Journal of UOEH
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13 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 中西 良一, 白日 高歩, 平尾 大吾, 高田 千年, 徳永 裕之
    原稿種別: 原著
    1991 年13 巻2 号 p. 95-101
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1979年8月より1990年6月までの約11年間に当教室で切除した原発性肺癌226例のうち在院死および他病死を除く176例について予後の面から検討を加えた. 術後5年生存率は全症例で40.2%, 性別では, 男性36.1%, 女性53.2%. 術後病期別では, Ⅰ期64.1%, Ⅱ期44.1%, ⅢA期22.1%, ⅢB期0%, IV期0%. 組織型別では, 腺癌40.5%, 扁平上皮癌49.7%, 大細胞癌18.9%, 小細胞癌0%. 原発部位別では, 右側例43.8%, 左側例34.6%, 右上葉原発例39.7%, 右中葉60.0%, 右下葉44.4%, 左上葉41.7%, 左下葉18.1%であった. 女性, 早期例, 扁平上皮癌, 右側例, 右中下葉原発例が比較的予後良好であった.
  • 大西 晃生, 池田 正人, 山本 辰紀, 村井 由之, 吉村 健清
    原稿種別: 原著
    1991 年13 巻2 号 p. 103-108
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    末梢神経障害のない30例(年齢13-83歳)の腓腹神経に形態計測的な検討を加え, 種々の末梢神経疾患の病態および重症度の把握に有用な基礎的データーを得ることを目的とした. 基礎的データーとして, 各年代毎に, 1)ときほぐし異常有髄線維の頻度の平均値とその95%信頼上限値, 2)総有髄, 大径有髄および小径有髄線維密度と無髄線維密度の平均値とその95%信頼下限値を得た. ときほぐし異常有髄線維の頻度および各神経線維密度と年齢の間に明らかな相関関係(P<0.01)が認められ, 腓腹神経の形態計測的な評価には年齢に応じた対照値との比較検討が重要であると判断された.
  • ―組織計測的および電子顕微鏡学的研究―
    山本 辰紀
    原稿種別: 原著
    1991 年13 巻2 号 p. 109-123
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ラットにビタミンB6(ピリドキシン)を1日1回1,200mg/kg, 最長7日間腹腔内投与し, 腰部第一次感覚ニューロンの変性過程を特に組織計測的ならびに電子顕微鏡学的に検討した. 投与2日後に, 初期病変として腰髄後根神経節の大型神経細胞の核の変形・偏位, 細胞質の空胞形成が認められた. 投与3日以降, 脊髄後根神経節内有髄線維のランヴィ工絞輪部および傍絞輪部に軸索小器官の異常集積が著明に認められた. また大型神経細胞の変性・脱落ならびにその中枢性, 末梢性軸索突起の軸索変性がみられた. 腓腹神経では大径有髄線維数の減少が認められた. 腓腹神経の近位部と遠位部間で, 有髄線維の変性・脱落の程度に差は認められなかった. これらの所見から, 大型神経細胞体およびその近位部有髄線維に軸索輸送のブロックが生じ, その中枢性および末梢性軸索突起の軸索変性が比較的急速に惹起された可能性を推定した.
  • 堀江 昭夫, 真鍋 英夫, 大田 満夫, 日野 富夫, 平岡 克己, 原 信之, 岩田 康, 原武 譲二
    原稿種別: 臨床病理学的研究
    1991 年13 巻2 号 p. 125-134
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    肺の巨細胞癌は臨床的に早い経過で死亡することによって悪名が高い. 本報告には6例の肺巨細胞癌中で, 2例の例外的治癒を記載した. 2例の病理組織学的特徴はⅠ期で, 境界鮮明な腫瘍を形成し, 癌細胞の脈管内蔓延はなく, 腫瘍組織内にリンパ球様細胞や形質細胞の浸潤が目立ち, 腫瘍周囲にリンパ濾胞形成が著明であった. もう1例のⅡ期の腫瘍は癌細胞のリンパ管内蔓延の存在を除いて, 上記2例と同様の所見で, 患者は術後約1年で死亡した. 在来の対照として, 残りの3例はⅢ期で, 腫瘍細胞の肺胞内進展と脈管内蔓延が著明で, 術後経過は急激であった. 第4・5例を除く4例では臨床的初発から手術まで同様の期間にも拘らず, 病期は異なっていた. 各々の病理組織学的特徴はそれぞれ患者の異なった術後の臨床経過を立証するものであろう. 3例の透過電顕像は多核の異型巨細胞において中間接合をもち二重膜に包まれた水疱の形成とともに, 癌細胞の腺・扁平上皮両方向への分化を示した.
  • ―反復性の肺血栓塞栓症様症状を呈した1例―
    城戸 優光, 桑野 和善, 加治木 章, 堀江 昭夫
    原稿種別: 症例報告
    1991 年13 巻2 号 p. 135-141
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    悪性組織球腫は一般に四肢や後腹膜に原発する多形性の間葉性肉腫と考えられているが, 我々は恐らく肺動脈に原発した悪性組織球腫で, 肺血栓塞栓症様症状を呈したきわめて稀な1例を経験したので報告する. 診断は当初経気管支肺生検で疑われ, 開胸肺生検にて確定した. 肺動脈造影にて右主幹肺動脈の完全閉塞と左主幹肺動脈の狭窄が確認された. 抗癌化学療法を行ったが, 喀血を伴う肺塞栓を繰り返し初診より29ヵ月後に死亡した.
  • 和田 伸一, 浦崎 永一郎, 角谷 千登士, 松岡 成明, 毛利 元彦
    原稿種別: 症例報告
    1991 年13 巻2 号 p. 143-148
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    海洋科学技術センターで施行された潜水シュミレーターを用いた実験に参加し, 水深180mの高圧環境が事象関連電位P300に与える影響を観察した. 事象関連電位はコントロールとして潜水開始前と180mに達した時, 減圧時90m, 70mの合計4回測定した. P300の潜時は, 被検者であるプロダイバーの2人とも, コントロールに比して180m, 90mまで著明に延長し, 減圧70mに至って, 潜時の延長はゆるやかとなった. 本実験の結果はこのような条件による高圧環境がヒトの認知機能に影響を及ぼすことを示唆すると共に, ダイバーにとって重要な問題である高圧神経症候群の予知にP300が有用である可能性を示した.
  • 大林 雅之, 伊藤 幸郎
    原稿種別: 医学教育
    1991 年13 巻2 号 p. 149-154
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学は, 産業医の養成を目的の一つとして設立されたが, それを十分理解せずに入学する学生が少なくない. そこで低学年の段階で学生に産業医の正しいイメージと, 産業医への動機づけを与えることを目標に, 平成元年度後学期に2年生の医学概論授業として「産業医学入門」と題する講義シリーズを組んだ. そして, この授業の教育効果を判定する目的で, 授業の2回目と最後に「『産業医』という語からイメージする言葉」についてのアンケート調査を, いわゆる「文殊カード」を使用し実施した. また学生に今回の授業で自分の「産業医」のイメージに変化があったかを自己評価させた. 以上の結果, 授業後に「産業医」の肯定的イメージの増加がみられ, 情報の提供が, イメージの変化に大きく影響し, 学生にも強く望まれていることが分かった. しかし, 一貫して強い否定的なイメージを示す学生には別の授業方法や大学全体としての対応の改善を考える必要があろう.
  • 産業医科大学医学部
    1991 年13 巻2 号 p. 155-189
    発行日: 1991/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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