Journal of UOEH
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29 巻, 3 号
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  • 大森 久光, 野波 善郎, 三原 修一, 丸林 徹, 森本 泰夫, 相澤 久道
    原稿種別: 原著
    2007 年29 巻3 号 p. 209-219
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    日本における慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率に関する先行研究の報告は少ない. よって今回の研究では, 健常者が多く受診する健康診断(人間ドック)におけるCOPDの有病率について40歳から69歳の13,534名(男性8,583名, 女性4,951名)を対象として調査した. スパイロメトリーの結果を解析し, forced expiratory volume in 1 second(FEV1)/forced vital capacity(FVC)<70%により気流制限の有無を, Global Initiative for Chronic Obstructive Pulmonary Disease(GOLD)のガイドラインに従って重症度を判定した. 問診により気管支喘息, 呼吸器疾患の既往・合併症のある者および粉塵暴露歴のある者は診断から除外した. その結果, 全受診者の7.0%に男性の9.1%, 女性の3.3%に気流制限を認めた. 気流制限を有する者の重症度は男性では軽症7.06%, 中等症1.92%, 重症0.10%, 最重症0.00%であった. 女性では軽症2.67%, 中等症0.63%, 重症0.02%, 最重症0.00%であった. 男女とも最重症例はいなかった. 事前にCOPDと診断されていたのは気流制限を有する者の中で10例のみであった. 今回の調査により健康診断時のスパイロメトリーを用いたスクリーニングにより, 多くの未診断のCOPD患者が検出された. そのほとんどが適切な管理を受けていないことが示唆された. COPDの早期発見, 早期治療介入のためにスパイロメトリーを実施することが重要である.
  • 岡井 康二, 佐藤 英介, 岡井(東) 紀代香, 井上 正康
    原稿種別: 原著
    2007 年29 巻3 号 p. 221-233
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    著書らは以前に環境ホルモンのノニルフェノール(NP)が単離されたヒト好中球の活性酸素(ROS)産生を高め, さらにその作用がいわゆるシグナルトランスダクション経路の活性化を介して起こる事を報告した. 本研究では, ヒト末梢血に直接NPを添加した場合のROS産生の様子について分析した結果, 末梢血のROS産生に対するNPの有効濃度は単離された好中球の場合に比べて10倍以上高濃度であったが, そのROS産生量は逆に1/10以下に低下した. しかし低濃度のNPが存在するとオプソニン化ザイモザンやフォルボールエステルなどの炎症誘導剤に対する感受性が高まりNPと炎症誘導剤の協同作用が認められた. さらにこれらのNPによるROS産生は活性酸素消去酵素(SODやカタラーゼ), 抗酸化物質(α-トコフェロールやβ-カロテン), またROS産生に関与するNADPHオキシダーゼやミエロペロキシダーゼの阻害剤, あるいは様々な種類のプロテインキナーゼの阻害剤によっても抑制効果が観察されたが, ミトコンドリアの呼吸機能阻害剤では有意の抑制効果は認められなかった. 以上の結果はNPはヒト末梢血においてもプロテインキナーゼカスケードなどのシグナルトランスダクション経路の活性化を介してROS産生を高める事が示された.
  • 山崎 文夫, 白木 啓三, 遠藤 豊, 佐川 寿栄子
    原稿種別: 原著
    2007 年29 巻3 号 p. 235-245
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    下半身に陰圧(LBNP)を負荷すると, 下肢に静脈血が貯留し, 血液量(BV)は減少する. 本研究の目的は, LBNP中のBVと四肢容量の動的変化を調査することであった. 健康な8名の男性被検者を対象として, -15と-30mmHgのLBNP中に血液密度(ρb)を連続測定した. ρb測定のため, 40分間の測定期間中(10分間のコントロール期, 10分間のLBNP期, 20分間の回復期)に血液を肘前静脈から連続的に採取した. 密度は機械的振動法で測定し, 上腕と下腿の周囲長の変化はストレインゲージプレチスモグラフィーで測定した. ρbはLBNPの開始に伴って減少してから増加に転じた. -15mmHg負荷時のρbの最大減少値(-0.35 ± 0.04g/ℓ)は-30mmHg負荷時のそれ(-0.42 ± 0.05g/ℓ)と差がなかった(P = 0.47). LBNP開始からρbの最大減少までの時間(2.9 ± 0.3min)は, -15と-30mmHgの負荷間で差がみられなかった(P = 0.50). いずれの負荷強度においても, ρbはLBNP終了後2.5±0.2分間増加し続けた後にコントロールレベルまで回復した. -30mmHgのLBNP後のρbの最大増加(1.34 ± 0.07g/ℓ)は-15mmHg負荷後のそれ(0.57 ± 0.06g/ℓ)より有意に大きかった(P < 0.001). LBNP中, 負荷強度に依存して上腕周囲長は減少し, 下腿周囲長は増加した. これらの結果から, LBNPは強度依存性にBVを減少させるが, その最大減少出現時間は強度間で差がないこと, LBNP初期の血液希釈効果には強度の影響が見られないこと, およびLBNPは強度依存性に上半身から下半身へ血液の移動を引き起こすことが示唆された.
  • エイチ エー アブダーラーマン , エス ヌザイール
    原稿種別: 原著
    2007 年29 巻3 号 p. 247-258
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    多くの種類の環境中の毒物が生体に曝露されるとDNAの損傷を引き起こし, これがアテローム性動脈硬化の病態生理に重要な役割を持っている. 冠状動脈硬化症による突然死を引き起こすいくつかの環境中毒物の8-OHdGのレベルにおよぼす影響を調べる為に, 高い若年死を示す職場や地域に住んでいる人から, 尿を採取し, 8-OHdGのレベルを測定した. 108人の被験者と45人の正常コントロールを解析した結果, 職業, 習慣, 居住地, ワークシフトに関連して, 8-OHdGのレベルが優位に高くなっていた. 正常コントロールの平均 ± 標準偏差は4.5 ± 2.3ng 8-OHdG/mgクレアチニン(n = 45)に対して, タクシー運転手では9.1 ± 3.1ng/mg(n = 9), 化学工場労働者では10.0 ± 5.5ng/mg(n = 9), ガソリンスタンドの労働者では14.6 ± 11.1ng/mg(n = 15), セメント工場労働者では15.0 ± 6.1ng/mg(n = 15), 市内中心部の居住者では16.4 ± 3.2ng/mg(n = 18), 喫煙者では18.6 ± 3.2ng/mg(n = 15)であった. この調査は, まだパイロットスタディーにすぎないが冠動脈硬化症による突然死と8-OHdGの間に何らかの関連があることを示唆している. この研究はDNA傷害のバイオマーカーとして8-OHdGを測定することが重要であり, 心血管系に長期間影響をおよぼすかもしれない環境因子の重要なマーカーになることを証明したものである.
  • 大森 久光, 佐多 桂子, 西東 龍一, 三原 修一, 丸林 徹, 成松 明子, 河中 功一, 冨口 静二
    原稿種別: 症例報告
    2007 年29 巻3 号 p. 259-263
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    低線量ラセンCTによる肺癌検診にて発見された肺葉内肺分画症の一例を報告する. 症例は52歳男性. 自覚症状はなく胸部X線検査にて明らかな異常陰影は指摘できなかった. CTにて右下葉S10に結節状の異常陰影を認めた. この陰影の内部には胸部下行大動脈より分岐する異常血管の存在が疑われ, 肺分画症が示唆された. 造影multidetector CTにて胸部下行大動脈より分岐する異常動脈の存在が確認され, 右下葉の異常陰影に流入後, 右下肺静脈に還流しており, 肺葉内肺分画症と診断された. 胸部造影multidetector CT検査が診断に有用であった.
  • 月野 浩昌, 大森 久光, 合志 清隆, 山野 優子, 加藤 貴彦
    原稿種別: 総説
    2007 年29 巻3 号 p. 265-289
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    喫煙は尿路上皮がんの主要な原因の一つであるが, すべての喫煙者ががんに罹患するわけではない. この事象から, 尿路上皮がんのリスク要因として, 遺伝的背景の存在が示唆されてきた. タバコの煙には多くのがん原性化学物質が含まれており, これらは第Ⅰ相, 第Ⅱ相の薬物代謝酵素によって活性化, 解毒される. 従ってDNAと反応する究極がん原性物質の量は, 活性化と解毒の代謝的バランスによって決定されると考えられる. 近年, 薬物代謝酵素には遺伝子多型の存在が明らかとなり, シトクロームP450, グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST), N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT), スルフォトランスフェラーゼの遺伝子多型と尿路上皮がんとの関連性に関する多数の分子疫学研究が実施されている. GSTM1遺伝子欠損型, NAT2遅延型では軽度のリスクの上昇が報告されているが, 他の薬物代謝酵素との関連性については一致した結果が得られていない. これらの関連性を明らかにするためには, 優れた研究デザインによる大規模研究が必要である.
  • 堀田 裕之, 黒田 悦史, 蜂須賀 徹
    原稿種別: 総説
    2007 年29 巻3 号 p. 291-302
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    生殖免疫学の原点は, 半同種移植片(semi-allograft)である胎児が何故拒絶されないのかという免疫学的妊娠維持機構の解明にある. 1953年にMedawarがこの免疫学的矛盾を指摘して以来, 多くの研究者達がこの命題に取り組んできた. その結果, 妊娠の成立維持には単なる免疫寛容ではなく, 免疫系が積極的に胎児抗原を認識する事immunotrophismが重要である事が分かってきた. さらに着床, 妊娠維持におけるleukemia inhibitory factor (LIF)を始めとするサイトカインの重要性やTh2優位なサイトカイン環境の重要性なども分かってきている. しかしながらこれらサイトカインの生殖現象に対する分子生物学的なメカニズムは不明な事が多い. これらメカニズムの解明は不妊症や習慣流産などに対する将来の臨床応用に役立つものと思われる.
  • 村上 朋絵, 小山 倫浩, 一瀬 豊日, 奈良井 理恵, 金岡 麻希, Thi-Thu-Phuong PHAM, 川本 俊弘
    原稿種別: 総説
    2007 年29 巻3 号 p. 303-388
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
    職業性アレルギーは, 原因不明のアレルギー疾患として治療されていることが多い. しかし原因となる感作性物質を同定し, 曝露を受けないようにすることが根本的な治療となる. 従って, 産業医学的な対策として, 感作性物質の情報を得ることは重要である. 本研究では感作性物質の情報として, 日本産業衛生学会, ACGIH, DFG, EU, PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善に関する法律)および日本職業・環境アレルギー学会特設委員会で評価されている感作性物質についてまとめた. 感作性, 刺激性又は経皮吸収のいずれかを有すると評価されている物質は化合物として包括されているものや混合物も含め1389物質存在した.
  • 産業医科大学
    原稿種別: 報告
    2007 年29 巻3 号 p. 389-390
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2017/04/11
    ジャーナル フリー
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