Journal of UOEH
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14 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 保利 一, 百道 敏久, 田中 勇武
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻3 号 p. 197-203
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    臭化メチルは, 燻蒸剤として, 消毒に広く使用されているが, 神経毒性があることが知られており, 取扱いに注意を要する. 臭化メチルは沸点が3.56℃と低く, 常温ではガスであるため, 主に吸入によって体内に取り込まれる. したがって, 臭化メチルの生体影響を調べるためには吸入曝露実験を行う必要があるが, そのためには, 一定濃度のガスを長時間安定して発生させることのできる装置が必要になる. そこで気液平衡関係を利用したガス発生装置を試作し, その発生特性を調べるとともに, 曝露チャンバーと接続し, 装置の有用性を検討し, その実用性が高いことが, 実験的に明らかとなった.
  • 加藤 貴彦, 東 監
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻3 号 p. 205-209
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    チトクローム P-450 は, 生理的な物質や, 環境中の化学物質の代謝に関与している重要な薬物酸化酵素である. この中で, チトクローム P-450 2D6 デブリソキン-4-ハイドロキシラーゼは, 常染色体劣性に遺伝する遺伝的多型性の存在が報告されており, 代謝活性が低いpoor metabolizer(以下, PM)は, 各種薬物の代謝障害に関与していることが明らかとなっている[Gough et al(1990)Nature 347: 773-776]. PMの頻度には, 人種差が存在することが報告されているが, 日本ではデブリソキンが薬剤として認可されていないため, これまで日本人のPMに関しては全く検索されていなかった. 今回, 我々はデブリソキンを投与せず, 白血球DNAを用いたGoughらの方法により, 東洋人(日本人25人, 中国人20人)で, チトクローム P-450 2D6 の遺伝子レベルの検索を行い, 白人の頻度と比較検討した. Goughらの方法を用いれば白人においては, すべての正常者と79%のPMを同定できるはずだが, 我々は東洋人のPMを同定できなかった. これらの結果は, 東洋人のPMの遺伝子レベルのメカニズムが, 白人のそれとは異なっていることを意味している.
  • ―生体試料中のプリン,ピリミジン代謝産物とアロプリノール,オキシプリノールの測定法―
    広重 欣也, 國藤 恭正, 高杉 昌幸, 黒岩 昭夫
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻3 号 p. 211-218
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    HPLC-UV法でプリン, ピリミジン代謝産物, アロプリノールとオキシプリノールの血中, 尿中濃度測定法について検討した. 溶媒には1%メタノール含有リン酸緩衝液(10mmol/ℓ, pH5.0), μBondapakC18カラムを用い, 13物質の同時分離が可能と考えられた. 再現性は連続測定にて1.56μmol/ℓ, allopurinol; 変動係数(CV)2.76%から50.0μmol/ℓ, pseudouridine; 変動係数(CV)0.38%と良好であった. 除蛋白法として限外濾過法を用いた血漿濃度測定では, 回収率はuric acid: 101.7-107.5%, hypoxanthine: 90.4-102.8%, xanthine: 95.9-99.5%, oxipurinol: 104.4-107.1%, allopurinol: 97.4-103.4%と良好であった. 各物質の同定は, retention time, 吸光度比, 純物質添加法と酵素反応法にて行った. また同条件下で, pseudouridine, uridine, adenine, inosineも血漿において測定が可能と考えられた.
  • 寶珠山 務, 佐伯 覚, 高橋 謙, 大久保 利晃
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻3 号 p. 219-225
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    全国の専属産業医に質問票を送付し, 過去5年間の従業員の突然死について調査したところ, 241人(回答率61.5%)より回答を得た. 本調査では, このうち, さらに詳細な調査に同意した53名の産業医から報告された143例(男性141例, 女性2例)の突然死症例について, その特徴を記述疫学的に検討した. 発症場所・発症状況では, 自宅または独身寮, 夜間睡眠中がそれぞれ最多であり, 職場, 通勤行程内などの報告例は少なかったが, それが, 重篤な疾病の発症数そのものの差によるのか, あるいはその発症直後に死亡にいたった数の差によるものなのかは, 不明であった. 発症時刻・発症時期では, 月曜の早朝および木・金・土曜, 4・11・12月への集中傾向がみられた. 特に, 発症月が職場の繁忙期にほぼ一致しており, 環境要因が発症に関与している可能性が示唆された. 死因は, 心血管系疾患が多かったが, 剖検診断は少数しか実施されておらず, 診断の信頼性は不十分であった.
  • 松田 明美, 渡辺 秀幸, 中田 肇, 末永 義則
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻3 号 p. 227-233
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍を合併しやすいとされている紅皮症, 水疱性類天疱瘡などの皮膚疾患患者に対し, 腫瘍検索のため消化管造影を行った. 56例中, 1例に食道癌, 2例に胃癌, 2例に大腸癌が発見された. 一般集団と比較すると胃癌および大腸癌発見率は有意に高く, 胃癌で16.26倍, 大腸癌で32.26倍となった. これらの皮膚疾患患者に対して, 消化管悪性腫瘍検索のための消化管検査を行うことは意義があると考えられた.
  • 大西 晃生, 山本 辰紀, 村井 由之, 池田 正人
    原稿種別: 原著
    1992 年14 巻3 号 p. 235-240
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    末梢神経障害のない134(年齢11-87歳; 男66, 女68)名における四肢遠位部の冷覚および温覚弁別閾値を, Thermal Threshold Testerを用いて評価し, 患者の感覚障害の病態および重症度の把握に有用な基礎データを得ることを目的とした. 基礎データとして, 各年代毎に, 前腕遠位部(上肢)と足背部(下肢)における各弁別閾値の平均値およびその予測95%信頼限界の上限値を得た. 上・下肢のいずれの閾値も, 加齢とともに明らかな上昇を示した(P<0.0001). 感覚障害を呈する患者の感覚機能の評価には, 年齢に応じた正常対照値との比較検討が重要であると判断された. 6名の志願者(21-66歳)において, 各弁別閾値の評価を約3週間の間に6回繰り返し, 各人毎に繰り返し閾値評価のreliabilityが高い(級内相関係数0.78-0.96)ことを明らかにした.
  • Xing GAO, Sutang LI, Xiaoyun WANG, Rui CHENG
    原稿種別: 報告
    1992 年14 巻3 号 p. 241-250
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    中国には現在公衆衛生大学院が40校あり, 年間約1,400人の卒業生の内約15%が労働衛生分野で働いている. 現在全国で25,000人の労働衛生専門家が活躍しているが, これは全医療従事者の約1%にすぎない. これら労働衛生専門家の教育機関, 所属機関の現状について統計的な紹介をし, 教育カリキュラムを概説した. 最後に現在進行中の第8次5ヵ年計画で行われている労働衛生専門家の数を増加するための方策を論じ, 1)まず公衆衛生大学院の学生を増やし, 2)地域では実地修練の場を確保し, 3)現在, 他の職業に就いている人が働きながら勉強できるようにし, 4)省単位に養成施設を整備するとともに, 5)これらの教育, 訓練が地域における通常の基礎教育の内容と整合性が図られる必要のあることを指摘した.
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