Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
21 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 蜂須賀 研二, 梅津 祐一, 緒方 甫, 大峯 三郎, 新小田 幸一, 有薗 秀昭
    原稿種別: 原著
    1999 年 21 巻 2 号 p. 107-118
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    坐骨収納型(IRC)大腿義足が四辺形(QL)大腿義足よりも優れているか否かを明らかにする目的で, IRC義足使用者6名, QL義足使用者6名を対象にして, 義足の主観的評価, CTを用いた大腿骨の位置, X線写真による大腿骨内転角, 立脚中期の床反力側方成分, physiological cost index(PCI)を用いたエネルギー効率の測定を行った.IRC義足は有意に主観的装着感に優れ, 背臥位と立位では断端は内転位に保たれていた(Mann-Whitney test, P<0.05), 実際の歩行では, 立脚中期の側方成分は減少する傾向にあったが有意差はなく, また, PCIは両群間で有意差はなかった(Mann-Whitney test, P>0.05).重回帰分析によれば, PCIを予測する有意な因子はソケットのタイプではなく, 断端長と立脚中期成分の2因子であった.従って, IRC義足は装着感に優れ, 断端を内転位に保つが, 最適歩行速度のもとではエネルギー効率が優れているわけではなかった.
  • ―硬化療法との比較―
    村田 育夫, 芳川 一郎, 久米 恵一郎, 大槻 眞
    原稿種別: 原著
    1999 年 21 巻 2 号 p. 119-131
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本人患者の食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結紮術(対象101名)とpolidocanolの傍静脈瘤注入による硬化療法(対象40名)の有効性と安全性を比較検討した.止血率は両群で100%であり, 再出血は硬化療法で40.0%、結紮療法で29.6%であった.静脈瘤の根絶は両群とも同様に約90%の患者で得られた.しかし, 結紮療法では硬化療法より迅速に根絶が成し遂げられた(平均;2.1:3.7, P<0.01).再出血や壁内血腫などの合併症は結紮療法で少なかった.これらの結果は結紮療法の方が有用性が幾分高いことを示している.結紮療法の欠点は硬化療法より再発が早いことであるが, 統計的には有意差はなかった.
  • 吉岡 真, 加藤 貴彦, 中野 正博, 高澤 信, 永田 直幹, 伊藤 英明
    原稿種別: 原著
    1999 年 21 巻 2 号 p. 133-147
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    結腸直腸癌について, 発癌リスクと遺伝子変異, および喫煙の関係を調べるために症例対照研究を行った.結腸直腸癌患者106名, 癌病歴のない対照群100名から採取した血液検体に対し, 5種の遺伝子(GSTM1, GSTT1, GSTP1, NAT1, NAT2)について, PCR法による遺伝子型の同定を行い, アンケート調査により各被験者の喫煙量について調べた.各遺伝子について個別に遺伝子型と癌の発症との関連性の検定を行ったが, 遺伝子型の違いと発癌リスクの間に有意な関連は見出せなかった.次に, 異なる2つの遺伝子間で遺伝子型の組み合わせを考慮して関連性を調べたところ, GSTM1 present型とGSTP1 Adenine/Adenine型(313番目ヌクレオチド)の両者を持つ者がそれ以外の組み合わせの遺伝子型を持つ者に比べ有意に結腸直腸癌の発症率が低くなることが示された.喫煙量と癌発生との関連については両者の間には有意な関連は見られなかった.遺伝子型と喫煙量と癌発生の間の関連についても同様に有意な関連はなかった.本研究の結果は, 遺伝子型と癌発症の関連を調べる時, 同時に複数の遺伝子を考慮することの有用性を示すものとなった.今後, 統計学的信頼性を上げるために標本数を増やすと共に, 環境要因として喫煙以外の因子, 例えば食事の内容等を含めた調査が必要と考えられる.
  • 大西 晃生, 山本 辰紀, 菊池 幹
    原稿種別: 症例報告
    1999 年 21 巻 2 号 p. 149-156
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    発端者は22歳男.進行性の下肢脱力を主訴とした.神経学的所見, 末梢神経伝導検査, 腓腹神経の組織学的所見から遺伝性運動感覚性ニューロパチー(hereditary motor and sensory neuropathy, HMSN)type 1と診断された.末梢血白血球の分子遺伝学的検査によりPo蛋白の98番目のarginineのhistidineへの置換が認められ, HMSN type 1Bと診断された.発端者の母と2名の妹にも同様のアミノ酸置換が認められた.神経学的な障害の程度を定量的に評価したスコアは, 発端者において69と高値を示し, 発端者の母, 2人の妹ではそれぞれ24, 16, 20であった.発端者のみスコアが高値を示した原因は, 著明な下肢筋の脱力の存在と判断された.同一家族の同一世代の罹患者において遺伝子異常は同一であるが, 神経学的な障害の程度は罹患者によりHMSN type 1Bでも大きく異なると結論された.同一世代の罹患者間で神経学的な障害の程度の低い罹患者は臨床的に非罹患者と判断される可能性がある.
  • ―高齢者の適応能力との関連において―
    東 監
    原稿種別: 総説
    1999 年 21 巻 2 号 p. 157-169
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    加齢に伴う老化現象の一つとして, 外部環境の変化に適応する能力が低下することが挙げられる.実験室における研究でこれがどの程度に実証できているのか, あるいは老化とどのような因果関係にあるのかを概観することにした.ヒト, ラットおよびヒト正常培養細胞を用いた研究で, 熱ショックを含む種々のストレスに対して熱ショック蛋白質(HSP)およびそのmRNAの発現, あるいは, 転写因子(HSF)がHSP遺伝子のプロモーター領域に結合する活性などに関しては加齢と共に徐々に低下することが種々の系で示された.転写因子HSFは恒常的に存在するが, ストレスに応答して活性化する能力が年と共に衰えてくることも共通して見出された事実である.加齢と共に細胞内のレドックス状態が変化することや, 異常蛋白質の増加を細胞が(あるいはHSF)がどのように認知するのかに関してはまだ一定の見解が得られていない.ストレス応答で活性化するキナーゼJNKはアポトーシスへのシグナル伝達を促進するが過剰のHSPで抑制されるので発癌のリスクは助長される.老年期に達すると神経退行変性疾患が発症するメカニズムにおけるHSPの功罪についても言及した.
  • 峯 信一郎
    原稿種別: 報告
    1999 年 21 巻 2 号 p. 171-173
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 田中 迪則
    原稿種別: 報告
    1999 年 21 巻 2 号 p. 175-177
    発行日: 1999/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top