Journal of UOEH
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27 巻, 4 号
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  • 川本 利恵子, 村瀬 千春, 石原 逸子, 生嶋 美春, 中谷 淳子, 原賀 美紀, 清水 遵
    原稿種別: 原著
    2005 年 27 巻 4 号 p. 305-313
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 快適職場環境の形成に香りの効果を有効的に活用するための基礎的なデータを得る目的で行われた. 実験は, 被験者である14名の女子学生おのおのに対して, レモンの香りのある実験室とレモンの香りのない実験室という2つの異なった環境下における単純加算作業の成績, 生理的変化, 気分変化を調べ, その差を比較検討した. 実験結果は, レモンの香りは作業効率を変化させないが, 疲労を軽減させ, 活力の低下を予防することを示唆した.
  • 廣瀬 暁子, 岡田 洋右, 福島 あゆみ, 田中 良哉
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 27 巻 4 号 p. 315-323
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    我々は, 両側副腎腺腫による原発性アルドステロン症に腎細胞癌を合併した稀な症例を経験したので報告する. 症例は55歳女性. 高血圧, 低K血症, 血中アルドステロン濃度, レニン活性高値より原発性アルドステロン症が疑われた. 腹部CTおよびMRIにて, 両側副腎腫大, 左腎腫瘍を伴っていたことより, 両側機能性副腎腺腫と腎細胞癌の合併と考え, 左腎摘出術, 右副腎部分摘出術を施行. 病理組織にて, 両副腎は両側機能性副腎腺腫, 左腎は腎細胞癌と診断. 原発性アルドステロン症で両側機能性腺腫を呈することは稀であり, さらに腎細胞癌を合併することは極めて稀である.
  • 安次富 郁哉
    原稿種別: 原著
    2005 年 27 巻 4 号 p. 325-338
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    ホームヘルパーの心身健康度とそれに影響する要因およびストレス対処・自我態度との関連を明らかにした. さらに, これらの結果に基づき, ストレスマネジメントの在り方を提示した. 集計対象者は女性ホームヘルパー967人で, 自記式の調査票を用いた郵送法で調査を実施した. 心身健康度については日本語版GHQ28, ストレス対処法はラザルス式ストレスコーピングインベントリー, 自我態度は自我態度スケールを用い評価した. その他に個人背景, 職務共感度, 社会的支援度, ストレスの自覚などとの関連について検討した. その結果, 心身健康度への影響要因として, 年齢, ストレス感, 職務共感度, 社会的支援度との関連が明らかとなり, ストレス対処は, 逃避型, 肯定評価型, 自我態度は批判性で関連性が示唆された. 単独労働のホームヘルパーのストレスマネジメントは, ケースマネジメントを中心とした個人特性・社会的支援からのアプローチが重要と考えられた.
  • 山本 美江子, 進 俊夫, 中園 敬生, 長田 穣二, 原口 毅, 韓 正任, 原 正義, 岡田 弘一, 野口 久美子, 松田 晋哉
    原稿種別: 原著
    2005 年 27 巻 4 号 p. 339-348
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    福岡県遠賀郡水巻町の60歳以上で自立歩行可能な者を対象とした「高齢者の筋力づくり教室(2002年9月〜2004年3月)」に参加した女性38名(平均年齢65.7歳)を対象に運動の効果について検討を行った. 教室は週1回1時間半実施され, ストレッチ, 有酸素運動, レジスタンス運動を含む内容であった. 教室の開始前および6ヵ月後, 12ヵ月後, 18ヵ月後に血圧, BMI, 体脂肪率, 最大酸素摂取量, 握力, 開眼片足立ち, 長座体前屈, 10m歩行, 椅子からの立ち上がりの測定を実施し, 反復測定分散分析での解析を行ったところ, BMI, 最大酸素摂取量以外の項目で有意な改善を認めた. 特に, 実施前の測定値を基準とした18ヵ月後の測定値の変化率(%)は, 開眼片足立ち時間121.6%延長, 椅子からの立ち上がり112.7%増加, 10m歩行30.4%時間短縮などの改善効果を認め, 転倒予防への効果が示唆された. また, 18ヵ月後も改善効果は継続しており, 運動の長期継続によって高齢者であっても改善効果が維持することが示唆された.
  • 中野 良昭, 横田 晃
    原稿種別: 総説
    2005 年 27 巻 4 号 p. 349-358
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    1980年代にはヒトの腫瘍抗原の存在が証明され, 自己である腫瘍に対して免疫応答が引き起こされることが明らかとなった. また, 最近では腫瘍に対する免疫応答を増強させ, 腫瘍の増殖や進行を抑制させるさまざまな免疫療法が試みられている. しかし, 免疫応答のみで腫瘍を拒絶することは困難であり, その理由として担癌宿主が免疫抑制状態に陥っていることがあげられる. 免疫抑制状態は腫瘍側あるいは宿主側のさまざまな要因により引き起こされると考えられているが, 依然不明な点も多く残されている. 有効な抗腫瘍効果を考える上で, 担癌宿主が免疫抑制状態に陥る機序を解明し, 免疫抑制状態を改善させることが必要であると考えられる.
  • 浦本 秀隆, 岩重 淳司, 鏡 誠治, 成松 恵, 山崎 加代子, 樺島 美佐子, 門田 知子, 篠原 義剛, 一木 孝治, 岩本 緑, 塚 ...
    原稿種別: 論説
    2005 年 27 巻 4 号 p. 359-365
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    現在, 年間総死亡の31%が悪性新生物により占められ, その数は年々増加している. 闘病中の癌患者は300万人以上いると推定され, より有効かつ安全な治療法が望まれているが, 薬物療法の進歩と臨床腫瘍学の発展により, 癌化学療法は入院から外来へと移行しつつある. 癌化学療法の対象疾患は多岐に渡り, また高い専門性が必要であったため, 今までは各診療科での臓器別治療が施行されていたが, 今後, 腫瘍専門医, オンコロジーナース, 薬剤師などによる院内横断的な癌化学療法チームによる治療が抗癌剤治療の質や安全性向上のために必要である. 当院において, 本年, 臨床腫瘍学実践部門のモデルとしての化学療法センターが誕生したので, 現時点での癌化学療法チームの特徴や方向性について論説する.
  • 寶珠山 務, 堀江 正知, 筒井 隆夫, 藤野 善久, 田中 弥生, 永野 千景, 高橋 謙
    原稿種別: 総説
    2005 年 27 巻 4 号 p. 367-376
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    2002年にわが国で過重労働による健康障害防止対策の行政指針が示されてから3年が経過し, その成果が期待されている. 本研究では, 長時間労働と心血管系疾患との関連について体系的文献レビューを実施し, 過重労働による健康障害の科学的根拠の最新の知見をまとめた. 医学文献情報データベースPub Medを用いて, 関連キーワードによる検索および所定の条件による文献の取捨選択を行い, 原著論文12編を採択した. 今回の結果から長時間労働と心血管系疾患の関連を強く支持する新たな科学的根拠は得られなかったが, 活力疲弊(Vital exhaustion)など心理社会的要因を扱ったものや交互作用項などを含む統計解析モデルを用いたものが認められ, これらの手法はわが国における今後の研究に応用できる可能性が考えられた.
  • 太田 浩嗣, 厳本 哲矢, 秋葉 大輔, 浦崎 永一郎, 横田 晃
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 27 巻 4 号 p. 377-383
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    高齢者の慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma : CSDH)を治療する機会が多くなり, 無症状のために経過を追っている症例や再発例も少なからず経験するようになった. 近年, CSDHの発生や増大の原因が血腫形成に伴う炎症反応であることが示唆され, 血小板活性化因子(platelet activating factor : PAF)の関与が指摘されている. これにより, 抗PAF作用を持つibudilastやetizolamなどを用いた再発予防や進展抑制の臨床報告が散見されるようになっている. 今回, 我々は高齢者やhight risk症例(飲酒, 高度の脳萎縮など)を対象に, ibudilastの治療効果を検討したので報告する.
  • ―産後入院中の母親の質問紙調査から―
    阿南 あゆみ, 竹山 ゆみ子, 永松 有紀, 金山 正子
    原稿種別: 報告
    2005 年 27 巻 4 号 p. 385-393
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 児の主たる養育者である母親の対児感情に影響をおよぼす要因を明らかにすることを目的として, 産後入院中の母親185名に妊娠中の出産に対する希望の有無や, 出産時の「嬉しかった事」「嫌だった事」や出産時に感じた事などと対児感情との関連を, 無記名自記式質問紙調査として行った. データの統計的解析にはSPSS 12.0 J for Windowsを使用し, 対児感情得点と設問項目の関連をマン・ホイットニーのU 検定およびクラスカル・ワーリスの検定を行い解析した. その結果, 対児感情に影響をおよぼす要因は, キーパーソンの存在がいること, 妊娠中に具体的なバースプランを持つこと, 望まれた妊娠であること, 母親が納得のいく出産であることなどが明らかになった. 今回の結果より, 思春期教育や受胎調節指導の重要性や, 母親を支えるサポート体制の確立, 出産をする場である医療機関における妊娠中から産後にかけての一貫した支援が重要であると考える.
  • 2005 年 27 巻 4 号 p. 395-404
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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