福岡県遠賀郡水巻町の60歳以上で自立歩行可能な者を対象とした「高齢者の筋力づくり教室(2002年9月〜2004年3月)」に参加した女性38名(平均年齢65.7歳)を対象に運動の効果について検討を行った. 教室は週1回1時間半実施され, ストレッチ, 有酸素運動, レジスタンス運動を含む内容であった. 教室の開始前および6ヵ月後, 12ヵ月後, 18ヵ月後に血圧, BMI, 体脂肪率, 最大酸素摂取量, 握力, 開眼片足立ち, 長座体前屈, 10m歩行, 椅子からの立ち上がりの測定を実施し, 反復測定分散分析での解析を行ったところ, BMI, 最大酸素摂取量以外の項目で有意な改善を認めた. 特に, 実施前の測定値を基準とした18ヵ月後の測定値の変化率(%)は, 開眼片足立ち時間121.6%延長, 椅子からの立ち上がり112.7%増加, 10m歩行30.4%時間短縮などの改善効果を認め, 転倒予防への効果が示唆された. また, 18ヵ月後も改善効果は継続しており, 運動の長期継続によって高齢者であっても改善効果が維持することが示唆された.
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