多施設共同研究の実施を前提にして, 徒手筋力計を用いて片麻痺患者の麻痺側大腿四頭筋の筋力測定の妥当性と信頼性を検討した. 既知の重りを測定すると徒手筋力計の値は一定で正確であり. KIN-COMとの測定値もほぼ一致した. 片麻痺患者1名の測定値では, 徒手筋力計を当てる部位(足関節と7cm近位部), 椅子の背もたれの有無で有意差があり(
t-test,
P < 0.05), 膝の角度(90°と60°)には有意差はなかった(
t-test, 0.1 >
P > 0.05). 3人の片麻痺患者を3人の検者が4施行の測定を行った. 各施行とも3回筋力を測定し, その最大値を筋力とした. 測定値は患者による相違はあるが, 検者や施行による相違はなく(General Linear Model,
P < 0.001), 徒手筋力計は標準的測定手順に従えば, 妥当性があり信頼性があると考えられる.
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