 11 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    活性酸素などの酸化因子は、重要な環境因子であるのみならず、細胞自身によっても産生される、活性酸素は細胞を障害するが、細胞を活性化する場合のあることも見出されている。酸化的ストレスならびに抗酸化防御能は細胞により異なっている.酸化的ストレスは細胞老化の過程で大きく変動することはないと考えられるが、抗酸化酵素は細胞老化に伴い変化する可能性がある。
  • 加納 良男, 遠藤 彰, 難波 正義
    1992 年 11 巻 1 号 p. 55-65
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    細胞の老化と不死化は密接に関連している。ヒトの細胞は、堅固な細胞老化機構をもっていて細胞の不死化が非常におこりにくく、それが細胞の不死化機構解明を困難にしている、反対にマウスなどのローデントの細胞は容易に不死化するため不死化の原因を追及しにくい。さらにマウス等においては、myc、p53、SV40Tなどの不死化遺伝子があるが、それらがどのようなメカニズムでマウスの細胞を不死化させるのか全くわかっていない。一方、我々はヒトにおいてマウスと同じくらい高頻度にSV40Tで不死化する細胞(11p-)を見い出した。
    使用した2種類の11p-細胞は、老化と不死化の接点にあるクライシスに、それぞれ異なった異常を示した。第一の種類の異常は、クライシスにも多数の細胞が存在していてSV40Tによって正常の7倍の頻度で不死化するe一般にSV40Tを導入した正常細胞のクライシスでは細胞数はきわめて少なくなる。第二の異常は、クライシスが継代の若い時期から始まり、正常の50倍もの不死化率を示した。クライシスは細胞が老化してくると、老化遺伝子が発現することでひき起こされると考えられており、高い自然染色体異常と突然変異をもつ。SV40Tなどのがん遺伝子はクライシスを高め、その結果老化遺伝子自身におきる突然変異もひき上げると考えられる.そして、相同染色体に別々に2個存在する老化遺伝子に2つとも突然変異が生じて、その老化遺伝子が不活化し、老化にともなう細胞増殖の停止が起こらなくなった現象がヒト細胞の不死化と考えられる。
  • 長谷川 伸彦, 山本 清高
    1992 年 11 巻 1 号 p. 67-75
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    We examined cultured human umbilical vein endothelial (HUVE) cells for cell growth, cell density, occurrence of multinucleated cells, prostacyclin (PGI2) production and cell surface negative charge during senescence in vitro. Changes in these properties are consistent with changes previously reported for vascular endothelial cells during senescence in vivo. Therefore, we conclude that this system in vitro is a model suitable for studies of senescence in vivo of endothelial cells.
    We examined previous findings that the replicative life-span of HUVE cells is extended by an addition of heparin or an interleukin-1α antisense oligomer. We failed in confirmation of these extensions, reproducibly. However, we found out that an addition of epidermal growth factor (EGF) extends the replicative life-span. On the other hand, the addition of EGF does not suppress the decrease in PGI2 production of the cells during senescence in vitro (PGI2 production is one of the main functions specific for endothelial cells). This indicates that the process of senescence in vitro of the ability for cell proliferation is not necessarily correlated to that for PGI2 production. For studies of cellular senescence, we must take account of not only the proliferation but also the specific functions.
  • 粂井 康宏
    1992 年 11 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    単層培養HeLa細胞を高重力に暴露し、細胞周期、イノシトールリン脂質代謝、増殖関連癌原遺伝子発現などの点より、細胞増殖に及ぼす高重力の影響を検討した。HeLa細胞をプレートに播き、37℃ 、遠心器内で18、35、70gのいずれかの一定条件下で培養した。35g負荷4日目の細胞数は対照群の1.5倍になったが、細胞形態の顕著な変化は認められなかった。35g群では対照群に比し、G1期長さが26%短縮し、細胞世代時間も17%短縮したが、S、G2、M期の長さは変化しなかった。35g暴露2および5分後にイノシトール1,4,5-三リン酸産生量が各々1.5および2.1倍に上昇した。ノーザンプロットの結果、18、35、70gいずれも暴露15~360分間で対照群に比し、c-myc発現の増強が認められ、35g、2時間暴露時が最も強く認められた。
    適当な高重力刺激によりHeLa細胞増殖が促進され、G1期進行、イノシトールリン脂質代謝、c-myc発現などの関与が示唆された。
  • 村野 俊一
    1992 年 11 巻 1 号 p. 83-89
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    Werner症候群は常染色体劣性の遺伝形式を持つ早老性疾患であり、その特徴は培養線維芽細胞でHayflickらの提唱している「細胞老化」の著明な促進が認められることである。細胞老化の進んだ細胞では増殖を抑制する遺伝子の過剰発現が示唆されており、現在これが細胞老化をもたらしている遺伝子と同一のものと考えられている。著者らはこの遺伝子を見出す目的で、Werner症候群の培養皮膚線維芽細胞のcDNA libraryを作製し、そこで過剰に発現されている遺伝子について検討した。7,500個のクローンのスクりーニングの結果、102個、18種類の過剰に発現されているクローンが単離された。このうち92個、9種類は既知、10個、9種類が未知のクローンであった。この中より5種類のクローンを選び、Werner症候群と細胞老化の進んだ細胞での発現の動態を比較したところ極めて類似した結果が得られ、この両者には共通の遺伝子発現の機構のあることが示唆された。
  • 佐藤 温重
    1992 年 11 巻 1 号 p. 91-95
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    日本における宇宙生物学の課題と日本における研究の動向について総説した。1992年には我国最初の本格的宇宙生物学実験であるスペースシャトルを利用した第一次材料実験(FMPT)が行われる他、第1次及び第2次国際微小重力実験室(IML-1、II)が予定され、さらに1999年以降には宇宙基地日本モジュール(JEM)の建設が予定されている。これまでの宇宙実験で組織培養は重要な地位を占めている。宇宙実験の機会は少なく、地上での宇宙模擬実験や短時間微小重力実験が重要である。最近これらの研究手段が整備されつつあり、宇宙生物学研究への利用が期待されている。
  • 加治 和彦
    1992 年 11 巻 1 号 p. 97-105
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    マウスをはじめ多くの多細胞動物の線維芽細胞は、Phase IIIのクライシスをへて自然形質転換する。ヒト、ウシ、ニワトリなど僅かな種類の線維芽細胞は、PhaseIIIに留まる。細胞加齢を5つの基本的な単位(Phase I、Phase II、Phase III、StI、StI)の否可逆的な進行と見なすことができる。動物種の最長寿命と細胞寿命(Phase IIIに達するまでのPDL)には正の相関がある。また、同一種内の細胞供与年齢と細胞寿命には負の相関がある。老化細胞(Phase IIIの細胞)は次のような特徴がある:(1)細胞集団倍加能力を失っている。(2)長期間活発に代謝し動きまわる。(3)核は基本的には2倍性を保つ。(4)細胞成長因子や血清を過剰に加えても分裂能力は回復しない。(5)細胞周期のG1,期とS期のほぼ境界で留まっている。(6)環境を変えることにより細胞寿命をいくぶんか変えられる。(7)形質転換した細胞と融合させても、老化細胞の表現型を保つ。(8)ヒトやニワトリ等の細胞を例外として、いずれ形質転換して不死化細胞になる。
    細胞老化は、分化と異なり必ずしもいっせいに同調しておこってはいない。分化した細胞(血管内皮細胞など)は分化機能を発現しつつ老化する。これらのことから、細胞老化と分化は異なった現象であると思われる。細胞老化は、特異的な遺伝子の発現によって起こると思われる。時間の経過につれて起こる遺伝子発現は、発生学の領域で議論できるであろう。胚の形成時の初期発生に対して、老化の発生学を提唱したい。これは、遺伝子の発現の調節領域に環境因子が影響を及ぼすことを期待している。これによって、老化のプログラム説とエラー説(環境介在説)が同一の場で論じることができよう。
  • 山本 健一
    1992 年 11 巻 1 号 p. 107-108
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
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