Journal of UOEH
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19 巻, 1 号
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  • 白石 一也
    原稿種別: 原著
    1997 年 19 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    新しいnon-NMDA拮抗薬であるYM90Kをカイニン酸誘発痙攣をおこしたラットで2-デオキシグルコース(2-DG)法を用いて検討した. 海馬の興奮性経路であるtrisynaptic pathwayのうちYM90KはSchaffer側副路を選択的にブロックし, カイニン酸投与7日後の組織所見ではCA1-2の細胞を温存させ, 一方, コントロール, およびMK-801グループでは同側副路はブロックされず結果としてCA1-2の錐体細胞は脱落した. 本研究においてYM90Kの神経細胞保護作用を示すと共に, 2-DG法がカイニン酸誘発痙攣の初期の病態を示す方法として有用であった.
  • 中嶋 加代子
    原稿種別: 原著
    1997 年 19 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    除去食療法の栄養学的効果を検討するため, アトピー性皮膚炎治癒児が摂取した食事(和食4段階法)を7日間調査し, 栄養価算定を行った. エネルギーの平均摂取量は所要量より少なかったが, これは植物油を全く摂っていない児が全体の54.8%を占めたことにより, 脂質平均摂取量が所要量の1/2になったためと思われる. 卵や牛乳を全く摂取していない児が全体の半数いたにもかかわらず, たんぱく質平均摂取量は男児が31%, 女児が42%所要量を上回った. カルシウム摂取量は男児が365±199 mg, 女児が452±67 mgであった. 鉄およびビタミン類の平均摂取量は所要量を大幅に上回った. 除去食療法男児のP比は17.6%, F比は11.6%, C比は70.8%, 女児のP比は17.1%, F比は13.9%, C比は69.0%となっており, 摂取量は男児女児共, 栄養所要量に比べ, F比が少なくP比およびC比が多いことが明らかになった.
  • ―形態計測学的研究―
    大西 晃生, 山本 辰紀, 赫 秋月, 韓 漫夫, 酒井 昭典, 後藤 正隆, 村井 由之, 池田 正人
    原稿種別: 原著
    1997 年 19 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Brain-derived neurotrophic factor (BDNF)は, 末梢神経ではシュワン細胞および線維芽細胞で産生され, 末梢性運動・感覚ニューロンの生存・維持, 発達および障害に伴う修復に重要な役割を果たすと判断される. 本研究ではSprague-Dawleyラットの坐骨神経を切断後縫合し, 組換えヒトBDNF 20 mg/kgを7日間連日皮下投与を行った実験群(n=8)とBDNF溶解液のみを同様に投与した対照群(n=9)を対象とした. 切断部位より3 mm遠位部の坐骨神経において, BDNF投与によって末梢神経の再生の早期に生じる軸索の発芽および伸長が促進されるか否かを組織計測学的に検討することを目的とした. 両群間で神経束総横断面積, 軸索密度(数/mm²), 神経あたりの軸索数(数/神経), 軸索直径の最大値および中央値ならびに軸索の直径分布の明らかな差は認められなかった. これらの結果より, 本研究の実験条件下ではBDNFが末梢神経線維の再生の早期の軸索の発芽および伸長を促進する作用は明らかでないと判断した.
  • 渡辺 治夫, 寺尾 岳
    原稿種別: 症例報告
    1997 年 19 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は, 36歳女性のうつ病患者である. 経過中に被害妄想を呈したことから抗精神病薬が開始された. 増量に伴い, 徘徊などのアカシジアが出現し, さらには悪性症候群の発症に至った. そのため抗精神病薬を中断したところ, 悪性症候群は軽快したが, 徘徊はさらに増強し, 会話の障害や不潔行為が生じた. これらの症状はlevomepromazineとamitriptylineの投与により次第に軽快した. 抗精神病薬中断後の種々の症状を, 単にアカシジアの遷延と捉えることは, 中断後にその程度や頻度が増したことから困難であった. 一方, いわゆる焦燥型うつ病の症状としてすべてを把握することも, 患者から焦燥感の訴えがまったくなかったことから積極的には支持されなかった. 他方, 抗精神病薬中断により「離脱性アカシジア」が出現し, 鎮静目的で投与したlevomepromazineが薬理的には再投与薬として離脱症状を改善させた可能性が推定された.
  • 佐藤 教昭
    原稿種別: 報告
    1997 年 19 巻 1 号 p. 39-48
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学における電子メールの利用状況を分析した. その結果, 以下のことが明らかになった. 1)電子メールを送信したユーザは月ごとに増加し, 調査期間中の最終月は170人であった. 2)通信回数も月ごとに増加傾向が認められた. 全体の通信回数は「学外から学内」が最も多かった. 3)ドメイン別通信先は「学内から学外」については大学, 研究機関および個人ユーザを対象とした商用パソコン通信会社への通信が多く, 「学外から学内」は主に海外ドメインからの通信が多かった. 4)電子メールの大きさは1Kバイト未満の電子メールが大半であったが, 10Mバイトくらいの極端に大きなものも含まれており, これらは他組織に迷惑をかける可能性があるため問題である.
  • 佐藤 教昭
    原稿種別: 報告
    1997 年 19 巻 1 号 p. 49-56
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    産業医科大学のメールサーバに対するPost Office Protocol(POP)リクエスト数を分析した. その結果, 以下のことが明らかになった. 1)休日のリクエスト数は平日の6分の1であった. 2)1ヵ月のPOP利用者数は増加傾向が認められた. 3)平日のPOP利用は9時から17時の勤務時間帯に集中していた. 4)ユーザ毎の利用形態は数種類のパターンが存在した. その中には, メールサーバにメールを残しているため, メール取り込みの接続時間が非常に長くなる, 短い時間間隔でPOPリクエストを発行する, 四六時中POPリクエストを発行しているなど, ネットワークや計算機に負荷をかける利用形態も見られた.
  • 安部 哲哉
    原稿種別: みにれびゅう
    1997 年 19 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    メタロチオネインは, 生体内において必須金属の恒常性維持や有害な重金属の解毒などに機能している低分子量の蛋白質である. メタロチオネインは, 現在までに4つのイソフォーム(MT-Ⅰ, -Ⅱ, -Ⅲ, -Ⅳ)がわかっている. ノックアウトマウスを用いた最近の研究などにより, 重金属や酸化ストレスからの生体の防御にはMT-ⅠやMT-Ⅱが関与しており, さらにアポトーシスの防御にも機能している. また, MT-Ⅱの亜鉛による遺伝子発現には, 転写因子zinc regulatory factor (ZRF)の活性化を介することがわかっている. MT-Ⅲは脳に特異的に発現し, 神経成長抑制因子と呼ばれていたが, 脳傷害後の神経組織修復において機能していることが明かにされた.
  • 原稿種別: アナウンスメント
    1997 年 19 巻 1 号 p. 63-64
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    原稿種別: 抄録集
    1997 年 19 巻 1 号 p. 65-105
    発行日: 1997/03/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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