Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
10 巻, 1 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 古谷 亜紀, 後藤 貞夫, 床並 房雄, 大西 晃生, 東 監
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ミトコンドリア脳筋症の患者の剖検時に得た各臓器よりミトコンドリアを単離し, 呼吸鎖の酵素活性として, NADH-チトクロムC還元酵素とチトクロムC酸化酵素の活性をそれぞれ測定した. 生前に存在した四肢の筋力低下, 筋萎縮, および易疲労性に呼応して, 筋におけるチトクロムC酸化酵素活性, および差スペクトルによるチトクロムaa3含量の低下が著明であり, 心筋でもこれらの中等度の低下が認められた. 一方, 臨床的異常所見が著明でなかった肝と脾においてNADH-チトクロムC還元酵素の, 腎ではチトクロムC酸化酵素の減少が認められた。ミトコンドリア脳筋症で肝や腎機能の異常が発症することもあり, 本疾患の症状の多様性に関して考察を加えた。
  • 角谷 千登士, 和田 伸一, 松岡 成明
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 11-30
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    音刺激後8-50msecの潜時で出現する中潜時聴覚誘発電位Audotory evoked middlelatency response(AEMLR)の性質および発生源を知る目的で, 動物(モルモット), ヒト(正常ならびに未熟児を含む脳障害45例)の両面より検討した. 方法として, AEMLRのdistribution, 聴性誘発二次元脳電図との対比および破壊実験を, 臨床例ではさらに頭蓋内記録, あるいは神経学的所見, CT等による形態学的所見などと比較検討した. これらの研究の結果から, 1)AEMLRのcomponent Paは, モルモット, ヒトとも刺激対側で優位性を示し, その発生源は, 対側側頭葉の皮質下, 聴覚領へ向かう視床投射系に存在する可能性が示峻された. 2)component Poは, しばしば後耳介筋の筋性電位により増幅されることがあるが, 神経原牲反応であることを証明し, この発生源として対側下丘が重要であるとの結論を得た. 以上の事実から聴覚系については解剖学的には一部台形体を交叉して両側大脳半球に投射するが, 誘発電位からみると機能的には対側に優位であることが示唆された.
  • 三島 真一
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 31-45
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    長期にパルス電磁場全身刺激を与えると, 骨にいかなる生物学的な影響が及ぶのかを検討する目的にて実験を行った. 実験動物として成熟雌ラットを用いて, 一部に両側卵巣摘出術と右坐骨神経切除術を施行し, 骨粗髭症のモデルとした. パルス電磁場刺激は, positive amplitude 25mV, negative amplitude 62.5mV, burst width 4.2ms, pulse width 230μs,12Hzのrepetitive pulse burst(RPB)波を使用し, ゲージ内磁場強度は3-10Gaussとした. 6ヵ月間の刺激にて, 生理的加令骨では, パルス電磁場刺激による影響は骨力学的および組織学的には認められなかった. 骨粗髭症モデルの皮質骨での骨量低下に対しても, パルス電磁場刺激による影響は認められなかった. 一方海綿骨においては, パルス電磁場刺激群でbone formation activityが上昇しており, 骨量低下に対して予防効果が認められた. このbone formation activityの上昇の発現には, 骨髄内血流量の上昇が関与しているものと考えられた.
  • 永田 善之
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 47-58
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    関節から音が生じることは昔から知られているが, その意味についてはほとんどわかっていない. 著者はコンピュータを用いた新しい分析方法を開発し, 膝関節を用い臨床診断に応用したので, その結果を報告する. まず関節から得られた音の平均スペクトラムから関節音響図を求め, その型分類を行った. そして関節の音は, 低周波領域の音と, 高周波領域の音とに分けられ, 骨変化の影響を大きく受けるのは, 低周波領域の音であることがわかった. また正常な膝関節では音と骨変化に関連は見られないが, 変形性膝関節症では音の生じる場合, 音のしない関節に比べて膝蓋大腿関節における内, 外側の骨棘形成, そして脛骨大腿関節における内側の骨硬化, さらに内, 外側の骨棘形成の5箇所で骨変化が有意に進行していた. すなわち, 音の検査は変形性膝関節症の骨変化の程度を推測でき, 診断的価値がある.
  • 竹田 和夫, 川村 越
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 59-62
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    NADHはフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)とバナジン酸塩との共存により非酵素的に酸化された. スーパーオキシドジスムターゼおよびマンガンイオンはこの酸化を阻害し, スーパーオキシドアニオンがこの反応で重要な役割を果たしていることを示唆した. 反応機構は不明だがPMSFは各種酵素精製の際に, プロテアーゼからの保護剤として緩衝液中によく添加されており, (Na, K)ATPaseのように活性をNADHの酸化で測定する酵素に対するバナジン酸塩の毒性の分析や, バナジン酸依存性NADHオキシダーゼの精製や測定では, この点に十分注意を払う必要がある.
  • 保利 一
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 63-69
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    二成分系の混合有機溶剤を活性炭流動層で吸着処理し, 吸着特性を固定層の場合と比較した. 一般に流動層の破過曲線は固定層よりも緩やかであり, 破過時間も短くなった. 両層で得られた破過曲線の形は互いに類似していたため, 固定層の破過時間の推算式を流動層にも応用し, 最初に破過する成分の破過時間を簡便に推算する方法を検討した. 本法で得られた推算値と実験値は比較的よく一致し, 混合溶剤蒸気の破過時間は, それぞれの成分の純成分の破過時間の調和平均で表わされることがわかった.
  • 石松 維世, 伊規須 英輝, 田中 勇武, 井上 尚英, 秋山 高
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 71-75
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    有機リン系の農薬であるフェニトロチオン(スミチオン®)について, 暴露濃度を2段階変化させて最大3ヵ月間ラットに反復吸入暴露し, 血漿および赤血球膜コリンエステラーゼ(ChE)活性の低下と暴露後の回復に及ぼす影響を調べた. ChE活性はフェニトロチオンの暴露濃度と暴露期間とにほぼ応じて低下したが, 暴露途中でChE活性抑制が緩やかになる傾向も見られた. さらに, 血漿ChE活性よりも赤血球膜ChE活性に著しい低下が見られ, その回復も遅いことが認められた. このため, 生体へのフェニトロチオン粉剤の反復暴露の指標には血漿よりも赤血球膜ChE活性の測定が有用であると考えられた.
  • 松岡 雅人
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 77-88
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    酸化エチレン500ppmをウイスタ一系雄性ラットに1日6時間, 隔日週3回, 3ヵ月間曝露させ, 同一食餌量とした対照群との比較を行った. その結果, 曝露群では曝露開始約1ヵ月半後より失調性歩行を認め, 徐々に増悪した. 末梢血では, 正球性正色素性の貧血を認めた. 血清中肝諸酵素活性, 脂質, 電解質に異常はみられなかった. 一方, 肺と脳のシトクロムP-450,NADPH-cytochrome c reductase, 肺のNADH-ferricyanide reductaseには変化がみられず, 肝のミクロゾーム蛋白量, シトクロムb5, NADPH-cytochrome c reductase, NADH-ferricyanide reductaseにも有意な変化を認めなかった. しかし, 肝においてシトクロムP-450は対照群に比し28%の低下, プロトヘムは19%の低下を認め, さらにヘムオキシゲナーゼ活性の約100%の増加を認めた. 以上より, 酸化エチレンは, 肝シトクロムP-450のヘムを障害し, ヘム代謝障害を惹起することが考えられた.
  • 永松 悠二
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 89-101
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    塩酸およびエタノールによる急性潰瘍形成過程と, 胃粘膜血流(GMBF), 水素イオン逆拡散(HBD), 並びに重炭酸塩(HCO3-)分泌の相関について検討した. ともに, 用量依存的に粘膜病変を拡大する条件下で, GMBFの早期の低下とそれに続く回復増加, 初期に頂値を持つHBDの亢進, 並びにHCO3-分泌の増加を認めた. このことより, GMBFの低下とHBDの亢進が急性潰瘍形成過程に密接に関与していることが示唆された. さらに, prostaglandin(PG)の胃粘膜保護作用について検討した. PG投与により用量依存的に病変は抑制された. この時, GMBFに有意な変化は認められなかった. HBDは用量依存的に抑制されたが, エタノール非投与対照群の値にまでは改善されなかった. HCO3-分泌は用量依存的に増加した. このことより, PGの胃粘膜保護作用は血流改善作用が主体をなすものでなく, HBDの抑制やHCO3-分泌の刺激などを含めた, 胃粘膜関門強化作用であることが示唆された.
  • 徳井 教孝, 荻本 逸郎, 池田 正人, 田原 康, 吉村 健清
    原稿種別: 原著
    1988 年10 巻1 号 p. 103-114
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    どのようなライフスタイルが将来健康に関与するのかを明らかにするため, 地域住民5,698名のコホートを設定した. 今回はこのうち男性1,005名の断面調査をもとに, ライフスタイルと社会的心理的要因との関連を検討した. ライフスタイルの指標として1)喫煙, 2)飲酒, 3)運動, 4)肥満度, 5)睡眠をとりあげ健康スコアを算出した. 解析は年齢によりグループⅠ(30歳から44歳)とグループⅡ(45歳から59歳)の2群に分け, 上記の関連をパス解析を用いて検討した. グループⅠでは健康スコアに直接的な関連が見られた要因は, 自己健康管理態度と日常生活上の主観的ストレス感であった. グループⅡでは自己健康管理態度のみであった. これらの要因の基盤には社会的支援ネットワークがあると考えられた. これらの結果から, 良きライフスタイルへの変容をめざすには, 個々人の社会的心理的要因を考慮することが非常に重要であることが示唆された.
  • 松隈 秀峻, 鵜木 秀明, 永松 悠二, 田岡 賢雄, 後藤 登
    原稿種別: 症例報告
    1988 年10 巻1 号 p. 115-122
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    脾嚢腫は比較的稀な疾患であるが, 超音波検査およびCTスキャンの普及により, 術前診断が容易となり, 近年, 症例報告の増加が見られるようになった. 腹部異常石灰化像を発見され, 胃透視・超音波・CT・シンチ・選択的腹腔動脈造影などの検査により, 術前, 石灰化脾嚢腫と診断し得た2症例を経験した. 症例1は5才の頃から嘔吐をくり返していた20才の男性で, 脾亜全摘を施行して類皮嚢腫と診断した. 症例2は3年前から左上腹部の腫瘤を認めていた38才の男性で, 脾全摘を施行して仮性嚢腫と診断した. いずれの症例も嚢腫壁内の石灰化を病理組織学的に確認した. これらの症例は腹部外傷の既往はなかった. 以上2症例の報告に併せて, 脾嚢腫の分類・頻度・成因・症状・診断および治療について, 若干の文献的考察を試みた.
  • 真喜屋 清, 塚本 増久, 鵜木 秀明, 筋田 和文, 森 直樹, 御木 高志, 横山 満
    原稿種別: 症例報告
    1988 年10 巻1 号 p. 123-132
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    回虫症は現在では「稀な感染症」と見なされているが, 感染の機会が再び増加する傾向にあるようで, われわれも最近立て続けに3例を経験した. 症例1:北九州市小倉北区に住む59才の女性で, 昭和62年3月から腹痛が続いた後排便時に虫体を排泄した. 入院後の頻回の糞便検査でも虫卵は陰性で, 腸管の異常も見られず退院した. 症例2:中間市在住の85才の女性. 昭和62年5月に転倒して脳梗塞症と診断された後, 口から虫体を排出した. 糞便に多数の回虫卵を認めたため, コンバントリンを投与したところ回虫2隻を排泄し, 虫卵排出も陰転した. 症例3:福岡県京都郡犀川町在住の77才の男性. 昭和62年11月早期胃癌の診断で胃切除術の後, 口から虫体3隻を吐出し糞便から多数の不受精卵が検出された. 同時に鉤虫卵も検出されたが, コンバントリン投与によって両虫卵とも陰転した. 最近世界各地で豚回虫の人体感染例が報告されており豚回虫の可能性も考えられたので, 排出虫体の口唇辺縁部にある鋸歯の形態を走査電顕で観察した. その結果, 本症例で得られた虫体では豚回虫に比べて, 1)鋸歯の先端が鈍くて歯間の切れ込みが浅いか広い, 2)鋸歯が細かく, 歯列上の鋸歯数がはるかに多いこと, などが判明し, 3症例とも人回虫Ascaris lumbricoidesによる回虫症と診断された. また, 今後は豚回虫の人への感染の可能性についても留意すべきことを論じた.
  • 城戸 優光
    原稿種別: 書評
    1988 年10 巻1 号 p. 133-
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    J.E.Cotes and J.Steel, Blackwell Scientific Publications, Oxford, U.K., 1987, 448 pages, 152 illustrations
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    1988 年10 巻1 号 p. 135-169
    発行日: 1988/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top