Journal of UOEH
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22 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 大西 晃生, 山本 辰紀, 池田 正人
    原稿種別: 原著
    2000 年22 巻2 号 p. 107-117
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    末梢性髄鞘蛋白22遺伝子が重複を示すCharcot-Marie-Tooth病1A(CMT 1A)の腓腹神経の有髄線維において, 軸索萎縮が生じるか髄鞘が厚くなるかについては意見が一致していない. それゆえ, 過去の文献では遺伝子診断が行われていない遺伝性運動感覚性ニューロパチー, タイプ1で検討された有髄線維の髄鞘層数と軸索横断面積の関連をCMT 1Aの腓腹神経の有髄線維で組織学的に再検討した. 電子顕微鏡学的所見の検討では軸索周囲長および軸索横断面積は対照群(9例)よりもCMT 1A群(8例)で小さかった. (P<0.01). しかし, 髄鞘層数には両群間で差が認められなかった. 軸索横断面積と髄鞘層数の回帰分析では, 髄鞘層数が40以上の有髄線維において, CMT 1A群の軸索横断面積が, 対照群の軸索横断面積より小さかった(P<0.05). 以上の結果より, 大径有髄線維では軸索横断面積がCMT 1A群で対照群より小さいと結論した. それゆえ, CMT 1AにおいてはSchwann細胞の軸索に対する作用に障害が存在するために軸索萎縮が生じると推定された.
  • 戸高 奈苗, 東 監, 晏 穎, 安部 哲哉, 山城 研三, 日合 弘
    原稿種別: 原著
    2000 年22 巻2 号 p. 119-132
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    化学発癌感受性に関連する遺伝子の連鎖解析などから予想される遺伝子群の検索を, 発癌耐性DRHラット, および感受性である呑竜ラットとF344ラットを用いて行っている. DRHラットでは前癌病変と考えられているグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST-P)陽性病巣の出現が抑制されているので, まずGST-P遺伝子のプロモーター領域に, polymorphismの存在の有無を調べたが, GPE-ⅠおよびGPE-Ⅱを含むエンハンサー領域の塩基配列は, まったく同一であり, 塩基の置換などは認められなかった. さらにサイレンサー領域に結合するNFA-1蛋白質のmRNAにも差異は認められなかった. 次に, GST-P陽性病巣が存在してもDRHラットでは、そのclonal expansionが抑えられていることから, 細胞増殖に関連したTGF-αとTGF-βの誘導を調べたが発癌感受性との相関性はなかった. 癌組織で高い発現を示すIGF-Ⅱも, 新生児ラットでは, DRH, 呑竜およびF344ラットで高発現が見られたが, 成熟するにつれて減少する時間的変化もこれらのラットで共通して見られた. AFPのみは, 感受性ラットでより高い遺伝子発現が3'-Me-DABの処理により観察された. ラットにおける発癌感受性に関与する候補遺伝子の検索はさらに検討中である.
  • 山本 久夫, 法村 俊之, 片瀬 彬
    原稿種別: 原著
    2000 年22 巻2 号 p. 133-146
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    テレビジョンのCRT(cathode ray tube)前面ガラス中に含まれている238U, 232Thおよび40Kの濃度を, γ線スペクトロメトリにより測定した. 238Uおよび232Thについては中性子放射化分析法によっても定量した. これら2つの異なった方法によって定量された濃度は, 測定誤差の範囲内で一致した. この結果から, 本研究で使用した試料についてはウランおよびトリウム系列で放射平衡が成立していることが示され, ガラス中の238Uおよび232Thの濃度の測定は, 放射化分析と同様にγ線スペクトロメトリでも可能であることがわかった. また, 定量された238U(重量濃度6.5-13.5ppm)および232Th(8.4-15.1ppm)は, 3種類のCRTガラスによってかなり異なっているが, 40Kについては(平均7.45±0.05ppm)いずれのガラスに対しても濃度差はほとんどなかった. さらに, CRT前面における放射線量率を算定した結果, 238Uおよび232Thの濃度が最も高いガラスの場合でもCRT表面から30cm以上離れれば, その線量率(5.65×10-3μSv / h)は自然放射線量率(7×10-2μSv / h)の1 / 10以下となり, 無視できるものと考えられる.
  • 山崎 文夫, 門司 幸一, 曽我部 靖博, 曽根 涼子
    原稿種別: 原著
    2000 年22 巻2 号 p. 147-158
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    急性起立ストレス中, 心拍出量(CO)と総末梢血管抵抗(TPR)の神経性調節は動脈血圧を維持するために重要な役割を果たす. 起立ストレスに対するCOとTPRの応答に及ぼす温熱負荷の影響を検討するために, 10名の健康な男性が正常体温状態の後に温水あるいは冷水環流スーツを用いた全身性温熱ストレスに曝露され, 各温熱条件下で70°の傾斜のhead-up tilt(HUT)を5分間行った. 平均血圧(MAP)はHUTによって正常体温および冷却中には3%上昇し, 一方加温中には4%低下した. COはいずれの温熱条件下でもHUTによって16-17%減少した. HUTに伴うTPRの増加は冷却中に促進し加温中に抑制された. HUTに伴う皮膚血流量の減少は冷却中よりも加温中に大きかった. これらの結果は, 高体温のヒトにおける起立性ストレス時の動脈血圧の低下がCOの変化よりもむしろTPRの増加の抑制に起因することを示唆している. HUT中のTPRの変化に対する皮膚血管収縮の貢献度は加温中に増大し, 冷却中に減少することが示唆された.
  • 野村 和代, 小川 みどり, 常 彬, 宮本 比呂志, 田辺 忠夫, 谷口 初美, 松本 哲朗
    原稿種別: 原著
    2000 年22 巻2 号 p. 159-165
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    近年, 気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid, BALF)の抗酸菌汚染のため診断・治療に混乱が生じている. 産業医科大学病院でも1998年より同様の問題が生じたため, 原因を究明し対策を講じた. 当院の気管支鏡および内視鏡自動洗浄機よりサンプリングを行い, 鏡検法(Ziehl-Neelsen染色, 蛍光染色)と培養法(小川培地, Middlebrook7H9液体培地)により抗酸菌の汚染状況を調査した. その結果, 洗浄機のシンク, 水タンク, 排水で抗酸菌の汚染が顕著であり, 洗浄機内消毒液中よりも抗酸菌が分離・培養された. 洗浄機への供給水からは抗酸菌は検出されなかったが, 気管支鏡の生検孔より抗酸菌が検出された(塗抹陽性, 培養陰性). 分離された菌(28株)は, 集落の性状, 生化学的性状, 抗酸菌に特異的なプライマーを使用したPCR法, および16S rRNA遺伝子の塩基配列より, すべてMycobacterium chelonaeと同定された. 5株を選び消毒薬感受性試験を行ったところ, 1株が2%グルタールアルデヒドに抵抗性を示す耐性菌であった. しかし, この株は70%エタノールには感受性を示した. 対策として, 業者により洗浄機全体の3.5%グルタールアルデヒド消毒洗浄を行い, また業務終了後にシンクを毎日70%エタノールで消毒することにより, 内視鏡自動洗浄機の除菌に成功した. BALFの抗酸菌汚染も改善され診断・治療上の混乱も見られなくなった.
  • 山元 修, 安田 浩, 伊豆 邦夫, 西尾 大介, 旭 正一
    原稿種別: 原著
    2000 年22 巻2 号 p. 167-175
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1979年7月から2000年2月末まで当教室で経験したフッ化水素酸化学熱傷は9例で, すべて職業性曝露によるものであった. すべて男性で, 年令は20-53歳(中央値35歳, 平均36.8歳), 曝露時従事していた作業の内訳は, 洗浄作業6例, フッ化水素パイプラインの機器交換2例, 不明1例であった. 受傷部位は手・指がほとんどであった. 手・指受傷者の作業中の手の保護が十分でなかったものは5名であった. 受診時の症状としては表皮剥離程度から白色壊死・潰瘍形成までさまざまであった. 過去の報告例も含め総合的に考慮して見ると, 曝露事故の発生要因としてはおおむね, 1)作業中の油断, 特にベテランに多い慣れに伴うフッ化水素酸の危険性の軽視, 2)フッ化水素についての無知・認識不足, 3)手袋の穴に気づかないままの作業, 4)不慮の事故, の4つに分けられた. フッ化水素酸による皮膚障害は重篤になることが多いため, 作業従事者(特に中堅), 特定化学物質等作業主任者, 治療に当たる可能性のある医師への, 皮膚科医・産業医によるフッ化水素酸化学熱傷についての, 再教育あるいは啓蒙活動が必要と思われる. また市販のフッ化水素酸剤を使う小規模事業所の事業主や作業者については地域産業保健センターなどの活用が望まれる.
  • 伊豆 邦夫, 山元 修, 末永 義則, 旭 正一
    原稿種別: 症例報告
    2000 年22 巻2 号 p. 177-181
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    36歳の男性. 化学工場勤務. 主訴は全身に生じたそう痒感を伴う皮疹. 職歴から, 化学薬品による接触皮膚炎が疑われた. 48時間パッチテストで, 塩酸ヒドロキシルアミンが陽性を示した. 本薬品への曝露防止および抗アレルギー剤内服とステロイド剤外用で皮疹は消退した. 塩酸ヒドロキシルアミンによる接触皮膚炎の報告は, 海外で数例しかない. 病理組織学的には表皮と毛包ろう斗部に海綿状態と水疱形成が認められ, アレルギー性機序の関与が示唆された.
  • 島内 隆寿, 力久 航, 安田 浩, 山元 修, 旭 正一
    原稿種別: 症例報告
    2000 年22 巻2 号 p. 183-187
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は79歳の男性. クレオソート油の卸販売業に約50年間従事している. 両手背から両前腕にかけて, 慢性タール(ピッチ)皮膚と呼ばれる多形皮膚萎縮状態があり, タール(ピッチ)角化症が点在していた. 左手関節部伸側に80×60×15mmの表面カリフラワー状紅色腫瘤を生じており, 病理組織学的に有棘細胞癌と診断した.
  • 大田 俊行
    原稿種別: 総説
    2000 年22 巻2 号 p. 189-200
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    フェリチンは鉄貯蔵蛋白であり, 血清フェリチンは生体内の鉄貯蔵量を反映することから鉄欠乏や鉄の過剰状態の把握に使われてきた. つまり, 鉄欠乏性貧血では血清フェリチンは減少し, 鉄過剰状態になると増加する. しかし, 貯蔵鉄の増加を反映しない高フェリチン血症が種々の炎症性疾患および悪性腫瘍に見出されている. これらの疾患において, 血清フェリチン増加のメカニズムが解析され, いくつかの炎症性サイトカインおよび一酸化窒素の関与が指摘されてきている. さらに, フェリチンサブユニットの解析やCon-A結合フェリチンの割合が疾患によって異なるといった分子学的研究が進んでいる. このような血清フェリチン高値の臨床的意義の解明がなされつつあるが, 高フェリチン血症は単なる結果をみているのではなく, 種々の反応を通して積極的に病態形成に関与する可能性があり, さらなる研究が必要である.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 報告
    2000 年22 巻2 号 p. 201-203
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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