Journal of UOEH
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12 巻, 4 号
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  • 古野 陽一郎, 中島 康秀, 藤田 政介, 迫 良治, 黒岩 昭夫
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 4 号 p. 379-387
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧症患者にカプトプリル37.5-75.0mg/日を投与し, 投与前と投与後8週とで, 運動負荷後血圧, 脈拍, 心エコー検査による変化を検討した. 心エコー検査が正確に記録できた症例は11例(男性7例, 女性4例, 平均年令55才)で, 他の降圧薬で効果不十分な例(併用例)5例, 単独例6例であった. 安静時血圧はカプトプリル投与後第2週より有意に低下し心拍数は変化しなかった. 投与前と投与後第8週に行われた運動負荷で, 負荷後の血圧, 脈拍は, カプトプリル投与前後で変化しなかった. カプトプリル投与前と投与8週目の心エコー検査では, 心室中隔は12.1±2.1mmから10.6±2.0mmへ, 左室後壁は11.2±1.8mmから10.1±1.5mmへと有意に減少した. 特に, 肥大心(壁厚>12mm)を有する7例では, 心室中隔は13.9±1.2mmから11.7±2.1mmへと有意に減少し, 左室後壁は12.6±1.5mmから10.6±1.8mmと有意に減少した.
  • ヨハナ マシャラ, ピータ マセサ, ロバート フェネクラース
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 4 号 p. 389-398
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    8歳から18歳までの健康な児童1,413人について, 肺機能, 特に努力肺活量(FVC), 1秒量(FEV1), 1秒率(FEV1%FVC)についてのデータを得た. 被検者はすべて非喫煙者で, 心血管系の症状や既往歴はない. この研究の被検者は, 西洋の小児に比べ有意に身長が低く(P<0.05), 同年齢・同身長ではFVC, FEV1が有意に小さかった(P<0.001). 肺気量は, 立位身長のべき乗の関数で近似される(Y-aHb). 両対数グラフで導かれるFVCと身長のべき数は男子3.39, 女子3.24であり, FEV1と身長のべき数は男子3.11, 女子3.03であった. この予測式より得られるFEV1とFVCは, カリブの黒人小児に対しての同様な数学的モデルに基づく予測式により計算されるFEV1とFVCとよく一致した.
  • 藤代 一也, 今津 和彦, 井上 尚英, 森 晃爾, 郡山 一明
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 4 号 p. 399-402
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    エチレングリコールの肝シトクロームP-450に及ぼす影響を, ラットを用いてin vitro, in vivoにて検索した. シトクロームP-450量はin vitro実験にて有意な減少はみられなかった. これはNADPH(1mM)存在下でも同様であった. しかし吸収スペクトルの変化は, エタノールと異なりⅠ型を示した. 一方, 1%エチレングリコール水溶液7日間飲水にて, 肝ミクロゾーム中の蛋白質量, シトクロームP-450, b5量, ヘム量には対照群との間で有意な差はなく, NADPH-cytochrome C reductase活性にも変化は認めなかった. しかし, NADH-ferricyanide reductase活性は対照群に比し, 21%の有意な上昇をみた.
  • 溝上 哲也, 池田 正人, 荻本 逸郎, 吉村 健清
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 4 号 p. 403-410
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    肺がんを, その発生過程で喫煙が関与するがんと, 喫煙が関与しないがんとに区別する原因論的な発がんのコンパートメント・モデルを新しく開発し, それを喫煙者と非喫煙者について英国医師のコーホート研究より導がれた肺がん罹患率の式に適合させた. このモデルは喫煙者と非喫煙者の肺がん罹患率をよく記述することができ, また禁煙後は, 罹患率が禁煙時の値に固定されるとするデータとほぼ同じ傾向を示す. このモデルは, 発がんのメカニズムの見地からも生物学的に妥当なモデルであると考えられる. さらに, モデルの応用として地域での衛生行政の施策策定のため, および地域のデータに基づいた衛生教育のための基礎資料として禁煙による肺がんのリスク変化を計算した.
  • 古谷 亜紀, 矢野 統, 後藤 貞夫, 東 監, 長谷川 栄治, 大西 晃生
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 4 号 p. 411-418
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    糖原病Ⅲ型では多くの組織において糖原解鎖酵素(アミロー1,6-グルコシダーゼ)が欠損しているという特徴がある. この疾患の患者においては, 生検筋で限界デキストリンからグルコースを遊離する活性が低い. 我々は糖原解鎖酵素欠損症患者の皮膚生検より線維芽細胞を培養し, この培養線維芽細胞を用いてグリコーゲンの代謝を調べた. この線維芽細胞から得られた細胞上清分画における糖原解鎖酵素の活性は, 用いた酵素量に比例することを確かめた後, 正常ヒト線維芽細胞(YH-1)と比較するとその約半分であった. 皮膚から培養した線維芽細胞における糖原解鎖酵素の活性は, この患者の筋生検の場合とほぼ同じレベルまで減少していたが, 電顕による観察ではこの線維芽細胞の細胞質にグリコーゲン顆粒の蓄積はほとんど認められなかった. 今回の実験で得られた線維芽細胞は, 分子レベルにおける糖原解鎖酵素欠損症のメカニズムの解析に有用であると思われる.
  • 蜂須賀 研二, 梅津 祐一, 永吉 美恵子, 長谷川 栄治, 大西 晃生
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 4 号 p. 419-427
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    筋症状を呈する糖原病Ⅲ型の症例は比較的稀である. 少年期に発症し, 軽度であるが確実な筋症状を示した糖原病Ⅲ型の1症例を経験し, 筋生検を施行したので報告する. Hematoxyline and eosinにて筋胞体中に中等量の空胞を認め, タイプ2筋線維はperiodic acid-Schiffにて濃染し, ATPaseにてtype 2B deficiencyを認めた. さらに, 軽度のacid phosphatase活性の増加, 小円形または輪状のnon-specific esterase反応像を認めた. これらの酵素反応は, glycogenを取り囲む膜構造との関連が予想される.
  • 久岡 正典, 堀江 昭夫
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 4 号 p. 429-437
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    2体の成人悪性腫瘍剖検症例の膵に, 奇異な内分泌細胞増殖像が認められたので報告する. 組織学的に, 2症例とも膵全体にわたって著明な膵島の増生像が見られ, 膵島は大型で辺縁は不規則であった. また, 膵島細胞, 腺房細胞, 膵管上皮細胞の混在した像も見られた. 免疫組織化学的に, 膵島は種々の内分泌細胞, すなわちA, B, D, PP細胞から構成されており, 特に, PP細胞の優位性が認められた. 臨床的には2症例とも明らかな膵内分泌機能の亢進を認められてはいなかった. このような膵島の組織学的変化は内分泌細胞過形成あるいは異形成と表現されるのであろうが, 膵島細胞と腺房細胞, 膵管上皮細胞との密接な関係からは, むしろ何らかの刺激によるこれら細胞の膵島細胞への化生性変化が示唆された.
  • 瀬川 潤, 二宮 謙一, 南立 秀和, 中島 康秀, 黒岩 昭夫
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 4 号 p. 439-447
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    安静時胸痛を主訴とし, 冠動脈造影の際Ergonovine負荷試験にてCoronary artery ectasiaと考えられる部位に冠動脈攣縮(spasm)が誘発された1例を経験した. 症例は45才, 男性. 安静時に胸痛が出現し, nitroglycerin舌下錠が著効を示した. 入院後も同様の発作が頻発したが, 発作時心電図, 頻回のHolter心電図にても有意な心電図変化はなく, 各種負荷試験・誘発試験(Valsalva maneuver, Hyperventilation and cold-pressor test)でも陽性所見を認めなかった. 冠動脈造影にて, 左冠動脈(LMT, LAD, LCX)にectatic changeを認め, Ergonovine負荷にて同部位にspasmが誘発され, 自然発作と同様の胸部症状が出現したが, 有意な心電図変化を認めなかった. Coronary artery ectasiaにおける心筋虚血の発症機序としてspasmが関連することを示唆する稀な症例と考えられた.
  • ―北九州地方における下水処理水および河川水についての検討―
    首藤 貴子, 保利 一, 古賀 実, 秋山 高, 田中 勇武
    原稿種別: 技法
    1990 年 12 巻 4 号 p. 449-455
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    BOD測定の際, 硝化菌と窒素化合物が存在する場合, 硝化による酸素消費が炭素化合物の酸化による酸素消費と同時に進み, BODの測定値に影響を及ぼすことが知られている. 特に下水処理場の処理水には, 硝化菌が多く含まれているため, 硝化性酸素要求量(NOD)が原因して処理効率が正しく把握できない場合がある. そのためBOD測定の際, 硝化反応が生じる可能性がある場合には, 硝化抑制剤を加えることが推奨されているが, 実際には広く用いられていないのが現状である. そこで北九州市の下水処理場処理水, 流入水, および河川水についてBODにおけるNODの寄与率を把握するため, 抑制剤を加えた場合と加えない場合とでBODの測定を行った. その結果, 下水処理場処理水についてはBODの約70%がNODであり, また, 硝化菌の濃度が低くNODの寄与率は低いと考えられている下水処理場流入水, 河川水についても, BODの0-39%がNODであることがわかった.
  • ―リスクアセスメント―
    土屋 健三郎
    原稿種別: 報告
    1990 年 12 巻 4 号 p. 457-461
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 神代 雅晴
    原稿種別: 技報
    1990 年 12 巻 4 号 p. 463-466
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • National Safety Council, India
    原稿種別: 報告
    1990 年 12 巻 4 号 p. 467-
    発行日: 1990/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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