Journal of UOEH
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23 巻, 2 号
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  • 井上 仁郎
    原稿種別: 原著
    2001 年23 巻2 号 p. 127-138
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヘッドホンによる方向感検査では, 音の刺激強度が定位に影響を及ぼすが, スピーカによる自由音場の音源定位に刺激強度がどのように影響するかあまり報告されていない. 本研究では、正常聴力者だけでなく, 聴力障害者の音源定位検査, 補聴器のフィッティング等の基礎データを得るために, 水平面および上半球正中面の音源定位に及ぼす刺激強度の影響を, 18-19歳の正常聴力成人10名で, 広帯域ノイズおよび正弦波を用いて検討した. その結果, 水平面と上半球正中面における, 刺激強度と音源定位の関係を示すことができた. 広帯域ノイズでは, 水平面と上半球正中面において, 40-70 dB SPL (sound pressure level) で平均正答率が最大だった. 音圧が減少すると平均正答率は減少し, 0-20 dB SPLで平均正答率が最小になった. この最小の範囲の強度では, 刺激音は聞こえているのに, 方向の判断がほとんどできない領域であることが分かった. また, 上半球正中面での純音刺激では刺激強度にかかわらず低い正答率であった.
  • 村上 昌宏, 相原 啓二, 南立 宏一郎, 渡辺 浩行, 古賀 和徳, 蒲地 正幸, 佐多 竹良, 重松 昭生
    原稿種別: 原著
    2001 年23 巻2 号 p. 139-146
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    当院に搬送された77例の院外心肺停止症例について, 原因疾患, 救急救命士の活動状況および予後について検討した. 患者の内訳は男性49例, 女性28例. 原因疾患は55人(71%)が病死と判断されたが, 疾患名が確定できたものは12人(15%)で, 残りの43人(56%)は詳細不明であった. 外因死は22人(29%)であった. 予後は, 自己心拍再開39%, ICU (intensive care unit)入院36%, 1ヵ月生存13%, 社会復帰2.6%(2例)であった. 目撃者, または現場に居合わせた人々による迅速な心肺蘇生術, すなわちbystander CPR (cardiopulmonary resuscitation)を施行されたのは10例で, その群の心拍再開率(50%)は非施行群(37%)を上回っていた. 社会復帰例は2例ともbystander CPRが行われていた. 救急救命士による特定行為については施行群と非施行群の間で, 心拍再開率に有意な差は認めなかった. 蘇生率の改善には, bystander CPRが重要であることが示唆された.
  • 上田 陽一
    原稿種別: 総説
    2001 年23 巻2 号 p. 147-159
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    オレキシン/ヒポクレチンは1998年に発見された新規の神経ペプチドである. 発見当初は摂食中枢である視床下部外側野とその周辺にオレキシン産生ニューロンが限局していること, ラットやマウスの脳室内にオレキシンを投与すると摂食を誘起することから摂食関連ペプチドとして注目された. その後, 遺伝的にナルコレプシー症状を呈する犬でオレキシン受容体遺伝子の異常が発見され, オレキシン遺伝子欠損マウスでナルコレプシー様発作が起こり, さらにはナルコレプシー患者の髄液中オレキシンの著明な減少が証明されるに至った. 摂食と睡眠, 一見かけ離れた生理現象のようであるが, 生物の生存にとって必要不可欠な生理作用であり, 共通の生理活性物質でコントロールされていることは大変興味深い. オレキシンの発見を契機として, 摂食障害や睡眠障害の分子レベルでの病態解明および治療薬の開発に大きな足がかりとなることが期待される.
  • 伊豆 邦夫, 山元 修, 末永 義則
    原稿種別: 症例報告
    2001 年23 巻2 号 p. 161-167
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ヘルペス性瘭疽は単純ヘルペスウイルス感染症の一つであるが, 職業性疾患としても知られている. 本邦では本疾患の症例報告は少ない. 我々は最近, 医療従事者に生じたヘルペス性瘭疽を3症例経験した. それぞれ右4指, 左母指と左示指に疼痛を伴う小水疱を生じていた. いずれも患者の口腔内ケアを行った際に感染したと思われた. 我々は3症例を通して産業医学的観点から, 医療従事者における院内感染防止のために以下3つの改善点をあげた:1)医療従事者に対するヘルペス性感染症に対する再教育と啓蒙, 2)手指のスキンケア, 3)早期の診断と治療を院内感染防止のために行う.
  • 山元 修, 西尾 大介, 徳井 教孝
    原稿種別: 症例報告
    2001 年23 巻2 号 p. 169-180
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    セメントは土木・建築工業分野で広く用いられているが, 水に溶けると強いアルカリ性を示す, 感作性の強いクロムが微量含まれているという性質のため, セメントによる職業性皮膚障害は比較的多く発生しやすい. 本稿ではセメントによる接触皮膚炎4例とセメント熱傷2例を報告する. 患者の職業は左官業, トラック運転手, 土木建設作業員であった. セメント皮膚炎例は, 臨床的に手指に乾燥化, 亀裂, 角化性丘疹・紅斑あるいは急性浸出性湿疹像を呈していた. うち1例は顔面や躯幹, 四肢にも皮疹が認められた. いずれの例もパッチテストにて重クロム酸カリウムに陽性であった. セメント熱傷例はいずれも長靴の中に侵入したセメントに長時間接触後, 下腿あるいは足に難治性潰瘍を生じた. パッチテストにてクロムは陰性であった. コンクリート作業現場の視察にて, 現在の作業形態あるいは作業着では, 皮膚の防護が十分にできないことがわかった. 実状に合った易作業性と防護性を兼ね備えた作業着・手袋使用の推奨, あるいは防護形態の工夫が望まれる. セメントによる皮膚障害のほとんどは, 実際にセメントを扱う小規模事業場の労働者に発生していると思われる. このような労働者の皮膚障害に対する健康管理体制の確立のため, 小規模事業場における健康管理の取り組みを目指した地域産業保健センターの活用が強く望まれる.
  • 稲寺 秀邦
    原稿種別: 資料
    2001 年23 巻2 号 p. 181-190
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    健康からの偏りとしての疾病は, 病原菌, 有害物質などの病因, 物理的・化学的・生物的・社会的環境によるストレス侵襲とヒトにおける内部環境の恒常性維持機構のバランスの乱れの結果として生じる. 産業医学は, 人間をとりまく自然, 社会環境因子と健康の関連を探究し, 疾病の予防・早期発見および健康の維持増進を図る社会医学分野であり, 環境問題と無縁ではない. 21世紀は「環境の世紀」といわれるほど, 環境問題は人類の生存に最も直接的かつ切実な問題となりつつあり, 大学においても環境問題に対する教育・研究のあり方を再検討すべき時期といえる. 大学内で生じる一般ゴミ, 実験室より生じる有害廃棄物に対する管理はもとより, 学生・職員に対する環境安全教育, さらに現代の科学技術の進歩をホットな環境問題に活かしていく研究努力も必要である. 本稿では, 東京大学環境安全研究センターの概要およびこれらに対する取り組みについて紹介する.
  • 石原 逸子, 沼本 教子
    原稿種別: 資料
    2001 年23 巻2 号 p. 191-201
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    環境の違いが痴呆性老人の知的・情意的機能に影響を及ぼすかどうかを明らかにする目的で, グループホーム型と従来型の施設に入居中の痴呆性老人の衣食住ならびにレクレーション活動について参加観察とビデオ録画により調査を行った. データは, 総合的な知的機能を測定するために作成した独自の観察尺度(表情の変化, 参加度, 自主性, 社会性)により点数化し, 住環境や介護者ならびに看護者のケアの内容を含め比較・検討した. その結果, 環境の違いが居住者の行事への参加度や自主性および情動反応の違いとして観察されなかった. しかし社会性については, グループホーム居住者に見知らぬ人への興味や反応の良さを認めた.
  • 山勢 善江, 延近 久子, 石松 直子
    原稿種別: 資料
    2001 年23 巻2 号 p. 203-215
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    看護基礎教育にかかわる看護教員を対象に, 産業看護に関する教育の現状を明らかにし, 今後の課題を検討する目的で調査を行った. その結果, 教育の現状と今後の必要性についての認識に格差があった. 産業看護に関する教育は必要であるが, 現行カリキュラムでは, 教育内容の精選や時間配分上の問題があり, 十分に行われていなかった. 今後は, 授業科目「地域看護学」の中で, 対象の理解, 健康上の問題, 健康管理の方法, 産業看護の定義, 具体的な支援方法などについて, 2-10時間教授するのが望ましいと認識していることが明らかになった. 産業看護に関する教育は, 卒後教育の中で専門性が深められていることから, 看護基礎教育との連携のあり方が今後の課題である.
  • 太幡 敬洋
    原稿種別: 報告
    2001 年23 巻2 号 p. 217-220
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
  • 産業医科大学
    原稿種別: 報告
    2001 年23 巻2 号 p. 221-224
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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