Journal of UOEH
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12 巻, 3 号
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  • 半田 肇
    原稿種別: 講演
    1990 年 12 巻 3 号 p. 309-314
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 久岡 正典, 原武 譲二, 山元 修, 堀江 昭夫
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 3 号 p. 315-322
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    化学的消化を施したラット膵組織およびその血管鋳型標本について走査電顕による観察を行った. 膵島は外分泌組織内にほぼ散在性に位置し, 周囲は強靭な線維性被膜に覆われていた. この被膜は膵内分泌細胞を一機能単位としてまとめ, 分泌されたホルモンが外部に漏出するのを防ぐと共に, 膵島の血管構築を支持し, さらには生理的に間質に漏出している外分泌酵素から内分泌組織を保護する役割をも担っていると考えられた. 膵島の血管構築像では, 島辺縁部で毛細血管に分枝し, 著明に屈曲しながら島中心部に向かう輸入血管が見られた. この構造は内分泌細胞の島内での分布状態に関係していると考えられ, 内分泌細胞間での機能調節機構が形態学的にも示唆された. また, 外分泌細胞の毛細血管網や膵管周囲の毛細血管網と直接連続している輸出血管が見られ, 血行動態的に内分泌組織による外分泌機能の調節機構の存在も推察された.
  • ―1/fゆらぎのファン回転を持つエアコンの気流の主観的評価―
    三宅 晋司, 鎌田 豊彦, 神代 雅晴
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 3 号 p. 323-333
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1/fゆらぎとはスペクトルが周波数fに反比例するようなゆらぎの総称である. このようなゆらぎは, 自然界に多く観察され,脳波などの我々の生体現象や, 音楽, 小川のせせらぎなどの快い事象も1/fゆらぎに近いことから, 1/fゆらぎは我々にとって快いものであろうことが推測される. 本研究では, エアコンのファン回転数を1/fでゆらがせたときの吹き出し風の快適性を主観的評価法により評価し, ゆらぎ風の快適性について検討した. 被験者は157名(男性75名, 女性82名)で, ファン騒音の影響を評価するため, 半数の被験者に耳栓を着用させた. ゆらぎの振幅の異なる強ゆらぎ条件と弱ゆらぎ条件の2つのゆらぎ風と定常風が, 順位法, 自由記述法およびSD法(Semantic Differential Method)により評価された. その結果, 強ゆらぎ条件が最も不快であることが示された. これは, 気流のゆらぎよりも, むしろファン騒音のゆらぎに起因するものであることが示唆された. 一方, 弱ゆらぎ条件と定常条件は, ほぼ同じ快適性を示した. さらに, 主観的な快適感に影響を及ぼす因子について考察した.
  • 北 敏郎, 林葉 康彦, 蓑田 美香子, 古屋 義人
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 3 号 p. 335-341
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒト頭毛メラニン顆粒の透過型電子顕微鏡による形状観察およびその分布密度の画像解析を行った. メラニン顆粒の分布密度は, 皮質外側の細胞の方が内側細胞よりも高く, メラニン顆粒の短径および分布密度にも個人差があり, これらの所見から毛髪メラニン顆粒の電顕的検索は毛髪色調の定量的評価を下すにあたって有用であると考えられた.
  • Ⅳ. 貧血
    森 晃爾, 藤代 一也, 井上 尚英
    原稿種別: 原著
    1990 年 12 巻 3 号 p. 343-347
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    雄および雌ラットに対し, 250ppmの濃度の酸化エチレンを1日6時間, 週5日, 17週間吸入曝露し, 酸化エチレンによる貧血の性差を調べた. その結果, 酸化エチレン曝露群では, 雄ではヘモグロビン濃度で12.7%, 雌では17.8%と, それぞれ対照群と比較して有意な減少が認められたが, その程度は雌で著しかった. また酸化エチレン曝露群では, 牌臓の絶対重量は雌のみで, また体重との相対重量では雌雄で, 有意な増加を認めた. これまで我々は,赤血球中のグルタチオンレダクターゼ活性の低下が, 酸化エチレンの貧血の発症に強く関与していることを認め報告してきたが, 今回グルタチオンレダクターゼ活性の低下は, flavin adenine dinucleotide非存在下でも, 存在下でも, 雌雄同程度で, 性差は認められなかった. 以上, 酸化エチレンによる貧血の発症には性差がみられることがわかった.
  • 原武 譲二, 堀江 昭夫, 李 承道, 許 萬夏
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 3 号 p. 349-354
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    42歳の韓国人男性に見られた肝fibrolamellar carcinomaの1例を報告する. 患者は痛みを伴わない上腹部腫瘤を主訴として来院し, 肝左葉切除術を受けた. 腫瘍は最大径10cm白色硬であり, 非癌部には肝硬変はみられなかった. 組織学的に腫瘍は, 円形核と好酸性で顆粒状の広い多稜形細胞質を有する腫瘍細胞と層状に配列する線維性間質から成っていた. 癌細胞には, 顕著な核小休や, 散在性のpale body並びに多数の銅結合蛋白顆粒が認められた. オルセイン染色では, 癌部にも非癌部にもHBsAgを証明し得ず, 免疫組織化学的染色では, alpha-fetoproteinは陰性であった. 以上の臨床病理学的所見より, 本例は肝fibrolamellarcarcinomaと診断された. fibrolamellar carcinomaの殆どは白人に発生し東洋人の例は極めて稀である. 本症例の報告並びに文献的考察を行いたい.
  • 城戸 優光, 加治木 章, 平岡 克己, 堀江 昭夫
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 3 号 p. 355-360
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    16年間アスベストの吹き付け作業に従事していた32才の男性に両側肺門および縦隔のリンパ節腫大がみられ, 頚部リンパ節の生検によりサルコイド様反応が明らかとなった. 経気管支肺生検および気管支肺胞洗浄により多数のアスベスト小休が検出されたが肺組織にはサルコイドーシスを示唆する類上皮肉芽腫はみられなかった. 免疫血清学的にはツベルクリン反応は強陽性で, ACE, Lysozyme, β-gulucuronidaseは共に正常範囲でサルコイドーシスとは矛盾する所見を示した. 抗核抗休は陽性, IgEは高値を示し, 肺胞洗浄液のリンパ球はCD8+優位であった. 現在までの文献的検索では, アスベストによるサルコイド反応の報告はないが, これらの反応は単なる偶然ではなく, アスベスト曝露により惹起された可能性が考えられる.
  • 海道 昌宣, 小出 紀, 小畑 秀登, 加治木 章, 宮崎 信義
    原稿種別: 症例報告
    1990 年 12 巻 3 号 p. 361-367
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    77才の男性, 8日間の極めて急性の経過(呼吸器症状出現後4日で死亡した急性間質性肺炎Acute Interstitial Pneumonia(AIP)を経験し, 肺胞隔壁の肥厚および気腔内変化を中心にその組織発生および線維化の分布, 程度について検討した. 肺胞隔壁の肥厚は, septal cellの増殖, 浮腫の他, 特に硝子膜の取り込みが強く関与していた. また, 肺胞から肺胞道内を中心に線維性肉芽組織の形成が見られ, 一部, 呼吸細気管支内にも及んでいた. 線維化は, その程度および状態がどの肺野でも比較的そろっており, さらに肺胞内にMasson体の形成も見られたことから, 短期間の彌慢性高度肺傷害への反応であることがうかがわれる. 本例は, 既往として1年半前にBronchiolitis Obliterans Organizing Pneumonia(BOOP)を発症したが, X線上完全に回復したという経過を持っている. AIPとBOOPの関連性およびその病態を考える上で興味深い症例と思われる.
  • ―北九州市における巡回機能訓練の実態調査―
    田中 正一, 緒方 甫, 蜂須賀 研二
    原稿種別: 報告
    1990 年 12 巻 3 号 p. 369-372
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    北九州市における地域リハビリテーション・システムを検討する目的で, 北九州市立障害福祉センターが行っている巡回機能訓練の実態調査を行った. 対象は巡回機能訓練に参加している52名(男性30名, 女性22名)で平均年齢は61.2歳であった. 調査として, 面接による参加者のプロフィール, ADL評価(Barthel Index), QOL評価を行った. 訓練には満足している人が多く, その理由として, 同病の仲間の存在や外出の機会となる点をあげている反面, 訓練回数が少ないという不満があった. ADL評価は高得点でほぼ自立していたが, QOL評価は中等度の得点であった. 今回の調査から, 匡療との適切な業務分担と連携, 医療とは異なった観点からの訓練プログラムの作成, 訓練参加メンバーの長期固定化という検討課題が明らかとなった.
  • 松岡 成明
    原稿種別: 講演
    1990 年 12 巻 3 号 p. 373-378
    発行日: 1990/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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