Journal of UOEH
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24 巻 , 2 号
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  • 平川 晴久, 林田 嘉朗
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 117-129
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    低酸素によって引き起こされる自律神経系と循環系の反応、および暴露直後にみられる心拍の反跳現象について解析を行った.
    血圧測定用カテーテル, 心電図そして腎交感神経活動記録用電極を慢性に植え込んだWistar ratを用い, hypocapnic (Hypo), isocapnic (Iso), hypercapnic (Hyper) hypoxiaの暴露を行った. Isoでは, 血圧及び心拍数は変化しなかったが, Hypoでは, 血圧は低下し心拍数は増加, Hyperでは, 血圧は上昇し心拍数は低下した. 腎交感神経活動はいずれにおいても増加した. IsoとHyperの終了直後, 心拍数は一過性に増加した. この心拍反応は, 腎交感神経活動の反応とは相関しなかった. このことより, この心拍の反跳現象は, 交感神経よりもむしろ副交感神経系のメカニズムによるものと考えられた.
    低酸素時の循環反応は動物により異なると考えられているが, 類似した条件において行われた実験においては種差に関わらず, その結果は, ほぼ一致するものであった.
  • 譚 正国, 永田 頒史
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 131-149
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ストレスが中枢神経系, 内分泌系, 免疫系及び消化管のような末梢器官に影響を及ぼすことはよく知られている. しかし, ストレスが長時間続いた時のこれらの系や器官に生じる急性ストレス反応後の適応あるいは回復のプロセスについては, 充分検討されていない. これらの系や器官の急性ストレス反応後の適応・回復過程を明らかにするために, 長時間拘束ストレス中のこれらの反応を経時的に調べた. その結果, ①PVNのc-fos mRNA発現は30分後にピークに達した. その2時間後には前値(ベースライン値)に戻り, c-fos蛋白は4時間後にピークに達した後, 16時間後には前値に戻った. ②ACTHは1時間後にピークに達した後, 8時間後に前値に戻った. コルチコステロンは1時間後にピークに達した後漸減したが, 4, 8, 16時間後でもなお高値を示した. ③血中白血球, リンパ球, helperT細胞, cytotoxic/suppressor T細胞計数は2時間後に最低値に達した後, 漸増した. ④胃潰瘍の発生率は8時間後に1/6匹, 16時間後に6/6匹であった. これらの結果から, 長時間拘束時のストレス反応のピークや適応現象には器官によって差がみられることが示唆された.
  • 保利 一, 百道 敏久, 大和 浩, 石松 維世, 大藪 貴子, 田中 勇武
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 151-160
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    Wistar系雄ラットに臭化メチルガスを1回または反復吸入曝露し, 臭化メチルの代謝系への影響について検討した. 曝露条件は, 1回曝露では2000 ppm, 1時間, 反復曝露では300 ppm, 1日6時間, 週3日, 4または8週間とした. 曝露終了後, 心臓から最大60日にわたり血液を採取し, ヘッドスペース-ガスクロマトグラフ質量分析法により血清中の臭素イオンの経時変化を調べた. 1回曝露では, 臭素イオンは曝露終了後1日以内に急激に減少し, その後の減少速度は遅くなった. 一方, 反復曝露では, 臭素イオンは, 曝露終了直後からほぼ指数関数的に減少した. 実験結果から, 2コンパートメントモデルを用い臭素イオンのクリアランスについて検討した. 血中臭素イオンの生物学的半減期は1回曝露では9.1日, 反復曝露では5.4日であった. また, 反復曝露後に肝ミクロソーム中のチトクロムP450(CYP)量を測定したところ, 対照群との間に有意差はなかったが, 1回曝露後では肝CYP量は有意に低下した. これらの結果から, 高濃度急性曝露では臭化メチルの代謝速度は遅延することが考えられた.
  • 山崎 琢士
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 161-176
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍は慢性再発性疾患であり, 十二指腸潰瘍ではH2ブロッカー維持療法で年間約30%に再発が生じる. 本研究では, 再発を著明に抑制するHelicobacter pylori(HP)除菌治療がもたらす費用対効果を, H2ブロッカー維持療法とで比較検討した. 企業内診療所を受診した99人のHP陽性患者のうち, 希望した49人の患者に除菌を行い, 残り50人にranitidineの維持療法を一年間行った. 除菌率は86%であった. 一年間の潰瘍再発は維持療法群で24%, 除菌群では6. 1%と除菌で明らかに再発が抑制された. 種々の直接・間接コストを用いた総費用は除菌102,664円, 維持療法150,356円と除菌が維持療法を下回った. さらに, 医学判断分析と除菌率などを変数とした感度分析においても, 総費用は常に除菌が維持療法を下回った.
    したがって産業現場におけるHP除菌治療は, H2ブロッカー維持療法に比して低コストであり, 潰瘍再発抑制のみならずコスト削減の意味からも推奨される治療法と考えられた.
  • 大橋 浩
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 177-187
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    英語の動詞loseは二重目的語をとるが, 二重目的語構文が典型的には「間接目的語に直接目的語を受け取らせる, あるいは所有させる」という意味を焦点化させるのとは逆に, 「間接目的語に直接目的語を失わせる」という意味を表す. また, 二重目的語をとる多くの動詞は動作主項を語彙的に含んでいるのに対して, 使役化によって二重目的語構文を発達させたloseは, 基本的に主語と目的語をとる2項動詞であり, 二重目的語構文の主語に対応する項を含んでいないように見える. 本稿では, 二重目的語をとる中心的な動詞とは, このような点で異なる意味的性質をもつloseがなぜ二重目的語構文で生起可能であるのかを, Goldberg(1995)の提案する構文文法的分析の枠組みで考察し, その有効性と問題点を論じた. また, loseを含めた「周辺的」な動詞が生起する二重目的語構文の意味を, 構文の全体像の中で的確に位置づけることができるという点で中村(2001)のモデルが有効であることにもふれた.
  • 山崎 政治, 宗 知子, 水上 真紀子, 鬼塚 貴光, 山下 智弘, 竹之山 光広, 小山 倫浩, 矢野 公一, 大崎 敏弘, 杉尾 賢二, ...
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 189-195
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1986年9月から2000年9月までに, 当科で施行された大腸癌の肺転移巣に対する肺切除30症例40手術について, その手術成績を解析し, 外科治療の意義について検討した. 全体の術後累積5年生存率は56%であった. 予後因子別(術後無再発期間, 転移個数, 最大腫瘍径など)に予後を比較検討したが, 有意差はなかった. 肺転移巣切除後に再発した3例に対しても再切除(1回2例, 2回1例)を行い, 生存中(23, 58, 62ヶ月)である. 転移性肺腫瘍に対する手術適応は次第に拡大されているが, 耐術能が許せば, 多発症例に対する両側手術や肺切除後再発症例に対する複数回手術等の積極的な外科治療により良好な予後が期待できる.
  • 田口 要人, 堀江 正知, 筒井 隆夫, 伊規須 英輝
    原稿種別: 原著
    2002 年 24 巻 2 号 p. 197-210
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    某医科大学の協力会社における労働安全衛生上の危険有害要因を系統的に把握し, その労働者に曝露するリスクと効果的な制御方法を検討した. 当該医科大学構内協力事業場のすべてを14種類の担当する事業に分類し, 管理者への面接調査, 現地調査, 全労働者への質問紙調査(回答率95.9%)を実施した. 協力事業場のすべてが, 労働者数は50人未満の小規模事業場であった. 医療廃棄物との偶発的な接触の防止, 給食業・洗濯業・ビル管理業の暑熱対策, 医療現場に近接する職場の換気, 警備保安業・ビル清掃業労働者の身体的疲労回復対策等が課題であった. 産業医の選任や健康診断の実施は, 我が国の平均的な小規模事業場と比べて高率であった. 労働者の約8割が医療施設で働いていることを意識していた. 安全衛生管理の効率的な改善には, 医科大学の専門職の活用, 協力事業場同士の共同事業の推進, 医科大学の事業や安全衛生活動との連携と調整ができる体制や機能の強化が有用と推測された.
  • 森本 泰夫, 矢寺 和博
    原稿種別: 総説
    2002 年 24 巻 2 号 p. 211-218
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    細気管支を中心に局在するクララ細胞とその特異的産生蛋白であるクララ細胞分泌蛋白(Clara cell secretory protein: CCSP)について, 肺のリモデリングにおける役割を中心に紹介する. CCSPは, 炎症性サイトカインの産生抑制, phospholipase A2 inhibitorであること, また, 線維芽細胞の遊走能を抑制することにより炎症および線維化に抑制的に作用することが考えられる. さらに, 間質性肺炎のバイオマーカーになることが示唆されている. 末梢気道傷害時には分岐部のクララ細胞ないしは神経内分泌細胞が産生するcalcitonin gene-related peptide(CGRP)により細胞増殖・分化し, 気道上皮細胞を修復すると考えられる.
  • 小林 美和, 山元 修
    原稿種別: 症例報告
    2002 年 24 巻 2 号 p. 219-224
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    農業従事者に発症したスポロトリコーシス2例を供覧し, 当科で経験した11例についてまとめた. ガーデニングが流行していることから, 都市部においても, 趣味で土いじりを行う人での発症の増加が予想される. 本症を一種の職業性皮膚疾患として捉えたうえで, 農作業中の感染経路としての外傷予防を, 農家や趣味で農作業を行う人に呼びかけるとともに, 「カビ」による感染症についての啓蒙も必要である.
  • 矢野 公一, 山下 智弘, 知識 真理子, 大崎 敏弘, 杉尾 賢二, 安元 公正
    原稿種別: 症例報告
    2002 年 24 巻 2 号 p. 225-232
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    同時性食道胃重複癌の2例を報告する. 症例1は58歳男性. 検診で胃に異常を指摘され精査したところ, 表層拡大型食道表在癌も併発していた. 胃前庭部のⅠ型病変に対して内視鏡下粘膜切除施行し, 病理所見は粘膜癌であった. その3週間後非開胸食道抜去術, 胃管による再建を施行した. 現在まで約5年無再発外来通院中である. 症例2は65歳男性. 吐血のため精査で, 胸部上部食道に2型の腫瘤を, また胃体上部前壁小弯側にⅡc型病変を認め, 胸腔鏡下食道切除術, 胃管による再建を行った. 病理所見では食道, 胃いずれもsm癌であった. 食道胃同時性重複癌でも早期胃癌であれば, 根治性を犠牲にしなくても, また結腸による再建でなく, 胃管を用いた再建が可能な場合がある.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 報告
    2002 年 24 巻 2 号 p. 233-237
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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