Journal of UOEH
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2 巻, 3 号
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  • 秋山 高, 古賀 実, 篠原 亮太, 貴戸 東, 衛藤 修一
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 285-300
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    GC-MS-COMシステムにより環境水中(水道水, 河川水, 下水, 下水処理水, 雨水, 海水とその底質)に存在する微量有機物の検索を行った. 有機物の抽出法として水試料についてはXAD樹脂を用いた吸着法, 底質試料についてはベンゼンを溶媒とした連続抽出法を用い, シリカゲルカラムにより分画後マススペクトルを測定した. その結果, 飲料水の臭気物質, 塩素処理過程で生成したと考えられる塩素化合物,臭素化合物, また産業活動,人の生活活動に起因する化合物など, 約200種の有機化合物が検出された. 本報では, 環境水中に存在する微量有機化合物とその濃度レベルを求め, 微量有機物の起源, 環境中での挙動, さらに水利用に与える影響などについて考察した.
  • 福長 将仁, 森田 全, 三渕 一二
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 301-307
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    発癌化合物4-nitroquinoline 1-oxideによって誘発された呼吸欠損変異酵母のミトコンドリアDNAの変化について検討した. 変異株のミトコンドリアDNAの浮遊密度および融解温度はともに正常酵母の場合より低下しており, 融解曲線も単純であり, 再生率(renaturation rate)は正常酵母のそれに対してかなり高い値を示した. 化学分析による塩基組成の測定では, 変異株ミトコンドリアDNAのGC含景が4NQOの作用時間と相関して低下し, 最も低いものは正常酵母の約1/4であった.
  • 北條 暉幸
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 309-313
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本論文は現代中西部九州人の頭蓋を対象にして, 大後頭孔周辺の後頭顆前結節と前縁正中突起について, その形状と出現頻度を最初に研究したものである. 男性では, 太平洋諸島の住民, アメリカ白人および同黒人に比べて, 後頭顆前結節はより小さいが, その出現頻度は大きい傾向がある. 前縁正中突起は著者によって初めて調査された. この突起は成人期に加令とともに骨化することによって起るものとみられる. 女性では, 結論を得るには例数が少なかった.
  • 中野 正博, 牧 孝
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 315-321
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    散乱の一般的取り扱いが概説され, 箱型のポテンシャルによるS波の弾性散乱, および一つの非弾性チャンネルを持った2チャンネルの結合方程式(coupled channel equation)が解かれる. これらの解の二つの特別な場合の近似式が導かれる. これらの弱結合と強結合の場合の近似解から, 非弾性チャンネルへの励起の仕方が, 入射エネルギーや, エネルギーレベル間隔に, どのように依存しているかが示される.
  • 塩見 幸雄, 東中川 徹, 西駕 秀俊, 三田 隆
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 323-330
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    二核性のParameciumから大小核分画を純粋に得るため, Nuclepore membraneによるfiltrationとMetrizamideによるisopycnic banding centrifugationを組み合せて大量培養処理を可能にする方法を開発した. 大核, 小核のMetrizamide中での密度は異なり, それぞれ ρ =1.2411-1.2516g/cm3, ρ =1.2089g/cm3であった. 単離された大核はRNA合成活性を保持しており, Metrizamideを用いたことによる影響はみられなかった.
  • 野田 浩司, 峯木 正夫, 西川 理, 浜名 政和
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 331-337
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    共通した電子的寄与が期待されるキナルジンあるいはレピジンの4種の誘導体, すなわち遊離塩基の過塩素酸塩, N-オキサイド, N-オキサイドの過塩素酸塩, およびN-オキサイドの四級塩(N-ethoxy体)を用い, 過硫酸アンモニウム存在下ジオキサンによる, homolytic α-oxyalkylationを検討した. その結果をまとめると次のとおりである:1)いずれの場合もhomolytic oxyalkylationが生起し, キノリン核の2あるいは4位にジオキサンが導入される. 2)遊離塩基の過塩素酸塩およびN-オキサイドの四級塩(N-ethoxy体)とも高収率で反応するが, 後者の方が好結果を与えた. 3)N-オキサイドも低収率ながら反応し, N-オキサイド基を保持した生成物を与える. 以上の事実より, N-アルコキシあるいはN-オキソ-1,2-ジヒドロキノリンラジカル中間体を含む反応コースを推定した. また, homolytic hydroxymethylationに関しては遊離塩基の過塩素酸塩はN-ethoxy体よりもやや反応性がまさっているが, 両者とも定量的にhydroxymethyl体を生成した.
  • 鈴木 勝己, 伊地知 正光, 近藤 稔, 高橋 定雄, 屋宣 公
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 339-345
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本計測機製電子式自動平衡記録計(EH 300-12)を用い, 全手指末節掌側に径8mmの入力端子を貼布し, 24-28℃室内に30分安静にし, 手指皮温が, 平行状態になったら氷水中に, 患側手関節迄浸漬し, 30分経過後に,ひき上げ, そっと水分をとって皮温の回復を待つ. このときのカーブパターンを臨床所見・電気生御学的所見と対比し, 吟味した. 大きく, 2つのパターンにわけられた.
    A. 知覚神経軸索健在群 : C5完全脊損(1例), 腕神経叢ひき抜き損傷(7例), 尺骨神経遅発麻痺(11例), 手根管症候群(6例), ポリオ(2例)等, この群にわけられた.
    B. 知覚神経軸索変性群 : 腕神経叢損傷(6例), 尺骨神経断裂(6例), 正中神経断裂(5例), 正中, 尺骨神経断裂(3例)がこれに属した. 神経縫合により, このパターンも正常型Aに同復する.
    Lewis法やPorter法と, 私共の方法は, 多少異なるが, 知覚神経が変性してしまうと消失してしまうaxon reflexの一つと考えられる.
    誰にでも容易に出来, 診断上, 予後判定上, 有益な補助手法と考えられる.
  • -とくに赤血球内ALA-S, ALA-D, FEP, ZPとALA-U, CP-Uについて-
    田岡 賢雄, 狩野 徹也, 山田 伸次
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 347-360
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    肝疾患の多くの例にみられる貧血の機序を解明する目的で各種肝疾患症例を中心に赤血球内ヘム合成系の動きについて検討してみた. すなわち骨髄血ならびに末梢血中のδ-am-inolevulinic acid synthetase(ALA-S)活性, δ-aminolevulinic acid dehydratase(ALA-D)活性, free erythrocyte protoporphyrin IX(FEP)量, zinc protopor-phyrin IX(ZP)量ならびに尿中δ-aminolevulinic acid(ALA-U)量, 尿中coproporphyrin(CP-U, copro-U)量についてしらべたところ, ALA-S活性は肝硬変症・慢性肝炎・鉄欠乏性貧血・鉛作業従事者で活性上昇を示し, ALA-D活性は鉄欠乏性貧血では上昇したが肝疾患では有意の変動を示さず, ALA-U量は鉛作業者では増加したが肝疾患では有意な変動はみられず, CP-U量も肝疾患では増加傾向を認めたが有意ではなかった. FEP量は肝硬変症・慢性肝炎・原発性ならびに転移性肝癌で増加した. ZP量はFEP量にほぼ比例して変動を示した. 一方, これらヘム合成系の諸因子の肝疾患における変動は血清トランスアミナーゼ活性をはじめとする各種肝機能検査との間に有意の相関を示さず, また貧血の程度とも並行しないことよりその解釈が難しいが, 慢性肝炎・肝硬変・肝癌においてこの順序でALA-S活性, FEP-ZP量が増加していることはこれらの疾患においてヘム合成系の最終ステップであるプロトポルフィリンに二価の鉄イオンがキレートされてヘムが合成される過程の障害を強く示唆するものである.
  • 山岸 稔, 小島 邦彦, 大山 宣秀
    原稿種別: 原著
    1980 年2 巻3 号 p. 361-367
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    フェニールケトン尿症の乳児の食事療法を行うには, 市販の低フェニールアラニンミルク(ロフェミルク, 雪印)を用いるのが便利で, これにより高フェニールアラニン血症は速やかに消退する. しかし補充的アミノ-酸としてグリシン含有量が普通の育児用ミルクの10倍, 母乳の16倍, 牛乳の7倍, またアラニンは育児用ミルクの8倍, 母乳の14倍, 牛乳の5倍もあり, われわれの2乳児例は, 一過性に高グリシン血症・高アラニン高ピルビン酸血症に該当する所見を示した. 一方, 文献的には胃の内分泌・外分泌を促す適当刺激アミノ酸として, グリシン・アラニンなどが挙げられている. われわれの2例の血清ガストリン値は, 過剰なグリシン・アラニン摂取による一定の影響は受けず, むしろ自身の血中セロトニン値へ影響を及ぼした. 殊に重症時の低セロトニン血症は, しばしば比較的高いガストリン値に伴ってみられており, かかる所見からは, セロトニンの臨床的意義が, そのオリジン・分布部位によって多岐に亘るとはいえ血流中のものを問題とする場合には, 消化管ホルモンの一つとして強調されることが, 示唆された.
  • -経禍を観察した2症例の報告-
    中山 卓, 中田 肇, 仲山 親, 藤井 道英, 迫 良治
    原稿種別: 症例報告
    1980 年2 巻3 号 p. 369-373
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Computed Tomography (CT) が, 肝の脂肪沈着の診断に, 非常に有効であった2症例を経験した. 1例は46才の女性にみられたアルコール性肝硬変に合併したもの, 他の1例は70才の女性で抗生物質による薬剤性肝炎によるものと考えられた. それぞれ臨床検査成績からはその指摘は困難であったが, CT検査により, 肝実質のdensityの全般的な減少から肝の脂肪沈着の合併を診断できた症例である. いずれも治療により臨床症状の改善とともに, CT像でも脂肪沈着の減少が証明された. CT検査は, 脂肪の特異なX線吸収係数のために, 肝の脂肪沈着の診断並びに治療効果の判定に安全で有用な検査法である.
  • 石倉 義弥, 吉松 博, 村上 勝, 川原 英之, 永田 真人
    原稿種別: 総説
    1980 年2 巻3 号 p. 375-382
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    狭心痛を伴う冠動脈疾患に対する大動脈-冠動脈バイパス術は, その劇的効果から, 今日広く行われるようになってきた. しかしながら, 心筋梗塞症に対しての外科治療は末だ問題が多い. 急性心筋梗塞症に対しては, 梗塞を防ぐためには発症から手術までの時間的制限があるため, 早期診断, 早期治療の体制作りと, 心筋可逆性の許容時間延長の工夫が必要である. また, 心筋梗塞合併症としての, 不整脈, 心原性ショック, 心室中隔穿孔, 心破裂, 僧帽弁逆流などに対して, 発症から手術までの期間が手術成績を左右しているが, これは血行動態のIABPなどの応用による安定化と, 心筋脆弱に対する手術手技の工夫が必要である. 亜急性期, 慢性期の心筋梗塞症及び心室瘤に対しても, 心機能の改善, 術後運動能の増加が得られ, 積極的に外科治療を行うべきと考えている. これら症例の治療成績の現況と問題点につき, 文献的考察及び著者らの経験例から検討を加えた.
  • 中村 弘
    原稿種別: 総説
    1980 年2 巻3 号 p. 383-392
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    免疫応答は脊椎動物のもつ高度に体系化された恒常性維持のための生理機能であり, その多様な応答性は, 動物種族の系統発生と密接に関連している. 現在, こうした免疫応答の仕組みは, 個体の遺伝的性質によって厳しく制御されたリンパ系細胞群の主要な機能として理解されている. 莫大な種類におよぶ抗原のそれぞれに対する免疫反応の特異性は, リンパ系細胞上に存在する細胞自身の遺伝子産物であるリセプター抗体の活性基との反応によって生ずるものであり, この活性構造であるV-部位は, イデオタイプと呼ばれている一群の抗原決定基をもっている. こうした分野における最近の研究を理解する基礎として, 免疫応答の特異性決定のための, また自己制御のための因子である免疫グロブリン分子の主な性状についてまとめた.
  • 土屋 武彦
    原稿種別: 総説
    1980 年2 巻3 号 p. 393-400
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    医療における利用はいうにおよばず, 原子力産業, 非破壊検査, ポリエチレンなどの合成化学工業など放射線の利用は極めて多岐にわたっており, 現代社会においては放射線のない世界を考えることはできない. 一方, 放対線障害もその利用の初期においてはみられ, 放射線は利益と損失をもつ両刃の剣としてよくたとえられている. ここでは, 障害の歴史を簡単に述べると共に, いかにして放射線防護が考えられ対応されてきたかを国際放射線防護委員会の勧告を主体として紹介した.
  • 岡崎 勲, 丸山 勝也
    原稿種別: レクチャー
    1980 年2 巻3 号 p. 401-424
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    実験的肝線維症においては, それを惹起させる原因が取り除かれた時, 一旦形成された膠原線維も崩壊消失することが知られている. 著者らは慢性四塩化炭素投与によりラットに実験的肝線維症ないし肝硬変を作製した後, 四塩化炭素投与を中止し放置したところ, 僅か数日間で著るしい膠原線維の消失を観察した. この機序に動物性コラゲナーゼが関与することを世界で初めて証明した. 肝ホモジネートで本酵素活性を測定する方法を開発し, 慢性エタノール投与ラット肝で本酵素活性の上昇を測定し得た. 肝線維化過程における本酵素活性上昇の意義を検討し, 線維吸収過程においてライソゾ-ム, 酵素が本酵素の活性化の面で重要な役割を果すことを述べた.
  • ―Conference on the Role of Metals in Carcinogenesis, 1980, Atlanta, に参加して―
    児玉 泰
    原稿種別: 報告
    1980 年2 巻3 号 p. 425-429
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • ラルフ・ウィリアムズ
    原稿種別: 人間学
    1980 年2 巻3 号 p. 431-437
    発行日: 1980/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    自己とは何か? 人生の目的とは何か?人間の成長過程は変化に富むものであるから, こうした問いに対する解答は, 人が自己をよりよく発見してゆくにつれて変化してゆくものである.
    従って, 上記の問いに対して, 一定の解答を与えるという事は, 本稿の意図するところではない. しかしながら, 自分の研究を通して, 私はこれらの問いに対する解答を捜し求めながら, 感情の重要性を発見するに至った. そこで, この重要性を説明する為に, 私は自分の詩想をまとめ, 記述方法も一般の論文に見られるような学術的形式的スタイルではなく, 個人的な自己表現的スタイルを用いることにした.
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