Journal of UOEH
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2 巻, 4 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 嵐谷 奎一, 中村 照正
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 439-447
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    カテコールアミンおよびその関連物質, ドーバミン, ノルエピネフリン, エピネフリンおよびドーパ, 弱陽イオン交換樹脂を用いた高速液体クロマトグラフィーにて分離し, 自然螢光測定によって検出した. 白然螢光測定より得られた各々のカテコールアミンの検量線は0.5-300ngの範団で直線を示した. 試料液中のカテコールアミンの回収率に対する吸着剤として活性化アルミナの量そして溶離液として酢酸濃度の影響について検討を加えた. 活性化アルミナ0.4gと0.8M酢酸2mlを用いて, 既知量のカテコールアミンを含む尿中からの回収率と変動係数を求めた. ノルエピネフリン,エピネフリンおよびドーパミンの回収率と変動係数はほぼ85%と2%, ドーパのそれらはほぼ68%と5%以下であった.
  • 東中川 徹, 榊 佳之, 飯尾 雅子, 西駕 秀俊, 三田 隆
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 449-462
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Tetrahymena Pyriformis GLの17sと25sRNAをコードするrDNAをHind Ⅲで制限分解し, 2.5×106 dalton のDNA断片(fragment 1)を大腸菌プラスミドpBR322のHindⅢ部位に組み換えた. アンピシリン耐性でテトラサイクリン感受性の11個のクローンのうち2個のクローンが, 32P-ラベルのrRNAとコロニーハイブリダイゼーションに陽性で, それらをpTpr2, pTpr4と命名した. これらのクローンから塩化セシューム‐臭化エチヂューム超遠心法でプラスミドを精製し, 数種類の制限酸素による解析を行った. HindⅢ分解したこれらプラスミドはアガロース電気泳動で, 同じ程度の吸収をもつ2本のバンドになり, それぞれfragment1および線状化したpBR322と同じ移動度を示した. プラスミドのBamHIとPstI分解によってfragment1はpTpr2とpTpr4で互いに逆向きに組み込まれていることが明らかになった. またプラスミドの電子顕微鏡観察によってpTpr2, pTpr4ともにその多量体が見出され, それはEcoRI分解による解析から単量体が直列に繰り返し並んでいる構造であった. pTpr2とrRNAとのR-loop形成によってrRNA遺伝子は予測通りの方式でプラスミドに組み込まれていることが証明された.
  • 北條 暉幸
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 463-468
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    シワハイルカSteno bredanensisの肺について, 比較解剖学的見地から, in situの状態で腐蝕標本を作って行う腐蝕解剖学的な研究を行った. これは, 肺内の気管気管支樹および肺動静脈の立体的研究を行うために, 最適な方法である. シワハイルカの肺は左右とも1葉から成り立つが, 2次的な気管支についてみると右肺に4本, 左肺に3本あり, 心切痕は左肺にある. 動脈上気管支は全部で3本あり, 右肺における気管気管支と2番目に頭側にある気管支および左肺における最も頭側の気管支であって, いずれもヒトの葉気管支(2次的気管支)に相当するものと見られる. 肺動脈は, 気管支樹に沿って走るが, 肺静脈は末梢部から区域間を走って4分岐の型をなして腹側に集合し, さらにこの集合点に背側からも1本の分枝が加わり, 結局5分岐の形を形成する.
  • 小林 利次, 林 実
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 469-479
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    乳腺疾患の超音波診断は非観血的, 無苦痛的, かつレ線被曝の懸念のない検査法であり診断率も85-90%と良好であるためその臨床的価値が高く評価されている. 水浸法がその検査法の主体であるが, 今回, グレイスケール画像による手動接触走査法が診断情報の取得に有用であるか否かを検討した. エコー情報の描出性を水浸法による情報と対比した結果, 手動接触走査法による画質も臨床診断に十分使用し得るという結論を得たので, 各種走査法により得たエコーグラスと対比, 提示し, その有用性を強調した.
  • 田岡 賢雄
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 481-492
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒトのウィルス肝炎の多くはヒツジ赤血球に対するロゼット形成細胞(T細胞数, T)やPHAによる幼若化率(T細胞機能?)と抑制性(サプレッサー)T細胞(Ts)の数なり機能なりとがよく並行しており, 慢性肝炎では共に↓傾向にあるが劇症肝炎ではT↑・Ts↓, 逆に肝癌ではT↓・Ts↑の傾向を示し両者の動きはつねに一致するとは限らない. 一方, ウィルス肝炎とくにB型肝炎にみられる肝細胞障害作用はウィルス自体による直接作用というよりは, ADCCなど他の機構によるものと推定されており, この場合肝炎ウィルスにより感作された脾細胞(エフェクター細胞)や胸腺細胞(T細胞)の存在がヌードマウス肝炎のADCC機構を強く刺激することがわれわれの実験で明らかとなった. 一般にウィルス肝炎においては, 抑制性T細胞(Ts)はADCC機構に対して抑制的に, 補助性(ヘルパー)T細胞(TH)は逆に亢進的に働くことが知られているが, われわれの成績もこのことを強く示唆した. かように, ヒトならびにマウスのウィルス肝炎においては, 抑制性T細胞がADCC機構を介して生体の免疫反応を調節・制御し, その進展に大きな役割を演じていることが推定された.
  • 有働 武三, 遠竹 恭子, 市川 洋一
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 493-501
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌が高塩濃度下においても発育しうるという, いわゆる耐塩機構を有していることはよく知られている. しかしこの特性は, 例えばそのあらゆる細胞機能が高塩環境下に依存しているような, 好塩菌(halophilic bacteria)とよばれるー群の細菌類が示す属性とは明らかに異なっている. その機構の本質は今日, 本菌の細胞膜を構築する脂質成分の変動にもとづく, いわゆるバリアーとしての膜機能の変化にあるものとされている. 本研究は黄色ブドウ球菌の菌体外酵素および毒素の合成・分泌と, 本菌の耐塩機構との関係を解析することを目的として進められた. 膜機能として最もー般的な呼吸およびエネルギー転換系が, 本菌の菌体外ヌクレアーゼおよびα-溶血毒素産生におよぼす影響を, 各種阻害剤に対する動態から追求し, 既に知られた本菌の耐塩機構に関係した事実とともに解析を試みた. その結果, これらの菌体外タンパクの産生は, とくにその分泌の過程において本菌の呼吸機能と密接な関係にあること, またその合成はいずれもATP産生糸に依存しているが, それぞれの合成が構成的(ヌクレアーゼ)か誘導的(α-毒素)かという特徴によってエネルギー産生過程に対する依存性を異にしているように思われた. このことは耐塩性のみならず, 通性嫌気性菌(facultative anaerobe)としての本菌の生理機能を論ずる上に極めて與味深い現象といえる.
  • 山下 博, 河南 洋, 稲永 清敏, 小泉 喜代美
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 503-508
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    筋運動が抗利尿ホルモン分泌に影響を与えていることはよく知られている. われわれは麻酔し, 半側除脳を行ったネコを用いて, 視床下部視索上核(SON)ニューロンの神経活動に及ぼす筋受容器の影響を調べた. 腓腹筋筋紡錘のGI線維の電気刺激はSONニューロンの活動に影響を与えなかったが, GIIIおよびIV線維の電気刺激は80-100msecの潜時で興奮とそれに引き続く長い抑制を引き起こした. 化学刺激のために腓腹筋動脈に注入したNaCl, KCl, bradykininは, SONニューロンを興奮させた. これらの結果から, 求心性筋入力のうち, 細い線維を介する入力が運動の際, 血中の抗利尿ホルモンを増加させる役割を果たしていることが推論された.
  • 松浦 孝行
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 509-513
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    自動車排ガスによる大気汚染のシミュレーションは, 一般に道路を線汚染源(以下線源という)とみなして行われる. その場合に用いられる拡散モデル式は, 基本的に点源式と同一であり, それを道路の形状に治って積分すれば, 線源の拡散式が得られる. 被積分関数には, 風向と密接なかかわり合いがあるパラメータが含まれており, 特別な場合を除いて, 何らかの形で近似計算を行わなければならない. 近似計算のやり方にはさまざまなものがあるが, 精度, 計算時間, データ作りの手間などの面から評価すると, それぞれ一長一短がある. ここでは, 点源近似などいくつかの方式を取りあげ, 大型計算機を用いての具体的な近似計算の方法等について論じる.
  • 吉岡 真
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻4 号 p. 515-528
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    人間が複合音の音高をいかにして知覚するかという問題は, 聴覚理論の中で現在なお解決されていない重要な問題である. 現時点で最も有力とされている音高知覚理論には次の3つがある. Wightman(1973)の「パターン変換理論」, Goldstein(1973)の「最適処理理論」, およびTerhardt(1974)の「虚音高理論」がそれである. 本論文において, これら3つの音高知覚理論の数学的関連づけを行い, さらにTerhardtのモデルを発展させた「一般化線形音高知覚モデル」を考え, そのモデルの中心となる「テンプレート関数」の音高実験データからの決定法を議論する. de Boer(1977)はGoldsteinのモデルを出発点として他のモデルとの関連づけを行ったが, 本論文ではTerhardtのモデルを一般化し変形することでモデル間の関係をより明解に示すことができた. その結果, WightmanのモデルとTerhardtのモデルとは数学的には全く同じ線形モデルで, ただモデルパラメータが異なるにすぎないことがわかった. 従って一般化したTerhardtのモデルを用いれば, この2つの線形変換モデルを個別に扱う必要はない. これに対してGoldsteinのモデルは統計的最尤推定法を用いた非線形変換モデルで, 他の2つの線形変換モデルとは本質的に異なっている. このモデルは最適推定音高値付近では線形変換モデルとほぼ似かよった音高予測を示すがこれからはずれると予測が大きく異なる. これはGoldsteinのモデルにのみ連続倍音次数の制約が付加されているためである. Goldsteinのモデルは音高実験データに基づいたモデルパラメータにより作られているために定量的な予測が可能であるのに対して, 2つの線形モデルは定量的な予測に弱い. これはモデルの中に聴覚末梢系におけるスペクトル情報パターンという観測不可能な量が存在しており, これを一意的に定めることができないためである. 従って, モデルより末梢のスペクトル情報パターンを排した新しい「一般化線形音高知覚モデル」を考案した. この新しい線形モデルの中心となる「テンプレート関数」は, 従来の音高実験データより推定することができる.
  • 堀江 昭夫, 石井 惟友, 栗田 幸男, 田中 教英, 細迫 有昌
    原稿種別: 症例報告
    1980 年2 巻4 号 p. 529-540
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    長期間に血栓が多発し, 門脈圧亢進症状を示し, 心不全で死亡した54歳男の剖検症例の報告である. 臨床経過は11年にわたり, 上腸間脈動脈血栓, 食道静脈瘤や脾腫が認められた. 末梢血の全血球成分は平均して多く, 血小板数は通常40万以上であった. 剖検時, 骨髄は細胞成分に富み, 3系統の造血亢進像が認められた. 肝硬変を含め, 肝に線維化像はみられなかった. 門脈に合流する静脈には多発性血栓形成像があり, 新旧の梗塞を示す粗大結節状の脾腫, 食道脈瘤なども認められた. 冠状動脈血栓の器質化にともなう左心室心筋の線維化と心尖部に動脈瘤がみられた. 典型的な血管内凝固症候群では血小板数の減少がみられ, 特発性門脈圧亢進症や非硬変性門脈線維症には肝線維化巣が認められることによって, 本症と鑑別される. 本症は臨床検査所見ならびに剖検所見を. 綜合してhemopoietic dysplasiaの範疇に入ると考えられる.
  • 大里 敬一, 高木 輝, 武田 成彰, 加藤 秀典
    原稿種別: 症例報告
    1980 年2 巻4 号 p. 541-548
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    不適合輸血5症例(ABO式不適合2例, 不規則抗体による不適合3例)における凝固線溶系の変化を経時的に観察した. このうちABO式不適合の2例と, 抗E抗体保有者にE陽性血が輸血された一例に出血傾向がみられ, また後者には急性腎不全の合併をみた. これら3例の凝固検査では血小板減少, FDP増加, プラスミノゲン減少, アンチトロンビンⅢ減少などDICの発生を示す異常所見がみられ, 症状の改善とともに正常値に復した. これは不適合輸血に際してDICが出血傾向や急性腎不全の発生に重要な役割を果していることを示すものと考えられる. 同時に測定した補体系因子の変化を加味して, 不適合輸血による合併症の発生機序について考察を加えた.
  • 田岡 賢雄, 三浦 良史, 尾関 恒雄, 阿南 郷一郎, 山田 伸次, 森田 翼
    原稿種別: 症例報告
    1980 年2 巻4 号 p. 549-554
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    われわれは抗サイログロブリン抗体, 抗ミクロゾーム抗体などの自己抗体が高値を示し, 肝に慢性活動性肝炎, 甲状腺に慢性甲状腺炎に一致する組織像を認めた深瀬らのいわゆる「肝・甲状腺炎症候群」と思われる一例を経験したので報告する. 症例は70才の女性で約8年前に始めて肝障害を指摘され昭和54年1月微熱と全身倦怠感を主訴として入院, 肝機能の異常を認め腹腔鏡により慢性活動性肝炎(前硬変), 肝生検により小葉改築傾向のある慢性活動性肝炎と診断. ほかに甲状腺腫は認められなかったが, 抗サイログロブリン抗体(サイロイドテスト)が1600倍と陽性であり, 抗ミクロゾーム抗体が6400倍(+), 抗DNA抗体80倍(+), と高値を示したが他の自己抗体は検出されず, 血沈1時間値48mm, γ-グロブリン2.9g/dl, IgG3560mg/dlと上昇していた. 甲状腺の外科的生検により, 限局性にリンパ球の高度浸潤, 甲状腺濾胞の縮小化, 濾胞上皮の肥厚を認め慢性甲状腺炎の初期像と診断した. 深瀬・伊藤(1971)は, 230例の慢性甲状腺炎のうち本症候群に属するものは12例であったとしてこれをまとめ報告しているが, かように本症は比較的稀なものと思われる.
  • 太田 幹夫
    原稿種別: 総説
    1980 年2 巻4 号 p. 555-562
    発行日: 1980/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヒステリーと転換症状に関する近年の知見を展望する. ヒステリーの診断には非常に混乱がある. またこの言葉の誤用や乱用によって誤診や時には誤った処置をきたすこともある. 追跡研究によると, ヒステリーと診断された患者の約60%に原因となる器質疾患の徴候を認める. 故にヒステリーは, 単一疾患でなく様々な器質疾患を含む不均質な群と考えられる. 今年改訂されたDSM-Ⅲ(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 3rd ed.)によると, 「ヒステリー」や「ヒステリー性」という言葉は見られず, 主にsomatization disorders, conversion disorders, psychogenic pain disorders, dissociative disordersという病名に分割されている.
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