JCL : SD系ラットについて M73101の100, 250および600 mg/kgを器官形成期(妊娠7日目より17日目まで)に経口投与し, 胎仔および新生仔におよぼす影響を対照群およびポジティブ対照であるaspirin群(225 mg/kg)と比較検討して次の結果を得た。1. 妊娠母体に対しM73101の250および600mg/kg群で投与初期に体重増加抑制, 摂餌量の減少などの影響が認められたが, 投与日数が進むにつれて漸欠軽減する傾向を示し, 投与終了後には順調な経過を示した。一方aspirin群でも同様の変化が認められ, さらに妊娠後期には母体体重の増加抑制が著明であった。2. M73101はF
1胎仔に対し致死作用および発育抑制作用を示さなかったが, aspirin には明らかな致死作用および発育抑制作用が認められた。3. M73101の影響と考えられる奇形の発現は認められなかったが, aspirinには著明な催奇形性作用が認められた。4. M73101はF
1新生仔の生後発育および生殖能力などに対し障害作用がなく, またF
2胎仔および新生仔に対してもなんら影響を与えなかった。一方aspirinは死産仔の増加, 生存率の低下などF
1仔に対する障害作用を示したが, F
2胎仔および新生仔には影響をおよぼさなかった。以上の結果より, 本実験条件下ではM73101の器官形成期投与はF
1胎仔に対し, 致死作用, 発育抑制作用および催奇形性作用を示さず, またF
1新生仔の生存, 成長, 発達および生殖能カへの障害作用やF
2胎仔および新生仔の生存と発達への障害作用はないものと判断される。
抄録全体を表示