Journal of UOEH
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1 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 泉 太, 樫本 威志, 和田 明彦, 岡 源郎
    1979 年1 巻2 号 p. 127-135
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    副腎髄質からのカテコールアミン遊離に於けるCa++の作用部位と作用動態について, 主として分離したクロマフィン顆粒を用いて解析をおこなった。アセチールコリン刺激により細胞内に流入したCa++は特異的にクロマフィン顆粒に濃縮され, とりわけ顆粒膜に結合してみいだされた。この顆粒膜へのCa++結合と顆粒からのカテコールアミン遊離の間には多くのパラレリズムが認められた。アセチールコリン刺激により流入したCa++が, 既に顆粒膜に大量に結合している内在性のCa++と急速な変換反応を起こすことがカテコールアミン遊離の前提条件となることを明らかにした。
  • 華表 宏有, 土井 徹
    1979 年1 巻2 号 p. 137-145
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    那覇市内のA医院(私立)とO病院(公立)の胎児発育曲線には差異のあることがみとめられた。本研究はこの差をより厳密に検討する目的で, 1967-69年および1972-74年において, 性, 初産・経産別, 在胎週別(35-43週)に出生時体重の平均値と標準偏差を算出し, 検討を行った。
    その結果A医院の平均出生時体重はO病院よりおよそ50-60g高くなっていることが確認された。この差は特に在胎38-41週で有意である。この差を生ぜしめていると思われるいくつかの要因について検討がなされた。
    結論として, この現象は基本的には2つの分娩施設で分娩した母親の所属する社会階層の分布の相違によるものであろうと推論した。
  • 黒岩 昭夫, 中村 元臣, 中垣 修, 鳥井 紳一郎
    1979 年1 巻2 号 p. 147-153
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    異型狭心症例について長時間心電図記録によりSTの周期性上昇につき検討した。長時間心電図によりSTの周期性上昇を示したものは31例(53%)であった。STの反復性上昇の連続は2回より4回で, 平均7.1回であった。ST上昇の周期は大部分(89%)6-20分間隔で平均は12.2±5.0分であった。STの反復性上昇の出現時刻は深夜より早朝にかけて多く, 0-8時までの8時間に全体の69%が出現し, 1時間当り延べ20.3時間で, それ以外は4.5時間にすぎなかった(P<0.01)。異型狭心症の発作の頻度も同一傾向で, 前者の時間帯では平均7.5回/時で, 後者の2.1より有意に多かった(P<0.01)。
    長時間心電図記録中に異型狭心症が出現しなくても, STの反復性動揺が認められる時は異型狭心症の可能性を強く示唆する所見である。また抗狭心症薬による治療で自覚症の軽減とともにSTの周期性上昇も消失する。STの周期性上昇の臨床的意義について, さらに検討した。
  • 中田 肇, 西谷 弘, 大野 正人, 木本 龍也, 松浦 啓一
    1979 年1 巻2 号 p. 155-159
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1976年7月から1978年10月の間に, 肺の腫瘤性変化を示した30症例に合計32回の経皮吸引針生検を行い, 結果の判明した27例について分析し検討した。
    1)肺癌17例中15例(88%)に確診をつけることができた。悪性胸腺腫の2例, 肺転移1例および心外膜のう腫1例も確診できた。
    2)炎症性腫瘤6例のうち1例には, クリプトコッカスを証明し診断の根拠となった。
    3)合併症の主なものは気胸で32回中9回(28%)に起こり, その1例にはエラスタ針挿入による脱気を必要とした。
    4)この検査法は肺の腫瘤性病変の診断に非常に有用であり, 患者に与える苦痛も少なく, その施行は簡単である。
  • 鈴木 勝己, 高橋 定雄, 中島 寛之, 近藤 稔, 中川 太郎
    1979 年1 巻2 号 p. 161-166
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1966-1974年間に関東労災病院で入院治療した手の伸筋腱損傷症例は122名。この内36名を予後調査出来たので, その概要を報告。治療成績は, 年令, 受傷から再建手術迄の時間, 受傷区域等によって影響されなかった。
  • 小林 利次
    1979 年1 巻2 号 p. 167-193
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    悪性新生物および各種の良性腫瘍の臨床診断には種々なる検査法が施行されているが, 近年, レ線診断と異なり生体に何らの傷害も及ぼす懸念のない非観血的手段である超音波診断法が脚光をあびている。比較的歴史の新しい本検査法はレ線検査で把握することが困難とされている生体各部の軟部組織病変の描写にその診断情報取得の威力を発揮し得るため癌疾患, 良性腫瘍の診断にその有用性が認められつつある。検査対象として眼科領域腫瘍, 耳鼻科領域腫瘍, 甲状腺腫瘍, 乳腺腫瘍, 腹部腫瘍, 婦人科腫瘍, 前立腺および膀胱腫瘍, 整形外科領域の軟部腫瘍など多岐にわたる。
    本検査法は非観血的, 非侵襲的, 且つレ線被爆の危険性もないため癌疾患の補助的診断法として有用である。腫瘍疾患の超音波診断という主題のもとに現行の臨床超音波診断、特に癌疾患の超音波断層像を中心に概説した。
  • 小出 紀
    1979 年1 巻2 号 p. 195-213
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    松果体腫瘍の病理学的所見について、下記の如きRussell & Rubinsteinの分類に従って概説を試みた。Ⅰ. Teratoma : 1) typical and teratoid, 2) germinoma ; Ⅱ. pinealoma : 1) pineoblastoma, 2) pineocytoma ; Ⅲ. glial and other forms ; Ⅳ. cysts.
    本邦における松果体腫瘍の頻度は, 欧米に比してはるかに高いが, それは奇形腫群の頻度が高いことによるもので, 真の松果体腫及びその他の腫瘍の頻度はむしろ低いことをのべた。
    Two cell patternといわれる組織像をもついわゆる松果体腫は, 組織学的のみならず超微形態学的, 酵素組織化学的にも, ゼミノーム, ジスゲルミノームなどと相同性の腫瘍である。従ってこれを松果体腫と呼ぶべきではなく, 頭蓋内胚細胞腫という名称に統一することが望まれる。
    真の松果体腫は組織構築の上から, 神経芽細胞腫様のものと, 松果体様のものとに区分され, 細胞の分化度から松果体芽細胞腫と松果体細胞腫に区分され得ることをのべた。
  • 水口 康雄
    1979 年1 巻2 号 p. 215-224
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ミコバクテリアのファージとその宿主との間にみられる種々の相互関係について考察を加えた。ミコバクテリオファージの多くはTween 80の存在下で宿主に吸着できない, 各種有機溶媒で失活されるなどの特徴を有する。また宿主における分裂時間の長さを反映して増殖のために長時間を必要とする。このようなファージによって溶原化されたミコバクテリアは, 種々な生化学的, 生物学的性状に変化を来たすが, 初めからファージゲノムを自己の細胞内に有する溶原性ミコバクテリアの存在も稀ではない。ファージの宿主特異性を利用して結核菌を型別することが可能であるが, この型別の進歩についても考察を加えた。
  • 村井 由之
    1979 年1 巻2 号 p. 225-228
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    人有機水銀中毒症において最も頻度が高い症候の1つである感覚障害の原因(病変部位)について文献的考察を行った。Hunter et al. (1940) は中毒ラットの末梢神経および後根に著明な変性を観察し, これを人の四肢にみられる感覚障害を説明する病変とした。その後のラットの中毒実験でも, 常に末梢神経および後根に著明な病変がみられ, その病変のタイプは軸索変性であるとするものが多い。ところが, 猿には末梢神経障害が起こらないことが報告され, 欧米からの人剖検例の報告では末梢神経や後根は侵されないとされ, 電気生理学的にも末梢神経の異常はないとする報告が相次いだ。これに対し, 我が国の報告は剖検例や神経生検で明らかな異常を示し, 欧米の考え方に対立している。今後解決すべき重要な問題である。
  • ―医学教育における臨床心理学的意義―
    増井 武士
    1979 年1 巻2 号 p. 229-235
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    “病(やまい)” とか “病気になる” ことを構成している基本的事象として, 「人間の病気」と「病気の人間」があることを指摘した。前者はおもに, 病気そのものを形成している病因一症状を意味し, 後者はその病をもつ主体, すなわち病を患らい, 苦慮する人間のことを意味している。また前者は, 病囚一症状論的な自然科学的因果論をその基本にもっており, 後者は心理ないし現象学的方法論により明確にされ, それらの知見は医療的実践において統合される必然性をもつことが指摘され, その方法や問題についての概要がのべらるとともに, 医学教育における臨床心理学的意義について考察された。
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