Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
15 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 旭 正一
    原稿種別: 総説
    1993 年 15 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    油症の発生経過と症状を述べ, 原因物質, 検査法, 治療その他, 本症の研究の現状について概説した. 油症は昭和43年に九州北部地方に発生した中毒事件で, 食用油に製造工程でPCB汚染が生じたために発生した. 症状は, ざ瘡様皮疹・色素沈着などの皮膚・粘膜症状が顕著にみられ, これらの症状は, 年月の経過とともに軽減してきたが, 多彩な内科的愁訴が持続している. 認定患者数は, 現在約1,860である. 原因物質は, はじめPCB(カネクロール400)そのものと考えられたが, のちになって, PCDF, PCQなどのPCB変換体が存在することが示された. これらの物質は, 脱臭のための加熱工程で発生, 濃縮されたと考えられる. PCDFは毒性が強く, ライスオイル中の混入量は少量であるが本症の発病に大きく関与すると思われ, PCQは本症に特異性が高いので, 血中PCQ測定は本症の診断に有用であると考えられている.
  • Shi-he LIN, 大西 晃生, Xin-mei JIANG, 山本 辰紀
    原稿種別: 原著
    1993 年 15 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    感覚障害を呈する6名の中国人肺癌患者において, その臨床的および腓腹神経の組織病理学的特徴を明らかにすることを目的とした. 特に腓腹神経の形態計測的所見に注目した. 患者はすべて男性で, 入院時の年齢は39歳から67歳であった. 初発症状として感覚異常がすべての患者に認められた. 四肢末端部の異常感覚の出現から癌の診断までの期間は2ないし72ヵ月であった. 異常感覚は緩徐進行性で, その程度は軽度ないし中等度であった. 明らかな感覚低下の訴えは認められなかった. 筋伸張反射の低下と振動覚低下がそれぞれ4名で認められた. 腓腹神経の形態計測的検討により, 1例で大径有髄線維密度の, 他の1例で無髄線維密度の明らかな低値が認められた. 一方, 小径有髄線維密度は患者群で対照群より明らかに高値を示した. それ故, 形態計測的所見のうちで, 有髄線維の小径化すなわち軸索萎縮が最も顕著な所見であると判断された. なお, いずれの腓腹神経にも, 明らかな髄球, 脱髄軸索, onion-bulb形成および再生有髄線維は認められなかった. それ故, 腓腹神経レベルでは大径有髄線維の軸索萎縮が生じていると結論した. これらの症例は脊髄後根神経節の神経細胞の変性を主病変とするsubacute carcinomatous sensory neuropathyとは明らかに異なる. これらの末梢神経障害の原因の一部として少なくとも癌の遠隔効果が推定される.
  • -予備的実験-
    古田 晶子, 百道 敏久, 大西 晃生, 保利 一, 田中 勇武
    原稿種別: 原著
    1993 年 15 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    臭化メチルはヒトに中枢および末梢神経障害を惹起する. 現在までの臭化メチル中毒動物の神経病理学的な研究にもかかわらず, 臭化メチル中毒による多彩なヒトの神経障害は実験動物で十分に再現されていない. 本研究では, 1日6時間, 週3日, 3-8週間にわたり, 500または290ppmの臭化メチルの繰り返し曝露を受けたラットの神経系病変を組織形態学的に系統的に検索し, 未だ実験動物で再現されていない病変を明らかにすることを目的とした. その結果, 10-18日間の500ppmの臭化メチル曝露によってのみ, ヒトの脊髄後索病変に対応すると判断される頚髄薄束有髄線維の軸索変性およびヒトの大脳病変に対応すると判断される, 1)尾状核-被殻の壊死病変, 2)尾状核-被殻, 視床および帯状皮質の神経細胞の萎縮およびニューロピルの染色性の低下が認められた. この実験により初めて明らかになった脊髄後索病変の作成は, 繰り返し曝露が可能でかつ500ppm以上の濃度の臭化メチルの曝露によって達成されると推定される.
  • 岡 雄一, 姫野 悦郎, 中島 康秀, 黒岩 昭夫, 八谷 百合子, 大江 慶治
    原稿種別: 原著
    1993 年 15 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    今回, 我々は産業医科大学の学生および教職員の1989年度の健康診断の結果, 随時採血による血中脂質, 特に中性脂肪(以後, TGと略す)の高値者の問題に関し考察した. 対象症例は2524名(男性1257名, 女性1267名)で, 採血は, 午後1-3時の間の随時採血にて行った. TG 200 mg/dl以上の者(以後, 一次TG高値者と略す)は, 272名(10.8%, 男性246名, 女性26名)であった. 一次TG高値者の内, 早朝空腹時採血にて再検した者は121名(男性104名, 女性17名)で, それらから得られた血中TG値(以後, 二次TG)と一次TG値との間には, 有意な正の相関が得られた(r=0.63, N=121, P<0.001). 二次TG値が200 mg/dl以下を判別する一次TG値として相関関係の一次回帰式(y=0.69x-35.8)より得られた値は341.7 mg/dl以下と計算された. この場合False Negativeの確率は14.9%であった. 一次TG値のスクリーニング値を250 mg/dl以下とした場合, false negativeの確率は6.3%であり, 随時採血によるTGの一次スクリーニング値としては250 mg/dlを採用しても良いのではないかと考えられた.
  • 柏村 正道, 松浦 祐介, 川越 俊典, 杉原 耕一郎, 土岐 尚之
    原稿種別: 総説
    1993 年 15 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我国においては, 細胞診断の結果はPapanicolaouクラス分類として示されることが多いが, 最近, 以下のような種々の問題点が指摘されている.
     1)クラス分類の解釈が診断医により異なる.
     2)炎症の細胞診が反映されない.
     3)ホルモン細胞診が反映されない.
     4)子宮内膜細胞診には応用出来ない.
     5)絨毛性疾患には応用出来ない.
     6)臨床医の対応がクラス分類のみで行われている.
    以上の問題点について症例を呈示しながら解説するとともに, Papanicolaouクラス分類の廃止およびDescriptive diagnosisの確立を強調する.
  • 大橋 浩
    原稿種別: ヒューマニクス
    1993 年 15 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    一般に理由のsince節は旧情報を担うために文の焦点の位置に生じることがなく, また, 焦点要素をマークするonlyタイプの副詞とも共起しないといわれるが, 同じく焦点をマークする副詞であるespeciallyやparticularlyと共起する例は数多く見られる. また, コーパスなどのデータによると, 情報構造上は新情報を担う位置である文末に生じることが非常に多いことが観察される. 本論では, これらの事実に関し, 語用論的・談話文法的分析を試みる.
  • ―国際宇宙大学夏期講座に参加して―
    藤尾 裕宣
    原稿種別: 報告
    1993 年 15 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    1993 年 15 巻 1 号 p. 59-87
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    1993 年 15 巻 1 号 p. 89-101
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top