専門日本語教育研究
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20 巻
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巻頭言
特集
  • 池田 隆介
    2018 年20 巻 p. 2
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
  • カセサート大学を事例として
    フクシマ ユパカー
    2018 年20 巻 p. 3-8
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    タイ人日本語学習者は2012年頃から急増し、2015年の日本語教育機関調査でも2012年に比べて34.1%増の173,817人となり、ついにアメリカを抜いて世界第6位になった。その背景にはタイの教育方針、日本のサブカルチャーの人気、および日本とタイの経済的結びつきの強さという3つの要因が考えられる。この約17万人の中、高等教育機関の学習者は14.3%の24,789人であり、大学の卒業生の大半がタイ国内の日系企業に就職することを踏まえ、企業が求める日本語人材はどのようなものか、それらの要望にビジネス日本語コースがいかに対応しているか、カセサート大学を事例としてビジネス日本語コースの現状と課題を考察した。
  • プリンス・オブ・ソンクラー大学ハジャイ校の一般教養科目を事例として
    トーンディノック スカンヤー
    2018 年20 巻 p. 9-12
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    タイ南部の大学における主な日本語学習者は、一般教養科目の一つとして日本語を履修している学生である。タイ南部で一般教養科目としての日本語教育を行う人材を育成するために本稿はプリンス・オブ・ソンクラー大学ハジャイ校を例に、タイの地方の大学における日本語教育の現状について報告し今後の課題について検討した。その結果、適切な教材が開発されていないこと、日本語学習に継続性がないこと、授業時間の減少、地域・コースに合わせた教員養成といった問題への対処が必要となっており、大学一般教養科目としての日本語教育の特有の問題があることが浮き彫りとなった。
  • ピア・ラーニングの実施の取り組みを中心に
    グエン ソン ラン アイン
    2018 年20 巻 p. 13-18
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    ベトナムと日本の経済的関係が密接化し、文化的交流が拡大される背景の下で、近年ベトナムにおいては、日本語学習者及び日本に留学する学習者数が急激に増えている。現在ベトナムの大学の多くは、学習者の自律性を望ましいとするベトナム教育訓練省の教育の要求に応えるべく、日本語の自律的学習を促進する教室活動を導入している。従来型の伝統的な学習方法(教師が伝達し、学生が聞いて、メモを取る)への反省を踏まえ、教育アプローチの改善のための施策を展開している。本稿は、ハノイ大学やハノイ国家大学で導入しているピア・ラーニングの実態や成果について述べることで、ベトナムにおける日本語教育施策の方向性や課題を具体的に説明する。ピア・ラーニングの実践は、ベトナムの教育政策における「自律性重視」の方針に具体的な形を与えるとともに、こうした方針がベトナムの教育現場に浸透していくことを促すものであると言える。
論文
  • 歴史学/国際政治学/地域研究を対象に
    生天目 知美, 大島 弥生
    2018 年20 巻 p. 19-26
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    本研究においては、歴史学/国際政治学/地域研究の《資料分析型》論文15編(各分野5編)を対象に、論文の構成要素を分類・抽出し、歴史史料の引用に基づいた叙述・解釈の表現について、その構造と類型および文体的特徴を分析した。また、それを通じて、《資料分析型》の引用から解釈への構造、特に「解釈的引用文」、「引用解釈的叙述文」の頻出表現と特徴的表現の分布を示した。さらに、史料の引用叙述と解釈に典型的に頻出する表現を例示し、個々の論文の研究対象とする場面の違い等による表現の異なりを指摘した。これらの結果を踏まえ、教育的な示唆として、引用叙述と解釈をへて歴史的経緯を描き出しつつ小括を繰り返す談話展開への着目を強調すると同時に、学習者の目指す分野における表現の特有性への配慮にも注意を喚起すべきであることを指摘した。
  • 大学における観光日本語教育の改善を目指して
    王 健
    2018 年20 巻 p. 27-34
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    本研究は中国での観光業インターンシップにおける学生の案内文作成に焦点を当て、観光日本語教育における案内文作成教育の改善点を検討することを目的とする。具体的には、学生が実際に作成した案内文と、学生・メンター・教師の三者へのインタビュー調査を行った。その結果、学生は案内文の内容と語彙に関する課題を抱えていたため、情報の追加、言い換えと削除の方法を用いて独自に対応していた。メンターは、案内文の丸暗記を禁止し、観光客の視点に立った案内文作成、内省の促進などで支援していた。教師は、教科書の案内文の暗記が重要でそれ以外の指導は現実的に難しいという考えを示した。以上から、観光日本語教育では、案内文作成に対する教育の再考、教育・支援でのメンターと教師の協力、および、インターンシップに関する教師の役割の再検討、の3点が必要であることが分かった。
  • 語彙学習方略の視点から
    李 羽喆
    2018 年20 巻 p. 35-42
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    本研究は、中国の日本語専攻大学生の語彙学習の実態を解明することを目的とし、どのような語彙学習方略が使われているか、日本語能力とどのような関連性があるかを検討したものである。語彙学習方略を測定するためのKVLSSを使い、使用頻度に関するアンケート調査を3年間連続で行った。その結果、語彙学習の方略使用における10種類の因子項が見出され、日中同形語に関する中国人学習者の特徴的な学習方略を確認できた。また、因子項の中で、日本語能力に役に立つ可能性がある方略は、「ノートテイキング方略」「同形語の形態意味への注意」「人的リソースの活用」「支援要請」であることが明らかになった。学習者の語彙学習の実態を踏まえ、有効な方略を語彙教育活動に取り入れる必要性が示唆される。
報告
  • 小宮 千鶴子
    2018 年20 巻 p. 43-48
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2020/09/08
    ジャーナル フリー
    理工系学部で学ぶ留学生は大学入学前に高校卒業程度の化学用語を習得する必要があるが、その習得は困難で、大学入学後の専門語学習の負担が重いため、本研究では高校卒業程度の化学用語の学習語彙を選定した。資料には中学と高校で化学を扱う3科目30種の教科書索引を用い、各科目の半数以上の索引にある774語を選定した。その内訳は、中学用語74語、高校化学ⅠB用語529語、高校化学Ⅱ用語171語で、その順に難易度が上がり、長い漢語が増えた。選定された学習語彙は、日本国内で初等・中等教育をうけた留学生の学習にも有効で、音声付辞書としてインターネット上に公開したり化学教材の作成に利用すれば、化学用語学習の改善につながる。
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